ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 眠い朝の、ちょっとした出来事

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先日の寒さが嘘の様な冬晴れ。
丸裸の枝の間から日の光が暖かく、心地よい。
窓際の席でよかったと心から思う。

頬を机に押し付けるように突っ伏していると教室のドアがガラリと音を立てた。

「…おはようございます」

担任の先生が小さな、けれど凛と透き通った声で挨拶をする。

周りの生徒たちも当然のように挨拶を返す。
けど、俺はもう少しこの暖かさに浸りたかった。

うつら、うつら。と、意識を半分夢の中へ落としていると不意にコツンと何かが頭に触れた。

「暖かいのは分かるけど…寝ちゃ、だめよ…?」

教壇に立っていると思っていた薔薇水晶先生がいつのまにか目の前にいることに少し混乱する。
周囲を見渡すとHRは既に終了し、クラスメイト達は次の授業の用意をしていた。

「あ…すみません」

すぐに謝ると、先生はニッコリと微笑んだ。

「1時限目の用意…ちゃんとするんだよ?」

優しく注意され、照れ笑いを浮かべる俺にもう一度微笑むと、先生も授業の準備に向かった。


ん~、と伸びをして、気持ちを入れ替える。
「1時間目は数学か」
独り言をつぶやいて、俺も教科書とノートを机の上に広げる。


眠い朝の、ちょっとした出来事。

冬ばれの心地よい、暖かい日。
なんだか、いつもと違う一日になるような ・・・
そんな予感のする、ある日のできごと


「皆、おはよう。今日の範囲は昨日の内容との関連が強いから復習からはじめるね」

きりっとした、よく通る声だと思った。
クラスのほとんどのが、うっとりと蒼ちゃんを見つめていた。

うちの学校の先生方は、美人ぞろいだ。
各先生方の授業はそれぞれ特徴的で面白い。

とくに、蒼ちゃんこと蒼星石先生は丁寧で分かり易い。
俺の数学の成績が中学の頃と比べ、遥かに良くなったのは蒼ちゃんのおかげだ。

勉強に楽しみが混じると、こんなにも変わるんだと自分で驚いた。

「どうしたの?具合悪いなら言ってね?」

ボーっとしていたらしい。
はっと我に返ると、目の前に綺麗過ぎるオッドアイが映った。

「蒼ちゃん顔近いよー」

顔が熱くなるのを感じながら、いつものように軽い口調で話す。

「ちょっとボーっとしてたみたい。授業中なのに、すみません」


「そう?ならいいけど」

本当に心配してくれていたのだろう。
ニッと笑ってガッツポーズをして見せた。俺なりの「大丈夫」の表現だった。

それを見た蒼ちゃんは「大事なとこだから、ちゃんときいてね」と、苦笑いした。


ちらりと窓の外を見た。
流れる雲を見ながら、今日はいい日かもしれないとぼんやり思った。