ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 賭博黙示録

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男子A「とりあえず、8・13・14・15のボックスかな?中山の短距離は内枠怖ぇーし。お前はどうするよ?」
ある日の昼休み、廊下でスポーツ新聞を広げながら談笑する生徒たち。 どうやら、週末の競馬について話しているようだ。
指名された生徒は少し考え、こう答えた。
男子B「…3番から、5・8・9・12と流す…!馬連で2000円ずつ!!」
男子A「…?3番ってなんだっけ?…うげっ!!『テイエムカナリア』!?こねーよ!そんなの!!前のレースで、いきなりコースを逆走した奴だぞ!?」
男子B「いいや!来る!!こういう大勝負の時こそ、『テイエム』の冠が…」
?「こらっ!」
その声に生徒たちが振り返ると、そこには2人の教師の姿があった。


水銀燈「全く…そんなのはゲームの中だけにしときなさぁい…。ハマッたら、火傷だけじゃ済まないわよぉ?」
珍しく正論を述べる水銀燈に、あっけにとられる一同。
いつもなら、こういう話には積極的に乗り出してきそうなものだが…
そして、何かを思い出したかのように、もう1人の教師もお説教を開始した。
蒼星石「あ…うん!そ、そうだよ…!それに、未成年は購入禁止のはずだし…バイトだって、正当な理由さえあれば…」
男子A「で、でも…ほんのちょっとなら…」
その一言に水銀燈は目を光らすと、蒼星石の手を引っ張りながらこう言った。
水銀燈「…蒼星石、この場は私に任せて…。この子達、楽してお金を手に入れたいみたい…。だから、私がちょっと目を覚まさせてあげるわぁ…。教師の中じゃ、一番そう言うの知ってるしぃ…」
そして、その言葉に蒼星石がその場にいなくなったことを確認すると、皆に向けて静かにこう言った。
水銀燈「…で、何に賭けるのぉ?さっさとお金渡しなさぁい…。」


男子A「…えっ!?」
水銀燈「何、ボーっとしてるのよ…。ほら、買ってきてほしいの…早く紙に書きなさぁい…。また人が来られちゃ面倒だわぁ…」
その言葉に、その場の生徒たちは一斉に動いた。
つまり、さっきは蒼星石先生がいたから、あんな事を…。
やがて、水銀燈は資金を回収し終わると、生徒たちの予想と新聞を見比べながらこんなことを言い出した。
水銀燈「『テイエムカナリア』…もっと賭けなくていいのぉ?」
男子B「え…!?でも、みんな来ないっていうし…もしもの時を考えて…」
水銀燈「バカねぇ…。みんなが言ってたからって、それがいつも正しいとは限らないのよぉ?それに、レースが始まる前から、そんな弱気でどうするのよ!?自分が信じた馬なんでしょう!?」
その言葉に、Bの心は揺らいだ。それを見て、水銀燈はダメ押しとなる言葉を囁いた。
「…あーあ、予想オッズ…全部万馬券なのにぃ…」と。
それを聞き、追加投資をするB。それを見て、他の生徒たちもそれに追従した。
やがてそれが終わると、水銀燈は意味深な笑みを湛えながら、その場を後にした。


水銀燈「ふふっ…本当にお馬鹿さん…。ま、このお金は、私が有効に利用してあげるわぁ…」
誰もいなくなったところで、水銀燈はつい本音を洩らす。
そう…彼女は馬券を買ってくる気など、最初からなかったのだ。
ギャンブルとは、必ず胴元が儲かるもの…。だからこそ、水銀燈はその生徒のお金を目当てに名乗りを上げたというわけだった。
生徒に追加投資をせびったのもこのため…万馬券なんか来るはずが無い…彼女はそう考えていた。
…しかし、そんな予想に反し、『テイエムカナリア』は本当にレースに勝ってしまった。
ちなみに2着は、これまた人気薄の9番…。なんと、倍率159倍の万馬券だった。


男子A「おい!昨日は凄かったな!!おめー、いくら儲かったんだよ!?」
男子B「5000円賭けたから、約80万かな!?うわー!!マジで信じらんねー!!」
レース翌日の月曜日、生徒たちの興奮は全く冷める気配がなかった。
そして、その足で急いで水銀燈を探し出すと、早速本題を切り出した。
男子B「…で、先生…例のお金のほうを…」
水銀燈「…ん?何の話ぃ?」
男子A「またまたー!昨日の競馬の話ですよー!!コイツ、万馬券取ったじゃないですかー?」
水銀燈「ふーん…で?」
男子B「いや、だから…まさか…!?」
水銀燈「…言っとくけど、私は『買ってくる』なんて一言も言ってないわよぉ?私は紙に数字書かせて、校則違反の罰金を取っただけ。何、勘違いしてるのぉ…?」
男子B「え!?嘘でしょ!?そんなの汚いっすよ!!」
まさに天国から地獄…。もはや、生徒のほうは泣きそうになっている。
しかし、水銀燈はお構いなしにこう言った。
水銀燈「汚くて結構…。世の中はそういう風に廻ってるのよぉ?正直者が馬鹿をみるってね…。いい勉強になったでしょう?」
男子B「そ…そんな…」
水銀燈「そんな目をしても駄目よぉ…♪この世を生き残るには、汚いことをしなきゃ生きていけないの。だから…」
?「…だからこそ、僕達が生徒たちを正しい道に導かなきゃいけないんじゃない?そんな間違った世の中を変えるために…。」
驚いて声のしたほうを見ると、そこには満面の笑みを湛えた蒼星石の姿があった。
手には、その小さな体に不釣合いな、大きな剪定用の鋏(はさみ)を携えて…。


蒼星石「水銀燈、待っておくれよ…。ちょっと話したいことがあるんだけど…!」
水銀燈「やぁよ。怖いもの…!」
早歩きで廊下を進む2人。そしてその速度はどんどん増し、やがて2人は全速力で廊下を走り出した。
真紅「廊下は走らない!また何かしたの!?水銀燈!!」
雛苺「わーい、ヒナもー!!」
こうして、彼女を追いかける人数は次第に増えていき、気がつけば教師全員が水銀燈1人を追いかけるという異常事態に発展していた。
当然、授業は一時中断。それを見て、教頭であるラプラスは半ば諦めた様子でこう呟いた。
「はぁ…この学園名物の『教師対抗追いかけっこ』が、今日も始まってしまいましたか…。」
と。
私立有栖学園…ここは、そんなにぎやかな先生が数多くいる学校である。