猫耳少女と召使の物語@wiki保管庫(戎)

嘘つき兎が召使いの物語§外伝1

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嘘つき兎が召使いの物語 外伝第1話


ここ兎の国アトシャーマにも、バレンタインデーらしき風習はあったりする。
元をたどれば、どこの国にも1年に1回くらいある親しい人に贈り物をするごく普通のイベントだったのだが、
猫国からの商業主義の波が到達してしまったことで、いくらか現金な風習となってしまった経緯がある。

「お嬢さま、もう少し火を強めますか?」
「う~ん。このままでだいじょうぶかな」

早朝、台所にて何やら調理をしているウサギが2人。小さいほうがマシロ嬢。大きいほうが従者のクローディア。
二人してお揃いの花柄エプロンを身につけ、コンロの前で何やら白い液体を煮詰めていた。
そして漂う“クリの花”の香り。

「ふぁあ……いいにおい……」

もはや漂うというよりもあたりに充満していると表現するほうが正しいくらいだが。

マシロは木ベラを手に、白くどろっとした液体が焦げないように片手鍋を揺らしている。
いまマシロが作っているのは、親しい人にプレゼントするためのチョコレートだった。
今行っているのはチョコレートに入れる隠し味。
しかし、そのまま入れると味は隠せても匂いが隠せないので、煮詰めて匂いを飛ばそうとしているのだった。
すぐ横には刻んだチョコレートが用意されている。匂いが飛んだら鍋に入れて溶かすのだ。

「んっ……ん……」

そして漂う“クリの花”の香り。
匂いに当てられたのか、マシロ嬢の頬もいくらか赤く、吐息も艶めかしいものになり始めていた。
強烈な香りがあたりを満たし、肌にしっとりと染み込んできているような錯覚さえ受ける。
きっと今日のおふろまで匂いは取れないんだろうな、と二人はそれぞれ思った。

「……お嬢さまがそうやっている姿を見るのは、初めてですね」
「ふぇ?」

後ろからマシロを見守っていたクローディアが、ふと呟いた。
マシロは手は止めずに、きょとんとした表情で後ろを振り返る。

「いえ。お嬢さまが薬の調合を行っている姿、そういえば私は記憶にないなと思いまして。
 それに……魔女は、にやりと笑いながら鍋をかき混ぜているというイメージがあったのですが……」
「あはは。調合っていっても大鍋をかき混ぜるとかってあまりないよ」
「あら、そうですか。すみません」
「それに、私は調合が専門じゃないから薬はあまり作らないし……本家にいたころは結構作ってたけどね」
「本家のころですと、私が赴任される前ですか。ならおそらく見たことはないですね」

“本家”はマシロの実家。今マシロたちが住んでいるのは、本家から離れたところに建つ小さな家だ。
2階がマシロの作業部屋、通称“アトリエ”。
魔女の秘密がいっぱい詰まった秘密基地。迂闊に入るとヒドイ目に遭うので止めておくべきだ。もちろん性的な意味で。
性的に暴力的な才能を発揮するウサギがなお“酷い”と形容する仕打ち……普通の人が想像できなくても無理はないだろう。

「じゃあ……久々に作っちゃおっかな。超強力な媚薬とか。
 クーがおま○こぐちゅぐちゅにしてエッチな声で誘うの、最近みてなかったしね」
「私が実験台になること前提ですか。薬で乱れるのはあまり本意ではないのですが……」
「薬使うと、頭の中が ラ ヴ でいっぱいになるよ?」
「……うっ。それはそれで喜ばしいような」

クローディアの頬も、マシロ同様ほんのりと朱に染まっていた。
きっとあたりに立ち込めるクリの花の香りに当てられたのだろう。
この匂いを嗅いで興奮しないウサギなんているのだろうか。二人の頭の中は、すでに精液のことでいっぱいだ。
早く作り終えておま○こしたいなぁ……なんて考え始めているに違いない。違いないったら違いない。

「あ、お嬢さま。そろそろ良いのではないでしょうか」
「は~い」

鍋の白い液体は沸騰まぎわだった。
ねっとりした液体が泡立つ光景はトラウマになりそうだが、匂い消しはもうそろそろ頃合だろう。
火を止めて、細かく切っておいたチョコレートをざらざらと流し込んでいく。
白い液体に茶色の固形物が混ざり、何ともいえない色合いを醸し出している。
これから、チョコが溶けて色むらが無くなるまで木ベラで混ぜていくのだ。

「……えへへ。ちょっとだけ味見してもいいかなぁ」
「ちょっとだけ、ですよ?」
「は~いっ!」

ヘラに付いた熱いチョコの液体を息で冷ましながら、マシロは顔をほころばせる。
ちろっと伸ばした舌が、木ベラを軽く掠めて……。

「う~まいっ!」

テーレッテレー!

「ふふ。味はちょうど良さそうですね」
「うんっ。良い感じになってるよ。……あ、でも、もうちょっと甘いほうが好みかなぁ」
「それじゃあ、粉砂糖をまぶしたらちょうどいいでしょうか」
「うんうんっ!」

出来上がりを楽しみに思いながら手を動かしていく。
次第に混ざり合う白と茶色に、わくわく感はどんどん膨らんでいった。

相変わらずあたりにはザーメンの凄まじい悪臭が充満していたが。


数刻の後。精液臭の充満するマシロ亭ダイニングキッチン。
チョコは既にバットに流し込まれ冷蔵庫の中。あとは冷えるのを待って、切り分けて粉砂糖を塗せば完成だ。

「あっ! あはっ! クー、そこっ! そこぉ!」

甲高い嬌声が響き渡る。
椅子に座ったクローディアの上にさらにマシロが腰掛けた形。
マシロは背中をクローディアに預け、股間をまさぐる相手の指に陶酔している。

「お嬢さま、イき急いではいけません……もっと深く感じてください……」
「うんっ! あっ! あっ! ゆびっ! ゆび、すごいのっ!」

クローディアの中指が、マシロの中に埋められ、Gスポットをひたすら擦り上げていた。
親指の付け根で肉豆を揉むように圧迫し、股間全体に愛撫をくわえていく。
左手は、マシロの左足を高く上げさせて抱きかかえるように拘束し、さらに小さな胸を揉みしだいている。
マシロは口から唾液を、足の付け根から愛液を滴らせ、与えられる快感に酔いしれていく。
限界はあっというまにやってくる。

「ああっ! あっ! あ゛っ! あ゛っ! あ゛っ!」

断続的な悲鳴をあげて、マシロが身体を痙攣させた。
秘所から吹き出した潮が、クローディアの手のひらに当たってびちゃびちゃと音を立てている。
クローディアは、自分の膝からマシロが転げ落ちないように、優しくマシロの身体を抱きしめた。
そして膣肉がくわえ込む指を、さらに大きく動かして、マシロの雌穴をぐちゃぐちゃにしていく。

「クーっ! くーっ! ゆびとめてっ! イってるっ! いってうっ!」
「お断りいたします、お嬢さま……。私の指で、存分にお狂いください……」
「うあああっ! くるうううっ! おかしくなううっ! くうううっ!!」

頭を振りながら必死に快感から逃れようともがく小さな少女を愛しく想い、
クローディアは膣内をまさぐる指を3本に増やす。

「ふぁああああああっ!! あああっ! ああっ! ああああああああっっっ!」

増やされた指をぎゅっと締め上げながら、マシロは絶叫した。


絶頂地獄から解放されたころには、マシロの腰は完全に砕けてしまっていた。
半ば放心状態でぐったりしている。目には涙、口には涎、顔は上気し肌には汗が、
そして二人の股間は、マシロから吹き出した潮でびしょびしょに汚れていた。
スカートを脱いでいたマシロは兎も角、クローディアは着替える必要があるだろう。

「……すみません。少々やりすぎてしまいました。
 その……最近、お嬢さまはユーヤさんとばかり戯れていらっしゃいますので」

クローディアはクローディアで、悶々と溜まっていたものがあったらしい。
ちなみに今の情事は、今だあたりに濃く立ち込める精液の臭いがトリガーだった。
どんな兎といえどもザーメン臭を嗅がされて正気でいられるわけがない。本能がくすぐられてしまうのだ。
二人ともそれを承知で、チョコに入れようなどと考えてしまったのであるが。

くたっと手足から力を抜き、自分に身を預けてくるマシロを今一度いとおしく想い、
クローディアは自らの主人の大きな兎耳に、そっと口付けを行った。

「おはようござ……うぐっ!」

マシロの部屋のドアが開き、パジャマを来たヒトの少年が姿を現す。
ユーヤが起きてきたのだ。微妙にお寝坊さんなのは、他ならぬマシロ嬢のせいだろうか。
そのユーヤは、挨拶もそこそこに立ち込める精液臭に顔をしかめている。

「何ですかこの臭いは……」
「あ、すみません。生チョコを作っていたものでして」
「……まさか、チョコに、精液ですか……」

唖然とするユーヤ。
対してマシロとクローディアは、そろって一瞬きょとんとした表情を浮かべ、
そして二人揃ってくすくすと笑い出していた。
今度はユーヤがきょとんとする番だった。クローディアが笑いながら解説していく。

「精液? いいえ、アフアです。南国で採れるくだものですよ」
「えへへ。もしかして精液のほうがよかった?」
「……いえ、普通のくだものならば良いんです。……精液はちょっと勘弁してください」

アフアの実。
南方原産のくだもので、搾った汁は見た目・質感・臭いともに精液と酷似しているという性的に困った特徴がある。
ただ、ちゃんと味は甘いらしい。食べた人によると食感はまろやかで、味はバナナとリンゴの中間くらいだとか……。
本来は南国の果物なので、ここ極寒の地アトシャーマではあまり見かけることのない本当に貴重な一品だったりする。
誰かに渡すプレゼントとしては最適……なのだ。うん。たぶん。きっと。

ともかく、精液ではなかったことにユーヤは安堵の溜め息をついた。
しかしマシロは何やら不満なようで。

「えー!? 精液キライなんだ。おち○ちんミルク、クセあるけど美味しいのに……」
「お嬢さま。人の好き好みに文句を言ってはいけませんよ」
「う~ん……」

クローディアが、マシロの頭を優しく撫でながら嗜めている。
マシロは幾らか何かを考えていたようだったが、ほっとクローディアの膝から飛び降りて。

「……ご主人。それじゃ、えっちなこと、しちゃおうか」

ユーヤの身体にぽふっと抱きつきながら、そう呟いた。

「っ!? お嬢さまっ!?」
「だいじょうぶ。ユーヤにせーえきの味を教え込もうなんて、ちっとも思ってないよっ!」
「ぜんぜん信用できませんっ! それから、なんで下が真っ裸なんですかっ! それと腰振らないでくださいっ!」

先ほどクローディアとナニしてたままの、下半身に何も身に着けていないマシロ。
ユーヤの身体に抱きついたまま、円を描くように腰を踊らせて誘惑している。

「クー、チョコ、よろしくね」
「はいお嬢さま。後はお任せください」

クローディアも椅子から立ち上がり、情事でしわしわになったスカートを手で直す。
マシロの体液が染み込み、おもらししたようにも見えてしまうが、まあ気にしない気にしない。

「お嬢さまっ! 僕、まだ朝ごはんも……」
「やだぁご主人。朝ごはんは“私”だよ? おま○こ、いっぱい味あわせてあげるからね」

顔を赤くしながら、ぐいぐいとユーヤの身体を押していくマシロ。
ユーヤはそのまま流されるようにマシロの部屋へと連れ込まれてしまい、そしてドアが閉じられた。
鍵が掛かる音も聞こえる。ついでにユーヤの可愛らしい悲鳴も聞こえてきた気がする。

「さて……お鍋を片付けちゃいましょうか」

チョコが冷えるまで、まだだいぶ時間があるだろう。
クローディアはコンロの上に置かれたままの、片手鍋を手に取った。
いくらか冷めかけのチョコが、少しだけ鍋の底に残っている。
そっと指ですくい、味見がてら舌で舐めとった。

「…………ちょっと臭い抜きが足りませんでしたか。
 それに、もう少し入れても良かったかもしれませんね。お嬢さまのラブジュース」

それでも舌の上でとろけるような美味しさが広がっていた。

チョコが出来たらみんなで分けて食べよう。
いつもと同じの、けどいつもとはちょっと違う光景を思い浮かべ、
クローディアは笑みをこぼした。


 嘘つきウサギが召使いの物語
                §外伝1.生臭い贈りもの
 ~fin~


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