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>お題 『マジギレ金糸雀』 金糸雀「よーし、校歌は一通り良いみたいだから、次は『仰げば尊し』かしらー!!」 卒業式を間近に控え、金糸雀率いる吹奏楽部は最後の調整に入っていた。 最高の状態で、卒業生たちを送り出したい…そのためにも、最高の演奏で場の雰囲気を盛り上げたいと、皆は考えていた。 金糸雀の指示を受け、部員の一人が指揮棒を構え曲を奏でようとした瞬間、その音楽室に大きな石が投げ込まれた。 派手な音を立て、砕け散る窓ガラス…。何事かと外を見ると、そこには不機嫌そうな顔をした銀髪の女性がこっちを睨んでいた。 金糸雀「水銀燈!これは一体どういうことかしら!!もう少しで、生徒たちが怪我するところだったのよ!? 水銀燈「…うるさいわね…。一体、いつまでやれば気が済むのよ…!?こっちは、お腹痛くて昨日から寝てないのよ…!?少しぐらい、静かにしなさい…!!」 お腹をさすりながら、そう金糸雀に食ってかかる水銀燈。 どうやら、流石の水銀燈も女性特有の悩み…つまり、生理には敵わないようだ。 水銀燈「…とにかく、そんな下手糞な演奏…今すぐ止めなさい…!耳障りなのよ…!!」 金糸雀「何ですって…!?」 理由はどうあれ、その言葉は金糸雀を怒らせるのに十分な一言だった。 この吹奏楽部は、金糸雀が病気により退職を余儀なくされた先任の先生の意志を受け継ぎ、 そして苦楽を共にした大切なもの… まして、今回部員一同はこの秋で引退した先輩達のために、血のにじむような努力を重ねてきた…。 だからこそ、それを馬鹿にすることは絶対に許せるものではなかった。 金糸雀「みんな!急いで準備して!!」 その一言に、部員たちに緊張が走る。確かに馬鹿にされたのは悔しいが、あの水銀燈と戦うのだけは、皆避けたいようだ。 特に2年生の部員たちは、薔薇水晶に出会う前の水銀燈の姿を見てきているため、その気持ちが特に大きかった。 部員A「せ、先生…!そりゃ、俺たちも悔しいですけど…だからってケンカは良くないと…」 金糸雀「何言ってるのかしら!?このまま引き下がったら、一生負け犬かしらー!!」 もはや激突は避けられそうに無い…。覚悟を決めて、水銀燈の元へ向かおうとする生徒たちに、金糸雀はこう言った。 金糸雀「ちょっと!どこに逃げる気かしら!?『失われし時へのレクイエム』…!早く準備して!!」 部員一同「へ?」 一同は、金糸雀の言った言葉の意味が分からず、しばし呆然としていた。 金糸雀「は~や~く~!!あの水銀燈に、私たちの力を思い知らせてやるのよ!!」 言葉の意味をようやく理解し、準備を始める部員一同。 『失われし時へのレクイエム』…それは、この吹奏楽部が大会で演奏し、そして見事優勝を成し遂げた思い出の曲… どうやら、金糸雀はそれを水銀燈に聞かせ、さっき言ったことを取り消させるつもりらしい。 今まで、卒業式用の曲ばかりを練習していたせいもあって、部員たちは多少不安はあったが、それでも今持てる最高の力を振り絞って曲を演奏した。 自分たちを信じ、ここまで率いてきてくれた金糸雀のために…。 そして、一通り演奏し終わると、水銀燈はみんなに向けてこう言い放った。 水銀燈「…そうね。これなら聞けないことも無いわぁ…。でも、まだまだね…。」 金糸雀「な、何ですって!!」 水銀燈「悔しかったら、今から練習しなさぁい…。それ、あなたたちの中で一番の曲なんでしょう…?」 そう言うと、水銀燈は意味ありげな笑みを浮かべながら、校舎の中へと戻っていった。 それがよほど悔しかったのか、金糸雀は他の曲そっちのけで、『失われし時へ鎮魂歌』を一日中練習させた。 一方、水銀燈は金糸雀と別れると一人保健室へと向い、ベットに横たわると静かに目を閉じ、いつまでもその音色に聞き入っていた。 完
>お題 『マジギレ金糸雀』 金糸雀「よーし、校歌は一通り良いみたいだから、次は『仰げば尊し』かしらー!!」 卒業式を間近に控え、金糸雀率いる吹奏楽部は最後の調整に入っていた。 最高の状態で、卒業生たちを送り出したい…そのためにも、最高の演奏で場の雰囲気を盛り上げたいと、皆は考えていた。 金糸雀の指示を受け、部員の一人が指揮棒を構え曲を奏でようとした瞬間、その音楽室に大きな石が投げ込まれた。 派手な音を立て、砕け散る窓ガラス…。何事かと外を見ると、そこには不機嫌そうな顔をした銀髪の女性がこっちを睨んでいた。 金糸雀「水銀燈!これは一体どういうことかしら!!もう少しで、生徒たちが怪我するところだったのよ!? 水銀燈「…うるさいわね…。一体、いつまでやれば気が済むのよ…!?こっちは、お腹痛くて昨日から寝てないのよ…!?少しぐらい、静かにしなさい…!!」 お腹をさすりながら、そう金糸雀に食ってかかる水銀燈。 どうやら、流石の水銀燈も女性特有の悩み…つまり、生理には敵わないようだ。 水銀燈「…とにかく、そんな下手糞な演奏…今すぐ止めなさい…!耳障りなのよ…!!」 金糸雀「何ですって…!?」 理由はどうあれ、その言葉は金糸雀を怒らせるのに十分な一言だった。 この吹奏楽部は、金糸雀が病気により退職を余儀なくされた先任の先生の意志を受け継ぎ、 そして苦楽を共にした大切なもの… まして、今回部員一同はこの秋で引退した先輩達のために、血のにじむような努力を重ねてきた…。 だからこそ、それを馬鹿にすることは絶対に許せるものではなかった。 金糸雀「みんな!急いで準備して!!」 その一言に、部員たちに緊張が走る。確かに馬鹿にされたのは悔しいが、あの水銀燈と戦うのだけは、皆避けたいようだ。 特に2年生の部員たちは、薔薇水晶に出会う前の水銀燈の姿を見てきているため、その気持ちが特に大きかった。 部員A「せ、先生…!そりゃ、俺たちも悔しいですけど…だからってケンカは良くないと…」 金糸雀「何言ってるのかしら!?このまま引き下がったら、一生負け犬かしらー!!」 もはや激突は避けられそうに無い…。覚悟を決めて、水銀燈の元へ向かおうとする生徒たちに、金糸雀はこう言った。 金糸雀「ちょっと!どこに逃げる気かしら!?『失われし時へのレクイエム』…!早く準備して!!」 部員一同「へ?」 一同は、金糸雀の言った言葉の意味が分からず、しばし呆然としていた。 金糸雀「は~や~く~!!あの水銀燈に、私たちの力を思い知らせてやるのよ!!」 言葉の意味をようやく理解し、準備を始める部員一同。 『失われし時へのレクイエム』…それは、この吹奏楽部が大会で演奏し、そして見事優勝を成し遂げた思い出の曲… どうやら、金糸雀はそれを水銀燈に聞かせ、さっき言ったことを取り消させるつもりらしい。 今まで、卒業式用の曲ばかりを練習していたせいもあって、部員たちは多少不安はあったが、それでも今持てる最高の力を振り絞って曲を演奏した。 自分たちを信じ、ここまで率いてきてくれた金糸雀のために…。 そして、一通り演奏し終わると、水銀燈はみんなに向けてこう言い放った。 水銀燈「…そうね。これなら聞けないことも無いわぁ…。でも、まだまだね…。」 金糸雀「な、何ですって!!」 水銀燈「悔しかったら、今から練習しなさぁい…。それ、あなたたちの中で一番の曲なんでしょう…?」 そう言うと、水銀燈は意味ありげな笑みを浮かべながら、校舎の中へと戻っていった。 それがよほど悔しかったのか、金糸雀は他の曲そっちのけで、『失われし時へレクイエム』を一日中練習させた。 一方、水銀燈は金糸雀と別れると一人保健室へと向い、ベットに横たわると静かに目を閉じ、いつまでもその音色に聞き入っていた。 完

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