猫耳少女と召使の物語@wiki保管庫(戎)

虹絹の乙女達03

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虹絹の乙女達 第3話 ~アルとアズキと転生と~

 
 
 まだ、眠い。
 
 朝日が、痛い。
 
 いや、新聞じゃねぇよ。
 
 俺は怠惰を貪るのが好きなんだ。
カーテンから日光が漏れてくるのも乙な光景ではあるが、
そんなことより眠い。このぼんやりした意識の中で理性を溶かしてしまうことは、退屈な日常よりも素晴らしい。
肩が冷気に晒されていたので、布団を深く被る。暖かい。
 
 …日常?
 ああ、もう俺には縁がない。
これからは、刺激的な毎日…になるのかなぁ。
そう、この股間から走る痺れるような感覚のように…
 
 っておいいぃ!?
…あぁ、そうだ。俺は剣と魔法のファンタジーな世界に『落ちて』来て、そしてこの小麦肌のネコミミご主人様に拾われて。
 拝啓。母上様、お元気ですか。私は元気です。でも奴隷です。ごめんなさい。
 
 なんとか周囲の確認を試みるも、視界の半分はご主人様…カナの奴、白髪の前髪と顔で埋まっており、
かろうじて向こうに見えるのは、ガタガタと鎧竜のロナさんに引っ張られた竜車の防水布地でできたアーチ状の屋根と、
ぐたっとへたばって寝ている白竜のノア。昨晩もカナのオモチャにされてボロボロ。
しかし、たった一週間でなんかもう二足歩行も習得したし背が20cm伸びて俺の胸くらい。成長早すぎですよ奥さん。
 
 無論、俺の股間への感覚は、昨晩から繋がったままのご主人様のアソコの感触。
寝ていても無意識にモゾモゾと股を動かして俺を貪っているんだから
なんだこいつはエロネコめ。ヒゲを扉にでも挟んでしまえ。ヒゲないけど。
 兎に角、落ちてきて一週間…俺の仕事は夜の相手なワケだが、基本的にこのご主人様…カナ様はあまりにも手馴れ過ぎて
俺は毎度毎度、行為中に失神してしまう。良いか悪いかは別としてもなんだか情けなく思えてきた。
 こいつらは体格は俺と同じ人間程度なのに、腕力が女子プロ程度で非力な部類らしい。ご主人様はその中でも特異に強いが…
抱き枕のごとく俺を手足で抱え込みつつ、すうすう寝息を立ててこの小麦肌のアホネコはハダカご就寝中だ。
 
つまり、俺は銀髪の気の強いワイルドな女にシャツ一枚だけで肌を合わせて、寝顔を吐息のかかる距離で見つめている。
 
 …俺は健全な男児だ。しかも、目の前に俺を受け入れてくれる…むしろ俺が犯されているのだが…その人が、いる。
これで興奮しないならそれは宇宙人か勃起不全だ。しかもモゾモゾと無意識にその膣は俺を揉み扱いている。
男はみんな狼でしょ? そうでしょ? シャランラーン。
 
 その…なんだ。さっきから主人をバカにしっぱなしだが、しかし容姿は確実に、
ネコミミとシッポを差し引いてもなかなか見当たらないほど健康的で優しい寝顔ができる人なんだ。
これで粗雑で男勝りで人外で男女もノンケも関係なく手を出す節操のなさが目立たなければふつうに美人。
黙って眼を閉じて、ゆったりと寝息を立てていると……憎くってしょうがない顔が、惚れ惚れしいんだ。
 
 俺のオスの獣性に火が点いた。むしろそういう目的で俺は養われているんだから、まぁ隊長殿も喜ぶんじゃなかろうか…と自己弁明。
毎日毎日足腰がヘトヘトになるほど荷物持ちと性交させられてるので、
ある程度の若さがある俺はこの落ちてきてからの一週間で多少なり体力がついた。
ご主人様を起こさないようにそっと押して、仰向けにさせる。拍子で俺に抱きついた手足から開放され、馬車の振動でそれが床の上を踊る。
 …う、なんかイケないことを始める人の状態だ。…思わず身を引いてしまい、繋がりが解かれる。
…一晩中にゆるやかな刺激を続けられていた俺の分身は、主人の蜜にまみれ、猛々しく構えているのが見えた。
「うぅ…ん…っ」
 急に雌の部位が寂しくなって、引き締まったふとももを、きゅっと内股にするご主人様。
俺から解けた拍子に大の字に広げられていたその両の手も、微なる胸元に引き寄せられて。
全身に鮮血のような緋色の幾何学模様の走っている女性は…いや、完全に全身じゃなく…
潤った手の甲から一見華奢そうな肘を通り、小さな肩…首筋…
背中の脊髄に沿って、腰の辺りで両股の外側からしなやかな脚へと…
そして、その全身のラインに、幾何学模様に誘導され、
日光と訓練に染め上げられた整った全身へと視線を這わせてしまい…息を呑む。
ミロのヴィーナスやモナリザの良さが分からなくても、でも異性のボディは魅力的だ。
 …それを、自身が触れてしまえるなら、なお愛しくなる。
 
 全身が均一に小麦色の肌。何かと日の元で全裸になり、下着ムラなんか無縁の肌。
毛が一本もない膣口周り。…そういや、うちのご主人は合成獣(キメラ)で、
指一本筋肉一本に至るまで、任意の身体に作り換わるとか。…日焼けもか?
剃ってるところなんて一度も見たことが無い。生えなくしているんだろうな。
 
 してみたかったけど、できないこと。飛行機の操縦とか? それもあるね。でも、今は…
 
 そっと、ご主人様の割れ目に顔を近づけて。舌を伸ばして。…舐めてみる。
「にゃ…んんー…」
 酸味。あと、比喩できない。なんだこれ。分かんない。もう酸っぱいけど蜜の味。我ながら意味不明。
そうじゃなくって、ええっと、興奮して、俺が俺じゃない。
コーヒーは苦いのが良いとか、納豆はネバネバだから美味とか、そんなかんじ。ただ、もっとしてみたい。
この先に何があるのか、知りたくって知りたくって、止まらない。
そっと、恐る恐る、舌を進めて…
「んー…ん、あ…」
 むずがるご主人様。ちょっと寝返りを打ちそうになるのを、足から抑えて許さない。
膣の中…舌先でも分かる、日々俺を蹂躙し続けていたヒダを、俺が捕らえる。
「にゃ…にゃっ」
 猫。それがご主人様。普段は男っぽいけど。でも、寝顔は、こそばる姿は、女で…女の子で。
俺の舌を限界まで押し込んでみて…酸味と苦味と未知と既知のハザマ。
俺が何時も心身果ててしまう構造体の中身を、俺の舌が這って。
「あ、にゃっ」
 そして主人の獣を、猫を呼び起こせて、なんだか嬉しく感じてしまう。
 
  …俺が最初に、ご主人様を…カナ隊長をキライになったのは、思い返せばノアへの無節操な接触だったから。
 でも、別にその後は…相変わらず無節操だけど、ドツかれると骨折れそうになるけど、でもやさしくって、守ってくれて。
 キライだけど、わりとスキ。ノアもまんざらじゃないみたいで、俺と楽しめればそれでいいみたいで。
 
 舌を、俺の男性器に見立てて出し入れしてみる。奥まで入れるため、膣口とキス。
「にゃ、にゃー…んー…っ」
 クネクネと、逃げてるとも求めてるともとれる主人の挙動。もっと、もっと、最後まで果てさせてみたいが…
 残念だ、こんな舌で、初めてで、玄人の極みたる主人を満たすことはできなかった…舌が痺れてきた。
ズルっと、俺は主人の下の口から、自身の唇を離す。…舌にまだ、酸味が残る。
 
 そっと、俺の男根を…さっきまで納まっていた、ご主人様のそこに、もう一度あてがう。
仰向けのカナに、体を重ねて。もう一度、上の唇を重ねて。
主人のように、積極的に口の中を貪る技術は無い。ただ、フレンチに重ねておいて…
そのまま、キスしたまま腰を進める。
「ん、んっ♪」
 ビクリと彼女の震えが俺に伝わり、そして両足を絡めてきた。
 唇を離して彼女の表情を伺うと、腰を進める度に、その唇が小さく開いては喘ぎ、
呼吸が少しずつ乱れ、荒くなり、白銀の前髪もゆらめく。
 なんだか自分のモノにしちゃったような甘ったるい空気に酒気帯び運転。
ぐっ、ぐっと彼女の蜜壷に自身を預け、挿れて、揺さぶって。
「にゃあっ!」
 一瞬、反応が非常に良かった。…Gスポットか?
同じ所を狙う。
「ああ、にゃあぁ…」
 にゃんこボイス。にゃんこ。…俺、相当壊れてきた。
 そこを執拗に狙って、
「う、にゅう、うぅ、あ、ん、んん、にゃぁ…」
 彼女の甘美な声に急かされて、俺の腰はギアを上げる。
ぐつぐつと腹の底から、終焉の感覚が迫ってきた。
「あ、あ、だ、め、え、えええ…」
 イヤじゃないクセに、寝言で感じちゃって、少しは満たせてあげられるのだろうか。
…俺ももう耐えられない、ご主人様の胸にもたれ、ぎゅっと抱きしめて、精を放つ…
 ドクッ、ドクッ。
送り込む。俺の獣。
「や、あ、あ、あぁ…」
 ドクッ、ドクッ…
汗の匂い。二人の混ざった匂い。…そのまま身を預けて…
「ひ、や、や、あぁ…」
 …ほろりと、涙。主人から、こぼれて…え?
 
「ゆる、して、やあ、あ…」
 何で、何でだよ、何で泣くの!? え、そーいうの好きなキャラでしょ隊長って!!?
「うええ、えぇぇ…」
 ボロボロとマジ泣き。…やべえ、やべえぞコレは!
う、うろたえるんじゃないッ! HETAREはうろたえないッ! やっぱ無理ッ!!
 おろおろしているその間に、主人の目はぱちりと開いて。絶叫。
 
「うわああああああああああああ、触るなイヌがあああああああ!!!」
 
 あ、
      おもいっきりグーでかお   なぐられ
    くび、 ぐき って   うしろ   み   え               る
        し
                                 ぬ

 
 
----------------------------------------
 
 
 わああ、クソッ、クソッ!!
なんでだ、もう忘れたと思ってたのに、あのクソイヌの顔がああああ!!!
初めて対峙したアイツの、アイツの記憶が…鮮明に…イヤな夢みた、クソッ!!!
「にゅー…?」
 …はぁ…
 ノアのちょっとトボけた可愛い寝惚け声で、少し落ち着いた…
 
 周囲を見渡す。相変わらず、竜車はちょっと狭いし、ガタガタとロナに引っ張られて揺れている。
 ノアは真っ白で羽が生えてるし、ほんの一週間でかなり大人の体型になった。
そういう造りなのであろう。さすが人外クオリティ。
 そしてアズキは…なんで収納木箱にもたれて寝てるんだ? きつい姿勢だろうに。
体の胸側がこっち向いてるのに、首があっち向いてるし。後頭部しか見えない。
 
 …ん?
 
 首が、体と、逆向き。
 
 え、ちょ、ちょっと?
「にゃ?」
 
 …アズキ?
 
 …!!!
 
 首をわしづかみにして急いで正常な位置に戻す!
ゴキュっと嫌な音…間に合え、印よ、間に合え!!
 「術式省略、天地猫ッ治癒!!」
 …そんな!!
「天地猫、神経再生ッ!!!」
 …そんな!!!!
 
「…にゃ」
 
 
既に。諦めかけて。涙が、涙が、溢れてきて。でも。
 
「『だめーじげーじ』あくてぃぶ。ますたーのきんきゅうそせいぷろぐらむをじっこー。
 えいしょうじゅつしき らんくえすえすえす じゅうろくだんしきえいしょうよりじっこー。
 かそうりょういきかくほかんりょう。はいどらおぺれーしょんしすてむりそーすとうはいぶんかんりょう。らん」
 
 …確かに、ノアの口から聞こえた。だけど、あまりにも、『らしくない』それだった…
 
「われかみがみのおきてにいどまんとす」
 
 …早い。それは早すぎて、多重に声が重なって、聞き取れなくって…
 
「たいしょうのじかんべくとるとうけつ いでんしでーたたいないざんぞんよりろーど
 じくうれんぞくきおくたいえのあくせすおしんせい けんさくようまなぼっとてんかい
 ざんぞんぼでぃおかくにん ちりょうひつようこうもくりすとせいさくかいし
 げのむしゅみれーた たいぷひゅーまんかくてい せいめいよていずせーぶ
 まなぼっとかいしゅう でーたりんくまっぴんぐかんりょう せいしんでーたさるべーじせいこう
 ちりょうひつようこうもくりすとかんせい こすとちぇっく じっこうかのう
 きょくしょてきじかんまきもどしのしんせい のいずきゃんせらーふるすろっとる
 まなたんくざんぞんけんこく まないんてーかーふるすろっとる まなこんばーたーぎあちぇんじ
 へるすちぇっかーけいこく はいどらぼでぃきーぱーあくてぃぶ ものけろすでときしふぁくたーぶーとあっぷ
 めんたるはいじぇねれーたーけいこく とらんきらいざーちゅうにゅう すぴりっとみらーばっくあっぷおんらいん
 せきずいのせつごうおかくにん せいぶつげんかいはんいないとにんしき せいめいいじけいとうちりょうかんりょう
 こうてんてきようそのしょうごう ばっくあっぷでーたとひかくごさなし るいせきじょうたいほせいかんりょう
 のうのふぉーまっとかんりょう せいしんでーたのてんそうじゅんびかんりょう じかんべくとるとうけつかいじょ」
 
 一つの口。重なる声。その破片…読み取れない。
 
 私も魔法使いの端くれ。魔力の流れが見え、情報統制用の回路が…
正方形を基調とした、淡く光り輝いた無数のインターフェイスが相互に膨大な情報を飛び交わせているのが感じ取れる。
それがノアの周囲に、宙に浮き、かき回された炭酸気泡のように彼女を中心に螺旋を描いて現れては消える。
その内部情報は、そのひとつすら私には、人間には早すぎて…ただ、光の洪水は、ひとつの芸術で、
無機質な情報が統合して織り成す、魔法の、魂のオペラだった。
 
ほんの十秒に満たぬ時。早口とかそんなレベルじゃない、無数の魂の叫びが、重なって、折り重なって…
 
 すべての力が、骸に集う。
 
「りぶーと!!」
 
 
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 まだ、眠い。
 
 朝日が、痛い。
 
 いや、新聞じゃねぇよ。
 
 …変な夢を見ていた。俺がエロいことしてたら殴られて死ぬ夢で、それ以外は覚えていない。
 妙にリアリティがあって、今、目を覚ましたら同じことが起きそうだ。
 
 兎も角、俺は怠惰を貪るのが好きなんだ。
カーテンから日光が漏れてくるのも乙な光景ではあるが、
そんなことより眠い。このぼんやりした意識の中で理性を溶かしてしまうことは、退屈な日常よりも素晴らしい。
 …ちょっと朝風が寒い。
 
 …日常?
 ああ、もう俺には縁がない。
これからは、刺激的な毎日…になるのかなぁ。
そう、この首筋から伝わる揺さぶられる感覚のように…  ぐるじい
 
「アズキ、アズキっ!!」
 くび、ぐびぎづい…やば…ギブ…
「ごめんな、ごめん、ごめん、ごめん…」
 ゼイ! ゼイィ!! なんすか隊長!! 朝っぱらから殺す気ですか首しめて!!!
 …なんで泣いてるんですか?
―――はーい、当車はついに、中継貿易都市『ヴェセル』へ…ってちょっと、何で泣いてるの!?
 いつのまにか、昨晩から竜車を牽いていたロナさんも人間体型に戻って、そして車の中にカーテンを持ち上げて覗いている。
「さっき、私、おもいっきりひっぱたいて、回復魔法も効かなくって、
 それで、気が動転して、何も出来なくって、ひどいことして、わああああ!!」
 え!? ちょ、ちょっと、そりゃ俺なんかの胸でよければ貸しますけど、なんで泣くの!? 俺が悪いの!?
ボロボロ溢れ出る涙を俺のシャツをハンカチかよってくらい胸の場所に顔を押し付けて、湿らせる。
「にーにー」
 やれやれ…ノア、どーいう状況なのか説明して…
 
 あ、ノアがちっちゃくなっちゃった。
 
 
 
 
 
「へいらっしゃい!」
 へぇ、ここがヨシノ屋…まんま牛が店長かよ。
「うむ、このチェーンのミノ丼(ミノタウロス丼)は格別でな。
私のオゴリだ、好きなだけ食え! 大将、特盛り4つ!!」
「あいよ、まいどありぃ!」
 
 嗚咽を漏らして支離滅裂なことを話す隊長を何とか落ち着かせ、
なぜか生まれたてと同じサイズに退行したノアと俺と同じくらい状況を飲み込めていないロナさんを連れて、
この丼物チェーン店を営んでいるヨシノ系列店舗へと足を運んだ。
 …隊長は、俺にフルコースであろうと振舞うつもりだったらしいが、俺的にはここが一番だった。
ま、ワケのわからん食材を口にして腹に当たるより、なんだか人間界でも見たことのあるようなモノ食いたいってのもある。
 
―――で、アズキちゃんが一度死んだって、どういうコト?
「うむ、それが…寝惚けていた拍子みたいなのだが、アズキを思いっきり…
 『本気で』殴ってしまってな。…首が半回転して、脊髄損傷で死んでいた」
 いや、俺生きているから。まぁ合成獣クオリティだし平手で骨が折れても不思議じゃないけどさ。
「で、そこでノアが…急にシャキっとしてな。高速すぎて何を詠唱したかわからんが、
 とにかく彼女自身の体組織を魔力に変換して…十秒程度で、アズキを蘇生した」
 復活の呪文っすね。とたけけ? なんか違うな。…体を削って魔力にしたんですか。だからちっちゃくなったのか。
―――でも、アズキちゃんは死んだ記憶がないんでしょ?
「うむ。それが謎なんだ。…ノア、何をした?」
「ヘイおまち!」
「にゃー♪」
 話題の中心はもう牛丼…じゃない、ミノ丼を夢中で頬張っている。…いや、手で掬うな、箸つかえ、箸!!
あーもう世話が焼ける! ほら、こう持つんだ、そう…な? これだから兄貴はやめられない。萌え。
「…ノアは自分でも分かってないようだな」
 で、なんでミノ丼…オゴルわけなんですか?
「いや、その…アズキを殺しちゃったわけだし、わびないと、だろ?」
 死んでないですって。撲○天使じゃないんだからそう簡単に生き返るかよ。
 
「それと、ノアが、言葉をマトモに知らないのに未開拓級の蘇生魔法を行ったことと…
 同時に、体が魔法を使用して縮んだことを考えてみると…やはり、ノアは精霊≪ジン≫の類なのだろうかなぁ」
 ジン?
「特定属性の魔力だけで体が出来ているモノだ。生き物と定義するべきかは微妙。
 体が魔力で出来ているから、強力な魔法を使うと背丈や容姿が小さくなるんだ」
 あー、つまりアレですか。ノアが軽いのも、空気と同じ軽さの魔素が集まっているから?
―――あー、でも純粋な精霊≪ジン≫ではないかも。
 なんでですか?
 
「おかやり!」
 屈託の無い純真な真っ黒くりくりオメメで、平らげたミノ丼ぶりを店主に付き返す白の子竜。
「いい食いっぷりだねぇ、特盛り一丁!!」
 そして店主が厨房へと叫ぶ。
 
―――よく食べるし。
 俺なんかまだドンブリ半分も食べてないぞ。
「…9割精霊で、1割有機生物、くらいか?」
―――めいびー。
 ほんと、ノアは何で…何をしたんだ?
「ますたーのせーめーていしかくにんによりじょうちゅうそふと『だめーじげーじ』あくてぃぶ。
 のーのかそーかによりはいどらしきたじゅうえいしょうによるふくごうそせいぷろぐらむをじっこー。
 しんたいさいせいときおくのさるべーじうわがきほぞんおかんりょう。
 おかわい!!」
「へいよ、お嬢ちゃん!」
 …
「…」
―――…
 え、ノア、なんだって?
「にゃ?」
 米粒いっぱいついた顔をこっちに向けて、首をくいっとかしげるだけだった。
 
 
 
 
 …どうも、俺の質問で何かのスイッチが入ったらしい。
ヨシノからの帰り道に、何度か同じ質問をすると、
その度、一字一句違わぬ回答をノアが返す。しかし、満腹状態の上、
ゆらゆらと俺の腕に抱えられているため、最後のほうは
「ますたー…の…せーめー…うにゅー…ていしかくにん…にん…にーにー…にゅふへへ」
 がんばってるけどそのまま寝付いてしまった。そのまま、まばらな人通りの帰り道。
「…なんとか読み取ってみると、お前の死亡を確認したから多重詠唱による『蘇生プログラム』を実行、とか言ってるな」
 すれ違う人を避けつつ進む俺達。隊長は髪をいじり、ロナさんは腕組みしてる。
―――つまり、アズキちゃんを『死体の時間をまき戻して治して、過去の記憶を吹き込んだ』ってことなのかな?
 それなら、俺が死んだ記憶が無い説明つきますねぇ。
「そうだとしても、超高位の大魔法を、ひとりで短時間で…」
―――『多重詠唱』だから、同時に複数人数分の詠唱を行ったってことかも。
 …城を組み立てるのは一人より百人のが早いって理屈ですかね。
「まさにソレ。ひとつの体で、同時に大人何十人分もの詠唱を実行したってことになるが…」
―――生命として、不可能でしょ。人数分脳みそ積んでる事になるし、
   しかも全員が瀕死になるほど体力と精神力を消耗するのよ? それを、ひとりで?
「並みの構造ならな。そのために造られた生き物なのかもしれん…ノアは」
 …そんな超高級品を、何で製作者は野に放ったんでしょうね。
「…謎だ」
 
「それにしても、だ」
 ちょっとしかめっつらで、指先で銀毛をクリクリいじってバツの悪そうな隊長。
突如がばっとこちらに向き直り、道中で土下座。
「ごまん!! すめん!! わるかった!!!」
 ちょ、ちょっと!? こんな所で土下座しないで下さいよ!!
 
「あら奥さん、あの召使いったら主人に土下座させてますわよ?」
「まぁ…主人の非があったとしても、それは、ねぇ?」
「そういうプレイなのかしら?」
「ままー、あのひとたち、なにしてるのー?」
「シッ、見ちゃいけません!」
 
 警告! 警告!! 本島は敵(世間の目)の砲撃下にあり!! 緊急退避!! 緊急退避ィィィ!!!
「私の『バジリスク』の二つ名に賭けて謝る、このとーりだッ!!」
とりあえず、なんか勢いで俺も主人に向かって土下座。ノアを抱えたまま。…茶の席か?
―――えーっと…どうすればいいのかしら…
「みのどーん…おかわい…にゅふふ」
「その代わり、あれだ。今晩は優しくするから。な。な!?」
 …ぶっちゃけ丁重にお断りしたい。
 
―――もー、いつもカナばっかり…
 
 土下座のまま、隊長の耳がピクリ、と動いた。
「…そうか、そうだなぁ。フフ、やっぱりロナもアズキと遊びたいのか?」
 すっくと立ち上がって、そのままずいとロナさんに迫る。…さっきの謝罪モードは何処へ行った。
―――え!? いや、遊びたいってのはそーいうフジュンな意味じゃなくってそ、その!!
「わーってるって。『でぇと』したいんだろ? スミに置けない女め、このっ、この♪」
―――や、その、そーじゃなくって、えーっと!!
 顔を真っ赤に、手をブンブン振って否定するロナさんをヒジでツンツン小突く隊長。あ、なんか友達っぽい挙動。
「じゃあ、アズキ。私がノアを預かっておくから、ロナを楽しませてやれ。
 あと、晩メシの材料もよろしくな。それと、ちゃんと夜は優しくするからなー♪」
 そう言いながらヒョイとノアを俺の手から奪って、すたこらさっさと帰っていった。
 
 
 
 …残された、俺とロナさん。
 
―――え、えーっと…
 モジモジと、何を俺と話してよいのか悩んでいる様子。助け舟を出さないと。
 ロナさん、とりあえず、ご飯買いに行きませんか?
―――そ、そうだね! アズキくんは、ごはん作れるの?
 んー、鍋物なら…どうにか。料理本もこの前買ったばかりだし。
―――じゃ、市場に買出しにいきましょ!
 
 にぎわう人込み。飛び交う競りの掛け声。その道は南北に伸び、
北方向へ向かう俺達の遠く正面には東西へと長く灰色の富士山クラスが聳え立つ。
 人々が日の下、細い道を押し合うように、手に食材を掴んで、財布の紐を開けながら、通り過ぎる。
―――ここは、王都ほどじゃないけど交易の中継ポイント、『ヴェセル』。
   この町からまっすぐ南北に道が伸びていて…南は猫の王都シュバルツカッツェに草原を突っ切って、
   北は犬の王都ソティスへ山を貫き一直線。ふたつの王都の、ちょうど真ん中ね。戦争の終結と同時に交易路として発展を始めたの。
   イヌさんの国は寒冷地だから、あんまり食べ物が無いの。ここを拠点に、食べ物が売られていくわけ。
   そこでもここは、現地人向けの小売市場ね。もっと奥ではトン単位の取引が行われているわ。
 なるほど、主にネコが流れる人込みの中に点々と、イヌの顔をした男性が…
いや、イヌの女性もいるはずだが、俺にはまだネコ女性とイヌ女性の区別がつかない。だってケモミミ。
―――慣れればそのうち区別がつくわ。でも、性格とか仕草なら、あなた達の人間界で持つイメージとほぼ同じよ。
 つまり?
―――冗談が通じないのは、イヌ。
 …なるほど。
―――無論、それは偏見でもあるけど。でもなんというか、ここではそれで区別するのが通例になってるの。
   そうね、初心者さんは、男の人には『おキレイですね奥さん』って言えば良いかな。
 …ネコの男性なら『アラヤダ』とか答えてくれそうだな。
―――犬の人だったら、にっこりと『私は男ですよ』って答えるかな。とにかく、アズキ君はこれでチャレンジね。
   第一声は冗談なのがここの決まりだから、相当狙わない限り怒らないわよ。
 ところで、そろそろ俺の名前はく『ようねーちゃん!』ずあきってのを覚えて頂けないかと…
 話に割り込んできたのは、野菜売りの座敷を広げるイヌの男性。
「灰色のねーちゃん! いいヒト連れてるね、婚約者かい?」
 …ロナさんは振り向き、にっこりと、口を動かしながら…俺には聞こえない何かを念波でご主人に伝える。
「うひゃっはっはっは! そ、そりゃ傑作だ、ふへっへっへひゃ!!」
 何だ? 何て答えたんだロナさん!? 気になる、気になりすぎるよソレ!! ご主人が悶絶して呼吸困難だよ!!!
「ひゃは、っは、ああ、よし、面白いなねーさん、美人割引も兼ねて特別に半額だ!」
「ちょっと! 私もまけなさいよ!」
 横から突っ込みを入れるネコの女性…いや、おばさんだった。
「うっせぇ、年増は割り増すぞ!」
「あらやだ! 増した分惚れちゃうわよ!?」
 どういう展開だよそれ。ロナさんはクスリと少し笑った。
「…あ? なんだねーちゃん。…なるほど、そのヒト、まだこっちの世界しらねーんだな。
 よし、おっちゃんとこで食材の名前覚える授業しとけ。場所代はタダだぜ!」
 冗談が言えないということは、人間性の乏しさと直結しないことを知った。俺か? ダメダメだ。
 
 ロナさん、これは?
―――ケール。
 ネギらしい。
 これは?
―――アルケール。
 タマネギらしい。
 こっちは?
―――タマケール。
 痛そうな名称のラッキョウだな。
 
 
 
 
 
 …なんとか買い物を終え、帰路に着く。
スタスタと進む、俺以上の荷物を抱えて歩くロナさん。
俺はちょっと両手に袋を下げているだけなのに、もう息が切れてきた。
我ながら非常に情けない。嘆かわしい。
 ふっと、ロナさんが俺のほうを振り返る。
―――ちょっと、休憩しよっか。あそこのベンチ。
 気を使われてしまった。2秒くらい死にたい。いっそ俺が全部持って運びたいのに。
―――うふふ、楽しかったよ。
 とすんとベンチ腰掛け、どすんと荷物を地面に置くロナさん。
 …へ?
―――はじめて、男のヒトとふたりっきりで、買い物しちゃった。
 鼻歌が漏れている。その音はグルル、という低い吼え声のようではあるけれど、
でも猛獣が喉を撫でられて喜んでいるような、ちょっと緊張するけど一息つける音。
 俺もロナさんに習って、隣に座る。
―――ね、アズキ君。
 そういえば、アズキ君ってもう服は買った?
 はい、隊長が「やぶけてもいい安物をたくさん」っていったんで…そんなかんじに。
―――あはは、まだ拷問と混ぜてるのね…まあ、いいわ。
   そうだ、私と一緒に服を買わない? 破かれるためじゃなく、着こなすため。
 …へ?
―――あなたは、カナのモノでもあるけど、私の召使いでもあるのよ。
   かっこよく歩いてもらわないと!
 なるほど。俺はオタク系ゆえあまり衣装などのセンスがない。
しかし、こんな世界に来てまでパソコンいじってるワケじゃないからなぁ…
―――というかね、私と…その…デートしてるのよ?
   王子様はかっこよくないと困るのよ!
 かわいらしくも真剣に額にしわを寄せてこちらの眼を直視して力説するロナさん。
 じゃあ、どこで買いますかね…
―――すぐそこよ、ついてきて!
 ロナさんはパっと立ち上がって、軽快なステップを踏みつつ走り出す。
 …俺はロナさんが残した荷物を急いで拾って、
積載過多だけど弱音を吐いているヒマに見失いそうな勢いなので、黙って必死についていった。
 
「…ん? いらっしゃい。ここはマダラ専門洋服店…ってヒトか」
 おお、初めてみた。マダラってのは男がネコミミシッポのコスプレしたみたいな姿ってのは、本当なんだな。
いや、女性と同じといえばそれまでだが。
「だが、スカートを穿いて街中を歩くわけにもいかないんでね。
 …小さな村じゃ需要がないが、ここみたいにほどほどの規模の町なら、やってけるのさ」
 男女比でこのコスプレ体型は圧倒的に女性が多いらしい。
それは永遠の疑問で、まあどっかの物好きな生物学者が解き明かしてくれってことになってるそうで。
「要は、オスはヒトで言うケモノ体型で、メスはヒトに近い体型が多い。それが事実で、それで十分ってことさ」
―――ここなら、ヒトにも合うサイズの服が見つかると思うよ。
 まあ確かに、俺は極度に太ってもやせてもいない…筋肉が無く微妙に脂肪がついている悲しい体型。
ほどほどの服ならズリ落ちたりキツくて弾け飛んだりはしないだろう。
―――うーん、どんな服がいいかなぁ?
 ロナさんは、ファッションに詳しいんですか?
―――…あ。
 …全然シロートらしい。
「あん? なんだい…ああ、どんなコンセプトで着こなすべきか?
 そうだねぇ…そいつが筋骨隆々な体型とか、ほどほど鍛えてるんなら
 それを強調するようなスポーツ的服装がいいんだが…」
 …ええ、俺は運動してない中途半端な脂肪の塊ですよ。
「んー、こいつなら…召使だろ? よくマダラに多い、女受けする中性的だけど
 カッコイイってスタイルにキメる所だろうな。ヒョロ男でも着方次第だ」
―――そっか、中性的にかっこかわいく…いいわね、それで決めましょう。
   とりあえず、今の服装は…
   紺の安物ジーンズに、白の無地のシャツかぁ。
   冴えないわねぇ…
 …冴えない男であることは自覚しているつもりだったが、面と向かって言われると心臓をえぐられるようだ。
「ま、適当に選びな…俺ただの店番だし」
 ふああ、とアクビをして、レジに椅子に座ったまま突っ伏すマダラバイト君。
―――うーん、じゃあその緑の迷彩ズボンと、赤の…胸に赤茶の船みたいなプリントがあるやつで、試したら?
 …言われるがまま、ひょいひょい手渡される衣類を持って、試着室に向かう。自主性ねーなー。
 
―――あっ、いいかもー!
「ほぉ、やっぱヒトとマダラは似たようなもんか」
 …俺はコレがかっこよいのか分からない。なんせ疎いからな。だからロナさんが気に入るならそれでいいですよ。
―――うーん、でもそれだけだと、ちょっと派手かなー…
「薄めるんなら、白とかの薄い上着でも羽織ればシャープさを落とさずキツい相反する色を弱められるかもな」
―――よっし、れっつとらーい♪
 俺は着せ替え人形か。まあいいさ、どうせ逃げられやしない…安物の服を一生着せられるよりマシさ。
 
 
 
 
 …結局そんな調子で、上下併せて20点、最初の1セットは今俺が着て、さらに散髪もさせられるわヒゲ伸びてるから
魔洸機関を搭載した革命的に便利なのがウリのヒゲソリ(見た目がモロ電動のやつ)とかも追加購入して
そりゃもう重い食料の上に死ねる量の衣類などなど…ごめんなさい、持てないです…
―――おっかいものー♪ かっこいいひっととー♪ おっかいっものー♪
 でもロナさんルンルンだわ。ああ、俺なんかでも他人を喜ばせることできるんだなぁ。初めて気づいた。
ズリズリ買い物袋を引きずって陽気になっているロナさんの後をついてくんだけど…
どんどん遅れとるぜよ、俺! まって、ロナさん待って、置いてかないで!!
―――ん?
 ひょい、と彼女はこっちを振り向いて。
―――あ、またごめんね。さっきベンチで、休憩しましょっか。
 ロナさんが横長の背もたれが無い木製のベンチに腰掛け、俺は彼女の左隣に砕けそうな腰を下ろす。
 クソ、いくら荷物持ちとはいえ、女子に気を遣わしていらぬ休憩させるとは…死にてぇー。
―――ううん、あなたのことを考えずに買い物させた私も悪いわ。
   こんどは、一緒に荷物持ちましょうね。
 
 ベンチに、二人。
 空を見上げて。
 雲の流れを見て、何か動物に似ているね、とか話してみたり。
 ゆっくり時間が流れて。
 気がついたら、日が真上に昇っていた。
 
 …あ、やっべ!
―――…ん?
 もうお昼じゃないですか!? 隊長とノアが空腹で待ってますよ!!
―――あ…! で、でもその前に、さ。
 ちょっぴり、もじもじ。カワイイねロナさんも。
―――手、握っても、いい?
 …? いいですよ。
 そーっと、そーっと、ロナさんの左手が、俺のヒザ横でベンチに突いた右手に迫る。
 ちょん、とちょっと冷たい手が、俺に触れる。そして、一瞬で引っ込める。
―――きゃうっ♪
 …ひとりで頬を抑えて悶えてる。それは純潔すぎじゃね?
 
―――あ。
 …どうしました?
―――ごめん、ちょっと付いて来て?
 へ?
 急に立ち上がって荷袋を抱え上げ、スタスタと路地裏へと向かうロナさん。
俺は突然のことに戸惑いながらも、自身の買い物袋をさっと拾い上げて後に続く。
 …その背中から見えるのは、首筋が岩の色に変色し、パキパキと亀裂が入り始めるそれだった。
 ちょ、ちょっと、こんなところで変身っすか?
―――うん、昔は完全に自分の意思で制御できたんだけど…
 すうっと、彼女の体が、路地の闇に入る。
―――最近は、体が『劣化』してきたみたいでね。
 ばきっ、バキッという、乾いた、岩盤が軋むような音がする。
―――1週間に数日しか、人に戻れないの。
 ゴキゴキと、闇に潜むそれは、間接の軋むような音を盛大に鳴らす。
―――もうそれが、2日ももたないのかぁ…
 グキリ、という音を最後に。
ロナさんは、馬小屋に入りきらないようなサイズの、岩盤のような鱗を持つ鎧竜に変化した。
ズシン、ズシンという地響きのような音を起て、獰猛そうな顔付きの、岩肌の怪獣が闇から日の元へ現れる。
 
  俺の仕事は、夜のそれもそうだが朝飯とか雑用。
 大学からひとり暮らしのため、自分のことは全てこなせるように色々と自己管理を始めていた俺には、
 たかだかワゴン車程度の毎日の清掃(主に俺とノアと主人の体液を拭う事)では時間が有り余る。勉強もいらないし。
 かといって体を動かすことは嫌いな俺は、ノアをヒザに寝かせて陽気に触れながら
 こっちの世界の事情が書いてある本を読み漁り、特にこちらの世界独特の魔法と生物に興味を惹かれた。
 魔法は『真理語』とも呼ばれる、魔力へのアクセス方法を理解することが最低限読むためにも必要だが、
 生物辞典ならなぜか共通語が日本語なこの世界、手をつけるには十分だった。
 
  …こっちの世界の生物辞典は、ほとんど上と同じだった。伝説の生物や怪物を除いて。
 大きく異なるのは『人類』と、特に『竜』の存在。
 人類は論じるまでも無く、ネコミミイヌミミが居るということ。本来は全く別からの系統の生物と思われても
 ここらへんは国家力の均衡、人権などから同率と扱うために祖先出生を問わず『人類』とみなしている。
 …人権のないヒトはサルの横。うん、サルの横…。サル人のが偉い…。サルの惑星かよっ!!
 竜に関する厳密な定義はない。『神』『悪魔』と恐れられるように未知なる強者という意味が正しいようだ。
 竜のほとんどは『動物界脊髄動物門』に収まり、各種の生物が極限まで戦闘能力などを高めたモノとされる。
 また、そのほとんどが『爬虫類』扱いで(海竜だったら『両生類』などだが)それに準じる姿の者がほとんど。
 …無論、ウッドドラゴンは植物界だったりと、要は強くてインパクトの有る爬虫類っぽい形状のヤツが竜って呼ばれる。
 それの知性は問われず、食べることしか能の無いヤツもいれば人語を理解するのも、古代魔法を扱う奴までいるそうで。
 
  ロナさんの姿は、確か…『シタデルバスター種』。知性は低く岩盤喰らいで、その中のミネラルで健康管理し、
 鉄分などが盾鱗となって前身を浅黒く覆う。また『城砕き』の意味を持つその名の通り、
 古代戦闘においては飼い慣らされたシタデルバスターが敵城に特攻、城門を粉砕、
 巨大な城でも時間をかければマツボックリ形状の鉄球のような尾で叩き壊したとのこと。
 現代戦で城砕竜は魔法防御能力が皆無であるため、ただのマトにしかならず、戦場からその姿を消した。
 さらに軍が不要だからと野放しにした彼らは野生化し農村などで多くが暴れたため、ほとんどが討伐されたという。
 
 で、その大戦の遺物みたいな竜が、俺の目の前にいて…俺の目の前にいた人であって。
…女の子供が見たら泣くな。男の子から見たら『カッコイイ』要素はあるが。
―――いずれ、自力で人に戻れなくなる、かも。
 …そんな。
―――あーあ。もっともっと、彼氏と付き合うってのを体験してみたかったけど…
 グフウ、と低い声で溜息を付く。
―――(こんどは、ステップ省略かな)
 ん? すみません、音量が小さくて聞こえませんでした。
―――ふふ、何でもないわ。
 
―――でさ、実は…この地方って、主人のいない状態の竜が野放しだとそれを殺すも捕らえるも売り払うも、自由なの。
 えぇ!?
―――まあ、私の場合は返り討ちにできるけど、厄介ごとはさけないと、でしょ?
 そ、そりゃぁ血まみれのドラゴンが走り去ってったら、大問題でしょうに…
―――だから、その右の買い物袋に、私の荷物も入れてるんだけど…
 ああ、これですか?
―――うん、その中にあるもの、私につけて? ヒトなら、主人の命令でって言えば、町の自治兵さんも通してくれるから。
 …女性に轡をはめる趣味はないのだが。いや、隊長にはありそうだ。
 
 
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「来た…お前ら、抜かりは無いな?」
「へい、兄貴」
「いつでも…」
「で、でも、こんなこと…やめましょうよ、犯罪っすよ」
「仕方ねぇ…生活が苦しいんだ。そんな覚悟だからお前はタレ目なんだよ」
 今日が、俺達5人の盗賊デビュー。マジメにコツコツ働いたって、絶対にこの生活からは抜け出せないんだ。
悪いが、まずはあのヒト奴隷の連れている、竜とその荷物を頂く。無論、ヒトも売り飛ばす。
「…兄貴、いくらなんでも竜が暴れたらヤバくないっすかね?」
「待て待て…ヒトが手綱を引く姿は慣れたヤツじゃねぇ」
「うぅ…気が進まなねぇ…」
「仕方ないだろ…。きっと、竜がもともと大人しい性格なのさ」
「よし…手筈通りに…今だ!!」
 
 
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 ほげーっと歩いていたら、路地裏から5匹のイヌが飛び出し、俺達を囲んで…
あぁ、いわゆる、俺って今ピンチ?
「大人しくしな。…何も殺すためじゃねぇ。逆らわなきゃ、痛い目に遭わないで済むぜ?」
 当然のことながらその手に弓だのナイフだの持った相手に口論する気は無い。
ジリジリと円を狭める盗賊達。そして、脳内にあの声が響く。
―――私の腹の横に。合図したら、全力で伏せて。
 ジリジリと、ロナさんの鼻先から腹の横へ、怪しまれないよう、半分本気で恐れながら俺は後ずさりする。
…彼女は尾を伸ばし、体を捻っている。あー、モ○ス×ーハ○×ー的には、あの構え。
「暴れるなよ、小僧…」
―――今ッ!
 俺は頭を打つのを覚悟で、素早く地面に伏せる。
 ブゥオン!
バキ「ぐひょ!」バキャ「ぐえぇえ!!」バギィィ!!!「きゃいん!!」
 3人、尾で薙ぎ飛ばす。
「てめっ、クソが、眠れ!!」
 射程外にいた弓持ちが、その矢先に何か液体をかけて…そして鎧竜に放つ。
 ガキッ
「えぇ!?」
 矢が弾かれた。そりゃ下手な鉄より硬い生物合金なんだから当然か。
巨大な体をぐいとそいつに向きなおして、大きく息を吸い…
―――耳を、塞いで。
「クソ、口ン中ならどうだっ!!」
 犬は素早く次弾を赤い喉口に向け放ち、そして竜は『声』を放つ。
 
 ヴヴォォォオォオオオウウウウウウウン!!!
 
…俺は両手で耳を塞いでいる、いるんだけど…雪崩が目の前に迫っているとでも言おうか、
とかく鼓膜が破れんばかりに大咆哮を放つ…思わず身がひるむ。
俺は危害が及ばないと知りつつ、しかし背筋に嫌な汗。
 その咆哮には魔性の力が込められていたようだ…
矢は、ロナさんの目の前で『止まり』、『180度クイッと方向転換して』『また加速した』。
 ドスッ「ぎゃうん!!」その返し矢は弓犬の肩に刺さる。…そしてバタリと倒れ、眠りに落ちた。
「ひい、ひぃぃぃ!!!」
 小便を漏らして、尻餅ついて、ズリズリと後ずさりする、残っていた一番気弱そうな犬。
―――アズキ君、私のメッセージ、彼に伝えて。
 
「…10秒やる」
「お、お、おたすけええええ!!!」
 …シッポを巻いて逃げてった。比喩じゃなくって小便で少し黄色く染まったそれを本当に巻いて。
 
―――世間がもうちょっと貧しくなければ、もしかしたらあの子達とも市場で冗談を交わせたかもね。
 ガフゥ、と俺にはため息なのか威嚇なのか判別できない吐息をして。
 …ロナさんは、世間が嫌いですか?
―――あら、この町は、好きよ?
 
 
 
 
 
 背中に食料を積んでのっしのっしと俺に手綱を引かれて従うロナさんと共に、
ヴェセル・コネクトの南門前の宿に向かう。門前には牛車・竜車の駐車OKな宿泊施設がいくつか並んでいて、
その中のひとつ、いちばん安いヤツに泊まることとなった。
無論、車ひとつ持っている相手の商売だから、ボロ屋敷ってほどじゃなく小奇麗でちょっと洒落た場所。
ただしお食事のサービスは無い。そこらへんが最安値たる所以か。
―――ここらへんは交易が盛んな分、食材も良いからね。食べ歩くか買ったほうが良いのよ。
 …じゃ、俺が担いでいる食材は何ですか。
―――んー、愛妻クオリティ? なんにしろ、竜のまま体が戻らないから、竜小屋で今日は寝るね…
 …う、なんか申し訳無いね…
―――気にしないで。慣れてるから。
 鎧竜へと変化した彼女の表情は読めないが…しかし、その頭は、少し垂れているようにも思えた。
 
 
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「はっ、はひ…」
 ほぉーらノアちゃん、おにーちゃんが来るまでもーちょっと遊ぼうねー♪
 
  中流宿泊施設。その一室。スポーティな、赤の刺青に染まった猫女性が、
 真っ白な柔らかいウロコに覆われた幼女と、息を切らした彼女と、ひとつベッドの上で戯れている。
 つまり、虹絹隊長の私とノアちゃんが借り宿でエロエロしてるってこと。
 
 お前、退行したら、また処女になっちゃうんだなぁ?
「にゃあぁ…」
 幼女のスリットからは、まだ乾いていない血が溢れている。ただし、真っ青な血。ヒトデナシのアカシ。
 …余談だが、処女膜って完全に子宮への道を封鎖してるワケじゃない。
未経験でも初月経のときに血が漏れるのが、その証。ちょっとマラソンとか運動をしたら破け、
初経験のときに完全に保っていることはまずありえない。その時の出血は、
だいたい膣内壁が耐えられないからだ。回数を重ねると慣れるが、個人差が激しいため
二回目の経験でも出血なんてザラにいる。いくら事前愛撫しても限界がある。
 …けど、ノアは違った。私の指の感覚が正しければ『完全にふさがった状態』を頂いた。
しかも膣内壁はひっかいても傷付かないほど非常に丈夫にできている。
 …ノアの製作者の性癖が多少伺える。生き返ってまずは処女奪って生きた実感ってか?
 
 さて…そろそろ、私の指も飽きただろうに?
「へぁ…?」
 できるだけ、戦闘の邪魔にならないように絞り込んで造った体…しかし、少しだけ、無駄がある。
 
ノアを片手で抱えたまま、私の右手を…私自身の中へ、送り込む。
私の膣…毎回、オスの趣向に合わせて、いかに効率良くイカせるか…
ちょっと内壁をイジって、形状を少し変えれば、ピンポイントの脅威を与える。
そこに、私の指を…ヒダを残したまま…そして手の甲も、挿入する。
 
 うぐぅ、オスの感覚…しかし、この手ですら、掻き回しても同族のソレに及ばないのだ…それだけナマはデカい。ケモノは。
 そして子宮口に辿り着く。…小さな、精液のみを通す穴。今は特例的に組織を緩くして…ねじ込む。
子宮口を開いた記憶…高度な知性を持つ、雄竜を隊員総出で組み伏せて、膣じゃ収まらないから子宮内まで男根を導いたっけ…
非妊娠時の大きさは上下に7cm程度、幅が4,5cm程度で、骨盤内に膣の上端と繋がって存在する。
その、孕みの宮すら、私はオスをイかせるためにイジった。もう、子作りなど永遠に縁がないのでな。
 
 腕を進める。ためしに子宮内壁を、数ヶ月ぶりに擦る。…あっ、あぁ…さすがに過敏でイっちゃいそうだった…
ああ、あの時の竜はスゴかった…射精感も相当耐えてがんばって、こっちの子宮を突き破りそうだった。
子宮内に触手を多数生成して、そしてスクリュー状に絡め取り、不規則に撫で回して、なんとか果てさせた。
そして、ついに天井に…骨盤と繋がった子宮のその一番奥に指先が到達する。
私が定めたとおりに…子宮の奥で…指で小さく印を描く。…ゴリっとした感覚とともに、『そこに造ったフタ』が『外れ』て。
 …私の体じゃない、仕舞ってある『オモチャ』。骨盤と小腸と大腸があるべき場所を、ちょびっと押しのけて造った追加領域。
そこに仕舞ってある、この、長い棒状のを…ぐっと、一気に引き抜く!!
 
ズリュリュリュッ!!!
 っくはぁあぁぁ!! あ、にゃ…にゃん…んっ。
 
 あはぁ…これすると、いっつも息を切らし、理性飛びそうになる…クク。
体組織を通常に戻す。ほんの十秒程度で、子宮口も、その天井のフタも接合して、普通のオンナに戻る。
…元は人間だった証明だ、いくらバケモノでも、これくらい取り繕っても別にいいだろう?
 
 私の指に挟まれて…テラテラと濡れている、真っ黒なこれ。
 はいノアちゃん、これなーんだ?
「…はぅ!?」
 
 ちゃらららっちゃらーん。 「双頭ディルドー(漆黒の闇編)」!!(CV:ド○え○ん)
 
 普段なら、これを私の膣にセットしてメスを攻めるが、今日は趣向を変えて。
 はい、今日はノアちゃんはオトコ役だね、がんばりましょー♪
「ふぇ、や、にゃーーー!!」
 グリっと幼女のスリットに黒棒をねじ込む。ねじ込んでやる。ククク。
無理に押し広げられて、でも柔軟にそれを受け入れている。大丈夫、私が舌技を駆使してベトベトにしておいた。
 …そして、この双頭ディルドーの『効能』が始まる。
 はい、ノアちゃん股間にちゅーもーく!
「はひぃぃ…ひあ、ひゃぅ!?」
 グッグッとディルドーが勝手に彼女の膣にもぐりこんで、位置を調整する。
…そして、膣口周りとの結合境界が、徐々に薄れてくる。ガチガチの硬度を保った、外部側の張り子が
だんだんノアの肌と同じ、雪の白に染まって…完全に、ノアのそこを、『オス』に作り変えた。
 
  このアトマーシャ製の性医学とマナ姫協賛の魔法化学が融合した、
 『これであなたもお気軽に性転換v 彼氏のお尻を狙っちゃえ☆君』(双頭張り子)
 をもってすれば、どんなに魔法の知識が無い一般人女性でもお気軽で安全に男性気分を味わえる。
 内部に張り巡らされた擬似神経が、膣内と半融合して安全にいつでも解除可能なのに感度バツグン。
 しかも使用者の肌の色を自動で追跡して、自身の表面色を自動で調整する芸の細かい機能つき。
 つまり、ノアは今、どーてー君だ。ああ、すばらしきかな童貞喪失!! 我が手に童貞あれ!!
 …我ながら意味不明になってしまった。いかんいかん。要は、タマなし性転換のアイテム。
 射精は分泌された愛液の98%をディルドが瞬間的に回収して、放出させる。絶頂感覚もバツグン。
 しかも張り子なのに勃起硬度が任意に変更可能。紛うことなくキミはオスだ!!
 
 …そりゃがんばれば素で性転換もフタナリもできるぞ、私は。でも一応、オンナとしての尊厳がだな!!
それと、さすがに同性を本気でイかせるんなら、やっぱ男性器がいいんだよ。百合もいいけどさ。個人的に。
 
 まぁまずは、オスの基本から教えてやらなくてはならんだろうな。
やはり、オスのツボを張り子相手に講座させるのと、実際にオスになってみるのでは経験度の次元が違う。
いい女に仕立ててやるからな、ノア。アズキのケツを狙う日も遠くはない。クク。
 
 
 それじゃあ、前の復習から始めようか…。
 ノアちゃんをベッドに腰掛けた私の上に、人形座りさせる。…ヒト製のテディベアとやらと、おなじ体勢。
 まず、ここはなんてお名前かな?
 つんつんと彼女の陰壷のディルドをつっつく。
 真上にエビ反り気味にこちらの顔を覗きこむノア。
 ぷい、とそれが、斜め下の地面へと向けられて否定の意思表示。
 こーら、無視しない♪
 きゅっと中起ちの竿をつまむ。…ディルドだが、神経接続で完全にノアの統制化にある。無論、本能のほうに。
「にゅっ!?……っ!」
 私の手にそれを掴まれて、背筋を振るわせ微小に声を漏らす。…しかし耐えている。
 揉んじゃうぞ? キモチよくっても知らないぞー?
「っ……!!」
 そう、ノアは強情なんだ。アズキにしっかり忠誠を誓って。…最初は、な。
しかし、あせらずじっくり落とす。…しごかないで、ノアの神経と融合したそれをふにふに、ふにふにと。
ビクン、ビクンと脈打って。ヒクリ、ヒクリと鎌首をもたげて。彼女の意思とは反して、自己主張しちゃって。
「わぁ…あぁ…」
 さっきまで床のほうに逸らされていたその目線は、既に未知なる自身に釘付け。
…これに2480セパタ(約50万円)払った甲斐があるってものだ。
 もっかい質問。これ、なーに?
 ギンギンになった純白の穢れ無き肌に染まったそれを、ちょっとだけしごく。
「あうっ!!」
 ビリリっと寒さに凍えるような痙攣を見せ、もう一回り男根が膨張される。
「し、しやない!!」
 ぎゅっと眼を瞑って、肩を恐怖と差恥と快感に震わせる。ほんと、アズキ相手じゃないと素直じゃないんだ。
だが、だからこそイジり甲斐があるというもの。うん、私ってSだなぁ。
 ほんとかな? こんなにビンビンで、おにーちゃんの同じ物に舌を這わせて…
 しゅっ、しゅっ、しゅっ
「ひあ!、あ、あう、うぅぅぅ……!!」
 そして、お○んこで挟んであげて、キモチヨクさせてあげたのに?
 しゅっ、しゅっ、しゅっ
「あう、う、あ、あ、ああぁぁ……っ!!」
 なのに、名前しらないの? おにーちゃんの大切な、キモチイイ場所なのに?
 ハフ、ハフと息の継ぎ場を失った白竜の子は、私の手の感覚に意識を奪われ、その目線は中を泳ぎ始める。
 それって、おにーちゃんに悪いことじゃないのかな?
 
 …どんな拷問も、ただ殴るだけでは重要な情報が出ない。
あくまで、判断を急がせること。それが、痛みにしろ、快感にしろ、用途で目的。
だから、ノアが大事にしている…『アズキおにーちゃん』を上手く使って、誘導する。
 
「…はぅ…? う! …うぅ…ぅ…」
 
 そして、少しの『拷問の空白』も大事。耐えるその瞬間は、意識が消えかけるので案外固い。
ただ、次の痛覚に恐怖させて…次の快感に期待させて…そして攻める。
 
 私の手中でカウパー腺…違う、愛液がにじみ始め、それが擬似竿に吸われては鈴口から溢れている。
下手をすると本当の男性よりも量が多くなることがある。それがこのオモチャを使う楽しいところ。
そしてカリをちょいちょいとツメでなぞり、萎えさせない程度に、性感が衰えない程度に刺激を続ける。
 
 だからぁ、おにーちゃんのこと、知ってあげるの。悪いことじゃないでしょ?
 そっと、彼女の耳元…といっても、爬虫類頭なのでどこがそれか分からないが…頭部の側面に語りかける。
「はぅ………」
 そしてこの子は迷って、目線が足元に向かれてきょろきょろと首を少し振りつつ見えない目標を探す。
…うむ、この困った顔は何時如何なる時でもかわいらしく趣深いものだ。クク。
 …エッチな言葉、いっぱい知ってれば、おにーちゃんをもっとエッチな気分に、させてあげられるんだよ?
「えっちにゃ、きぶん…?」
 そう、キモチイイ、気分。
 …そして、この性拷問は…まれには誉めるように、優しく、相手を労わることも効く。
ノアちゃんの頭を、ふわふわと撫ぜてあげる。アズキが父で、兄なら、私は母で、姉だ。
やんわりと、私の胸の中へ…ちょっとちっちゃいのは私が戦闘で動き易いように調整してあるだけ。
最低限『牝』らしさを残す程度に、押せば、揉めばやわらかい感触で相手を誘う。
その双球に、ノアの頭を埋めさせて。
「まふ!!」
 な? おにーちゃんに、優しくしてほしいだろ? 気に入ってほしいだろ?
「…あい」
 …一緒に、がんばろ?
「……あい」
 
 クククッ!! か~~(↓)わ~~(↑)い~~(→)い~~(↓⇒→)♪
 
 じゃあ、もう一度。ここは?
「……お、……ちんちん…」
 よくできましたっ♪ よーしよしよしよし、あめちゃんやろうか。3つか? いやしんぼめっ♪
 こっちは? こっちはどうよ!?
「…にゃ……ぉ…っぱい…ふえぇ」
 とりあえずそれでオッケーオッケー!!
 なんかもうイジめてすぐに泣きそうな顔見てるだけでもう私の心のチ○ポがビンビン!!
むふ、そろそろ相手してやろうっかな!!
「はえ?」
 んじゃ、教育実習としゃれ込みましょう、実際にあたし相手にオトコノコためしてみようか!
むんずと、硬直したソレを私に導く。私のほうは隠語遊びでもうドロドロです。
 ほぉら、おいで…おにーちゃんは、お前と繋がってるとき、こんな感触なんだぞ♪
 私のワギナは、ノアに挿された擬似男根を迎え入れ、そして包み始める。
「にゃあぁぁぁあああ!!」
 グリリっと、確実に、少しずつ、白い塊が小麦色の肌に沈んで行く。
そのまま容赦なく、躊躇せずに腰を落として攻めて攻めて攻める!!
「にゃああああ、おねーちゃん、おねーちゃあああん!!!」
 ほらっ、出しなさい♪ おねーちゃんの中に、ほらほら!!
「イく、いっちゃう、ふあああああ!!!!」
 ビュキュキュクゥゥッ!!
 
 ガタリと扉が開いて
「にゃっほーバジリスクのカナっ♪、おひさしぶ…」
 
 …隊員の一人『アル』が、門前で固まっていた。
 
 
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 俺はカツカツと階段を上る。んーと、23号室だったな?
カギは貰ってない。隊長が既に待っているから。コンコンと23号室の扉を叩く。
 …ノックの拍子に、開きっぱなしの扉が内側に開く。…うん、隊長とノアとお客様がいらっしゃいますね。みなさん全裸で。
 3人の視線がこちらに集まる。オレはバタン、と扉を閉める。深呼吸…よし。
 
扉をバッと開きながら何なさっとんじゃああきぃぃぃっく!!!(飛び蹴り)
 
 で、パシっと片手で受け止められた。隊長の手で。チッ。
「にーにー、おたすけぇ…」
「む、いいところだったのに邪魔しおって」
「ありゃ? キミがアズキ君だね、よろしくっ♪」
 あ、あれ、視力が落ちすぎたのかな。なんかノアからお○ん○ん生えて、
ベッドに押さえつけられているように見えるが気のせいに違いない(自己暗示)。
そこに隊長が馬乗りになって、金髪ショートクセ毛のこの小○五年生みたいなのに巨乳な、ちんちくりんでやたら親しげな女性が
二人の結合部をペロペロと容赦なく舐めていた。んで右手は自身のお慰みもの。
「おお! ヒトだぁ♪かーあーいーいーっ!!」
 ふぎょお!? 飛びつくな飛びつくな、痛いって木の床に押し倒されるのは!!
「ね、これが私達の子? 郵送されてきたのに書いてあったけど!!」
「そうだ。我らの奴隷、アズキ。無論、この白竜の子がノア。ああ、アズキ。この煩いのがアルだ」
「そっかそっかー! 名前聞く前に飛びかかっちゃったけど、やっぱキミがかぁ♪」
 どうもこちらの情報は隊長が定時報告で利用してた『黒豹ヤマトの飛脚便』にて知っているらしい。
「ね、ね、早速あっそぼー♪」
 うげ、早速オレを脱がしにかかるのか!? せめて冷蔵庫にメシを移させろよ腐るだろ!!
「「それは困る!!」」
 
 
 
 …さすがにロナさんの前に置いてきた多量の荷物を回収に外に出るときまでお二人は全裸じゃなかった。
ノアにも、明日には雑巾にして使おうかなーと思ってとっといた幼児服を運び出して着せた。
無論、幼児に荷運びはできない。なんとなしに俺の頭の上にへばりついている。重くないしかわいいから許す。
 隊長は軽く皆を小突きながらエロい冗談…冗談に聞こえないのがミソ…を振りまいて部屋と竜小屋を往来した。
 アル様は久しく会ったのであろう、竜化しているロナ様の前で小振りな体を、身振り手振りブンブンしながら
軽く首をかしげたりして話を聞いている鎧竜と戯れている。
 ほんと、エロさを抜けば、女子高生がキャピキャピしてるみたいな。…死語かコレ?
 
 そんなこんな考えつつ、自身の非力さを黒魔術さながらに怨念を込めて呪いながら荷運びをしていると。
 …ィ…ィィ…ィィゥィ…
 …ん、なんか来る音がしません?
 …キィィィ…ィィィィ…
「ああ、『黒豹』だな」
 …ドドドドドドドド
―――相変わらず、派手な音ねー。
 …ドドドドドドドドドドドドドド
「あ、見えた、南から爆煙!!」
 ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
「はぅ、はやいー」
 
「ちわああああああっす、お届けものでえええええええっそぉい!!」
 ヅギャギャギャギャギャガキッボシャン。
「ウヴォア――――!!!」
 …最後のほうのは、水汲み場のバケツに足が引っかかってそのまま風呂サイズの水溜めに黒豹が突っ込む音だ。
「ひょーさんは、おっちょこちょい、なのですー」
 
「いやー、今日は華麗に宙返り着地できなかったなぁ、失敗失敗♪」
 ベトベトのままケヘって顔してもだめです。あと、荷物濡れてますけど。
「だーじょうぶだって! だってケースが完全耐震耐水構造!!」
 背負っていた銀色のケースを降ろし、中身を取り出す。…中身から、一枚の紙切れ。
「んじゃ、あんた隊長さん? こことここにハンコお願いしやっす! あと、こっちにもサインで!!」
「…ハンコがない。血判で構わないか?」
「オッケーっす。ナイフいる?」
「大丈夫だ」
 隊長は、ちょいと指先を噛む。つまり、指紋をハンコに、血をインクにするアレだね。なんか指切り慣れてるね…。
「…っしゃ、これにて受け渡し完了! 御代のほうは送信側払いっす。んじゃ、毎度あり~♪」
 ガっと踵を反して背を向けた瞬間、またガッと踵を反してこちらを向く。
「…そーだ。つかぬ事をお聞きしやすが。『ウィルとダンテ』っつーヤツら、知りませんかね?」
「…? アル、聞いたことがあるか?」
「んー、イヌとネコのドラゴンハンターだって風の噂に聞いたけど」
「そッスか。失礼しやした。又のご利用、お待ちしておりますだあああああっしゅううううぅぅぅぅ…!!」
 …あのテンションで走ったら、絶対に息切れると思うのに。
言い終わる前に走っていきました、黒豹さん。いや、どうでもいいけど。
 
「…でカナー。お城からなんて?」
 隊長の肩に、わざわざのっかって覗き込むアル様。
その体重に微動たりとも姿勢を変化させず、王都からの指令を読む隊長。
「…うむ、私の単騎行動指令だ」
「えーーー!!! まだ、今回は会ってから一度もイかせ合ってないのにぃ!!」
 すんごいこと言いながらガクリと肩を落とすショートクセ毛猫。
なんですかここは。エロの権化率がついに50%に到達ですよ。
「んー、すぐに出ろとの御達しだ…すまんな、また次な」
「ぶぅー…」
―――いってらっしゃい。気をつけてね。
「ああ、アル」
「ほえ?」
 うなだれていた顔を持ち上げ、隊長を見つめるアル様。
「…アズキは、好きに使え。武勇伝を期待している。クク」
「おおお、さすが太っ腹、んじゃ、アズキ君よろしくねっ♪」
 
 …
 
 うん、どうやら俺は、無事に引き渡し作業が完了したようだ。クソがっ!!!
 
 
 げんなりとした俺は、嬉しそうにピョンピョン跳ね回る本当に子供みたいなアル様に手を引かれ、俺達の自室へと戻る。
「ねーねー、アズキくん、なんで白竜の子と一緒にいるの?なんでカナに気に入られたの?ロナとはどーいう関係ねぇねぇっ!」
 …一度着衣すると、確かにこの人は子供のような無邪気さで話しかけて来る。
とりあえず、俺の知っていることから順番に話そうか…
 
「ふーん、冗談みたいだね?」
 でしょう、そう思うでしょう。俺も冗談だと思いたいですよ。
「はうー」
 アル様はベッドの上で腹這いになり、ヒジをついてアゴを支えたり暇を持て余した足をパタパタさせてる。
 なぜかそれに習ってアル様のよこでパタパタしてみせるノアが非常に愛らしいため絶対に目頭が下がっている俺。
「ま、どーでもいいかっ♪」
 ちょ、おい!!
「そうじゃない。戻れないんでしょ? こっちでどー楽しく生きるか、考えないと。はい」
 竜車から降ろしてきた、アル様専用に補完されていたあんまーいペロペロキャンディを手渡される。
ぶっちゃけ甘いの苦手なんだけどなー、まあ食べるけど。ノアも渡されたそれを一所懸命に頬張ってる。やたらペロペロがイヤらしいのは隊長仕込みだからかも。鬱。
 
 最初は鬱陶しいんだけど、ちょっと慣れるとこちらのつまらない言の葉にまで大きく頷いたり、
青の目を輝かせたり。気さくに話しかけて来る女友達、みたいな? 気がついたら、既に様付けも微妙に煩わしくなった。
 
 …ぼつぼつ話たり茶化されたりしてると、もう夕焼けが窓の外。
 あー、そろそろ食事の時間ですかねぇ。ここはキッチンがあるけど食事のサービスはないそうで。
 「んじゃ、アルもいっしょにつっくるー♪」って、意気込みたくさんでお手伝いにチャレンジするご主人様だが、
やたら不器用で指切るわノアも砂糖とコショウを間違えそうになるわなんだでハラハラしながらなんとか肉じゃがとか作って食べた。
 もひとつサラダつくったり、宿備え付けのテレビで、ノアを抱き枕にしつつあのマダラはカワイイとか論じたり。
すっかり子竜もなついて、あるちゃんあるちゃんって親しくしている。マジカワイイ、鼻血が出てしまった。ティッシュはどこだ。
 興奮したリスみたいな、チョロチョロ動くご主人様が可愛らしく、そのたびに揺れるクセッ毛な黄金色の頭髪。
 
 あっという間に、夜になって。
 
「…っんー! そろそろ、寝る?」
 あ、そうですねぇ。んじゃ、早速…
 
 …
 
 何で、今まで気がつかないんだ?
 ここ、キングサイズシングルベッドじゃん…。
「ねー、添い寝して、添い寝ー♪」
 …うん、こっからが、俺のお仕事だっけ、そういや。
 
 
 部屋の明かりを…電気みたいな魔洸ランプのスイッチを切って。
 白い布団に、窓から月明かり。
「どーん♪」
 そしてアル様は、フトンにダイビング。…ちょっと自分も久しくしてみたいぞ。
「アズキ君もおいでよっ!」
 飛び込んでみたいが、間違えてアルちゃん…否、アル様を押し潰しちゃいそうなので、そっと横から入る。
「えへへー。ほんと、今日はロマンチックかもー」
「はぅ…」
 …ところで、ノアも一緒で…構いませんか? しょんぼりとこちらを見つめているんですが。
「何をいまさらー? ノアちゃんも食っちゃったんでしょ、ほらほら、おいでよっ!」
 いや、そーなんだけど、それはそーじゃないってか、もういいや。
 完全に幼児化してしまったチンチクリンのノアを抱え、俺もベッドに座る。
「にゃー♪」
 俺にダッコされてしごくご機嫌な子竜。マジカワイイ。カメラ付き携帯を置いてきたことが悔やまれる。
ぽふんと布団の上に置いてやると、「はふーん!」とふかふかの布団を堪能して転げまわり始めた。
 
 アル様はぐりっと布団の上で向きを変え、すとんと俺の横に座って。
「んじゃあ、さ…アズキ君、リードして?」
 そのまま、ぎゅっと、小さな寝巻きした体で、俺に抱きついてきた。
 …へ、リード?
「あ、そっか。カナはリードさせてくれないよねー。ロナはまずデートしないと寝ないって信念だし」
 …ええ、隊長殿にはいつもこってりと絞られております…むしろロナさんが普通じゃね?
「にゃはっ。…まぁ、またカナの話は別の時に…。でもね、私は、夜の相手は、男性主体がいいなーって、思ってるの」
 ん、隊長より年下なのに、経験豊富なんですか? ってさっき脱いでましたねそうですね…
「んにゃ? アルは『最年長』だよ」
 …へ?
「だからぁ、合成獣(キメラ)って生物として無茶があるから、寿命がおかしいんだよぅ。
 …まだ、あんま説明されてない? いろいろあるんだけどなー。スズメバチに刺されたり、ティンダロスに性的な意味で負けたり」
 全然です。…つまり、隊長達は…『寿命が短い』ってことですか…?
「ま、そうだね…」
 ふぅ、とアル様は鼻で溜息をついて。
「でもね。考えないことにしているんだ。だって、もう後戻りはできないんだからねっ」
 にっとピースサインをこちらに送ってくる。
「だから、やなこと全部…忘れさせて?」
 
 アル様は、未だに寝巻き姿で俺の腕の中にいる。ただ、俺をそこから青い眼で見つめてくるだけだ。
思わず、小柄な彼女に腕を回していた。
「やだなぁ、『様』はいらないよぉ」
 にーっと歯を出して太陽のような笑顔。
「にゅううー…」
 おおうっ!? …ノアが、俺の方を睨みながら唸ってる。何故に?
 アルは、くいと俺の腕の中から顔だけ回して
「お、嫉妬するのー? キミはカナとアズキ君と3Pでも文句言わずに楽しんでたって聞いたけど?」
「にゃ、はぅぅ、にゃーーー!!」
「にゃははは、ポカポカ殴ってもいたくないぞっ♪」
 ぶんぶん寸の詰まった手足を振り回してアルに襲い掛かるが、さすがに幼女状態じゃあまり出力が出ないらしい。
最も、俺には十分致命的攻撃だとは思うが。心身共に。
「いいことだね、この子、心が成長してるんじゃない?」
 …成長、ですか? むーっとした、このちびっこが?
「うぇぇ…」
「この子も、男の子なんだからさ。そりゃ君と同じで、嫉妬するんじゃない?」
 
 …ちょっと待ってください、なんですって?
「え? 君と同じで…」
 その前。
「…この子は、男の子…」
 …えっとですね。
 
 
 パンツごとズボンを下ろさせてノアを確認すると…ある。あるんだよ、しかも俺に負けないのが。
「…カナが、小道具忘れてったんだねーっ」
 生えてるよ、男根が!! いや、さっきも見たわけだけど…見えなかったことにしてた。つか小道具って?
「んー、対女性拷問には、やっぱ男性が一番ってのはなんとなくわかるよね?
 でも私達は女性ばっかだから、そこらへんは張り子とか、魔法の張り子で性転換とか…にゃはっ☆」
 えー…ないわー。それはないわー。
「ふ、ふぇぇ」
 俺達の視線に嬲られて、どうもノアが泣き出しそうだ。そりゃ恥ずかしいわな。
 とりあえずパンツを上げさせようとすると、それをアルが制す。
「ちょっと待って!! ほら、見て…」
 …その、ツクリモノとは思えない真っ白な男根…それは、俺達の目の前で、少しづつ伸び、徐々に体積を増して…
 …ノア、見られて感じてる?
「!!、にゃっ!!」
 ビグリ、と急激にそれが鎌首をもたげ、半立ちになる。
 白く細かいウロコだらけの顔が赤くなった気がする…血は青いのに。気のせいか。
「あははぁ、見られてコーフンしてるんだ♪」
「にゃああ!!!」
 バっと内股になって手で覆い隠そうとするが、幼女の手に対してその張り子はあまりにも凶悪で、漏れてモロ見えだった。
だって張り子って基本的に成人規格だぜ? 幼女規格なんて聞いたことも無いってか捕まるから! 残念!!
 …ノアが不憫なので、ズボン上げさせてくださいなってこれ見たいがために俺止めたんですか!?
「あはは。だって、これから私にふたりともひっぺがされるんだよ?」
 にぱーっと笑っている少女は…ああ、そうだ。ケダモノでした。
 
 
「にゃふー♪ 押し倒すのって、いつも簡単なんだよっ」
 既に俺はアルの下敷き。ノアは股間を押さえてモジモジしたまま。服の着方が分からないから。
「でもねぇ、君が動いてくれないと、面白くないんだ。だから、そんな気分にさせちゃうっ」
 腕を振りかぶり、そしてネコのツメの構え。
「ひっぺがすよー♪」
ぐっと振りかぶり、俺に迫る!!
 や、これはダメです、この服は!!!
 その振り下ろされた腕は、ビタっと俺の胸の上で止まる。
「…どーしたの? この服がそんなに大事? 君の世界の、最後の思い出? …こっちの服に見えるんだけど」
 確かに、これはさっきのマダラ服専門店で買った、こちらの服。現に、ズボンに尾穴がある。トランクス見えてる。
 でも、でもこれは。…ロナさんが、大切に着てくれって言ったんです。裏切りたくないです…。
「…そっか。キミは、優しいんだね」
 すうっと、胸の上に迫った手が降りて、丁寧にジッパーを降ろす。
そっと、俺の白い上着の袖を脱がせ、
「ほら、体おこして。脱がしてあげる」
ひょいと俺から体重を外し、ベッドに腰掛けてぽんぽんと自身の隣を叩く。座れということか。
 
「じゃ、ばんざーい。」
 はい、ばんざーい。…一瞬、俺の視界がTシャツの赤い布に覆われて暗転。部屋のちょっと冷えた空気に直に触れる。
「あにゃー…にーにの、おっぱい」
 ん、なんだってノア?
「はぅ!? にゃ、にゃにも!!」
 んで股間を押さえたまま、ベッドの上でぐるっと背中を俺のほうに見せる。背中の四枚羽が緊張してピンと張っている。
…恥らう姿がかわいいのが喜ばしいぞおにいちゃんは。次は自分で服を着れるように教えてやらんとな。
「んじゃ、前も降ろすね」
 ベッドに腰掛けて後方側を注視している間に、アルは俺の正面で、ズボンのベルトに手をかけていた。
カチャリと乾いた金属音と共に止め具が外され、ジッパーが降ろされ、そして、ずるずるとズボンをトランクスごと下げてくる。
「あはぁ…ちっちゃめで、ツルツルでいいかんじ」
 …他者の男根を見て萎えた状態であるとはいえ、俺は相当にアレが貧相らしい。死にたい。
「そうじゃないよ。ネコのオスは、めっちゃトゲが生えていて、同属でも引っかかれて血が出て苦しいことが多いんだよ。
 でもヒトは、そんなのがないから。大きすぎることも少ないし、ふつうのネコには、ちょうどいいんだよ」
 まさに俺らは性玩具。
「えへへ…じゃ、お口でシてあげる」
 
 ちゅ、と、俺の分身の鈴口にキス。萎えていたソレに、こそばゆいファーストタッチ。
「ふぅん…こっちのオスと違って、常時ムケてるって聞いたけど、同じなんだね」
 …そういうヒトもいます。俺の場合右手が恋人だったんで、伸びたのかも…首吊りてぇー。
「そーなんだ? でもこっちのオスは、勃起してるときムケてれば十分で、ふつう皮かぶってるんだよ。動物だし…はむっ」
 そして、まだ硬度が十分でない伸びはじめたソレを一気に口に含み、舌先で皮を押しのけて
カリをヤスリ舌でゾリゾリと刺激し、海綿体を膨張させる。
流石に慣れているのだろう、そのまま完全に勃起してもめ一杯咥えたまま離さない。喉の奥に俺がぶつかる感覚。
それも、ちょっとアゴの位置を調整して、完全に俺を収めた。
 ふんふんと鼻を鳴らし、上目遣いで俺を見上げながら、ピストン運動せずに舌だけで竿の根元を舐る。
…先端への刺激ほしさに自ら腰を振らせようという魂胆か。俺はあっさり落ちるだろうな。既に息が荒く…
「にゃぁ…」
 軽くノアが鳴く。それに反応してか、アルが俺から口を離す。
「う。ぐく…ぷふぅ。」
 ゴポリ、と口から音がする。
「ノアちゃん、おいで。センズリの仕方もわかんないんでしょ? 一緒にシようよ…」
 振り向くと、ノアが足に引っかかっていたパンツを捨て、俺達のほうを向いて仁王立ち…寝巻きの上一枚で幼女だから迫力なし…
して、ビンビンの竿を手に収め、しかしどうすれば良いのか知らず、そのままシゴかずに立ち尽くして切ない顔していた。
 よたよた、ふらふらと、空腹の子供が調理場の香りに誘われるように、俺達に近づいてきて。
 ぽてっと俺の横に座って、でも手にソレをおさめている。
「えへ。んじゃ、『こっちの口』は、ノアちゃんに…」
 シュルリと、アルの尾が、暗闇から伸びて、ノアの…男根に、巻き付いて…いや、ちょっと待て!?
「ふえあぅ!? にゃ、ふあぁあ!!」
 ノアも予想外の感覚。その『尾』は、緑のウロコに覆われ。『ヘビ』であった。
「えへー、びっくりした? 忘れてたでしょ、ボクが『合成獣(キメラ)』だって」
 …そうか。この人たちは…いや、ヒトデナシだった。
 
「にゃ、にゃ、にゃぁあぁ…ぁ、あっ……っ!」
 グポッ、グポッっと音を立てながら、ヘビはノアの竿を咥え込んでピストン運動をしている。
 そのヘビにも眼が、爬虫類のソレがあり、キっとノアを見つめていた。
決して太くは無いソレは、しかしヘビ独特のアゴ外しによってか、成人サイズの子竜のソレを難無く飲み込んでいる。
そして筒を捻るように、また稀に細長い舌を漏らして根元まで刺激し続けて…
「あれれぇ? アズキ君のも、触ってないのにヒクついてるよっ♪」
 げ、思わずノアへの行為に見とれてた…今は同じオスであるだけに、共感してその不可思議な光景に興奮していた。
「えへ、興奮してくれてるんだぁ…」
 少女は月光の元、黄金色の短髪をなびかせ。
そしてまた、俺自身を咥え込もうと…
「だ、め、にゃ、はふ、だめっ!」
 ぐっと身を乗り出して、俺の横で男性器を貪られているノアが、割り込んできた。
「にーにー、はうっ、にーにーは、ノアが、ノアがするの!!!」
 …独占欲。無論、俺にもある、それ。快楽に身を震わせ呂律を失いながらも、彼女は主張してきた。
既に公共物と成り下がった、いや、それ以前から自身への定義を放棄していた俺には、久しいそれ。
「にーに、やぁ、にーには、ノアがいいの、ノアがいいのぉ!!」
 もう既に、目の前の猫舌に魂まで絡め取られていた俺を信じて。
「…にゃはっ、キミは、ノアちゃんはアズキ君のことだーいすきなんだね」
「はうぅ、そ、にゃはふ、にゃ!? にゃにゃ!? にゃ――――、にゃ――――!!!」
 俺への思いを、否定と肯定とのハザマで。パタパタと暴れて。…お年頃な反応。
「アズキくん、ノアちゃんは、アズキくんの言うことだけは聞くんだよね?」
 へ? あ、ええ、一応…
「楽にさせてあげて? 一緒に楽しまないと…ウサギさんの言葉を借りるなら、『美味しいものは分け合う』ってね」
 …ノア。
「にゃふ、は、はい!!」
 …にーちゃんのこと、嫌いか?
「にゃ!!?? にゃ――――!! ちがうです!!」
 じゃあ、好き?
「はうぅぅ……」
 好き。その一言が言えない。目線が泳いで、泣きそうになって。…いろいろ手順すっ飛ばして、既に繋がったりしても。
気がついてしまったから、言えないコト。…そんなところか?
「んじゃ、ノアちゃん。キライじゃないなら、私より先にアズキくんを喜ばせないと、実はキライなのかもねー。むふ」
「はにゃっ!!」
 その一言だけを残し、アルは…俺自身への愛撫を再開する。
「うにゃ――――!!!」
 やっきになって、それを追いかけて、ノアまで俺を舐めて…うわぁ、二人掛りだぁ…
 
 ノアが俺の横から身を乗り出して、未だに続く自身への刺激から体を震わせつつも、しかし爬虫類の長い蒼の舌で攻める。
それに応じてアルはノアの対角線上へ移動し、ゾリゾリと快楽細胞を削り取るような、まさにネコ科の熱い赤の舌で絡める。
「むぐー、ぐ、はふ、はふぅ!!」
 一心不乱に俺を、力任せに長舌で一気にカリを攻め立てて。
「にゃは…やるねぇ、ノアちゃんも」
 丁寧に慎重に、ゾリゾリとカリを痺れるように剃り上げて。
ノアも痙攣が激しい、絶頂が近いのであろう。そして、俺も…もう……
ダメだ、で…る……!!!
 
ドプッ ドクッ! ドクドク…
「わはぁ♪」
「にゃああああ!!!!」
 白濁を巻き上げ、二人の顔を汚す。白竜も達する。
思わずノアが仰け反って顔を離すと、すかさずアルが噴火収まらぬ鈴口を咥えて、飲み下す。
「む…ん。」
 ゴクリと喉を鳴らし、俺の種子を胃に収めて…
「ふぅ、アズキくんのはヒトのワリに濃いね。健康、健康♪」
 で、スペルマまみれのまま俺に指鉄砲作って狙い打ち。
「はう、ふぁ…」
 へたっと俺の竿のすぐ横でくたばるノア。
「じゃ、ノアちゃんのもいただくねー♪」
 ヘビの口がカポリとノアから外され…アルの本当の口のほうへ。
そして、非常に長いそれは…ヘビは…そのまま、アルと見詰め合って、口付けして…
「うふ、いただきまぁす…」
 
ディープキス、と言えば簡単だが、しかし蛇の舌は蛇自身の喉の奥に反り返り、白濁を纏い。
それをアルが舌を伸ばして、細長い舌へ絡みつかせ、そのまま蛇舌を自身の口へ導いては…味わっている。
まるでボトルに詰まった水飴を舐め取るように、執拗に蛇の口移しを貪っていた。
 
「ふあぁぁ…すごい、ほんとにこれ、媚薬になるんだぁ…」
 先ほどにもまして眼がトロリとしている。そうだ、ノアは人外で体液がエロい気分にさせる効能が…
「カナの手紙にもあったけど、こんなに…すごいなんてぇ…えへへ」
 やばい、眼が虚空をゆったりと泳いでいらっしゃる。
「んふ、ふ~♪」
 あー、こりゃ骨が折れるまで押し倒されるな…南無参。
 …予想に反して、ぽふん、とベッドにやらかいものが落とされる音。
「…きてぇ」
 まだ、一枚もパジャマを脱がされていない彼女が、俺を求めて。
ベッドで仰向けになって、両手を俺に伸ばして、潤んだ眼で見つめてきて…。
据え膳だっけ? なんだかなぁ、って言葉だったけど。でも、『来て』と言われたら…『行く』しか、ない。
 
 …女性の衣類を脱がすなんて、初めての試み…と言いたいところだが、何度かノアを着せ替えさせている。
ただ、異なる点は…胸、でけぇ。うーん、10代な外見のわりに、って意味な。間違いなく20才のCはある。
ノアがつるつるぺったんで男の脱ぎ着と同じだから全く気にしなかったが…これは、ひっかかりそうだ。
「んにゅー? ボタンはずしてよぅ…お、おまんこ、さびしくなってきたよぅ…」
 はぁ、はぁ、と息遣いが聞こえて、月明かりに切ない顔が照らされて、八重歯が光った。
…深く考えたらダメだな。脱がそう…ボタンを外して…
「あはぁ…夢だったんだぁ…オトコノコに、シてもらうの」
 …袖を、腕を持ち上げて、外させて。シャツが見えた。
「だってねぇ…エッチは、ゴーモンなんだよ?」
 …シャツを脱がさせようか…む、胸が引っかかって上に引っ張られてる。
「シラナイひとと、なかよくなっちゃ、だめなんだよ?」
 …うおっ、『ばるんっ』って胸が…これ鼻血でそう。
「だって、ボクらは、コッカのショユーブツなんだもん、ヘイシなんだもん、バケモノなんだもん…」
 …ノーブラだ。乳首が奮え立っている…次は、ええと、そうズボン…
「そんな、オトコノコにやさしくしてもらって、スキになっちゃったら…ハイキされるもん…」
 …くまさんパンティ。縦線の新しい染み入り。ぐっ、俺の股間がはちきれそうになる…!
「でもね。アズキくんは、ヒトで…人権が無いから、例外で…でも、ココロがあって。」
 最後の砦に、手を掛けて。それにあわして、アルが自分からぐっとお尻を持ち上げた。
「キミなら、ボクは、ボクらは、シアワセにしてもらえるの」
 
 …そこには、昼型の痴態がウソに思えるほど、ピンク色の幼い門が、あった。幼さゆえか毛は一本もない。
「だから、アズキくぅん…おねがい、します…」
 半分、俺は聞こえていない。隊長にも許されず、ノアには俺の自制心が働いて、しなかったこと。
…自分から。自分が、自分で、自分のモノにシテシマウという、コト。恐ろしくって、甘酸っぱそうで…。
「イヂワル、しないでぇ」
 彼女の眼を見つめすぎて、モノへの刺激が気がついたときは、あのヘビが…俺の竿にチロチロと舌を絡みつかせ、
そして俺の目を…ヘビなのに、ヘビのクセして物欲しそうに見つめていた。
 
「…んにゃ」
 ノアが、先刻の軽い失神から復帰したようだ。ぽーっとこっちを見ている…。
そして、またよたよたと、しかしその眼は真っ直ぐに俺たちを捕らえ、迫る。
ぽたっと、ぼたもちみたいなふわふわのお尻をついて、また俺たちの間に座った。
「はぅ…うにゃ」
 その小さく白い手は、同属の爬虫類たるアルの尾ヘビと目が合って。
「…そのヘビもね、ボクなんだ。ボクの一部で、ボクとオナジものを見てるの。どっちが主体とかじゃなくって、ボクなの」
 難しいこと言ってるが、精神がリンクしているらしい…その、アルの分身たるヘビを、ノアは…そっと、抱きしめた。
「んっ…あったかぁい…」
「う、にゅ…」
 そして口付け…青い舌と、赤い舌が、細長く伸びて、絡み合い、濡らし合い…急に積極的になったなぁ、ノア。
「だって、かわいい、にゃもん…」
 同じ爬虫類だから、何か惹かれるものがあるのだろうか。なんにしろ、自身を丁寧に愛撫してくれた彼女を労わっている。
「えへー、ノアちゃんも、かあいいよ…♪」
 その言葉に反応してか…ノアの、白濁にまみれた純白の竿がビグリと勝手に鎌首を持ち上げた。
「にゃはっ、もっかいできそーだね…アズキくんも」
 …む、不覚にも先ほどの刺激とノアのふっきれた姿に興奮して…すっかり俺も高硬度を保っている。
 
 俺はベッドに腰掛け、アルが俺の…その、ヒザの上にちょんと乗り、そしてノアがアルのヒザの上で俺と向き合う…ロシアこけしか?
といえど身長差が著しいため、俺の胸元にアルの後頭部、その彼女の豊満な胸にノアのちっちゃな顔が収まっている。
 ただ、アル様の背中には『羽』があった。ノアが真っ白なコウモリ羽であるのに対し、こちらはカラスのような漆黒の羽。
…ただし、これまた『小さい』。マジコスプレ。飛べるわけがない。肩幅すら突破してない。
「むにむにー」
「きゃはぁ、おっぱいイジんないでよぉ、くすぐったいってにゃははっ!」
 無邪気そうなしかし淫事をとろりとした眼に浮かべ、ふたりはじゃれ合う。ぐにぐにとマシュマロみたいに変形する胸。
なんで淫事と感じるかって? 俺の脚の上に、アルの滴る雫とノアの作り物たる男根がビンビンになって擦れているからだ。
「じゃあ、アズキくん、そろそろイれて?」
 オス(性転換)とメスが目の前でエッチにジャレているのを見てるんだ。アダルトビデオなんかよりも、
ずっとダイレクトで濃厚な視角刺激が俺を襲い続けていた。既に俺自身の準備が整って、竿は先刻のフェラによる唾液の上に
自身の先走りがダラダラと残りわずかな理性と共にあふれ出してしまっている。
 ずい、と腰を進め…ノアの竿と俺の分身が触れ合って、擦れる。
 と同時に、なま暖かい陰門の雫が俺の肉棒に降り注ぎ、真上に目標があることを示唆する。
「うにゃっ」
 ノアが軽く青い唇を開き喘ぐ。俺も声がでてしましそうだ。
ぐっと腰を持ち上げて…その膣液で濡れそぼったアルの秘口へと、俺を埋没させる。
「にゃ、にゃはっ、いいよぉ…も、もうちょっとオクに…ボクのオクにっ」
 ぎゅっと彼女を、ノアもまとめて、抱きしめて。ズリュ、ジュリュ、中へと、押し進める。
 じっとりと潤ったそこは抵抗も少なく受け入れ、小さなイボがゴリゴリと絞る。
 こつん
「にゃにゃああっ!!…あはぁ、はじめて…オトコノコに、シてもらっちゃった♪」
 きゅーっと小さな背中が押し付けられ、振り向きざまにみゃはっと満足そうな表情を浮かべて。
「はわぁ…からだ、くっついてるから、すごい、わかる…はぅ…」
 ノアも、開脚して足をアルの骨盤に預け、男性器を二人の間に埋没させている。
俺のフトモモとアルのお尻の間で、ぐっぐっと腰を前後させて、素股に近い感覚を味わう。
「むふ…ノアちゃんも、いれて?」
 …え、それは、後ろの穴、だろうか…
 俺とアルは背面位で根元まで結合しているため、当然彼女の尻と俺のモモの平面間は皮膚感覚以外で検知できない。
ノアの男根以外に、肉平面への侵入者。ゾリゾリとした感覚、ウロコ、細長い…ああ、『尾ヘビ』だな。
それが、結合部のすぐ側で素股しているノアへと迫り…さらに唾液に染まった細長い舌を伸ばし、ノアに絡みつく。
「はう、はぅぅん♪」
 ブルブル身を震わすノアの振動は、アルの体に衝撃を吸収され、その肌へと、胸へと吸収されて、俺にまで伝わってくる。
「おいでぇ、こっちだよ…」
 ズリズリとヘビが移動をはじめ…ノアはその舌に引っ張られ、肉平面を移動し…
「そう、そのまま…」
 …ん、この姿勢でどうやって尻に誘導するんだ? バックは俺側で、アベコベだ。
 気がついたら、既にヘビは『俺の竿のすぐ横』まで移動し、ノアの先端は結合部へと…
ま、まさか…
「…もいっぽん♪」
「にゃにゃあ!?」
 ガッとアルはノアの尻を掴んで引き寄せ、自身の既に俺が納まった蜜壷へと押し込む。
 そして俺の尿道側へともう一本の男根がギュウギュウと押し付けられて擦れ、奥まで迫る!
 わ、やべ、ノアのカリが俺と擦れてる! 互いの突起が引っかかって予想以上に刺激が来る!
「いっ…つ…!」
 流石に成人人間サイズを二本はキツかったのだろうか、眼は潤み眉がクッと釣り上がり苦痛の表情。
「にゃはぁ…さすがに、二本は同属の巨根くらいかぁ…」
 えぇ!? なにそれ、デカすぎだろ…この世界のオスは。
「アズキくんのサイズでなら、ネコみたいなトゲがあっても大丈夫だろうけど…
 猫は同属にもギリギリのサイズで尖ってるから、すっごい痛いの。
 でもね、もともと猫はこのサイズをなんとか受け入れることができるから、トゲさえなければ…ってのが、本音かな」
 あ、ああ…サイズ的には、これで良い…のか? 無茶苦茶な。
「そりゃ、ほとんどの女性が膣に若干の余裕があるほうが楽しめるんだけど…裂けたり切れたりすると痛いし…
 でもボクは、いちおー隊長の拷問補佐とかで慣れてるし…ちょっと痛いのが好きなんだっ♪」
 …マゾのMは満足のエム、サドのSはサービスのエス。そんな言葉が頭を横切っていった。
 
「でもね、もーちょっと待ってね、流石に、ちょっとイタいかも…えへへ」
「にゅふふ」
 …ん、どうしたノア。不気味に笑って。
「ほかほかー♪」
 ぐいぐいと体を揺らし始め、微妙に膣内で動く。
「うわあぁ!? ちょ、ちょっとまって、まだ、いた、にゃあ、いたたた…」
 ぐぅと歯を噛み困った表情をして。
「きゅうきゅうー♪」
 ゆさゆさと振り幅を広げ、膣内で軽く前後運動。
「にゃあ、あんっ、もー、いた、いたいって、あにゃ、ひぎぃ、はにゃあ!!」
 ぐっと歯を食いしばっているんだけど。
「うにゃ――――♪」
 そして本格的に突き上げる。ついにノアもケダモノにふっきれたようだ。
「ぎにゃ、にゃあああ、にゃ、んにゃああ、いた、いたい、あん、にゃあ、でも、いつ、もっと、もっとぉ!!」
 イヤなのかどっちだよ。でも痛覚で泣きそうなのにぎゅっと俺を抱いてねだって来たら…そりゃもう…俺も、動いちゃうぞ?
「にゃはう!?」
 リズムを合わせて、ノアと突く。交互に突く。竿の背中は膣に擦れ、カリの腹はノアと擦れて。
「いた、あああ、さけ、る、さけるぅ、あんっ、あにゃあああ!!」
 ドロドロした膣液に新たなる体液が…ちょっとサラっとした、暖かい、赤い液が一気に溢れ…俺のフトモモに降り注ぐ。
「んあ、キズグチが、傷口がいいのお、もっと、もっと、おねがい、にゃはあああん!!」
 …大丈夫そうだ。そのままリズムを崩さないで交互に突きを入れる。
「にゃ、ノアも、ノアも、いいのお、にーちゃも、いいのーぉ?」
 女性器に挿入してイくないわけがないだろーが。お兄ちゃんもノリノリだぞっ。
「にゃにゃ――――♪」
 そのままノアが腰のペースを上げる。追従して俺も子竜のマシンガンペースを追う。
 ゴリゴリと二本まとめてイボイボ膣内が締め上げるてくる、これだけでもうダメだぁ、イっちまう、くぅッ…!!
「にゃ、なぁぅううう!!、イく、イッちゃうのおおお!!!」
 意識が性感で朦朧としているその時、あのヘビが最後の行動に出た。
そのままずいと結合部に迫り、頭をねじ込む!!
「あはあ、いったあああああい♪」
 ヘビの舌が前後運動を、膣内のまま俺達の竿を交互に絡め取る!
うわああ、膣壁とカリ擦りあわせとフェラとヘビのウロコのゾリゾリが一気にきてる、出るっっっ!!!
「おにーちゃ、あるちゃ、なんかくるの、すごいのくるの――――!!!」
「はにゃあああああ、もうだめえええええ――――!!!」
 ドピュ、ドクッ、ドグッ、ドプゥ!!
 吐精。しかし二人の腰の動きは狭苦しいたった一つの蜜壷を突き上げ続ける。
そのリズムは交互に子宮口を狙うため、一方が宮内へ種を注ぎ入れる間に
引いたもう一方が竿と竿の間に少しだけできた空白を精液で埋め
入れ替わる瞬間にその一塊をエンジンサイクルのように一気に子宮へとポンプ状に流し込む。
 過密状態の膣内だが円柱状の竿同士が擦れるためその間に若干の余地があり、
注ぎ続けられ高まった血と精液と愛液がそこから開放を求めブシュッ、ブシュッっと溢れる。
 俺は普通のオスで、ノアはオモチャでタマなし性転換。そしてフォア&バックで攻めているから、
溢れる液の全ては俺のキンタマに注がれ暖かく、それが剃っていない陰毛をグチョグチョに濡らしている。
 視界にはだらしなく口を解き開いて喘ぎ続ける金髪ネコミミとドラゴン幼女が月明かりの元。
寒い冷暖房もないはずの部屋がムンムンと暖かく、外からは街道の植林からの鈴虫と、内からは俺たちの息遣いだけ。
徐々に皆でペースを落とす中、イカ臭く鉄臭い、そして汗臭い複合的な恐怖感と興奮を嗅覚から覚えさせられる。
 
 
 
「はぁ、はぁ…にゃふぅ…スゴかったよぉ♪」
「はわー…」
 軽く呆けている二人をそっとまとめて抱きしめる。
そりゃヤる前は何かと理性が働いちゃっていろいろと小っぱずかしいんだけど、ほらあれですよ。生むが易し? …なんか違う気もする。
「二人とも、まだ硬いし、続け…」
 …そこまで言葉を放つと、ふっと彼女の意識が途絶えてダランと垂れる…!?
 ちょっと、どうしました、大丈夫ですか!?
「…なぁぅ…血を、流しすぎたみた…ひ…はふぅぅ…」
 言われてから部屋中を観察すると、いろんな液が混ざってるので水増しされた
とはいえそこら中に猟奇殺人風に飛び散った血痕。こんなに激しく動いてたのか…
…だとしても、身体サイズが同じで基本が似てる生物である以上、同量の血を失ったらヤバくね?
 今晩は休みましょうよ、アルさん…。
「ふにゃぁ…ノってきたトコなの…ぐぅ」
 また失神。相当ヤバいな。とりあえずノア、引き抜こう…。
「あ、あい…」
 
 
 キングサイズベッドなので、ベッドの右端…扉寄りでの行為によるシミは流石に反対側にまでは及ばなかった。
とりあえずそちらにアルの体を運び、そっと毛布をかける。
 …あーあ。ノアが蘇生魔法使ったってんなら、魔法で血の補充とか、どーにかならんのかねぇ…
「『ぶらっどでぃらー』たいきもーど。こまんど?」
 
 …は?
「にゃ?」
 
 …ノアが、蘇生魔法、俺に使った?
「はいにゃ」
 …魔法でアルの血の補充は、どうにかなるのか?
「『ぶらっどでぃらー』たいきもーど。こまんど?」
 …仮面みたいな表情で抑揚もなく、ノアが語る。
 
 …カナ様が、ノアは何らかの人造生物だと言った。
つまりノアは『道具』。何らかの目的を持って造られたはず。
 
蘇生と、治療。もしかして、お前は…そうなのか?
「わかんないにゃー」
 …そうだ、『正確に質問』してみよう。
 
 ノア。お前は、何のために造られた?
「ますたーへのひこうせんじにおけるいれぎゅらーあたっく、ふいうち、
 ぷろびでんすのこうげきなどなどからのだめーじによる
 しんたいのそんしょう、またはしぼうじにおけるちりょうおよびそせい」
 
 …前半の意味が分からない。どっかの頭のいいヤツが、自分が殺されたらノアに治させたり蘇生させたりするため、らしい。
 
 誰がお前を造った?
「かんりしゃでーたはほごかにあります。あくせすきょひ」
 …俺のこと嫌い?
「そんなことないにゃー、ないにゃないにゃないにゃ――――!!!」
 よし、あんな石仮面みたいなのはノアじゃない。こうやって表情豊かに手足をパタパタさせてこそ萌える。
 どうしたら教えてくれる?
「はうぁぅ…ぱすわーどのにゅうりょくまたは『あーく』がかんりしゃのしぼうをかくにんにてひきつぎかのう…」
 『アーク』って?
「かたばん」
 何の?
「ノアの」
 …ノアって名前じゃないの?
「ノアのはーどうぇあこーどは『アーク』、へんこうふか。しんきますたーにんしきじもーどじにあずきおにーちゃが『ノア』とせってい」
 
 …え、俺がノアって決めたの!? いつ!?
「アークはますたーにんしきもーどにてさいしょにしゅうろくしたおんせいおめいしょうとしてにんしき」
 …俺が最初に発した、声?
 
「のあー!」
 …
 なだー?
「はいにゃ!」
 
 …あー、最初になだー、じゃなくってよかった。『ナダ』ちゃんになるところだった。
 
「…はぁ、にゃ…」
 ぬぅお!? ノアの新たなる素顔に迫ろうとしてる間に膣からの出血が全く収まってない、月経を処理し忘れたみたいにシーツが赤く染まってる!!
「あはぁ…お…っはなぁ…ばった…けぇ♪」
 ダメだ――――!!! その川は渡っちゃダメだ――――!!!
「あずきおにーちゃ、あるちゃのせいしんかいろにのいずはっせい。よそうあんていじかんはごじゅうにびょう」
「はじめてぇ…オトコノコに…えへぇ…リードして…もら…えへへ」
 ノア、アルの血は再生できるんだな!
「はいにゃ。『ぶらっどでぃーらー』たいきもーど。こまんど?」
 実行しろ!
「『ぶらっどでぃーらー』あくてぃぶ。たいしょうあるちゃ。」
 
「えいしょうじゅつしき らんくでぃー つうじょうえいしょうよりじっこー。」
 
「たいしょうのそんしょうおかくにん ちつないだんれつ けつあつれべるていか きけんりょういき
 だんれつしゅうへんさいぼうえのあくせす しぜんちゆきのうぶーすと まなたんくけいこく
 まないんていかーくぉーたすろっとる まなこんばーたーひつようなし こつずいかつどうぶーすと
 へるすちぇっかーてきおうはんいない けつあつじょーしょー へいきんけんない えんど」
 
 
 
「…んにゅー?」
 あ、目を覚ました!
「…んにゃ、そっか、途中で気を失って…えへへ、血を流しすぎたかな。ごっめーん♪」
 そしてピースサイン。俺も一安心。
「んー、かなり傷口が治ってきたみたい。血もだいぶ収まってる…よし、もっかいしよっ♪」
 えぇー…また裂けますよ?
「ん、だからぁ、アズキくんはこ・っ・ち・♪」
 ひょいとお尻を上げて、わんわんポーズになって、、、こうもんを指先でつんつん…
 
 いやいやいやいやいやいやいやいやいや、それは? それはないっすよ!? それは違うでしょー!
 
「だーいじょうぶ、私はオモチャとマダラや人間サイズなら慣れてるから。オトコはドキョーだぞっ」
 …オモチャはとかく、慣れるほど使い込んでるって何ですか…
「カナと二人で個人的にウサギの国に研修にいったとき、ちょっとねー♪」
 
 菊門、といえば多少聞こえが良い(?)が、ぶっちゃけ肛門で排泄物のための穴だ。
これに無抵抗でイジれるヤツはなかなかいねぇ。だからアブノーマル。
「アブノーマルだからキモチいーんじゃん。ほらほら保守層さんっ、未知へのご案内しちゃうよっ♪」
 お尻をフリフリ、蛇もゆらゆら。ああ、めっちゃ色っぽい。
「ノアがー…するー!」
 あの魔法を使う時のガラスの仮面を何処で叩き割ってきた。
とてとてお尻に近づいていく。いや、つーかノアそんななんでシたがるよ尻で!?
「カナおねーちゃが、させてくれたー」
 うわあああああ、知らないところで俺のノアが汚されているうううううううう!!!
クソカナめ、帰ってきたらメシにハナクソ入れてやる!!!
「えへへ、じゃあ、ゆっくりね」
 俺が頭を抱えて悶えている間に既に始まっていた。
ノアは萎え方を忘れたような竿を菊門に沿えて、押し込もうと…
「あんっ、ちょっと待って…ちゃんと濡らしてぇ…」
 尾蛇がノアの竿を横からパクリと咥え、菊門のすぐ側からまだ新しいピンクの粘液を垂らすスリットに
ノア自身の亀頭を擦り付けさせ、そのまま潤滑に菊門と膣口を往復させ下準備を進める。
「わにゃ、はふ、さきっぽスリスリ、きもちいーの…はぅぅ」
 既に男児として成り切ったノアは、蛇の誘導に従い自分自身で竿を掴んで、アルを濡らす。
「えへ…ウシロはいちおう慣らしたけど、あんま使わないからね…ヒトサイズでギリかな……そろそろ…おいで」
「あい、あるちゃ…」
 体格差ゆえ、アルが四つん這いであるのに対しノアは完全に直立している。
そのまま、ノア自身がアルの尻の小振りな肉をわしづかみにして、そっと菊門を割り込む…
「あっ、ふ、んっ…そ、そう…そうだよ…」
「わぁぁ…カナねーちゃより、おくがふんわりしてる…」
 …肛門評価ができてしまうノアを見てるとなんだか泣きそうな俺。
「あ、アズキくんも、おいで…前でいいからぁ…」
 …血まみれになりながら交尾してしまった相手。もう、どこまでもついてくか…
 
 先ほどは二本攻めで一切の余裕がなかったであろう膣内は、俺一人に独占されることにより
若干の余裕を持って、ヒクヒクと痙攣しながらまだ乾かぬ俺自身を迎え入れた。
だが、これは…カナ様と繋がっているときと決定的に違うのは…
 ノアを、膣壁と腸壁を隔てる薄い皮越しに…感じる。
これがまた、的確に攻めてくるヒダヒダごしに野太いソレを感じるもんで、すげーイイ…
「あは…また二本だけど…これならイタすぎなくって、大丈夫かもっ♪」
 冷めてひんやりとした血の着いたベッドを背中で感じる俺の上にやらかい胸を俺の腹に当て、俺の胸から細めた眼で覗き込むアル。
「はにゃー、これも、すごいー…」
 そして四つん這いから彼女が姿勢を落とし寝そべったことにより、ヒザを着いて蛇の下にある肛門を占有するノア。
「さっきのキズ、まだ完全に直ってないかもだから…やさしく、ね?」
 
 …月の窓から差し込む部屋、今度は三つの陰が、ゆったりと動き始める…
 
 絶頂する瞬間。俺の眼に映ったのは。
バサリ、と大きな音を立て、彼女達の背中にある、かざりみたいだった羽根が一気に膨張して、展開して…
『天使の二枚羽』と『悪魔の四枚羽』が、月光の元に白く映え、六つの羽根の頂点は正六角形を描いていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 血と精液と愛液が混ざった水溜り。シーツ全面が吸い込んで、ベトベトになって、払いのけられた布団にまでしみこんでいた。
その上に、オスヒトと、白竜の幼女と、子供みたいなメスネコが、性器を赤く染めて、しかし満たされた表情で寝ていたらしい。(ルームクリーナー談)
 
 宿を発つ時に器物汚濁の名目で宿代の会計が増えたことを付け足しておく。無論、俺の小遣いから天引きだ。クソッ

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