「仲間はずれ」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

仲間はずれ」(2006/04/14 (金) 19:57:25) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

真紅「…というわけで、今日の夕飯は雪華綺晶抜きで行くわよ。みんな、いいわね?」 職員室に入ろうとした時、偶然にもそんな話を聞いてしまった雪華綺晶。 真紅の思わぬ発言に、その体が動かなくなる。 翠星石「ちょ…それはどういうことですか!?」 真紅「だって仕方ないじゃない。あの子が来ると、ご飯はすぐ無くなっちゃうし、落ち着いて食べられないし、お金も余分にかかっちゃうのよ?残念だけど、仕方が無いわ。」 雛苺「うー…雪華綺晶には悪いけど、その通りなの…。」 金糸雀「カナも、真紅の意見には賛成かしらー!」 みんながそういうことに、ショックを隠しきれない雪華綺晶。 「私も妹の薔薇水晶のように少食になれば、みんなからも好かれるようになるのだろうか?なら…」と考えていたところに、翠星石の声が聞こえてきた。 翠星石「ちょっと待ったですぅ!何で、みんなして雪華綺晶を仲間はずれにしようとしやがるですか!?」 それは雪華綺晶にとっても、そして真紅たちにとっても意外な発言だった。 いつもなら、こういうことには積極的に賛同しそうなものだが…。 翠星石「どんな理由であれ、仲間はずれはいけないです!みんな、友達じゃねぇですか!!」 真紅「…でも、あの子が来るといつも数万円単位でお金が飛んでいくのよ?たまには、私たちだけで行っても…」 翠星石「そんなのだめですぅ!一人だけ仲間はずれにされたと知ったら、どんだけ雪華綺晶が悲しむか…」 真紅「…でも実際問題、あの子が大食いなのがいけないのよ?私たちだけ我慢するのは、不公平だわ。」 「…そうだよね…。」と、暗い表情でつぶやく雪華綺晶。以前、食事もろくに取れなくて精神的にまいった時期がある…でも、それでみんなに好かれるなら… 今の雪華綺晶にとって、それだけの覚悟をさせるものがこの学校には存在した。 一呼吸置いて、翠星石が問いかける。 翠星石「…じゃあ、おめーは授業中、紅茶飲むのをやめられるですか!?」 真紅「う…そ、それは…」 翠星石「くんくんがある日でも、残業を優先させるですか!?」 真紅「そ、それとこれとは話が違うわ!」 翠星石「一緒ですぅ!!人には、他の人とは違うトコがあって当たり前ですぅ!!それを理由に仲間はずれにしたら、雪華綺晶が可哀相ですぅ!!」 その時、向こうから蒼星石が来るのを発見し、急いで隠れる雪華綺晶。 そんな雪華綺晶に、全く気づく様子もなく職員室に入る蒼星石。 翠星石「とにかく、みんな仲良く…」 蒼星石「(ガラッ)…ん?どうしたの?みんな…」 真紅「蒼星石!!あなたなら分かってくれるわよね!?実はかくかくじかじかで…」 もう自分だけでは勝てないと思ったのか、蒼星石の姿を見るやいなや助けを求める真紅。 蒼星石なら、翠星石の精神論に屈することなく、理論的に問題を解決してくれるだろう…そう思ったに違いない。 一通り話を聞いた後、蒼星石は静かにこう言った。 蒼星石「…誰かを仲間はずれにするのは、とてもいけないことだよ。僕も、翠星石の意見に賛成だな。」 真紅「そ…そんな、あなたまで…!」 蒼星石「それに、探せばバイキング形式の所だってきっとあるよ。それならみんな文句無いだろう?」 「それなら…」と、その提案にうなずく一同。 蒼星石「…じゃあ、真紅から電話して誘ってあげて。雪華綺晶もきっと喜ぶと思うよ。」 真紅「…分かったわ…。…あ、もしもし、雪華綺晶?今日の夜、みんなでご飯でも食べに行こうと思ったんだけど…。一緒に来る?」 その時、雪華綺晶はいつもと違う、大きくはっきりした声で「ええ!」と返答した。 翠星石「…で、どういうことですか…これは…。」 学校の帰り道、冷めた口調でそう言い放つ翠星石。見ると、その左腕には雪華綺晶がべったりとくっついていた。 薔薇水晶「…多分、姉さんなりの愛情表現かと…」 翠星石「はあっ!?こんなヤツに好かれたって、ちっとも嬉しくねぇですぅ!ええい、歩きにくい!離しやがれですぅ!!」 その後、教師一同は楽しく食事をしましたとさ。もちろん、誰一人のメンバーも欠けることなく…ね。 おしまい

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
目安箱バナー