ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 薬物ダメ、絶対!

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  頭にずっしりとした重圧がこびりつく。どれほど意識を集中しようと、思考から霞を拭い去れなかった。
  渇きを覚えた。水分を欲しているのではない。体が、『それ』を求めてやまないのだ。
  いらいらが募った。焦燥感を抑え切れなくなった。
  とうとう暴発した。真紅は、ゆらりと席を立った。
  机と机の間をすり抜けて、まっすぐに給湯室を目差した。途中、書類の束を抱えた金糸雀と肩がぶつかる。
「ひゃんっ」
  尻餅をつく同僚。床に散らばる採点済みの答案用紙。先生と生徒の努力の結晶。
  しかし、真紅は目もくれなかった。
  雛苺が、異変に気づいて立ち上がった。慌てて給湯室に先回りする。真紅の行く手を阻んだ。
「……雛苺、そこをおどきなさい……!」
  半眼でねめつける。真紅の背後から立ち昇る、まがまがしい陰の気配。
  怖気が走った。膝頭ががくがくと震えた。が、雛苺は退かなかった。小さな勇気を振り絞って、懸命に真紅の前に立ちふさがった。
「だめーーっ、だめなのっ、我慢するって、みんなと約束したのーーっ!!」
  雛苺は、ふるふると首を振るった。真紅のためを思えばこそ、必死に抗った。しかし……。
「カフェインを……カフェインをよこすのだわっ。もうこうなったら……泥のようなコーヒーでも構わないのだわッ。雛苺……どかなければ、いかにあなたであろうと、もう容赦しない……!!」
  真紅は、利き腕を振り上げた。雛苺は、きゅっと目を閉じた。

  毎日のように頭重に悩まされた。医者にカフェイン中毒だと診断された。飲んでも飲んでも禁断症状が治まらなかったから、潔く紅茶を断った。それから三日目のことだった。

  画面がブラックアウトした。一同を重苦しい雰囲気が包み込む。誰も一言も発し得なかった。
  水銀燈先生が、静寂を裂く。
「みんな、わかったぁ? このように薬物は、人の心まで醜く蝕んでしまうのぉ。だからぁ、絶対に手を出しちゃダメ。コーヒーや紅茶に含まれるカフェインも、脳神経系に作用して中毒を引き起こす場合があるので、過剰な摂取は避けることぉ」
  生徒たちは、一様にかくかくとうなずいた……。

真「すすす水銀燈っ、いいい一体いつの間にこんなビデオを……」
雛「ヒナに手を上げた報いなのっ。モニターの前のみんなも、コーヒーや紅茶の飲みすぎには、くれぐれも注意なのよっ」