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薔薇水晶の日記

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匿名ユーザー

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薔薇水晶「せっかくのお休みなのに…わざわざ遊びに来てくれてありがとう。今すぐ、お茶の用意をするね?」
ある日の休日、薔薇水晶の家を訪れた翠星石と蒼星石。
薔薇水晶がいなくなったのを機に、何か面白いものはないかと、部屋を物色する翠星石。
そこに、あるものが目に映った。
翠星石「おっ、あいつ日記なんかつけてやがったんですね?どれどれ、あの無口な薔薇水晶が普段何を考えているのか、翠星石が見届けてやるですぅ♪」
蒼星石「だ、だめだよ!!そう言うのはプライバシーの問題だから…」
そんな言葉を無視して、どんどん日記を読み始める翠星石。
そこには、こんなことが書いてあった。


○月×日
今日も朝5時に起床。
予想外に姉さんのお弁当作りに手間取ったが、いつもの時間に、銀ちゃんに電話することが出来た。
今日は天気がいいので、どこかに遊びに行っちゃうんじゃないかと不安だったが、ちゃんと学校には来てくれた。
ただ、聞くところによると、1時間目から4時間目まではずっと保健室で寝てたらしい。
もう少し、生徒のことを考えてくれるといいのにな…。

○月×日
今日は昨日とは違い大雨だった。
予想通り、銀ちゃんは『雨に濡れるのが嫌だ。』と言って、家から出ようとしなかった。
仕方ないから、力ずくで外に出そうとすると『南の島では、雨が降ったら休みだと歌にもあるのに!』と言って、最後までごねていた。
気持ちは分かるけど、みんな銀ちゃんの授業を楽しみにしてるんだよ?
そういうの…分かってくれたらいいんだけど…。

○月×日
うかつだった…。
今日は天気も良くもなく、悪くもなかったのだが、銀ちゃんはまたどこかに遊びに行ってしまった。
仕方なく、また姉さんにお願いして調べてもらうと、どうやら銀ちゃんは映画館にいることが分かった。
後で分かったことだが、今日はある映画の公開初日だったらしい。
銀ちゃんはすぐ捕まえることが出来たのだが、他のお客さんに多大な迷惑をかけてしまったのが悔やまれる。
本当に…どうしたら、銀ちゃんは学校を好きになってくれるんだろう…。


翠星石「ふ…不憫ですぅ…。こんなにも、水銀燈の事を…。」
蒼星石「…助けてあげなくちゃ…だね。」
そう言うと、2人は薔薇水晶に別れを告げ、急いで水銀燈の家へと向かった。
薔薇水晶「…あの2人、何しにうちに来たんだろう…」
ティーカップを手に、薔薇水晶はぼそっとつぶやいた。


蒼星石「…というわけで、明日は薔薇水晶が来る前に学校に来て欲しいんだ。」
翠星石「それと、電話で起こされる前に『もう起きてる』とメールしやがれですぅ!それだけで、薔薇水晶は報われるんですぅ!!」
急遽、水銀燈の家に押しかけ、事情を説明する2人。
2人の熱意とは対照的に、水銀燈は実に冷めた態度でこう言い放った。
水銀燈「やぁよ。何で、この私がそんな事しなきゃいけないのよ。」
翠星石「お…おめーは散々薔薇水晶に助けてもらってるくせに、どうしてそんな事が言えるですか!?」
水銀燈「それはそれ。これはこれよ。第一、私は薔薇水晶なんかに助けてもらった事なんて、ただの1度も無いわぁ…。もうさっさと帰ってくれる?私は忙しいの。」
蒼星石「…どうしても、聞く耳を持たないっていうのかい?」
水銀燈「当たり前じゃなぁい。」
蒼星石「…そっか。だったらそんな耳…必要ないよね?じゃあ今から、ハサミでちょん切って…」
水銀燈「分かった!分かったわよ!!前向きに検討して…。やるってば!ただし1日だけよ!?」
しぶしぶと2人の計画に参加する水銀燈。
そして、数十時間後…計画を実行する時が訪れた。


その日は、薔薇水晶にとって奇妙な1日だった。
いつもは5回ぐらい電話しないと起きてくれない水銀燈から、逆に電話がかかってきたのだ。
薔薇水晶「ど…どうしたの?銀ちゃん…。具合でも悪いの?」
水銀燈「違うわよぉ…。たまたま早く起きちゃったから、ついでにって思っただけ…。じゃあね。」
そう言うと、電話は切れてしまった。
また何かよからぬ事を企んでいるのだろうか…と、怪訝な顔をする薔薇水晶。
とにかく用心しないと…と学校に向かうと、そこには薔薇水晶の予想をはるかに超えたものがあった。
なんと、あの水銀燈が私より先に学校に来て、しかもせっせと仕事をしているではないか…!
慌てて、薔薇水晶は水銀燈に駆け寄り、声をかけた。
薔薇水晶「銀ちゃんどうしたの!?本当に具合でも悪いの!?」
水銀燈「…あなた、普段私にどんなイメージを抱いてるのよ…。」
そう言うと、水銀燈はこう続けた。


水銀燈「別にぃ…。ただ、早起きしちゃって暇だったから、来てみただけよ。まあ、朝早く学校に来るのも、清々しくていいかもしれないわねぇ…。」
あまりの変化に、状況がいまいち飲み込めない薔薇水晶をよそに、水銀燈は話を続ける。
水銀燈「それに…あなたには迷惑かけっぱなしだしぃ…少しぐらい、副担任らしい事してみようかなって思ったのよぉ…。」
少しはなれたところから、翠星石は小声でこういった。
翠星石「蒼星石…。あんな台詞、台本にあったですか…?」
その問いに、蒼星石は静かに首を振った。
そして、さらに水銀燈は話を続ける。
水銀燈「…まあ、こうしてみると、生徒ってホント十人十色なのね…。だからこそ大変でもあり、面白みも…」
薔薇水晶「うれしい…やっと分かってくれたのね…。」
水銀燈「…え?ちょ、ちょっと…何泣いてるのよ!?」
薔薇水晶「だって…銀ちゃんがやっと…。やっと学校を好きになってくれたんだもん…。」
水銀燈「…全く…。大げさなのよ、あなたは…。」
そう言うと、水銀燈はそっとハンカチを差し出した。
その後、水銀燈は薔薇水晶の前では、あまり学校に関する愚痴を言わなくなった。
それはあくまで薔薇水晶の前ではの話だが、案外彼女の夢が本当にかなう日も、すぐそこまで来ているのかもしれない…


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