ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

翠星石の変装

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匿名ユーザー

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ここは夜の職員室。
僕と翠星石は、いつもの様に仕事をしていた。

「はぁ…」
「どうしたですか?蒼星石」
「いや、なんでもないよ…」

とは言ったけど、嘘だ。
正直言うと体の調子がよろしくない。

「顔色悪いですよ、蒼星石」
「そうかなあ…」

見た目にまで影響が出てるのか…。

「本当に大丈夫ですか?」

そしたら、翠星石が僕のおでこに手を当てた。

「あちっ!、蒼星石!熱があるですよ!なにがなんでもないですか」
「そうかなあ…」
「まだそんなこといってるですか。さぁ、とっとと家に帰るですよ」

そう言って、翠星石は僕の家まで付き添ってくれた。
バイクは学校に置いてきた。このまま乗ったら確実に事故りそうだったし。



「さぁ、用意もしたからとっとと寝ろですぅ」

翠星石はいろいろな用意をしてくれた。
まったく、持つべきものは友だなあと実感するよ。

ふと、ここで思う。
どこかで見た事ある光景のような気がしてならない。
なんだったっけ…。

「なにぼーっとつったっとるですか。早く寝ろですぅ」

翠星石に急かされて、僕はベッドに入った。

「じゃ、明日の朝に様子を見に来るですよ」

そう言って翠星石は帰っていった。

なんだったけなあ、どこかで…。

だけど、深く考えると頭が痛くなってきた。
結局、僕はその答えを見出すことなく眠りについた。





翌朝、翠星石は予告通り僕の家にやってきた。

「調子はどうですか?蒼星石」
「頭がガンガンするよ…」
「蒼星石は働きすぎなんですぅ。今日もゆっくり休めですぅ」

働きすぎか…、そうなのかも……

「あっ!」
「どうしたですか?蒼星石」

大変な事を思い出してしまった。
今日は大事な会合の日だ…。

これか…、昨日感じた、どこかで見た事ある光景は…。

「実は…、今日は大事な会合の日なんだ…」
「それは大変じゃねぇですか!」
「だから行ってくるよ、歩く事ぐらいはできると思うし…」
「だめです」
「へ?」
「だめですよ、蒼星石は病人なんです。今日は一日ゆっくり休めです。もし蒼星石の身に何かがあったら…」

翠星石……

「……そうだね、たまには休まなきゃだめだよね。わかったよ、電話を…」
「待つです」
「へ?」
「変わりに翠星石が行くです」
「…へ?」
「大事な会合なんですよね、ならば休むわけにはいかねぇです」

いきなり何を言い出すかと思えば…。

「このまえの借りがあるですぅ、今日は翠星石が蒼星石の変装をするですぅ」

…ハハハ、まったく翠星石は……

「だめに決まってるじゃないかあ!」
「ううっ、そんな大声出すなです…」
「いいよ、やっぱり電話するよ…」
「ちょーっと待ったですぅ!」

次は何なんだろう…。

そう言って、髪の毛をいじり始めた翠星石。
そして、床に落ちる髪の毛。


……髪の毛!?


僕の目の前には…、つるっ禿げ…もといスキンヘッドの翠星石の姿が……


「ええええええええええええっ!!!」


「まったく、大声を出すなですぅ…。今まで黙ってましたけど、これが翠星石の本当の姿ですぅ」

……ええっと、その、これは…、いったい…。

僕があっけに取られている間に、翠星石は僕の服に着替え始めた。
そして、カラーコンタクトを着け、カツラを被った翠星石。

「どうですか、これなら問題ないですよ♪」

そこには、声を除けば僕と瓜二つの翠星石の姿が……。

「では、行ってくるですよ♪蒼星石はゆっくり休んでるですよ♪」

そう言って、部屋を出て行ってしまった翠星石…。

「……」

しばらく、僕はその場に固まっていた。

えっと…、まずは状況を整理しなくちゃ…。
昨日僕は体の調子が悪くて…、翠星石に連れられて部屋まで帰ってきて…、
朝、会合の存在に気付いて…、そしたら翠星石が……


「ええええええええええええっ!!!」


またもや声を上げてしまった…。

そうだ…、翠星石がカツ、カツ、カツラを……


「ええええええええええええっ!!!」


……。
もうやめよう…、深く考えるのは…。

そして、僕はベッドに入る。全てを忘れたいが為に…。










『そ……い…き』

……。

『そうせ…せき』

……。

『蒼星石!』

誰かに呼ばれた声がして、僕は少し起きる。

「蒼星石!」

目の前には、翠星石と雛苺先生の姿が。

あれ…、僕の部屋にいたような…、でもここは職員室…。

僕は、さっきまでの記憶を取り戻す。

「ちょ、いきなり何をするですか」

僕は翠星石の髪の毛をいじる。
…何も問題ないようだ。

「ふぅ」
「なにが『ふぅ』ですか」

夢…か。

「何ニヤニヤしてるですか。おかしくなったですか」
「おかしくなったの~」

「…なんでもないよ、フフ」

ふぅ…、夢でよかった…。
しかし、職員室で居眠りとは、僕も疲れてるのかなあ…。

「まぁいいです、ほれ、飯食いに行くですよ」
「行くの行くの~」

「うん、今行くよ」

フフ、我ながらへんてこな夢だったなあ。

「またニヤニヤしてるです。何があったですか」
「なにがあったの~?」

「なんでもないよ」



そう、なんでもない夢。



「もったいぶるなですぅ」
「なの~」
「フフ、実はね―」



もう一回見るのは御免だけどね。

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