猫耳少女と召使の物語@wiki保管庫(戎)

プロジェクトなんたら

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プロジェクトなんたら ~挑戦者達~ 兵器開発編


ここは狐耳国の花火職人のお家です。
今日はヒトの子供がお話をしに来ています。
この子供はまだ小さく、最近狐耳国に落ちてきたばかりです。
ですがこの国ではヒトの知識は貴重なものとされ、こんな小さな子供の言葉も真剣に聞く人がたくさんいます。
なにせ狐の大好物の油揚げやお酒、うどんといった嗜好品が現在の形になるには、ヒトの知識が大いに役立ったからです。
さすがに四の国島のようなマレビト信仰はありませんが、それでも他国に比べればヒトの立場は比較的良いものと聞きます。
お話を聞いているのは年老いた二尾狐の花火職人(打ち上げ花火の技術も実はヒト由来だそうです)で、ヒトの子供の話を興味深げに聞いています。

「せんこう花火?」
「うん! はなびのおわりにね、ぜったいにするの!」
「ふうむ。儂に作れるものじゃろうか」

せんこう花火。
花火の中でも必ず最後の締めに使われる、と言う事から、かなり重要な物のようです。
手持ち花火の中でも有名なようですが、この老職人、打ち上げ花火一筋でやってきたためか手持ち花火の知識がほとんどありません。

「ぱちぱちっていって、さいごにおちるんだよ」
「むむむ。落ちるのか」
「うんっ! そしたらはなびはおわりなの」

腕組みをしながら深く頷く老職人。
老職人にとって花火とは打ち上げる物であって落とす物ではなかった所に落ちる花火の話を聞き、何やら感じる所があったようです。

しばらくしておもむろに腕組みを解くと、子供の頭に手を乗せ、少し乱暴なほど力強く撫でます。

「まあ菓子でも食ってけ、坊主」
「ありがとー、おじいちゃん」

ぱたぱたと駆け去っていく子供の後姿に相好を崩しながら老職人は呟きました。

「…穿孔花火か」

こうして狐耳国は大陸一早い対装甲砲弾…成形炸薬弾の開発に成功しましたとさ。
どっとはらい。



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