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水銀燈とくんくんストラップ」(2006/03/24 (金) 18:39:52) の最新版変更点

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「やっと仕事が終わったわぁ」 職員室でストレッチをしながら水銀燈が至福の笑みを浮かべている。 何故なら今日はくんくんストラップの発売日だからである。 「楽しみだわぁ・・・待っててねぇ、くんくん~」 普段の水銀燈からは想像もできないほど滑稽な姿をしている。 「水銀燈?何をしてるの?」 突然現れた真紅にビックリする水銀燈。 「な、なんでもないわよぉ?じゃあ私は先に帰るわぁ」 水銀燈は真紅にくんくんストラップのことを教えていない。 明日学校に持ってきて自慢するつもりなのだ。 そんな事とは知らない真紅。 「そう、貴方にしては仕事も速かったようね」 「そういうことぉ、じゃあねぇ?」 真紅は水銀燈に軽く手を振ると、そのまま自分の席で仕事を始める。 水銀燈はその姿を見て少し安心し、そのままショッピングモールに向かった。 一時間後・・・ 「買っちゃったわぁ、買っちゃったわぁ」 水銀燈の手にある袋の中にはくんくんストラップが30本は入っていた。 その袋の中身を何回も確認しては、にやける水銀燈。 「どこに付けようかしらぁ?鞄でしょぉ・・・携帯にぃ、車の鍵にも付けようっとぉ」 子供のようにはしゃぐ水銀燈。 ふと、水銀燈の少し遠くで有栖学園の生徒が他校の生徒に絡まれている。 そのまま路地裏に連れて行かれる生徒、それを目撃してしまう水銀燈。 「せっかくの幸せな気分が台無しじゃなぁい・・・」 水銀燈はくんくんのストラップを車の中に置き、そのまま路地裏へ向かう。 路地裏には数人の他校の生徒にカツアゲされてる有栖学園の生徒がいた。 「ちょっとぉ・・・やめときなさぁい」 突然聞こえる声にビックリする他校の生徒達。 「だ、誰だよてめぇは!」 「通りすがりの美女よぉ、それよりその子を離してあげなさぁい?」 「ふっ・・・ざけんな!」 いきなり殴りかかってくる男。 それを軽くかわす水銀燈、女性とは思えないほどの身のこなしである。 「私に勝てると思ってるのぉ?」 数分後・・・ 「お、覚えてろっ!」 「忘れちゃったわぁ」 まるでコントのような返事をする水銀燈、だが他校の生徒達はそれに対してツッコミもせず逃げてしまう。 水銀燈はブツブツと愚痴をこぼしながらカツアゲされかけていた生徒へと近づく。 「せ、先生!助けてくれてありがっ・・・!?」 突然生徒の頭に凄まじい衝撃が走る、次に生徒が見たのは夜叉のような水銀燈だった。 「貴方のせいで幸せな気分が台無しになっちゃったじゃないのぉ・・・どうしてくれるのぉ?」 「へ・・?ご、ごめんなさい・・・」 「まぁ、いいわぁ・・・次は助けないからぁ」 「は、はい・・・今日はありがとうございました」 「はぁ・・・おばぁかさぁん」 溜息をつき、最後にそれだけを言って水銀燈はそのまま家路へとついた。 翌日・・・ 「す、水銀燈?それは何?」 案の定水銀燈のくんくんストラップに目が釘付けになっている真紅。 「あらぁ?知らなかったのぉ?昨日発売したのよぉ」 水銀燈の言葉にうなだれる真紅。 「私のくんくんに対する愛が足りなかったのだわ・・・」 「うふふふっ・・・おばぁかさぁん」 そんな事を言いながら窓の外を見る水銀燈、そこには、昨日の不良達がいた。 どうやら教師ということがバレてしまっているようで、担任と思われる男も一緒にいた。 生徒指導室にて・・・ 「ごめんなさぁい、ここしか部屋が空いてなくってぇ」 「いえ、お構いなく、それより昨日の事ですが・・・」 冷静に淡々と喋る担任であろう男、まるでラプラスのようだ。 「うちの生徒を殴ったそうですね?」 「知らないわぁ」 追求され、しらばっくれる水銀燈。 「嘘つくんじゃねぇ!お前に殴られたんだよ」 突然叫ぶ生徒、水銀燈はとぼけた顔をしている。 「お前達は黙ってなさい」 男が生徒達を一喝し、また生徒指導室には静寂が戻った。 ふと、水銀燈の携帯が鳴り始める。 「もしもしぃ?私は元気よぉ・・・それより貴方って人の存在消すのくらい楽よねぇ?」 水銀燈のいきなりの言葉に怯える他校の生徒。 「うん、そうなのよぉ・・・えっとぉ数はねぇ・・・」 そんな事を言いながら他校の生徒達を数えていく。 「3人でいいわぁ、それじゃぁ詳しくはまた後でねぇ?」 そう言って水銀燈は電話を切る。 「ごめんなさぁい、何の話だったかしらぁ?」 「うちの生徒があなたに殴られたという話です」 男は先ほどの会話など全く聞いていないであろう反応をする。 「先生!良く見たらこの人じゃないです、人違いでした」 そんな事を言いながら男を引っ張って逃げていく不良達。 「根性ないわねぇ・・・」 そんな事を呟いていると、部屋の中に真紅が入ってきた。 どうやら立ち聞きしていたようだ。 「さっきの話、本当なの?」 「そんなわけないじゃなぁい、いくら私でも人の存在消せるような人とお付き合いしてないわよぉ  それにぃ・・・消せるとしたら、この学園にはいなくなってる人がたくさんいると思うわぁ」 さらっと怖い事を言い、そのまま部屋を出て行く水銀燈。 「ちょ、ちょっと・・・そっちの事じゃないのだわ!」 水銀燈を追いかける真紅。 こうして、有栖学園の日常が始まっていく。 「え?私が誰を消すかってぇ?校長と教頭はまず消すわよねぇ・・・うふふっ」

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