ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 翠星石とバレンタインのパン

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「困ったもんですぅ・・・」
自室のベッドに寝転びながら彼女、翠星石は悩んでいた。
何故ならあと一週間でバレンタインデーがあるからだ。
毎年翠星石は蒼星石にチョコレートを渡している。
だが、毎年同じようなものばかりもらっても鬱陶しいだけなのではないのだろうか?
そんな思いが今翠星石を支配していた。
「蒼星石は良い奴ですぅ・・・だけど良い奴すぎて
 本当は要らないのに無理に貰ってるって可能性もあるですぅ・・・」
数時間も考え続け、小腹が空いた翠星石は先ほどコンビニで買った菓子パンに手を伸ばす。
ふと、手を止め、その菓子パンに目をやる翠星石。
「これは・・・ふふふ・・・この手があったですぅ・・・」
その夜、翠星石の部屋から笑いと爆発音が絶える事はなかった。
一週間後、ついにバレンタインデーがやってきた。
「これさえあれば蒼星石のハートは翠星石のものですぅ」
一人ブツブツと何かを呟きながら、職員室に荷物を置き、そのまま授業へ向かった。
放課後・・・ついに決戦の時がくる。
職員室で自分の荷物を探す翠星石。
だが、何処を探しても自分の作ってきた蒼星石用バレンタインスペシャルが見つからない。
「おかしいですぅ・・・絶対持ってきたですぅ・・・」
何度も鞄の中を探り、逆さまにして中身を全て床に落とす。
しかし、そこにあるのは普段の持ち物のみ、バレンタインスペシャルは見当たらなかった。
ふと、雪華綺晶が職員室に入ってくる。
「何をしてるの?」

雪華綺晶に気付いていなかったのか、翠星石は少し肩をビクッとさせる。
「探し物ですぅ・・・食べ物なんですぅ・・・」
食べ物という言葉に雪華綺晶の表情が一瞬凍る。
それに気付いた翠星石はなんとなく尋ねてみる。
「急に強張って・・・どうしたですぅ?」
「な、なんでもないわ・・・その食べ物は大切なものだったの?」
そう尋ねられた翠星石の表情が一気に暗くなる。
それを見た雪華綺晶は少し後悔した。
開けてはならない扉を開けてしまった気がしたのだ。
質問に答えようと翠星石が口を開く、それと同時に蒼星石が職員室に入ってきた。
「ふー・・・こんなにチョコを貰ってしまったよ」
そんな事を言いながらチョコの入ったダンボール箱を自分の机に置く。
「ん?どうかしたのかい?」
いつもと違う翠星石の様子に気付いたのか、蒼星石は翠星石に近づいていく。
「そういえば、今年はチョコ無しかい?毎年楽しみだったんだけどなぁ」
何も事情を知らない蒼星石は微笑みながら言っている。
それを見た翠星石は堪らず涙を流してしまった。
「ど、どうしたんだい!?」
「なんでもねぇですぅ・・・グスッ・・・」
その後、30分も泣き続けた後、蒼星石に事情を説明する。
すると、蒼星石は翠星石の頭を撫でた。
「ありがとう、僕なんかのために例年より凄いものを作ってくれたんだね」
「でも・・・結局渡せなかったですぅ・・・慣れない事はするもんじゃねぇですぅ」
「気持ちだけで僕は満たされたよ、お返しは期待して良いからね」
職員室は完全に二人の世界が出来上がっていた。

場所は変わり、有栖学園某所・・・
「なんとかバレずに済んだ・・・」
そんな事を言いながら隠しカメラで職員室の様子を見る雪華綺晶。
「・・・何がバレなかったの・・・?」
「チョコフォンデュを食べた事・・・え?」
雪華綺晶が咄嗟に振り返る。
そこには最愛の妹、薔薇水晶がいた。
「・・・きらきーチョコ無し・・・」
という具合に薔薇水晶にバレンタインのチョコはもらえなかったそうだ。
それから少しの間、雪華綺晶は盗み食いをしなかったらしい。