ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 北海道の集団旅行

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「と、言う訳で北海道よー」
 と、水銀燈は新千歳空港のロビーで生徒達にそう声をかける。
 生徒達の中からは、ここが北海道かぁ。とか、うわ、やっぱりさみぃぜ! などのセリフが聞こえてくる。
「ココからは、自由活動に入るって言う馬鹿校長の提案が、了承されちゃったのでぇ~」
 水銀燈は、そう言って頭に手を当てる。
「今から自由です……」
 そんな水銀燈のかわりにそう告げる薔薇水晶の言葉に、よっしゃー! などと、声がロビーに響き渡る。
 お前らバスガイドとか居なくて大丈夫なのかよ?
「で、皆さんには……北海道の交通機関並び宿泊機関……タクシーは違うので……気をつけて……無料になるパスを渡します」
 ちなみにこのパス。ローゼンが、北海道の道庁に圧力(?)をかけて期間限定と言う条件で作らせたものだ。
 (北海道にんなパスは実際ございませんのでお気をつけください)
 そして、配られていくパス。それを手にした生徒達は、それぞれ水銀燈たちに行ってきますと言って空港を後にする。
 なお期間は、一週間と長く……この集団旅行(修学旅行はすでに終えている)の期間でもある。
 生徒達を見送りさてどうしようかな? と水銀燈が考えていると
「先生は何処行くんですか?」
 と、一人の女子生徒が聞いてきた。つい最近まで病院で闘病生活をしていた生徒で、長い戦いの末、病に打ち勝ったという
 水銀燈を慕う数少ない女子生徒だ。
「そうねぇ……苫小牧にでも行こうかしら」
「じゃ、私も」
「めぐも? 苫小牧なんてあんまり見るところないわよぅ?」
 いいんです! 先生と一緒だというのが重要です! と、声を荒げてそう言うめぐに水銀燈は苦笑してじゃ、一緒に行きましょう。と、告げた。

 新千歳空港から南千歳に行く電車に乗り、まずは南千歳に到着する二人。
 やはり、電車移動する生徒が大変多いので、ホーム内は一般の方々以外に生徒達でごった返している。
「皆、札幌とか行くんですって」
「ふーん。まぁ迷わないと良いけどねぇ~以外に複雑なのよ道が札幌」
「そうなんですか?」
「そ。交通の便も悪いし……まぁそんな事より苫小牧行きの電車来たわよ」
 と、水銀燈はめぐにそう言って皆が乗る電車とは反対の電車に乗った。
 直ぐに発車する苫小牧行きの電車。まだ春と言うこともあって外から見える風景は
 少々殺風景なものではあるが、美しい木々の緑がそれを忘れさせてくれる。
「そういえば、先生はなんで苫小牧に?」
「私の生まれ故郷なのよ」
「ふぇ?」
「お母さんが、苫小牧出身で上京してた時にお父さんと出会って結婚して苫小牧で私が生まれて高校一年ぐらいまで居て
 お父さんの急な転勤で、高校中退してまたアッチの高校うけて……で、その時に薔薇水晶先生とであって……
 また転勤して、今の場所に居るわけ」
「結構、転々としてるんですね?」
 そうね。と、水銀燈は苦笑してめぐにそう返した。
 もう話すことがなくなったのか、二人は苫小牧に着くまでの時間思い思いの時間を過ごす事にした。
 コッチに来て購入した小説を読むめぐ。飛行機内で売られていた航空でしか売っていない音楽CDを聴いている水銀燈。
 (実際に、航空会社が出しているCDはあります。空港か飛行機内でしか買えません。

 数十分後。苫小牧に到着する二人。
 あぁ、まったくかわってないな。と、水銀燈は一人苦笑する。
 そして、駅の売店でタバコを一つ購入する。不良といわれていた高校時代。私服で必ずココでタバコを一つ買った事を思い出したからだ。
 ただ、その高校時代はたった一年のモノだったけど……懐かしい思い出。
「先生。タバコは体にわるいですよ?」
「そうね。まぁ、我慢して頂戴」
 そして、二人は駅の北口から出る。正面には大手スーパー。右手には、大型ゲームセンター猫の目。
 変わってないなぁ。と、ここでも水銀燈は思った。
「これからどうするんですか? 先生」
「そうねぇ……私のお世話になった高校に行こうかしら」
「ふぇ? 高校ですか?」
「近くに、神社があるわよ。帰りにおみくじでもひきましょう」
「はーい」
 そう言って水銀燈とめぐは、大手スーパーの前にあるバス停で待つ事数分。
 バスがやってくる。水銀燈とめぐは、バスに乗り込み運転手がもう他に乗り込む人が居ない事をバックミラーで確認した後
『発車しまーす』
 と、マイクでそう言いバスは発車した。
 途中途中で水銀燈が、アソコには何があって何が美味いとかとめぐに言って笑っていた。
「金次郎の池って呼ばれてるんだけどなんで、金次郎なのかわからなかったわぁ」
「アソコのタイヤキは、大きくて注文が入ってから作るから、アッツアツなのよぅ」
「あの店は、おばちゃんが良い人でお好み焼き専門店」
「あれは……あそこは……でね?」
 めぐは、そんな水銀燈の姿を見てあぁ先生は、嬉しいんだなぁと思っていた。
 いつもの水銀燈とは違う一面が見れてご満悦のめぐ。

『次はーハインランド前ーですー』
 と、車内放送が入ると水銀燈は手早く停車しますを知らせるボタンを押す。
 そして、ハインランド前で水銀燈とめぐは空港でもらったパスを運転手に見せ
 バスを降りた。パスを見せた時の運転手が何故か苦笑していたのが少し気になったがどうでも良いことだ。
「ちょっとココから歩くわ」
「何分ぐらいです?」
「そうねぇ……徒歩十五分かしら?」
「ずーっと乗り物移動でしたから、気分転換にはOKです」
 そして二人は、歩き出した。
「うぅ、先生なんで急な坂の道を行くんですかぁ~」
「健康にはいいわよぅ?」
 と、タバコを吸いながら意気揚々と坂を上がっていく水銀燈。
「そりゃ、ココ最近太ったかなぁ~って……ダイエットには……」
「がんばってぇ?」
「うぅうう。先生の鬼ー悪魔ー!」
「かわいー生徒の為なら鬼にも悪魔にもなるわよぅ?」
「んー! この牛乳先生!」
「…………めぇぇぇぐぅう? それは、けなしてるのかしらぁ?」
 ジリジリとめぐに詰め寄る水銀燈。あぅ~と、少し後退するめぐだったが
「ごめんなさーい!」
 と、急な坂を猛ダッシュであがっていく。
「あらぁ……元気じゃなぁい」
 めぐの様子を見て、苦笑する水銀燈だった。

「あら? どちら様かしら?」
 とある職員室で、白衣を着た女性教員が水銀燈とめぐを見てそう言った。
「すみません。四之宮先生はおられるでしょうか?」
「………んと、言いにくいんだけどね? 四之宮先生は……死去されて」
「そう……ですか」
「はい…………ん? ちょっとまって、アナタお名前は?」
 ふと、思い出したように女性教員は水銀燈に名前を尋ねる。
「水銀燈ですが……」
「! ちょっとまってて! えーい! 桂! アンタも手伝え!」
「は!? 俺?!」
「四之宮先生の遺言の相手が来たのよ!」
「あ! 分かりました!!」
 と、女性教員は仕事をしていた白衣を着た男性教員にそう声をかけて何かを探し始めた。
 数分後。あったあった。とにこやかな笑みを浮かべた女性教員が一本の木刀を持ってきた。
「はい。これ」
「あ……………」
「四之宮先生の遺言でね。『俺の教え子で水銀燈ってのが尋ねてきたらこれ渡してくれ』て」
「ありがとうございます」
 水銀燈は、そう言って頭を下げた。またお出でなさい。と女性教員は水銀燈にそう言うと
 自分のデスクに戻り仕事を始めた。
 水銀燈は一本の木刀を手に、高校を後にした。

「先生。その木刀は?」
「不良やってた時の道具。四之宮先生……まぁ私の恩師なんだけどね?」
「はぁ」
「木刀持って暴れてた時に、『なにやってんだー!』って思いっきり殴られて没収された品なの」
「うぇ?!」
 高校を出て先ほどのバス停まで戻って来た二人。めぐは、その木刀のことを尋ね水銀燈はそう答える。
 そして、その水銀燈の言葉に、驚きの声を上げるめぐ。
「『こんの馬鹿野郎が! 力の使い方まちがってんじゃねぇ! 人を傷つける為の力より守る力もちやがれ!』って怒ってくれたのよ」
「いい人ですね」
「まっさかぁ~確かにいい人だったのかもしれないけどねぇ~今の私を確定付けたのは絶対にあの先生よ?」
 と、苦笑する水銀燈。
「さて、お話はココまで。次は山登りよ」
「うぇぇぇぇ~~~~」
 水銀灯の言葉に、情けない声を上げるめぐだった。
 山の中腹にあるハインランドの建物をさらに奥に行った場所が水銀燈の目的地だった。
 墓地。
 木々に囲まれた場所に墓地はあった。水銀燈とめぐはその中を歩いていく。
 一つのこじんまりとした墓の前で水銀燈がとまるとめぐもならってとまった。
「ただいま。お母さん」
 もうこの世には居ない、母親が眠る場所。
「お花はないけど、ココに来たって事で許してね?」
 水銀燈は、そう言って苦笑する。そんな水銀燈を見てめぐは、何処か寂しそうだとおもった。
 数十分間。水銀燈とめぐは墓地に居た。
 そして、また来るわと水銀燈は墓に向かってそう言いめぐと一緒にその場を後にした。

 二人で神社でおみくじをひいた。私は大吉だった。先生は苦笑してみせてくれなかった。

 その後は、二人は苫小牧で少し遊んでからまだ電車に乗り別の場所へと移動し物見遊山。
 ラベンダー畑を見にいったり、札幌の喧騒に撒かれたり。熊牧場にいったりと水族館に行ったりと
 二人は、北海道を楽しんだ。
 あっという間に一週間が過ぎていく。
 時おり見せる水銀燈の寂しそうな顔。楽しそうな顔。嬉しそうな顔。
 めぐは、それを目に焼き付けていた。
「さー、みんなー。集合したわねぇ?」
「うぃーす!」
「あれ? ジュンのヤツは?」
「便所だってよ!」
「巴さんは?」
「ジュン君同じくよ」
 新千歳空港のロビーは、一週間前と同じく喧騒に撒かれていた。
 教師達が点呼し、到着していない生徒はいないか確かめちゃんと皆が居る事がわかり
 生徒達は、飛行機に乗り込む。
 水銀燈は、窓際の席に座りだんだんと小さくなっていく空港を見ていた。
「先生。またきましょうね?」
「そうねぇ~……またきましょう」
 隣の席にすわるめぐがそう声かけ。水銀燈は、そう答えた。