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もしも小学校の教師だったら・・・雛苺編

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雛「みんなおはようなのー。今日はいつもの先生の代わりにヒナが先生をするの」
雛苺はいつもの担任と違って驚いている1年生達になぜ代わったかを説明する。
雛「ヒナも良く分からないんだけど、初等部と中等部と高等部の校長先生と教頭先生がじゃんけんで決めたみたいなの」
実際は多数決なのだが、そんな事はどうでも良かったので覚えていなかった。
雛「だから、今日一日ヒナがみんなの先生をするの。よろしくなのー」
生徒達「はーい!」

1時間目、こくご
雛「文字が大きいし、ふりがなも振ってあってとっても読みやすいの~」
2時間目、さんすう
雛「ヒナ数学は苦手だけど、算数は得意なのよ」
3時間目、かきかた
雛「みんな、ヒナの字よりも上手なの」

かくして、雛苺のとても大人の言う事とは思えない台詞が混じりながらも午前中の授業は終わった。
そして、いよいよお待ちかねの給食の時間が始まった。
雛苺は給食係と一緒に給食の入った容器を運んだり、配膳を手伝った。
それが功を奏したのか、雛苺はある事に気付いた。女子の1人が浮かない顔をしていたのだ。
気にはなったものの、他の生徒も見なくてはならなかったので雛苺は彼女と話す事ができなかった。
日直「いただきます」
生徒達「いただきます!」
雛「いっただきまーす、なのー」
号令に合わせて食事が始まった。皆美味しそうに食べていく。
雛苺も給食に舌鼓を打ちつつ、先程の女子の様子を窺う。あまり食は進んでないようだ。
雛(どうしたんだろう?体調悪いのかな?)
雛苺は悩んだ。もし本当に体調が悪いのならすぐに保健室に連れて行かなくてはならない。
しかし、そうでない場合はとんだお節介である。意外とこれ位の年頃の子供は気難しかったりする。
あれこれと悩んでいると、廊下が俄かに騒がしくなった。

?「な・・・な、なんですってぇ!!」
雛「え?今の何なの?」
教室内も騒がしくなる。
雛「皆静かにするの。ヒナが見てくるの」
廊下へ出ると、階段のところで真紅が息巻いていた。普段取り乱す事が少ない真紅がああも取り乱してるって事は・・・。
雛(また水銀燈先生にからかわれたのね)
雛「真紅先生何やってるの?」
真「あら雛苺先生、何でも無いのだわ」
雛「なら良いけど・・・皆ビックリしてたの」
雛苺の言葉に真紅は周りを見渡した。どの教室の生徒も真紅たちを見ていた。
真「な、何でもないのだわ。さあ、早く給食を食べなさい」
多少顔を赤くしながら真紅は自分の教室へと戻って行った。

雛「何でもなかったの。皆も早く給食を食べるの」
教室に戻ってきた雛苺は皆にそう言って自分の席に戻ろうとした。
その時ふと、先程の女子の方を見てみた。そして雛苺は全てを理解した。
雛「Iちゃん、食べ物を残したらめっめっなのよ」
I「・・・・・・」
Ⅰは野菜炒めの玉ねぎを避けて食べていた。どうやら玉ねぎが嫌いらしい。
雛「玉ねぎ嫌いなの?」
Ⅰ「・・・はい」
小声で答えるI。辛味と舌触りが嫌なのだと言う。
これ位の年頃なら嫌いな食べ物の一つや二つはあってもおかしくはない。
雛苺はそれを無理に直そうとは思わなかった。無理やり食べさせても悪化するだけだからだ。
雛「ヒナも昔はピーマン嫌いだったの。こんなの食べたくないって、いつも言っていたの」
雛苺は自分の昔話を始める。現在の苺ジャンキーぶりからも分かるように、かなりの偏食家であった。
家庭科教師として致命的とも言える欠点なのだが・・・。

雛「ヒナは先生に『ちゃんと食べないと大きくなれませんよ』って良く怒られたの。でも、ヒナのお母さんは
   『嫌いな物は無理して食べる必要はないの。でも、嫌いな物が無ければ美味しい物が沢山食べられるわよ』って言ってたの」
雛苺はIだけではなく、生徒全員に言い聞かせるように話す。
生徒達にしても、「無理に食べる必要は無い」というのは初めて聞いたので、興味深く耳を傾けている。
雛「美味しい物が沢山食べたかったから、ヒナは頑張ってピーマンを食べてみたの。もちろん最初は苦かったのよ。
   でもね、お母さんがピーマンを使った美味しい料理を沢山作ってくれたの。だから今ではピーマン大好きなの」
ここで教室を見回す。生徒達は皆雛苺を見つめていた。
雛「皆も嫌いな食べ物は有ると思うの。でも、今無理して食べる必要は無いと思うの。少しずつで良いから
   食べてみて欲しいの。そうやって慣れていけば大人になった時に美味しい料理が沢山食べられるようになるの」
再びIの方を向く。
雛「Iちゃんも今すぐ玉ねぎを食べられるようにならなくても良いの。でも、玉ねぎを食べられるようになったら、
   沢山の料理を食べる事ができるようになるの」
雛苺は玉ねぎを使った料理を挙げていく。ハンバーグ、肉じゃが、チャーハン、カレー、etc・・・。
どれも子供が好きな料理だ。
雛「他にもいっぱい料理があるの。でも、玉ねぎを食べられないままだったら食べられないの。それはもったいないよね?」
Ⅰ「・・・うん」
雛「それなら、ちょっとだけ勇気を出すの。ヒナ応援するの」
Iは恐る恐る玉ねぎを口へと運ぶ。玉ねぎの味に思わず吐き出しそうになるが、急いで牛乳で流し込んだ。
雛「Ⅰちゃん偉いの。ちゃんと食べられたの」
雛苺は大げさに褒める。Ⅰは照れていたが、どこか嬉しそうだった。
雛「頑張ったIちゃんと、きちんと残さず全部食べた皆にご褒美なの」
雛苺は鞄から大量のうにゅ~を取り出し、一人一人に配っていく。生徒達は思わぬプレゼントに大喜びしてうにゅ~を食べた。

4時間目、おんがく
雛「さあ、皆元気良く歌うのよ」
ピアノは弾けないので、テープをかけて一緒に歌った。

そして5時間目、総合的な学習
雛「総合的な学習って言っても、良く分からないの。皆、何したい?」
K「たいくかんでドッジボールやりたい!」
雛「ドッジボール?・・・面白そうなの!それじゃあ、早速体育館に行くの」
あっという間にやる事が決まって、全員で体育館へと向かった。

しかし、体育館には先客が居た。水銀燈が受け持つ6年生のクラスだった。
雛苺は1年生に「ちょっと待ってて欲しいの」と告げ、水銀燈に近づいた。
雛「あれ?水銀燈先生も体育館に来ていたの?」
水「聞きたいのはこっちの方よぉ。アンタ、この時間体育じゃないでしょう?」
雛「うぅ・・・それは分かってるけど、皆と一緒に体育館で遊ぼうって・・・」
水「それで時間割を確認しないでやって来たわけぇ?」
水銀燈は面倒臭そうに言ってくる。元々、水銀燈の事は少し怖い人と思っていたので、俯いてしまう。
雛「ごめんなさいなの・・・皆にはヒナから説明して教室に戻るの」
水銀燈は頭を掻いている。無理も無い、向こうは体育の授業でここに来ている。
一方自分達は思いつきで来たのだ、無理やり使用する訳にも行かない。
雛(皆悲しむかな・・・でも、外でやれば良いの)
そう思って戻ろうとしたとき、水銀燈が口を開いた。
水「ああもう、分かったわよぅ」
雛「え?」
水「使っても良いって言ってるの」
雛「ホント?わ~いなの!皆、体育館使って良いって言われたの」
水銀燈からの思いがけない言葉に雛苺は驚くと同時に水銀燈に対する見識を改めた。
雛(本当は優しい人なの。ヒナも人の好き嫌いは直さなくちゃなの)
雛「それじゃ、皆で水銀燈先生にお礼を言うの」
1年生「すいぎんとう先生、ありがとうございます!!」
水銀燈は若干照れくさそうに、鼻の頭を掻いた。
水「別に礼なんていらないわぁ・・・・・・そうだ!」
水銀燈は雛苺に何をやるのかを質問し、その後6年生に今日やる事を告げていた。

雛「今日は6年生のお兄ちゃんお姉ちゃんがドッジボールの相手なの。皆頑張るの」
1年生「おー!!」
水「それじゃあ始めるわよぉ。雛苺先生がジャンプボールやるんでしょ?」
雛「あ、今行くの」
体育館全面を使ってクラス対抗のドッジボールが行われた。
6年生は相手が1年生という事もあって、サイドスローとアンダースローのみとなったが、それでもどんどん当てていく。
雛苺も開始6分で内野から外野へと移っていた。

開始から30分で勝負は終わった。
勝負はやはり6年生が勝ったが、1年生も6年生も十分楽しんだようだ。
雛「とっても楽しかったの。皆、お兄ちゃんとお姉ちゃんにお礼を言うの」
1年生「ありがとうございます!!」
雛「それじゃ、皆教室へ帰るのよ」
1年生「はーい!」

こうして雛苺の今日の授業は終了した。

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