ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 悩んだら、まず相談

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さっきまでの晴れ渡った空が嘘のような鼠色の雲の空の下、降るか降らないかの瀬戸際のような天気の中、元気に部活動をしている生徒達の声が職員室に木霊する。
そんな中、雪華綺晶は妹の薔薇水晶のことで悩んでいた。

「薔薇水晶に彼氏がいる」 そんな噂が立つたびに、薔薇水晶の彼氏と思われる男を脅迫し、薔薇水晶から引き離し、また必要とあらば全て未遂だが抹殺もしてきた。
だが私のやってきたことは本当に正しかったのか?
脅迫や抹殺未遂をした後は必ず薔薇水晶にこってり搾られていた。
しかし、そんなことはどうでも良かった。
妹が泣く姿を見たくない、その想いでずっと銃を乱射し、戦車を走らせてきた。
だが、本当に自分がやってきたことは 正 し か っ た の か ?

自分は昔は軍人だったせいか、人を見ればその人のなりが大体分かった。
薔薇水晶の彼氏と思われる人は全て腑抜けているように私の目に映った。
昔、自分自身に誓った… 妹は私が認めた人としか付き合わせない。
しかし、これはただの自 己 満 足 で は な か っ た の か ?

雪華綺晶「今思えば、迷惑だったから私のこと叱ってたのかな?…」
意図せずとも誰にも聞こえないような小さな声で呟く。
雪華綺晶「だが、悩んだらまず相談。昔薔薇水晶が私に言ってくれた。」
ポジティブな考えの持ち主なのだろうか?
そう言うと直ぐに相談相手を飲みに誘った。
雪華綺晶「翠星石先生、今日ちょっと飲みに行きませんか?おごりますんで。」
翠星石「私ですか?まぁおごってくれるんなら行きますです。」
職員室にいる人達は皆驚きの目で雪華綺晶を見ていた。
何故なら彼女は滅多におごらないからだ。
だが、割り勘にしたら誰も雪華綺晶の誘いに乗らないのも事実。
金の問題さえなくなれば雪華綺晶は一緒に飲んで楽しい人である。
よって翠星石は喜んで雪華綺晶の誘いに乗った。

時刻的にはもう太陽の半分が暮れている時間である。
だが、未だに空を覆い尽くす漆黒の雲であたりはすっかり真っ暗だ。
そんな中の居酒屋で…

翠星石「で、私に何の用です? おめぇは用も無しに人におごるような玉じゃないですぅ。さぁ、洗いざらい吐いちまえですぅ。」
雪華綺晶「実は―――― 」
そして雪華綺晶は胸のモヤモヤを全て翠星石に話した。
最愛の妹への想い、妹にまとわりつく虫を追い払ってきたこと、そして追い払って来たことに対する疑問も全て…。
翠星石「つまり、妹への愛情ゆえに、今まで自分が認めた漢以外に妹と付き合わせないという信念が、薔薇水晶の新しい彼氏と思われる人への屈託無い笑顔を見て揺らいだと、そういうわけですね?」
翠星石の問いにコクンと頷く雪華綺晶。
翠星石「でも、何で相談相手に私を選んだですか?」
雪華綺晶「教員の中の唯一の百合カップルの一人。だから私の考えを1番理解出来そうだと思った。」
翠星石「誰がレズですか!蒼星石とはそういう関係じゃねぇです!ふざけてるんなら帰るでs…」
最後まで言葉が発せられることは無かった。
普段なら、もうこのくらい居酒屋で過ごせば、雪華綺晶の周囲は雪華綺晶の身の丈を越すほどに皿が積まれている…が、今日は積むどころか二人の間に一皿枝豆が置いてあるだけである。
雪華綺晶の奢りであるという理由だけではないのは明確である。
翠星石「私としたことが取り乱してしまったですぅ。」
ここまで慌てると返って怪しい…が今回は置いておく。
翠星石「私の考えとしてはですねぇ…。人の恋路を邪魔するなと言いたいところですけど、雪華綺晶の薔薇水晶に対する愛は本物ですし、その愛が空回りだったとしても、空回りしたあと二人で話し合ってその愛を良い方向へ向ければ良い と思うです。
だから認められる男が出てくるまでこのままで良いと思うです。それにこんなことでクヨクヨ悩むなんて雪華綺晶らしくないですし、今までの雪華綺晶が一番雪華綺晶らしいですよ。」
その言葉を聞き、雪華綺晶は涙ぐむが泣かない。
戦場では感情を表に出すことイコール死だからだ。
だが、止めようとしても溢れてくるその感情は仮面を突き破って出てきた。
雪華綺晶「翠星石ぃ~! ヒックヒック…――」
近付いて優しく抱きしめる翠星石に涙と体を任せた。
翠星石「あんまり柄じゃねぇことさせるなですぅ――」
相変わらずの憎まれ口だが、その言葉には何処か優しさがあった。

翠星石「落ちついたですか?」
雪華綺晶「うん、スッキリした。ありがとう。」
翠星石「バ、バカゆーなです。奢りだからついて来てやったのに、面倒くさい相談事持ちかけやがっていい迷惑です。でも心の広い翠星石はちゃんと答えてやったです、感謝するです。」
また相変わらずの憎まれ口…――
翠星石「あぁ、あと追加です。抹殺はダメだと思うです。殺しちゃ薔薇水晶が泣くです。だからやるなら「社会的に抹殺」ですぅ。じゃぁそろそろ帰るです。」
雪華綺晶「分かった、3/4殺しにしとく。」
いつもの翠星石にいつもの雪華綺晶。
いつの間にか雲は晴れていて、星と吸い込まれそうな闇の空が綺麗だった。
翠星石「明日は晴れですぅ。」