ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 瞳の先に

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きっかけは些細な一言だった。
昼休み、いつもの様にジュンの所へコリンヌとオディールがやってきて昼食に誘い、
それに対抗するように巴も同行し、男子達の矢の様な視線を受けながら中庭で弁当を食べながら談笑していた時の事だ。
女三人寄れば姦しいとはこの事を言うのだろう。様々な話題に華を咲かせていた。
ジュンはと言うと、まず見ないドラマの話やまず行かないだろう甘味処の話に適当に相槌を打ちながら
(早く終わんないかなぁ・・・)などと、どこか遠くの空を見上げていた。
そんな状況の中で突如コリンヌが言った一言が、その日の彼らの運命を決める事になった。
コ「皆さんはスィドリームさんの目をご覧になったことがありますでしょうか?」
いきなりなこの言葉に(そう言えば、事務の人たちの話をしてた様な・・・)とコリンヌの方を見る。

巴「目・・・ですか」
コ「ええ、そうです。彼女の目です」
ジ「別にサングラスをいつもしているとかって訳じゃないし、見るだろ?」
コ「正確には、彼女の瞳・・・眼球とでも申しましょうか」
ジ「眼球って・・・」
再び空を見上げて、彼女に関する記憶を辿る。
その9割は職員室で寝ている姿ばかりだった。
ジ(・・・仕事してるのか?)
そんな事を考えながらも、残りの1割の記憶をかき集めてみる。
ジ「・・・・・・見たこと無い」
巴「私も・・・」
オ「言われてみれば確かに見たこと有りませんわ。いつも笑顔で目を閉じていますし」
オディールの言うとおり、スィドリームはいつもにこにこ笑顔で瞳は閉じられていた。
その上いつも寝ているため、誰もその瞳を見た者は居なかった。

コ「これは調査する必要が有るようですね」
ジ「調査って・・・そんなの本人に直接聞けば良いだろ」
オ「ジュン様は乙女心が分かっておりませんわ」
ジ「乙女心って・・・そんな物なのか?」
巴「多分違うと思う・・・」
という訳で、なし崩し的に「スィドリームさんの瞳を見てみ隊」が結成された。

コ「それでは早速聞き込み開始ですわ」
ジ「なぁ・・・あそこで本人寝てるんだけど」
コ「ですから、直接聞いてもつまらないでしょう?」
オ「こういう場合は、真実へと迫る過程が楽しい物なのですわ」
ジ「・・・帰りたい」
巴「二人とも部活は良いのかな・・・?私もだけど」
コ「ご心配無く、既に教官の許可は得ていますわ。もっとも、調査報告書を提出しないといけなくなりましたが」
オ「教官も常々疑問に思っていたそうです。狭い視界では周囲の状況を判別するのが難しくなると仰っていましたし」
ジ「・・・部員が部員なら、顧問も顧問だよな」
巴「そうね・・・私も許可取ってこよう」

レ「う~ん・・・アイツとは小4ぐらいからの付き合いだけど、そんときもあの顔だったなぁ」
タオルで汗を拭きながら、レンピカはコリンヌ達の質問に答える。
コ「古いお付き合いだと思ってましたから、ご存知だと思いましたのに・・・」
レ「う~ん、アイツは昔っから何考えてるか分かんない奴だからなぁ。わりぃな、力になれなくてさ」
オ「いえ、お気になさらず。では、これで失礼します」
頭を下げて武道館を後にする。その姿を見つめるレンピカの後ろから蒼星石が声を掛ける。
蒼「彼女達と一体何を話してたんだい?」
レ「スィドリームの眼を見た事有るか?って話さ。・・・実は一回だけ見た事有るんだけどねぇ・・・」
蒼「彼女の?僕は見た事無いや。どうだったの?」
レ「・・・・・・止めとこう。思い出しただけで悪寒が走った」

翠「・・・う~~~ん・・・見た事ねーですぅ」
如雨露に水を入れながら記憶を辿るが、翠星石も知らなかった。
コ「・・・そうですか、翠星石先生も知りませんでしたか」
翠「レンピカはどうです?あいつの方が付き合い長いはずですぅ」
コ「レンピカさんには先程聞いてきましたが、ご存知ありませんでした」
翠「これは、学園の7不思議に入りそうですぅ」
巴「学園の生きた7不思議・・・今度の学園新聞の見出しに使えそう」
ジ「柏葉まで乗り気になったのかよ・・・はぁ、帰りたいなぁ」

その後、見てみ隊に翠星石が参加する事になった。
『後は本人に聞くだけ』と内心胸を撫で下ろすジュンだったが、直接聞くのは面白くないという票が1票増えただけだった。
翠「ヒィーヒッヒッヒ・・・この蒟蒻がいきなり首筋に当たったら、あのぽけぽけ娘でも驚くですぅ」
どこから持って来たのか、釣竿一式と袋に入ったままの蒟蒻を手に意地悪そうに笑う。
ジ「家庭科教師が食いもんを粗末にするなよな」
翠「ちゃんと袋に入れたまま使うから問題無いですぅ」
ジ「そういう問題かよ」
オ「皆さん、隠れてください。スィドリームさんが出てきました」
全員慌てて角に隠れる。今回の作戦は通り過ぎようとしたスィドリームの背後から、
吊るした蒟蒻を当てて驚かせようという物だった。
やがて足音が段々近づいてくる。翠星石の竿を持つ手に力が入る。関係無いがジュンも思わず息を殺した。
そして、廊下の角にスィドリームが現れた。

翠(今ですぅ!)
蒟蒻を手から離して、振り子の要領でスィドリームへとぶつける。
タイミングは完璧、誰もが当たると確信した。
ス「あらぁ~?こんな所に消しゴムだ~」
しゃがまれてアッサリとかわされてしまった。
ス「落し物かなぁ?・・・あれ?翠ちゃん何してるの~?」
翠「お約束の様にかわすんじゃねーですぅ!!」
ス「良く分からないけど怒っちゃダメだよ。水銀燈先生じゃないけど、乳酸菌摂ってる?」

計画がばれた事もあり、とっとと帰りたいジュンは他の意見を無視して直接尋ねた。
ス「えぇ~!私の目が見たいの?」
さして驚いた風には見えない様子で驚くスィドリーム。
ジ「まあ、無理にとは言いませんよ。一度見せたら皆納得するだろうし」
ス「う~ん・・・困ったなぁ。皆驚くだろうなぁ」
翠「勿体振らないでとっとと見せやがれです!」
ス「・・・そこまで言うなら・・・恥ずかしいけど~」
ちょっと顔を赤らめながら顔を手で覆うスィドリーム。
ス「・・・ちょっとだけよ~?・・・準備はそろそろOK?」
翠「バッチこ~いですぅ」
ス「それじゃあ・・・えい!」
びよよ~~ん!
その場に居た全員が一瞬凍りついた。
スィドリームの目が飛び出したからである。しかし、よく見ると目玉はプラスチック製でバネが付いていた。
単なるパーティグッズだった。

ス「うふふ~・・・皆驚いたかな?」
翠「・・・ひ、人を驚かせるにも程があるです!思わずちびりそーになったですぅ!!」
さっき蒟蒻で驚かせようとした人物の発言とは思えなかったが、誰も突っ込まなかった。
ス「・・・それで・・・本当に見たいの?」
うって変わって真剣な表情でジュン達に尋ねる。
ジ「・・・なんか、ここまで来たら見たいなぁ」
コ「是非ともお願いしますわ」
オ「私からもお願いします」
巴「見てみたいです」
真剣な表情で見つめてくる皆に根負けしたスィドリームは後ろを振り返った。
ス「皆には言わないでね・・・それと、直接見られたら恥ずかしいから窓越しにね」
そして、スィドリームは目を開いた。映り込む夕日に照らされて多少見づらかったものの、
窓に映るスィドリームの瞳にジュンたちは完全に固まってしまった。

レ「アイツ・・・小さい頃に友達から『目が怖い』って言われ続けたもんだからああなったんだ。
   で、中2の時に一度だけ目を開いたんだが・・・あん時はアタシもビビった。
   普通の状態で機嫌悪い時の水銀燈先生の4倍は目つき悪いからさ」
蒼「そうだったんだ・・・そんな事が」
レ「あ、今のは誰にも言わないでくれよ。口止めされてるんだから」


翌日
雪「真相に迫るまでの過程は分かったが、真相に関しては一切書かれていないな。説明してもらおうか」
コ・オ「・・・・・・」
雪「何故黙っている?」
コ・オ「・・・・・・申し訳ありません」
雪「?」

翠「す、スィドリーム?ふ、不死屋のケーキを買ってきたですぅ。た、食べねーか・・・ですぅ」
ス「あらぁ?おいしそう~。それじゃあ、お茶を・・・」
翠「た、ただいま淹れてくるですぅ!!」
ス「・・・・・・だから見せたくなかったのに」
それからしばらくの間、ジュン達の間でスィドリームは恐れられたという。