猫耳少女と召使の物語@wiki保管庫(戎)

The snake under the bed

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The snake under the bed

 
 

 そこまで広くはないマンションの一室でも、いざ徹底的に掃除してみようとすると結構大変です。最後に残しておいたベッドの下から這い出ると、時計の針はもうそろそろご主人様が帰ってくる時間にさしかかろうとしていました。そういえば外ももう真っ暗で、窓からは猫の国らしく帰宅を急ぐ様々な人種のサラリーマンが見えます。

 ……噂をすると影が差す、ドアの音から察するにご主人様が帰ってきたようです。私は乱れた髪を手櫛で軽く整えると、玄関へお迎えに行きました。

 私が玄関に着くと、タイミングを計ったようにドアが開いて、

「きゃっ」

 ご主人様が私に倒れかかってきて、私を抱いたまま空中で回転して下になって、そのまま床に頭をぶつけて気絶しました。

 ……何を言っているのか分からないと思いますが私自身もまだよく事態を飲み込めていません。申し訳ありませんが何回か読み返して図でも描いてみてください。さすがご主人様、私達にできないことを平然とやってのけます。そこにシビれませんしあこがれません。

 とりあえず私を抱くご主人様の手から逃れようとしましたがこれ結構重いです。私の細腕では手に負えません。仕方ないので可哀相でもないご主人様を観察する事にしました。

 ご主人様は蛇人です。最初見たときは首から上がにょろりとしていたり鱗びっしりだったりでとにかく怖かったです。そもそも私、小学生の頃はきゃーきゃー言いながら、いじめっ子に投げつけられたアオダイショウをお返しとしてお尻の穴に突っ込んであげるような、そんなよくいる女の子でしたので。爬虫類は基本的に苦手です。

 平素は何を見ているのか分からないご主人様の瞳も、今日はてんでばらばらに明後日の方向を見つめていて、いつもとはまた違った怖さがあります。舌がちょろんとはみ出ているのを差し引けば、ですが。

 ……今気がつきましたがご主人様すっごく酒臭いです。どうせまた会社の同僚と飲みに行って来たに違いありません。口を開けばおっぱいおっぱいとやかましいこんな変態と友好関係を築ける会社の同僚さんは本当に素晴らしい方なのでしょう。私的な見解としては変態が会社勤めをできるこの猫の国は意外と労働環境が整っているのかもしれません。

 

 失礼、無駄話が過ぎました。悪口ばっかり言っているように見えるかもしれませんが、私基本的にご主人様のことは好きです。私をちゃんと一人の人格を持った人間として扱ってくださいますし、きちんと会社勤めをして衣食住しっかり養って下さいます。変態さんでおっぱい星人で間抜けでなかったら非の打ち所がありません。

 こうやって今気絶しているのだって、倒れる際に私を庇ってくれたからこそ。常日頃の思いがなければ咄嗟にできることではありません。もとはと言えばご主人様が悪いんですが。

 

 とりあえず。

 

 いい加減起きていただく為に、私は股間を優しく殴りつけました。

 

 

「う゛う゛う゛う゛う゛う゛~」

「いいじゃないですかご主人様。どうせ体内に収納されてるんですし、二本あるんですし。一本ぐらいなくなっても私は困りませんから」

 私の一撃で目覚めたご主人様は大変恨みがましく私を睨んでいらっしゃいます。右手は股間、左手は頭、どちらも痛むようで。

 そのまま動きたくないご様子でしたので、私が台所から氷枕を取ってきて頭を冷やしてあげます。

「つーめーたーいー」

「そうですね。さあ起きてベッドに行って寝ましょうか」

「ん~」

 ご主人様は起き上がろうとして失敗し、面倒くさくなったのかずりずりと廊下を這い出しました。まさしく蛇です。今日掃除したばかりの廊下も高めのスーツで磨かれて輝いています。

 横着して尻尾でドアを開けようとするご主人様を制して、私はさっきまで掃除していた寝室のドアを開けました。掃除用具が置かれている中をご主人様は這い進み、遂にベッドに辿り着いて……  

……その下に潜りこみました。

「ご主人様、前にも言いませんでしたっけ?」

「ん~?」

 ベッドの下の暗がりからはスーツやシャツ、靴下、パンツまで服一式吐き出されてきました。つまり今のベッドの下には裸の雄の蛇人が一匹潜んでいる事になります。そして同じ部屋にはか弱い美少女が一人。どこぞのB級ホラー映画のようです、ああ怖い。美少女にはちょっと疑問点がつきますから美女と訂正しておきましょう。

 それはともかく、ご主人様に大事な約束を思い出させないといけません。いくら酔っ払っているとは言えど。

「約束しましたよね? ベッドの下で寝ない脱がないエッチしないって」

「ん~」

「ん~じゃないです。駄目なものは駄目です。さあ出てきて……っきゃぁ!」

 ああ、なんということでしょう。ベッドの下から伸びてきた尻尾に絡め取られ、あわれ私は暗闇へと引きずりこまれてしまいました。 ベッドの下は狭くて、じめじめしていて、たいてい息を荒げた蛇人がいてと私にとっては最悪の場所です。あれよあれよと言う間に服を剥かれて生まれたままの姿にされた私を、ご主人様はぎゅっと抱きしめて甘えるように頭を擦りつけてきます。ヤバいです。半端なくヤバいです。MY5(マジで・ヤられる・5秒前)です。

「ちょっとご主人様! 出してください! 出ーしーてー!」

「ん~? でも離しちゃったらえっちできないし、ね?」

 ね? じゃないです。そんな風に首傾げても全く可愛くないです。分かったら離してください。  ……が、こちらが抵抗するほど、嫌がるほどしつこくなるのがご主人様。ここで下手に怒らせるとねちねちねちねちねちねちねちねちとイジめられて何されるか分かったものじゃありません。残念ですが、今回もまた諦めるより他ないようです。

 

「ん……」

 ご主人様は変温動物らしく、つるつるとしてひんやりと湿っています。そんな体に抱き寄せられると背筋がぞくぞくしてしまいます。

 多少は、性的な意味で。

 

 にょろりと目の前に首が伸びてきたかと思うと、口ががばりと開いて私の頭を咥えます。これが蛇流の「キス」だそうですが、はっきり言って捕食する気だとしか思えません。私呼吸できませんし。そのまま丸呑みできちゃいますし。

 べとべとした真っ暗闇に私の頭は包まれて、その中で細い肉紐がしゅるしゅると口の中に侵入してきます。遠慮仮借なく蹂躙してくるのかと思いきやそうでもなく。入り口あたりで留まっているそれを舌で軽くつついてやると、嬉しそうに巻きついてきました。気味が悪いです。

 情熱的なのは、認めます。

 

 つつ、と背筋をなぞられて体が撥ねてしまいます。そのままご主人様の手は私のお尻に回されて、もみもみとイヤらしい手つきで撫で回し、時折きゅっと掴んで刺激を与えます。手馴れた動きに思わず吐息を漏らしてしまいそうになりますがここはぐっと我慢です。呼吸ができないこのキスの間、私はただひたすら声を出さないように耐えるしかないのです。

「……っっ……んっ……」

「………………」

 ご主人様の舌がチロチロと口中を這い回ります。最初は気持ち悪かったそれも、今ではその中に気遣いやら何やらが見出せるようになってきました。歯の形を確かめるように口内を滑ったかと思うとからかうように私の舌を絡め取り。それでいて優しく。

 ……そろそろ限界が近づいてきました。息できません酸素足りてません。死ぬ。死んじゃう。

「もう限界」というサインとしてご主人様の胸板をガンガン叩きます。ムードなんて知ったこっちゃありません。このまま何もしなかったら間違いなく私死にます。

 十回ほど叩いて手が痛くなり、ご主人様の手が胸に這い登ったところで、やっと開放してもらえました。

「ぜーっ……はーっ……」

「ふーっ……ふーっ……」

 お互い違う理由で呼吸が荒いです。ご主人様は興奮してしゅーしゅー言ってますが、私は憔悴してはーはー言ってます。苦しそうな私と目が合うと、ご主人様は「ふっ」と笑いました。なんだかご主人様らしからぬきざな笑い方でちょっと悔しいです。

 私の口元をぺろりと舐めるとご主人様は頭を胸に突っ込んできました。蛇頭を脂肪の塊がたゆんと揺れて優しく受け止め、ふるふると震えて元の形に戻ろうと努力します。そこに顔を埋め、うっとりと目を細めて悦に入るご主人様はとても幸せそうです。

「乳はいいね。乳は心を潤してくれる。神がもたらした造詣の極みだよ」

「そんなこと言ってるといつか握りつぶされて死んじゃうんですから」

 私が頭を抱いてあげると、ご主人様はその舌を伸ばして私の体を味わい始めました。狭いベッドの下で何がどうなっているのかは知りませんが、今のご主人様は私を抱きしめつつ胸に顔を埋めるという大変器用なことをしています。

「ん~、いい味だ……食べたくなるくらい……」

「っご、ごしゅじんさま、それ、冗談に聞こえ、な、っぅ……」

 いつのまにかご主人様の手が尻揉み運動を再開していました。それどころか、尻尾までずるずると侵入してきます。必死で股を閉じて不躾な侵入者を排除しようとしましたが、所詮はか弱い乙女。あっという間に尻尾が股の間に入り込んで前後運動を始めました。俗に言う素股の尻尾版です。

「ふ……く……」

「濡れてるね」

 囁かれた言葉に頬がかっと赤くなるのが自分でも分かります。暗くてあんまり見えていないであろうことだけが不幸中の幸い、といったところです。

「よし、じゃあやろうか」

 先程まで優しかった手ががっちりと腰を固定しました。

 胴に尻尾が巻きついて離そうとしません。

 鎌首をもたげたその顔には炯炯と輝く瞳があります。

「ち、ちょちょちょちょっと待ってくださいご主人様、そんなの無理、ご主人様の長いし太いし慣らしてくれないと無理無理無理!」

「だいじょーぶだいじょーぶ」

 その自信はどこから来るんですか。本能ですよね。どうせ挿れれば後はどうとでもなるとか考えてますよね。絶対。

 ――テメェ一回つっこまれてみろこのおっぱいスネーク――

 私がそう叫ぶ前に、ご主人様のいきりたったモノが一本だけぶちこまれました。

 

 

 

 後は記憶にございません。気がついたら朝でした。ベッドの下で。何をされたのか分かりませんが下半身の二つの穴が大変痛いです。さては私が意識を失っているのをいいことにナニを突っ込んだに違いありません。

 ご主人様はもう起きていて、私の胸に顎をのっけて舌をちろちろと出しています。

「……おはよう、ございます」

「ん。後少しだね」

 何がですかと聞く前に、ご主人様は尻尾で何かを引き寄せました。手渡されたそれはどう見たってコスプレ用にしか見えない、けれどヒトにとってはなんともありがたい付け耳です。

 予想外の物を握ってきょとんとしている私の髪を撫でて、ご主人様は(多分)にっこりと笑いました。

「あと少し髪が伸びたら、それをつけて一緒に外に行こうね。お買い物とか映画とか、楽しいことしようね」

 

 ……うわ。

 どう、しよう。

 これはちょっと、ヤバい。

 今のヒキコモリ生活に、不満があったわけではないのに。

 ドレイみたいに扱われてるとか思ったこと、ないのに。

 どうしよう。

 こういう気遣いされると、ヤバい。

 アタシ、泣きそう。

「首輪もあるし」

 え。

「ちゃんと首輪に名前も書いたし、鎖もあるから。二人で楽しくお散歩しようね」

 

 

 ご主人様は赤い首輪も持っています。黒い鎖も持っています。全てを凌駕する変態ちっくな欲望も持っています。

 奴隷は、変態さんに抗う術を持っていませんでした。

 

 

 

 

 異世界、それもヒトを奴隷にするような場所に落ちたときにはどうすべやと思いましたが意外と何とかなりました。お父さんお母さん、私は裕福な猫の国で変態爬虫類に飼われてよろしくやってます。近々ネコミミ羞恥プレイの予定です。やったね!

 

 

 

 

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