ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

仲間はずれ

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真紅「…というわけで、今日の夕飯は雪華綺晶抜きで行くわよ。みんな、いいわね?」
職員室に入ろうとした時、偶然にもそんな話を聞いてしまった雪華綺晶。
真紅の思わぬ発言に、その体が動かなくなる。
翠星石「ちょ…それはどういうことですか!?」
真紅「だって仕方ないじゃない。あの子が来ると、ご飯はすぐ無くなっちゃうし、落ち着いて食べられないし、お金も余分にかかっちゃうのよ?残念だけど、仕方が無いわ。」
雛苺「うー…雪華綺晶には悪いけど、その通りなの…。」
金糸雀「カナも、真紅の意見には賛成かしらー!」
みんながそういうことに、ショックを隠しきれない雪華綺晶。
「私も妹の薔薇水晶のように少食になれば、みんなからも好かれるようになるのだろうか?なら…」と考えていたところに、翠星石の声が聞こえてきた。
翠星石「ちょっと待ったですぅ!何で、みんなして雪華綺晶を仲間はずれにしようとしやがるですか!?」


それは雪華綺晶にとっても、そして真紅たちにとっても意外な発言だった。
いつもなら、こういうことには積極的に賛同しそうなものだが…。
翠星石「どんな理由であれ、仲間はずれはいけないです!みんな、友達じゃねぇですか!!」
真紅「…でも、あの子が来るといつも数万円単位でお金が飛んでいくのよ?たまには、私たちだけで行っても…」
翠星石「そんなのだめですぅ!一人だけ仲間はずれにされたと知ったら、どんだけ雪華綺晶が悲しむか…」
真紅「…でも実際問題、あの子が大食いなのがいけないのよ?私たちだけ我慢するのは、不公平だわ。」
「…そうだよね…。」と、暗い表情でつぶやく雪華綺晶。以前、食事もろくに取れなくて精神的にまいった時期がある…でも、それでみんなに好かれるなら…
今の雪華綺晶にとって、それだけの覚悟をさせるものがこの学校には存在した。
一呼吸置いて、翠星石が問いかける。
翠星石「…じゃあ、おめーは授業中、紅茶飲むのをやめられるですか!?」
真紅「う…そ、それは…」
翠星石「くんくんがある日でも、残業を優先させるですか!?」
真紅「そ、それとこれとは話が違うわ!」
翠星石「一緒ですぅ!!人には、他の人とは違うトコがあって当たり前ですぅ!!それを理由に仲間はずれにしたら、雪華綺晶が可哀相ですぅ!!」


その時、向こうから蒼星石が来るのを発見し、急いで隠れる雪華綺晶。
そんな雪華綺晶に、全く気づく様子もなく職員室に入る蒼星石。
翠星石「とにかく、みんな仲良く…」
蒼星石「(ガラッ)…ん?どうしたの?みんな…」
真紅「蒼星石!!あなたなら分かってくれるわよね!?実はかくかくじかじかで…」
もう自分だけでは勝てないと思ったのか、蒼星石の姿を見るやいなや助けを求める真紅。
蒼星石なら、翠星石の精神論に屈することなく、理論的に問題を解決してくれるだろう…そう思ったに違いない。
一通り話を聞いた後、蒼星石は静かにこう言った。
蒼星石「…誰かを仲間はずれにするのは、とてもいけないことだよ。僕も、翠星石の意見に賛成だな。」
真紅「そ…そんな、あなたまで…!」
蒼星石「それに、探せばバイキング形式の所だってきっとあるよ。それならみんな文句無いだろう?」
「それなら…」と、その提案にうなずく一同。
蒼星石「…じゃあ、真紅から電話して誘ってあげて。雪華綺晶もきっと喜ぶと思うよ。」
真紅「…分かったわ…。…あ、もしもし、雪華綺晶?今日の夜、みんなでご飯でも食べに行こうと思ったんだけど…。一緒に来る?」
その時、雪華綺晶はいつもと違う、大きくはっきりした声で「ええ!」と返答した。


翠星石「…で、どういうことですか…これは…。」
学校の帰り道、冷めた口調でそう言い放つ翠星石。見ると、その左腕には雪華綺晶がべったりとくっついていた。
薔薇水晶「…多分、姉さんなりの愛情表現かと…」
翠星石「はあっ!?こんなヤツに好かれたって、ちっとも嬉しくねぇですぅ!ええい、歩きにくい!離しやがれですぅ!!」
その後、教師一同は楽しく食事をしましたとさ。もちろん、誰一人のメンバーも欠けることなく…ね。


おしまい

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