ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki もしも小学校の教師だったら・・・翠星石編

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翠「今日一日、お、お前らの担任をする事になった翠星石ですぅ!ビ、ビシビシ扱いてやるから、か、覚悟しやがれですぅ・・・・・・」
教室に入って翠星石は生徒達に自己紹介を行う。しかし、その顔は耳まで真っ赤だった。
元々人見知りの激しい翠星石にとって、初対面の生徒が増える4月は憂鬱だった。
それでも何とか凌いで、そろそろ慣れ始めた頃に今回の異動騒ぎである。結構なストレスだった。
翠(これならまだ高等部でやってた方がマシですぅ・・・せめて蒼星石が居てくれれば・・・)
2階に居る自分の大親友の事を思う。彼女が居れば翠星石の人見知りはいくらか和らぐのだ。
翠(大体・・・なんで蒼星石とバラバラの学年なんですか?!一緒の学年の方が絶対効率が良かったですぅ)
ブツブツと呟く翠星石。バラバラになったのには理由が有った。それは彼女の口の悪さである。
人見知りと相俟って、思っている事と逆の事をついつい口走ってしまう事が有り、低学年の相手をするには
多少問題が有ったからだ。(雛苺談「子供は皆純真なのよ。何気ない一言で傷ついてしまうの」)
そういう訳で、蒼星石が担当する3年生のクラスは任せられなかったのだ。

翠「そ、それじゃあ、出欠を取るですよ」
翠星石にとって鬼門その2である初めての出欠確認である。
顔と名前を一致させるのも一苦労な上に、名前を読み間違えようものなら途端に塞ぎ込むからだ。
翠「え~と、青山君」 青山「はい」
翠「赤松君」 赤松「はい」
翠「明智君」 明智「はい」
翠「織田君」 織田「はーい」
翠「・・・・・・明智君と仲良くするですよ」
全員「?」
翠「な、何でもねぇです。さっさと次にいくですよ」
その後も出欠を取っていくが、とりあえず読み間違えは無かった。
翠(ふぅ・・・何とか終わったですぅ)

1時間目、理科の授業が始まった。
『どうせ小学校の授業ですから、予習なんてしなくてもへっちゃらですぅ』と高を括って本当に勉強をしてこなかったが、
その自信が早くも崩れた。
翠「さ、最近の小学校ではこんな事を教えてるですか・・・」
教える内容は気象に関する物だった。記憶の片隅に『そう言えば昔習ったなぁ』というのは有ったものの、
内容はすっかり忘れてしまっていた。
立花「先生、どうしたんですか?」
翠「はいぃ?!な、何でもねえですぅ。・・・そ、そうです!きゅ、急用を思い出したから少し行ってくるです!
   だからしばらく自習にするです!」
慌てて教室を飛び出していった。それから数分後、出て行ったときよりも落ち込んだ表情で戻ってきた。
翠「うぅ・・・蒼星石のイジワルぅ・・・」
その後は教科書を読ませて、特に説明することなく1時間目は終わった。

翠(このままじゃマズイですぅ・・・何とか汚名挽回しないといけないですぅ)
汚名は挽回する物じゃなくて返上する物なのだが、それに気付かないほど翠星石は焦っていた。
2時間目、国語。
翠「国語なら適当に本を読ませれば良いから簡単・・・え?敬語?」
敬語・・・相手を敬う時に使ったり、或いは自分を謙って使う言葉。共に翠星石にとって苦手な分野であった。
翠「・・・・・・」
明智「あの・・・先生?」
翠「急用を・・・」
明智「その手はさっき使いましたよ」
翠「いちいち突っ込むなです」
再び教室を飛び出していく翠星石。それから10分後教室に戻ってきた。
翠「やはり餅は餅屋に任せるべきですぅ」
翠星石は金糸雀特製の国語ノートを手に、そこに書いてあることをそのまま丸写しにして授業を行った。

3時間目の算数は流石に問題なく進めることが出来た。そして給食の時間が始まった。
翠「食べ物を残すようなマネは家庭科教師として許さねえですよ」
生徒達は皆思い思いに食事を始める。翠星石も自分の分の給食を食べ始める。
翠(・・・これはなかなか美味しいですぅ。是非ともこの料理のレシピを知りたいですぅ)
学食アドバイザーも兼務している翠星石は常に新メニューの開発に余念が無かった。
自分のブログでもコメントやトラックバックなどから新メニューになりそうな物を見つけ、
実際に作ってみて試食していたりする。
それにこれは給食で、コストの面から見ても興味深かった。

思い立ったら即実行。彼女の利点であり欠点でもあるが、今回は良い方に働いた。
給食が終わり、給食係が空になった器を運ぶのを手伝い、そのまま給食室へと向かった。
翠「すいませーん、誰かいませんか~ですぅ・・・」
中を窺うが近くに誰もいない。
翠(あれ?この時間なら居てもおかしくないはずですぅ)
しばらくキョロキョロと見回していると、奥の方から物音と『おぉ~・・・』というどよめきが聞こえてきた。
何事だと入ってみると、そこには給食のおばさん達に囲まれていた雪華綺晶が居た。
翠「あれだけの量で満足するとは思って無かったですけど、本当に来てるとは食い意地の張った奴ですぅ」
翠星石の声に全員が振り返る。
雪「・・・貴女も食べに来たの?」
雪華綺晶はそう言って、容器を大事そうに抱きしめた。どうやら、給食の残り物を食べに来たようだ。
翠「・・・・・・食べに来たわけじゃねーから安心しやがれですぅ」
呆れ返って言い捨てるが、雪華綺晶は安心して再び食べ始める。
翠(あれだけ食べて体型が変わらないのは羨ましい以上にムカつくです)
ここ最近の自分の食生活を振り返りながら、恨めしげに呟く。300g増えたのは蒼星石にも秘密だった。

おばさんA「それで、どうしたんです?」
翠「実は今日の給食のレシピを教えて欲しいんですぅ」
おばさんA「レシピかい?・・・う~ん、いきなり言われてもねぇ」
翠星石の頼みを渋るおばさん。翠星石は直も食い下がる。
それを見ていた別のおばさんが口を挟んできた。
おばさんB「あれ?もしかして翠星石先生?」
翠「・・・そうですけど?」
おばさんB「ああ、やっぱり!いつもブログを見させて貰ってるよ」
翠「え・・?本当ですか?ありがとうですぅ」
意外な読者との出会いで少し興奮する翠星石。レシピの方も『料理界の有名人』という事で、
今日の分に限らず、色々な献立のレシピを快く教えてもらった。

4時間目の授業に少しばかり遅れて、教室に入った翠星石。
4時間目は総合的な学習という事で、翠星石は気楽だった。
翠「高等部じゃこんな授業はしないですから、良くわかんねぇですぅ」
翠星石は生徒達に今までどんな授業をしていたのか尋ねる。
翠「なるほど・・・大抵は他の授業の予備として使ってるですか」
生徒達からの返答は役に立たなかった。今日限りの担任なので補習をやる必要は無いのだ。
翠「・・・・・・困ったですぅ。何をすれば良いものやら・・・」
ああでもない、こうでもないと考える翠星石。5分ぐらい悩んだところでポンと手を打った。
翠「良いこと思いついたですぅ。・・・今から調理実習やるです!」
とんでもない事を言い出した。つい先程給食を食べたではないか。
そう思う生徒達の視線を受けて翠星石はふっふっふと笑い出した。
翠「確かにさっきご飯食べたです。だから作るのはデザートですぅ。アップルパイを作るですぅ」
アップルパイという言葉に教室は騒がしくなった。しかし、そこに口を挟む者がいた。
明智「それってこの時間だけで作れないんじゃないですか?それに準備とか・・・」
翠「差し出た真似を致すなこの金柑頭、ですぅ。準備ぐらい翠星石がちょちょいとやってやるです」
胸を張ってえへんと安請け合いする翠星石。とは言え、元々予定に無い上にパイ生地なんて置いてある訳もなく、
家庭科室には材料が無かった。
翠「・・・ま、まずいですぅ。このままだと、ダメ教師って思われるですぅ」
既にかなり思われてたりするが、それを気にする余裕は無かった。
翠「こうなったら、あの手を使うしかないです」

ベ「はいもしもし?こちら有栖学園高等部」
翠『その声はベリーベルですね』
ベ「あれ、翠星石先生?どうしたの?」
翠『スィドリームは居るですか?』
ベ「スィちゃん?寝てるよ」
翠『たたき起こしやがれですぅ!』
ベ「わ!は、は~い今すぐ!」
翠星石の携帯に保留を知らせる曲が流れる。
翠(保留用に聖少女領域はどうかと思うですぅ)
それからしばらくして、眠たげな声が聞こえてきた。
ス「・・・ふぁい、おふぇんふぁかわりまふぃたぁ(はい、お電話変わりました)」
翠『シャキっとしやがれです。大事な頼みがあるですぅ』
ス「うん?翠星石先生の頼みぃ?何かなぁ・・・Zzz」
翠『喋りながら寝るなです!材料を運ぶのを手伝って欲しいんですぅ』
ス「あれぇ?今日調理実習有ったっけぇ?」
翠『急遽必要になったです。量が量だけに運ぶのを手伝って欲しいです』
ス「・・・重そうだなぁ」
職員室のドアが開く。そこに居たのは当然翠星石だ。
翠「さっさと手伝いやがれです!!」
ス「あ、翠ちゃんだ、やっほー」 スパァァン!
ス「・・・翠ちゃんいたぁい」
その後、スィドリームとベリーベル(駆り出された)と一緒に材料と予備のエプロン等を持って初等部へと向かった。

翠「さあ、おめーら家庭科室に移動しやがれです」
翠星石の言葉に家庭科室に移動する生徒達。家庭科室に入ると、そこには各テーブル毎に材料とエプロンが置かれており、
すぐにでも作業が始められるようになっていた。
翠「エプロンをつけたら、早速始めるですよ」
全員がエプロンを付け終わったのを確認した後、翠星石はアップルパイの作り方を説明していった。
生徒達は午前中の授業とは違って生き生きとしている翠星石に少なからず驚いた。
翠「良いですか?アップルパイで一番肝心なのは林檎を煮るときですぅ。ここで林檎を焦がしたら、アップルパイ自体が
   苦くなるですぅ。オーブンは翠星石がやるですから、おめーらは心配する必要ないですぅ」
一通り説明が終わって質問を受け付けようとした時、俄かに家庭科室の入り口が騒がしくなった。
翠「ピーチクパーチクうるさいですぅ。黙らせてくるですぅ」
扉に向かおうとしたら逆に扉が開き、そこから大きな袋を抱えた真紅が入ってきた。
翠「あれ?真紅先生どうしたですか?」
真「やっぱり貴女だったのね」

真「なるほど・・・、そういう理由でここを使ってるのね」
翠「そっちは一体何のために来たですか?」
真「この子達に紅茶の素晴らしさを教えようと思って、コンロが有るこの部屋を使おうとしたのだわ」
真紅の後ろを見てみると、真紅が受け持つ2年生が居た。
翠「う~ん・・・でも、今は翠星石たちが使ってるです」
真「私は正式な授業としてここへ来たのだわ」
それを言うならこっちも・・・と思ったが、とうに5時間目に突入しており、本来なら社会の時間である。
とはいえ、今更止める訳にもいかなかった。スィドリームとベリーベルにアップルパイを持っていく約束もしていたのだ。
翠「・・・それなら、一緒にやらないか?ですぅ」
苦肉の策だったが、勝算は有ると思っていた。美味しいデザートがあれば紅茶はより美味しくなる。
真紅ほどの者がそれを分からぬ訳が無いと踏んだからだ。
しかし、真紅以上に反応したのは2年生達だった。アップルパイが嫌いな子供は居ない。
真紅もその勢いに押されて、合同で行う事を承諾した。

翠「それじゃあ、2年生と5年生で一緒にやるですぅ。包丁を使った作業は5年生がやるですけど、2年生も手伝わせるですよ」
早速調理が開始された。翠星石はオーブンのスイッチを入れて、オーブンの中を温めておく。
まずは林檎の皮むきである。翠星石はテーブルの一つに行き、実演で皮むきを見せた。
翠「皮むき機なんて有るですけど、あんなのは邪道ですぅ」
真「流石ね、綺麗に剥けているのだわ」
翠「なんなら真紅先生もやるですか?」
真「遠慮しておくわ。手が汚れるもの」

翠「手を切らない様に気をつけるですよ」
見た限りでは危なっかしい手つきの者は居なさそうだ。
そんな中、一つのテーブルの林檎が目に付いた。
翠「ちょっと待ったです。切った林檎はそのままにしておくと黒くなっちまうです。そういう時は塩水に浸けると良いですよ」
時折指導を交えながら見て回っていた。

翠「それじゃあ、皆良く見るです。ここが味を決める秘訣ですぅ」
教師用のテーブルの前に全員を集めて、林檎の甘煮の説明を行う。
翠「鍋にバターを入れて弱火で溶かすですぅ。次に林檎を入れて炒めて、全体がしんなりしたら砂糖を入れるです」
鍋に入れた林檎の色が変わり出し、そこへ砂糖を投入した。
翠「ここからが大事ですぅ。この後林檎から水分が出てくるですけど、これを焦がさないように煮詰めるですぅ」
鍋に林檎の水分が溜まりだし、ぐつぐつと甘い匂いを漂わせながら煮込まれていく。
翠「林檎の表面が半透明になったら火を止めて冷ますです。この時シナモンパウダーを好みで入れると良いですぅ。
   これが林檎の甘煮の作り方ですぅ。火傷しないように気をつけるですよ」
生徒達はそれぞれのテーブルに戻り、甘煮を作り始めた。この作業は2年生も参加して一緒に作った。

翠「ここにパイ生地が有るですぅ。まず、冷めた林檎の水気を切って生地の真ん中に盛り付けるです。
   欲張って沢山入れても破裂するだけですから止めるですよ。後はその周囲に刷毛で溶いた卵を塗りつけるです」
パイ生地に林檎を乗せ、周囲に溶き卵を塗っていく。
翠「後はパイ生地を重ねるですけど、この時ちゃんと切れ目を入れておくです。入れておかないと爆発するですぅ」
包丁で器用に切れ目を入れていく。
翠「最後に生地を重ねて、ふちをフォークを使って押さえてくっつけるです。これで完成ですぅ」
これも一緒に作業を行った。2年生が卵を塗り、5年生が切り込みと接着を担当する。

翠「これで後は焼くだけですぅ。オーブンは翠星石に任せるですぅ」
それぞれの班から受け取ったパイを天板に乗せてオーブンへと入れていく。180度で15分焼けば出来上がりである。
翠「それじゃあ、後は真紅先生に任せるですぅ」
真「では、これから美味しい紅茶の淹れ方を教えるのだわ」
真紅は紅茶の説明をしていく。教師用のテーブルに置いた茶葉の袋を一つずつ取って種類を教え、
茶葉毎の最適な淹れ方を説明していく。
真「ダージリンはストレートティ、アッサムとニルギリはミルクティ、ジャワはアイスティに向いているのだわ」
次に、2年生に飲みたい種類の茶葉をそれぞれ分け与えていく。
真「そう言えば・・・翠星石先生、ミルクは有るかしら?」
翠「流石に全員分はねーです」
真「給食の牛乳は残っているかしら・・・」
真紅の問いに翠星石は給食室に居た雪華綺晶の事を思い出した。
翠「もう残ってねーですよ。お昼休みに雪華綺晶先生が給食室で残り物を全部食っちまったです」
真「・・・・・・どこに居ても、マイペースなのね彼女は・・・」

真紅は一度廊下に出て、誰かに連絡をしているようだ。
恐らくホーリエだろうと翠星石は思った。何せ自分も同じ手を使ったからだ。
翠「牛乳はどうにかなりそうですか?」
真「ええ、彼女に頼んだから大丈夫だわ。10分ほどで来るそうだわ」
その後10分間、翠星石はオーブンの様子を、真紅は生徒達の様子を見て回った。

そしてきっかり10分後、家庭科室にホーリエがやってきた。
両腕には一クラス分の牛乳瓶が抱えられていた。
ホ「お待たせしました・・・あれ?翠星石先生も一緒だったんですか?」
真「ご苦労様。皆、ミルクが届いたのだわ」
受け取った真紅はミルクティを希望した生徒に牛乳瓶を渡していく。
ホ「では、私はこれで・・・」
真「待ちなさい」
帰ろうとしたホーリエを真紅は止めた。
真「一緒にティータイムを愉しまない?30分ぐらいなら問題無いでしょう?」
翠「アップルパイも食って行きやがれです」
ホ「・・・良いですねぇ、私アップルパイ大好きなんです」
その後、アップルパイと紅茶を皆で愉しんだ。

ホ「それでは、私はこれで」
翠「待ちやがれです」
帰ろうとしたホーリエを今度は翠星石が止めた。
ホ「どうかしましたか?」
翠「これを持って行きやがれです」
翠星石は包みをホーリエに持たせた。
ホ「これは?」
翠「ホントはスィドリームとベリーベルの分だけをと思ったですけど、材料が余ったから全員分作っておいたです」
ホ「皆喜びますね。メイメイさん、甘い物に目が無いですから」
翠「感謝して食べやがれって言っとくですよ」
ホ「分かりました」
そして今度こそ、ホーリエは高等部へ戻っていった。

真「なかなか美味しいアップルパイだったのだわ」
翠「誰が作ったと思っているですか」
真「皆が作ったものもなかなか美味しかったのだわ」
翠「これだけ作れるなら、高等部での家庭科の授業は楽できそうですぅ」
残ったアイスティを一気に飲みほす。
翠「さあ、食べ終わったら綺麗に後片付けするですよ」
生徒「は~い」

かくして、翠星石の授業は終了した。