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事務員増員計画」(2006/07/03 (月) 21:43:36) の最新版変更点

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ある日の放課後、話があると言われた雪華綺晶、薔薇水晶、槐の3人は指定された場所へとやってきた。 白「いやぁ、槐よく来てくれたね。それに雪華綺晶先生に薔薇水晶先生も」 槐「白崎・・・私を呼んだ理由はなんだ?」 雪「話が有ると言っていたが、別に職員室でも構わないのでは?それをこんな離れの空き教室でとは」 薔「・・・・・・」 三者三様の質問ににこにこと笑う白崎。 白「三人をここに呼んだのは他でもないよ。君たちのために・・・雪華綺晶先生と薔薇水晶先生には特にね」 雪「私たちのため?」 白「・・・・・・君たちは実に素晴らしい教師だと僕は常々思っているよ」 白崎の言葉に少し照れる二人。 白「ただ・・・・・・君たちには足りないものがあるんだ」 雪「足りない・・・」 薔「・・・もの?」 褒められた後で自分達に足りない物があると告げられる。食いつかないはずが無かった。 白「そう、君たちに足りないもの・・・それは事務員さ!」 右手の中指で眼鏡を上げ、左手でびしっと指差す。 雪「事務員・・・」 薔「・・・確かに」 白「他の教師陣には必ず専属の事務員が付いている。しかぁし、君たちにはその事務員がいない・・・これは由々しき問題だよ」 槐「なるほど・・・だから私も呼んだのか」 白「そう、この問題を解決するには事務長である君の力が必要だからね。そういう訳で、君たち二人に事務員を付けて    より良い仕事をしてもらおうというこの計画・・・名づけて『ばらきら事務員増員計画』!」 槐「事務員・・・増員計画・・・」 白崎はどこからとも無くホワイトボードを持ってくる。 そこには何時の間に撮ったのか、各事務員達の写真が貼られていた。 白「まずは各事務員達のおさらいをしよう」 薔「・・・なぜおさらいを?」 白「だって、キャラ被ると困るじゃないか」 『何が困るんだろう?』と思ったが口には出さない3人だった。 白崎はそれを肯定と判断して話を続ける。 白「まずはメイメイ君だね。彼女はまさに事務員になるために生まれてきたような娘だ。    仕事の方は規格外のスィドリーム君を除いてよくできるし、教師陣へのフォローも完璧、非の打ち所が無いね。    性格の方も専属が教師一のトラブルメーカーにも関わらず、よく尽くしてる。趣味が活け花という事もあってか、    この学園の人物の中では数少ない才色兼備の大和撫子属性の持ち主だね。それに鼻の上にちょこんと乗ってるメガネも    ポイント高い」 3人はぼーっとしながら椅子に座って話を聞いていた。 白「次はピチカート君。彼女は事務員というより金糸雀先生の研究助手みたいな役回りが多い。でも、それに見合うだけの    頭脳の持ち主でも有るから、事務処理は結構早い。この時点で、天才系の事務員はキャラがモロ被りするから却下だね。    性格は金糸雀先生と瓜二つ。最終的にドジを踏むから、この点でもドジっ子属性キャラは却下。教頭が迷惑するからね」 続いて、スィドリームの写真を指示棒で指す。 白「さて次はスィドリーム君だけど、君たち彼女が仕事してるのは見た事あるかな?」 突然話を振られて、内心慌てながらも記憶を辿る三人。 しかし、この3人をしても働いている姿を見たことは無かった。 白「ま、当然なんだけどね。彼女が仕事してる時は普通君たちが授業をしている時だからね」 白崎はホワイトボードに時間を記入していく。話の流れからして、彼女が働いている時間なのだろう。 白「午前11時から12時までの1時間と、昼食後の昼寝から起きる午後2時半から3時半の1時間の計2時間。    これが彼女の勤務時間だよ」 この言葉に驚いた薔薇水晶が質問する。 薔「・・・あの、それで問題無いの?」 白「普通ならね。でも彼女の場合、どこぞの4年に一度の超能力警官みたいに起きてる時の仕事の速さはメイメイ君の数倍。    2時間で1日分の仕事ができるんだよ。だから、今のところお咎めなし。性格のほうは天然お嬢様系、いつもぽけーっと    してるけど、結構物事の本質を掴むのが得意みたいだね」 白「お次はレンピカ君。彼女の場合は頭脳労働より、肉体労働中心だね。何故用務員じゃなくて、事務員なのかが不思議な    くらいだよ。性格は明朗快活、竹を割ったような性格で生徒達からも『姉御』として慕われてるみたいだ。今や彼女の存在は    この学園にとって欠かせない存在さ」 雪「何故だ?」 白「単純に言えば、純体育会系の人間が居ないからさ。専属の蒼星石先生も十分体育会系だけど、それ以上に常識人だから    腕力で解決って訳には行かないからね。その点、彼女はパワーファイター系で姉御肌。他に居ないんだよそういう人」 言われて見れば・・・と思い浮かべる3人。確かに貴重な存在だ。 白「さて、続いてホーリエ君だけど・・・彼女の場合は別名『有栖学園の何でも屋』。頭脳労働から肉体労働まで    何でもそつなくこなすオールラウンドタイプ。性格も中性的な雰囲気から男女共に親しみやすい・・・が、逆に言うと    強烈な個性ってのが無い分インパクトが弱いかな」 『強烈な個性は必要なんだろうか?』と思う3人だが、やはり口には出さなかった。 白「そして最後のベリーベル君だけど・・・彼女の場合は普通に仕事してても頑張ってるって相手に思わせるような    マスコット的存在だね。個人的には鼻歌歌いながら仕事されると少し煩いんだけどね」 と、こんな感じで各事務員のおさらいは終わった。 白「さて、いよいよ本題へと入っていくわけだけど・・・組み合わせは主に二通りかな。類友タイプと凸凹タイプ。    まあ、要するに金糸雀・ピチカート組、蒼星石・レンピカ組、雛苺・ベリーベル組の似た物同士や    水銀燈・メイメイ組、翠星石・スィドリーム組の短所を補い合うタイプって感じかな」 薔「・・・真紅・ホーリエ組は?」 白「うーん・・・彼女達の場合は差し詰め『主と従者』って感じかな。水銀燈・メイメイ組にも言えるけど」 雪「なるほど」 白「そこでだ、二人に合う事務員というのはどういう人物かを僕なりに考えてみたんだ。あ、薔薇水晶先生この台本に目を通して」 薔「・・・はい」 白「まずは純体育会系を増やそうという事で、暑苦しいくらいの熱血事務員」 薔「さぁ、皆も一緒に夕日に向かって叫ぼうじゃないか!夕日の馬鹿やろぉぉぉ!!」 雪「ば、ばらしー・・・」 槐「却下」 白「えぇ!なぜ?!今時珍しいタイプだよ?この熱血振りは今の冷め切った青少年達に一条の光を・・・」 槐「事務員が生徒を導いてどうする」 白「・・・・・・えー、続きまして元どこかの組織の構成員みたいな荒くれ者事務員」 薔「あぁ?!書類の確認なんててめぇでしやがれ。うだうだ言ってると体に風穴開けるぞコラ」 槐「却下、まず仕事しろ」 白「えぇ?斬新だったと思うんだけどなぁ」 槐「・・・斬新なだけでそういうのを雇おうとするな」 白「じゃあ、メジャーだけどこの学園には居ないチャイナ娘」 薔「お茶の時間アルネ。点心作ってきたから食べるヨロシ。報告書はここに置いとくアルヨ」 雪「・・・・・・」 槐「確かに悪くは無い・・・だが、何かが足りない」 白「そう?じゃあ次、委員長タイプ」 薔「さぁ皆さん、ちゃんとお仕事を始めましょう・・・・・・どうして皆私の言うことを聞いてくれないの?むきー」 白「どうだい二人とも?このタイプは居なかったでしょう?」 槐「却下」 白「なんで?!」 槐「まとめ役は私だ・・・それに新人がいきなり委員長になってどうする」 白「確かに・・・」 その後、魔法少女、ロボ、メイド、ナース、片言外国人、喫茶店マスター、元探偵等々色々な案が提案されては消えていった。 白「ふぅ・・・じゃあ、とっておきの前に君たちの意見を聞こうじゃないか・・・って、どうしたの雪華綺晶先生?」 雪(なんて事だ・・・ばらしーが・・・私のばらしーが壊れていく・・・) 薔薇水晶が演じてきたキャラクターを次々と間近で見た所為か、普段とのギャップの違いに軽くパニックを起こしたようだ。 白「とりあえず放っておくとして槐、君はどんなのが良いんだい?」 槐「若奥様」 白「良いねぇ・・・君もなかなかマニアックだねぇ」 さっそく台詞をホワイトボードに書き込もうとしたが、薔薇水晶が質問する。 薔「・・・あの・・・若奥様は、仕事に関係あるのでしょうか?」 場が静寂に包まれた。 白「・・・言われて見ればそーだね、関係ないね」 槐「少々羽目を外しすぎたようだ」 白「最後にとっておきが有ったんだけどなぁ・・・女王様」 槐「・・・それは一体なんだ?」 白「いや、もういいんだ。今までの流れからして採用されないだろうし・・・」 そう言って、ホワイトボードを片付けようとした時、どこからとも無く声が聞こえてきた。 ?「え~?!もう終わり~?面白かったのに~」 ?「確かに珍しい物を見ることが出来ましたが・・・問題の本質はそこではありませんね」 ?「いつの間に撮られてたんでしょうねぇ・・・写真」 ?「寝顔を撮るなんていやぁ~ん・・・言ってくれれば撮らせてあげるのにぃ」 ?「そういう問題なのか?」 ?「盗撮はみっちゃんだけで十分かしら・・・やっぱりそれも困るかしら」 白崎たちが声のした方へと振り返ると、そこに居たのは有栖学園事務員一同だった。 彼女達の視線はホワイトボードへと注がれる。先程の言葉から察するに写真に関して聞きたい事があるのだろう。 白「・・・今日も皆さんお美しいですねぇ、でも怒った顔じゃ台無しですよ?」 メ「白崎さん・・・その写真についてご説明をしていただけますでしょうか?」 白「はっはっは・・・さらば!」 どこぞの誰かのように窓から飛び降りて逃走を図る。 レ「あ、逃げやがった!待ちやがれ!!」 ピ「ここ2階よ!・・・って、遅かったかしら」 白崎と同様に窓から飛び降りるが、2階だということを忘れててそのまま地面に激突する。 レ「い、痛くなんか無いぞっ!」 すぐに起き上がって、そのまま追いかけていく。 ホ「相変わらず元気ですねぇ彼女は・・・さて御三方、今回の件なのですが」 槐「私は盗撮に関与していない」 ホ「そうですか、では先生方は?」 薔「・・・写真の事は全然知らなかったアル」(ちょっと気に入った) ス「そうですかぁ・・・でも、面白い物が見れたから許して・・・」 チャキ・・・ 雪「ばらしーの名誉のためにも、もし口外したら許さない」 ホ「そうですねぇ・・・では、夕飯は雪華綺晶先生の奢りという事で」 薔「・・・お姉ちゃん・・・」 雪「・・・・・・良いだろう」 ホ「交渉成立ですね・・・少し失礼、もしもし?追跡を切り上げてください。これから一緒に食事に行きますので」 携帯の通話が切れてから、数分で戻ってきたレンピカと合流して一同は食事へと向かった。 その後、雪華綺晶が全くお金を持っておらず、しかも奢りという事で本格的に飲み食いしたため、 全員の持ち合わせを軽く上回ってしまい、水銀燈に泣きついてお金を借りたのはまた別の話である。 水「・・・どうやったらファミレスで14万円分飲み食いできるのよぉ!」

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