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真紅と水銀燈の奇妙なドライブ

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匿名ユーザー

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ある夏の昼休み、たまたまチャンネルを回すと、夏恒例の怪奇特集がやっていた。
しまったと思った真紅だったが、気づいた時にはもう遅い。怖いけれども、続きが気になり見続けてしまうという悪循環にはまっていた。
その時、急に職員室のドアがガラッと開いた。その音に、敏感すぎるほどに反応する真紅。
おっかなびっくりドアのほうを見ると、水銀燈がきょとんとした顔をして立っていた。


水銀燈「何て顔してるのよ?ブサイクな顔が、さらにブサイクになってるわよぉ♪」
真紅「う、うるさいわね!あなたの顔の酷さにビックリしただけよ!!」
何か言い返してやろうと思う水銀燈だったが、TVの音声を聞いた瞬間、真紅が何について怖がっているのかをすぐに見抜いた。
水銀燈「…ははーん、まさかあなたお化けとかそんな幼稚な話を信じてるのぉ?いくつになってもお子様ねぇ…♪私は寝るから、くれぐれも悲鳴あげたりとかしないでねぇ…♪」
そういって、水銀燈は机に伏せてしまった。
が、本当は水銀燈もそのTVの内容が怖くて仕方がなかった。それを真紅にからかわれるのがイヤだったので「寝る」といったが、そんな状況で寝れるはずもなく、耳には次々と怖い話が入っていく。
その話の1つ1つに苦悶の表情を浮かべる水銀燈。もし、机にCCDカメラでも仕掛けておけば、さぞ面白い顔が撮れたに違いない。
そして、そのTVの内容は、昼休みが終わっても2人の脳裏から離れず、家に帰ろうと車に乗り込むものの、1人で運転して帰るのがどうしても心細く、なかなか発進できないでいた。


水銀燈「…真紅ぅ、何で車発進させないのぉ?まさか昼間のこと、まだ気にしてるのぉ?」
真紅「うるさいわね…あなたこそ、何で今日は一目散に帰らないのよ?」
水銀燈「…それは…ほ、ほら、あなたの怯えてる顔がもっと見たいからよぉ…♪」
半分引きつった顔で、そう返す水銀燈。その時、水銀燈の頭にとても良いアイデアが浮かんだ。
水銀燈「そ、そうだ!そんなに怖いのなら、私が一緒に帰ってあげるわぁ♪」
これは真紅にとっても、喜ばしい提案だった。「あなたがどうしてもというのなら、一緒に帰ってあげてもいいのだわ」と強がりをいい、水銀燈の車にそそくさと乗り込む真紅。
こうして、2人の奇妙なドライブはスタートした。


その後、車内では水銀燈の真紅なじりが開始された。無論それは、恐怖感を紛らわすためのものであったが、言われる真紅もこれに応戦する。
そして、いつしか車内では「いかに自分の知っている怪談で、相手をビビらすか」といいうゲームが行われるようになってしまった。
それは、彼女ら自身にとっても大きなマイナスであったが、今更手を引くことなどできず、不毛な戦いが展開されていた。
真紅「…そういえばこんな話知ってる?実はこの山道で昔、殺人事件があったんですって…」
水銀燈「ふ、ふん…よくある話だわぁ…」
真紅「で、今でも殺された人は、自分を殺した人がここを通らないかと監視してて…」
水銀燈「め、迷惑な話ねぇ…未練たらしすぎるわぁ…♪」
真紅「それで、車が通るたびにその車に飛び乗って…」
水銀燈「わ、私も2ヶ月に1回はそんな目にあうわねぇ…♪」
真紅「その朽ちた体で車内を見回し…」
そこまで言ったところで、自分たちの車の上に何かが乗ったような鈍い音が車内に響く。
水銀燈「…今、何かした?手の込んだことしてくれるじゃなぁい…」
真紅「い、いや…私は何もしてないわよ?あなたがしたんでしょう?」
水銀燈「…ウソでしょう?ねぇ?」
顔を見合わせる2人。もはや2人とも半泣きである。


真紅「…落ち着きなさい。どうせ石か何かが当たっただけで…:
雪華綺晶「…こんばんは。」
そういいながら、フロントガラス越しにニョキっと顔を出す雪華綺晶。おそらくヘリか何かから降下したのだろう。雪華綺晶にとっては、単なるおふざけに過ぎなかったのかもしれないが、真紅と水銀燈の恐怖心をあおるのには十分すぎる行為だった。
水銀燈「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!」
真紅「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
雪華綺晶「…え?」
全力でアクセルを踏み込む水銀燈。たまらず、雪華綺晶は宙に投げ出される。
真紅「今、何かいたわよね!?何かいたわよね!?」
水銀燈「見てない!!私は何も見てない…!!」
全速力で車を飛ばす水銀燈。しかし、雪華綺晶が吊るされたままとはいえ、ヘリも凄い速度でそれを追いかける。
しかも、雪華綺晶の白を基調とした服のおかげで、雪華綺晶は凄い速度で空中を飛び回る幽霊のように見える。
結局、その奇妙なランデブーは夜が明けるまで続いたそうな。


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