私の名前はホーリエ。有栖学園で事務員として働いております。
偶に真紅先生のお仕事を手伝うこともあります。
しかし、今は日頃の雑務から逃れ、息抜きの為に図書館に来ています。
今有栖学園は昼休みを迎えています。ある程度仕事を終えた私は事務長公認の休み時間を過ごしております。
ちなみに他の事務員はと言うと
メイメイさんは仕事を終えるとすぐに水銀燈先生の元へ行ってしまいました。
恐らく水銀燈先生の昼食用ヤクルトを買いにでも行ったのでしょう。律儀な方です。
レンピカさんはトレーニングルームの管理をしてます。仕事は・・・多分まだでしょう。
ピチカートさんとベリーベルさんはまだ仕事が溜まっているらしく、事務長の監視の下で頑張っています。
スィドリームさんは…いつも通り寝てました。・・・仕事は大丈夫なんでしょうか?心配です。
さて、世話話もいいですが、そろそろ私も読書の続きをすることにしましょう。
ロ「やぁ、ホーリエくん。読書かい?」
いきなり後ろから話しかけられたので驚きました。
しかし、それを表情に出さずに私は頷き返します。
ちなみにこの人はこの学園の校長を勤めているローゼン氏です。
正直近づく気配も感じさせなかったこの人を私は人間だと思っていません。
ロ「何をそんなに怪訝そうに見ているんだい?」
ホ「いえ。・・・そろそろ行った方がいいんじゃないですか?」
遠くからある気配を感じ取った私は校長に警告しました。
ロ「・・・確かに。それじゃあ、そろそろ行くとするかな。あ、今度一緒にお茶でもどうだい?」
ホ「遠慮しておきます。薔薇水晶先生に睨まれたくないので」
ロ「成る程ね。おっと、それじゃあまたね」
そう言うと、近くの窓から去っていきました。
その10秒後
ラ「はぁ、はぁ、・・・あ、ホーリエさん。ここに馬鹿校長が来ませんでした?」
ホ「ええ、そこの窓から逃げ出しましたが・・・」
教えてあげるとラプラス教頭は窓を覗き込みました。そして、目を閉じて長い耳をピコピコ動かしていると、突然目をカッと見開きました。
ラ「あそこか・・・。それではホーリエさんご協力感謝します」
そう言うと窓から去っていきました。
全く学園を支えていく人達が何をやっているのやら。先が不安になります。
まぁ、今に始まったことではないので、気にしないことにします。
偶に真紅先生のお仕事を手伝うこともあります。
しかし、今は日頃の雑務から逃れ、息抜きの為に図書館に来ています。
今有栖学園は昼休みを迎えています。ある程度仕事を終えた私は事務長公認の休み時間を過ごしております。
ちなみに他の事務員はと言うと
メイメイさんは仕事を終えるとすぐに水銀燈先生の元へ行ってしまいました。
恐らく水銀燈先生の昼食用ヤクルトを買いにでも行ったのでしょう。律儀な方です。
レンピカさんはトレーニングルームの管理をしてます。仕事は・・・多分まだでしょう。
ピチカートさんとベリーベルさんはまだ仕事が溜まっているらしく、事務長の監視の下で頑張っています。
スィドリームさんは…いつも通り寝てました。・・・仕事は大丈夫なんでしょうか?心配です。
さて、世話話もいいですが、そろそろ私も読書の続きをすることにしましょう。
ロ「やぁ、ホーリエくん。読書かい?」
いきなり後ろから話しかけられたので驚きました。
しかし、それを表情に出さずに私は頷き返します。
ちなみにこの人はこの学園の校長を勤めているローゼン氏です。
正直近づく気配も感じさせなかったこの人を私は人間だと思っていません。
ロ「何をそんなに怪訝そうに見ているんだい?」
ホ「いえ。・・・そろそろ行った方がいいんじゃないですか?」
遠くからある気配を感じ取った私は校長に警告しました。
ロ「・・・確かに。それじゃあ、そろそろ行くとするかな。あ、今度一緒にお茶でもどうだい?」
ホ「遠慮しておきます。薔薇水晶先生に睨まれたくないので」
ロ「成る程ね。おっと、それじゃあまたね」
そう言うと、近くの窓から去っていきました。
その10秒後
ラ「はぁ、はぁ、・・・あ、ホーリエさん。ここに馬鹿校長が来ませんでした?」
ホ「ええ、そこの窓から逃げ出しましたが・・・」
教えてあげるとラプラス教頭は窓を覗き込みました。そして、目を閉じて長い耳をピコピコ動かしていると、突然目をカッと見開きました。
ラ「あそこか・・・。それではホーリエさんご協力感謝します」
そう言うと窓から去っていきました。
全く学園を支えていく人達が何をやっているのやら。先が不安になります。
まぁ、今に始まったことではないので、気にしないことにします。
本の世界に入り込んでいた私はカウンターから聞こえてくる声のお陰で現実に引き戻されました。
雛「今日は絶対ヒナが借りるのー!」
金「駄目かしら!そもそも先にこの本を取ったのはカナかしら」
声の持ち主は有栖学園で教師を務めている雛苺先生と金糸雀先生でした。
どうやら借りたい本を同時に見つけてしまったようですね。
しかもあの本は今日貸し出し許可が出たばかりの本のようです。
確か三冊しかない貴重なモノだったと思います。
二人はその本を相手に取られまいと両手でキープしています。
そして静かな図書館に二人の声が響き渡ります。
雛「そんなことないのー。ヒナが一秒先に取ったのー!」
金「むっ!カナは0.1秒先に取ったかしらー!」
雛「むむー!ヒナは0.01早かったのー!」
金「むぅ!カナは0.001秒早かったかしら!」
雛「むむ!ヒナは0.000――」
(省略しますね)
暫く言い争っていた二人でしたが疲れたのか言い争いを止めたようです。でも、二人共本はガッチリ掴んでいます。
雛「うー、しつこいのー……こうなったら」
金「うーしつこいかしら……こうなったら」
追い詰められた(?)二人は最後の手段と言うような台詞を吐きました。一体何を…?
と思っていると二人がこちらを見て……え?
私を見つけた二人は早足でこちらに向かって来きます。
……何だか凄い気迫です。
そう思っている内に二人は私のところにやって来ました。
雛「ホーリエさん!ヒナの方がこのご本取るの早かったのよね!?」
金「違うかしら。カナの方が早かったかしら!ホーリエさんも見たかしら!?」
そう言って片手で私の腕を掴んで同意を求める二人。……腕が痛いです。
ホ「……すみません。現場を見ていないので……」
金「むー、それじゃあジャンケンで決めるかしら」
雛「駄目なのー。カナリアは無敵のグーチョキパーを出すからやらないのー」
あの三種類のタイプを兼ね揃えた拳のことですか。それは邪道ですね。
金「う・・・それじゃあ、どうするのかしら?」
雛「う~ん…。あ…」
どうしたのでしょう。雛苺先生は私の手元をジッと見ています。
私の手元には本くらいしかないのに。この今日貸し出し許可が出たばかりの・・・
金「あ~、それカナ達が読もうとしている本と同じかしらーっ!?」
確かによく見る同タイトルの本です。何故か気がつきませんでしたね。
金&雛「ジーーーー…」
うっ…。お二人が物凄く目をキラキラさせて私を見ています。
私はそれを無視して本に目を落とします
金&雛「ジーーーー!」
ホ「・・・わかりました。本はお譲りますから声に出さないで下さい」
金&雛「やった(かしら~)(なの)」
二人は満面の笑顔で私にお礼を言うと二人仲良くカウンターへと向かいました。
はぁ…あの小説、前から楽しみにしていたのですが…
まぁ、お二人のどちらかが読み終えるのを待つとしましょう。
そう思って腰を上げた時でした
真「あら、ホーリエ。珍しくサボりかしら?」
声をかけたのは私が最も信頼する先生、真紅先生が立っていた。
ホ「違います。今日の仕事のノルマを終えたので息抜きです。どっかの教師と一緒にしないで下さい」
ある銀髪の教師を思い浮かべた私はそう言った。
真「それはごめんなさいね。でも彼女の事を悪く言うのはどうかしらね」
ホ「失言でした」
しかし、彼女は今日の授業を三回もサボっています。まぁ、これも日常の事ですが
真「それより、一緒に紅茶でもどう?」
ホ「もちろん喜んでお付き合いさせて頂きます」
私は滅多に人に見せない笑顔でそれに答える
真「それじゃあ、ジュンを呼んでくるから、貴方は先に行ってて頂戴」
紅茶を淹れるためにジュン君を呼ぶのですか…。
ジュン君には気の毒と思いますが、同時に羨ましくも思います。
ジュン君と一緒に居ると真紅先生は私が知らない笑顔を浮かべます。
それを見ると嫉妬の念さえ抱く時もあります。でもそれは真紅先生にとっては良い事です。
ですから私にとっても良い事なのです。
あ・・・つまらない話でしたね。そろそろ行くとしましょうか。
そうして図書館を後にしようとしたその時
真「そういえば、貴方にお勧めの本があるのだけれど読んでみないかしら?」
ホ「真紅先生のお勧めならきっと面白いでしょうね。もちろん読ませていただきます」
真「そう。これは最近出たものらしいから競争率が激しかったのだわ。苦労してかりたのだから有難く読みなさい」
司書の方には私から話しておくからそのまま持っていきなさいと言って真紅先生は私に一冊の本を渡しました。
それはかなり見覚えがある本でした
ホ「(・・・これはさっき雛苺先生達に奪われた(?)本)」
表紙を見てみると間違いなく雛苺先生達が持っていった本と同タイトルのモノでした
真「気に入ったかしら?」
ホ「はい。とても」
真「ふふふ。それは良かったわね。それじゃあ行きましょうか」
頷いてから私は本をしげしげと眺める。
やっぱり真紅先生は最も信頼している・・・いえ大好きな先生です。
真「・・・私の顔に何かついているかしら?」
ホ「いえ。それより早く行きましょう。貴重な休み時間が終わってしまいます」
真紅先生の質問をはぐらかした私は、本を腕の中で大事そうに抱きしめました。
そして真紅先生と飲む紅茶を楽しみにしながら職員室へと向かうのでした。
雛「今日は絶対ヒナが借りるのー!」
金「駄目かしら!そもそも先にこの本を取ったのはカナかしら」
声の持ち主は有栖学園で教師を務めている雛苺先生と金糸雀先生でした。
どうやら借りたい本を同時に見つけてしまったようですね。
しかもあの本は今日貸し出し許可が出たばかりの本のようです。
確か三冊しかない貴重なモノだったと思います。
二人はその本を相手に取られまいと両手でキープしています。
そして静かな図書館に二人の声が響き渡ります。
雛「そんなことないのー。ヒナが一秒先に取ったのー!」
金「むっ!カナは0.1秒先に取ったかしらー!」
雛「むむー!ヒナは0.01早かったのー!」
金「むぅ!カナは0.001秒早かったかしら!」
雛「むむ!ヒナは0.000――」
(省略しますね)
暫く言い争っていた二人でしたが疲れたのか言い争いを止めたようです。でも、二人共本はガッチリ掴んでいます。
雛「うー、しつこいのー……こうなったら」
金「うーしつこいかしら……こうなったら」
追い詰められた(?)二人は最後の手段と言うような台詞を吐きました。一体何を…?
と思っていると二人がこちらを見て……え?
私を見つけた二人は早足でこちらに向かって来きます。
……何だか凄い気迫です。
そう思っている内に二人は私のところにやって来ました。
雛「ホーリエさん!ヒナの方がこのご本取るの早かったのよね!?」
金「違うかしら。カナの方が早かったかしら!ホーリエさんも見たかしら!?」
そう言って片手で私の腕を掴んで同意を求める二人。……腕が痛いです。
ホ「……すみません。現場を見ていないので……」
金「むー、それじゃあジャンケンで決めるかしら」
雛「駄目なのー。カナリアは無敵のグーチョキパーを出すからやらないのー」
あの三種類のタイプを兼ね揃えた拳のことですか。それは邪道ですね。
金「う・・・それじゃあ、どうするのかしら?」
雛「う~ん…。あ…」
どうしたのでしょう。雛苺先生は私の手元をジッと見ています。
私の手元には本くらいしかないのに。この今日貸し出し許可が出たばかりの・・・
金「あ~、それカナ達が読もうとしている本と同じかしらーっ!?」
確かによく見る同タイトルの本です。何故か気がつきませんでしたね。
金&雛「ジーーーー…」
うっ…。お二人が物凄く目をキラキラさせて私を見ています。
私はそれを無視して本に目を落とします
金&雛「ジーーーー!」
ホ「・・・わかりました。本はお譲りますから声に出さないで下さい」
金&雛「やった(かしら~)(なの)」
二人は満面の笑顔で私にお礼を言うと二人仲良くカウンターへと向かいました。
はぁ…あの小説、前から楽しみにしていたのですが…
まぁ、お二人のどちらかが読み終えるのを待つとしましょう。
そう思って腰を上げた時でした
真「あら、ホーリエ。珍しくサボりかしら?」
声をかけたのは私が最も信頼する先生、真紅先生が立っていた。
ホ「違います。今日の仕事のノルマを終えたので息抜きです。どっかの教師と一緒にしないで下さい」
ある銀髪の教師を思い浮かべた私はそう言った。
真「それはごめんなさいね。でも彼女の事を悪く言うのはどうかしらね」
ホ「失言でした」
しかし、彼女は今日の授業を三回もサボっています。まぁ、これも日常の事ですが
真「それより、一緒に紅茶でもどう?」
ホ「もちろん喜んでお付き合いさせて頂きます」
私は滅多に人に見せない笑顔でそれに答える
真「それじゃあ、ジュンを呼んでくるから、貴方は先に行ってて頂戴」
紅茶を淹れるためにジュン君を呼ぶのですか…。
ジュン君には気の毒と思いますが、同時に羨ましくも思います。
ジュン君と一緒に居ると真紅先生は私が知らない笑顔を浮かべます。
それを見ると嫉妬の念さえ抱く時もあります。でもそれは真紅先生にとっては良い事です。
ですから私にとっても良い事なのです。
あ・・・つまらない話でしたね。そろそろ行くとしましょうか。
そうして図書館を後にしようとしたその時
真「そういえば、貴方にお勧めの本があるのだけれど読んでみないかしら?」
ホ「真紅先生のお勧めならきっと面白いでしょうね。もちろん読ませていただきます」
真「そう。これは最近出たものらしいから競争率が激しかったのだわ。苦労してかりたのだから有難く読みなさい」
司書の方には私から話しておくからそのまま持っていきなさいと言って真紅先生は私に一冊の本を渡しました。
それはかなり見覚えがある本でした
ホ「(・・・これはさっき雛苺先生達に奪われた(?)本)」
表紙を見てみると間違いなく雛苺先生達が持っていった本と同タイトルのモノでした
真「気に入ったかしら?」
ホ「はい。とても」
真「ふふふ。それは良かったわね。それじゃあ行きましょうか」
頷いてから私は本をしげしげと眺める。
やっぱり真紅先生は最も信頼している・・・いえ大好きな先生です。
真「・・・私の顔に何かついているかしら?」
ホ「いえ。それより早く行きましょう。貴重な休み時間が終わってしまいます」
真紅先生の質問をはぐらかした私は、本を腕の中で大事そうに抱きしめました。
そして真紅先生と飲む紅茶を楽しみにしながら職員室へと向かうのでした。