猫耳少女と召使の物語@wiki保管庫(戎)

探偵にゃんこーの厄日04

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探偵にゃんこーの厄日 第4話

 
 
自分の机で、糞安い酒をちびりちびり飲みながら俺は今回の事件を説明することにした。
安っぽいテーブルの向こうには、今回の仕事に協力したいという、金持ちのボンボンが居る。
 コイツの名前はジョン・ボナルタ、どうやらヒト狂いメアリーの婚約者らしい、
まあアレだ、所謂政略結婚という奴だ
一応ボナルタ家は名家と行っても良いが、すっかり日が翳って久しい貧乏貴族だ、
一代で財を成したメアリーに取り入りたいというのは、まあ、分からないでもない。
 本来ならこんなボンボン、足手まとい、
下手したらどっかのヒト召使よりも無能かもしれない阿呆なんぞに手伝わせるのは
死んでも御免なのだが、札束をセットでくれたので、妥協することにした
いやはや、金の魔力とはすさまじいものである。
メアリー家のヒト召使、アンヘルの殺害事件は、スラム街の一角、
雑種区といわれる場所に位置する
 しかし、この時点で先ず不可解な点が出来る
雑種区の糞狗共の中には変態なんぞ、枚挙に暇が無いほど居るし
俺自身、奴らの犯行だとばっかり思っていたが
奴らが、身代金も要求せずに、ヒトを殺すなんて事は先ず有り得ないのだ、
なぜならあの雑種共にとって金はまさしく天の助けであり、
何者にも換え難い高貴なものなのだ、人間的な徳を捨て去ったとはいえ
まさか金に対する忠誠まで捨て去るとは思えないというのが本音だ。
 そのため、地道に足で稼ぐしかないわけだが、それにもまた問題が生じる、
雑種区は 極めて封鎖的で、猫が立ち入れば、嫌でもトラブル の元になってしまうのだ。
雑種区、それは、犬国の底辺である雑種達が一角千金を夢見て、
自由の国、猫の国に来たのは良いものの、学もなし、技術もなし、あるのは丈夫な体だけ、
なんて脳みそが蟻んこにすら匹敵しそうなどうしようもない役立たずが
マトモな仕事に就けるわけも無く、
犬国で与えられる仕事よりもさらに過酷な肉体労働にかかることになり、
ドロップアウトして、犯罪者に転身した野良犬どものたまり場である。
 自分達がどうしようもないのは金が無いせいだと考えている彼らは、
小銭のために猫殺しだろうがなんだろうが引き受ける、
その上お互いのネットワークが強いせいで、部外者の存在を察知しやすく、実に質が悪い。
 其のせいで、今では警察でも踏み入る事が困難な無法地帯と化している。
 死体を見つけ、回収する程度なら何とかなったが、
本格的に調べると成ると、俺でも無事で済む保障がまったく無い。
 ゆえに、今現在、向こうで活動しているギャングの一つの頭と交渉して
場所を空けてもらえるように頼んでいるところだ。
「そんなまどろっこしい事をしないでも、君は元特殊部隊なんだろ?
力づくでトラブルなんて蹴散らしちゃえば良いじゃないか」
俺が懇切丁寧に説明してやっているというのに、この盆暗まったく理解していない
狗が集団組んでるんだぞ?狗が、単体でごり押しするにゃいくらなんでも装備がたらねえよ
「それはかいかぶりって奴さ、ほら、猫国には戦闘慣れの軍隊なんざいねえし」
半分事実、適当に集団魔術を相手の首都圏へぶっ飛ばせばたいていの揉め事はカタが付くしな
「もちろん、手前がが金で誰かを雇ってくれるなら、ごり押しでも出来るけどな」
コイツが勝手に消耗する分には俺は一向に構わんのだ。
「・・・・あー、ごほん、まあ、此方でも調べておくから、何か分かったら教えてくれ」
ぼんくらは目をそらしながらそうのたまった
明らかに手柄だけ掻っ攫う気だ、こいつ。
 
 
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 晩御飯の買い物を済ませ、商店街を見て回る
如何せん金が足りないため、あまり 高額の品は購入することが出来ないが、
見て回るだけでも、まあそれなりに胸が弾む
私も、女の子なのだ、こういうアクセサリとかを見ると其れだけで時間がつぶせる
 服は趣味に合う物が少ないため、あまり見るものは無いが
(如何せん、人間用はひらひらしすぎな上
猫用の御尻に穴の開いたズボンは基本的に履けない、パンツ見える)
アクセサリーは結構良いのが多いのだ・・・・・まあそれでも、 金属類が多すぎて今一つなのだが。
 それ以前にお金が無くて買えない、お金持ちの召使はこういう所にお金を使ってもらえそうで、
そこだけは少しうらやましいかも知れない。
 そんなこんなでだらだらしていると、通りの向こうから怒鳴り声が聞こえる
そして、懐一杯に果物を抱きしめた、小さい獣頭の怪生物・・・・もとい、この世界の少年
おそらく犬なのだろう、この国に居る犬は大きく二つに分けられる、
一つは、ちゃんとした教育を受けさまざまな技能を持って、
猫の国の企業に就職している血統ある犬、そして、教育を受けていない雑種野良犬
まあ、万引きなんてするのは、後者と見て間違え無いだろう。
 この国でも、雑種に人権は無い、最悪、人間よりも下に見られてる感すらある、
もちろん、しっかりとした所で仕事をしているなら話は別なのだろうが。
基本的に犬がそこらへんでのたれ死んで居ても誰も気に留めない、
事実、先日私は、道の端に倒れている犬の子供に、カラスがたかって居る所を目撃している
あの時は特に意識していなかったが、アレは多分、死体だったのだろう。
 また悪い虫が疼きだした、コイツはいつもなんの得にもならない、
ろくでもない事を私にさせようとするのだ、そして大抵私は抵抗できない
困ったものだ。
 私の横を少年が通り過ぎた後、私はわざとふらり、とその背中を隠すように移動した。
 がつん、というやたら鈍い音が聞こえた、
まあ、ヒトと猫が衝突すれば、自動車とまではいかないでも
自転車に轢かれる程度の衝撃は来る、したたかに背中を打った所為で声が出ない。
 まあ、そういう計算で移動したのだから文句は無いのだ
仰向けのまま後ろを見ると、犬の少年が驚いたように立ち止まっている、
目で「さっさと行け」と訴えると、得心が行ったのか、そのまま走り去って行った。
 私にぶつかった果物屋の亭主は、
私がヒトだという事に気が付いたのだろう、心配そうに此方を見ている
其のころには漸く口が聞けるようになったので。
 「すみません!、気分が悪くなってしまって」
と、小心者の少女の振りをして謝った。
 店主は暫く憤懣やるかたないと言った様子で、足を踏み鳴らしてから脱力し
「まあ、いいよ、君には悪いことをしたね、ご主人によろしくと伝えておいてくれ」
そういうと、一礼して帰って行った。
・・・・・?、なんか反応が可笑しかったな、
ご主人によろしくって、私の主人を知ってないと出てこない台詞だよなあ、
家のご主人が商店街でも有名人、とは思えないし。
 で、私が逢ったほかの猫というと、メアリーさんくらいしか居ないわけで、
ひょっとしなくてもそちらがご主人と誤解されてる?、なんでだろう
 
暫く考えていると、心当たりに気が付いた。
 今付けてるブローチ、メアリーさんから貰ったものだった、
先日貰った紙袋の中に バイブと、人間用媚薬と一緒に入っていたのだ、
セットになっているものはともかく、ブローチはデザインも良いからつけてきたんだ。
 ひょっとしなくてもこれが原因なんだろうか?、まあ、其のうち聞いて見れば良いか。
 恐ろしい事にすでに一通郵便ポストに入っているのだ、招待状。
 
 
 

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