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翠星石と創作料理大賞」(2006/03/18 (土) 16:55:40) の最新版変更点

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翠星石「おい!お前ら!!目ん玉かっぽじって、これをよーく見やがれですぅ♪」 ある日の朝、翠星石が1冊の雑誌を広げながら、元気よく職員室へ入ってきた。 よく見ると、そのページには大きく『創作料理大賞2006 最優秀賞 翠星石』と書いてあった。 蒼星石「す、凄いじゃないか!おめでとう、翠星石!!」 水銀燈「へぇ…どんなお馬鹿さんにも、何かしらのとりえはあるって訳ねぇ…」 雛苺「凄いのー!おめでとうなのー!!」 みんなの反応に、ますます有頂天になる翠星石。 翠星石「おっほっほっ♪みんな、これからは私のことを翠星石様と呼び、崇め奉りやがれですぅ♪」 その記事を読み、何か気になる点を発見した真紅。 真紅「…あら、これって賞金も出たのね。しかも30万円も…」 水銀燈「まぁあ…じゃあ今日の夕飯は偉大なる翠星石様のおごりってわけねぇ…♪」 翠星石「はあぁぁあっ!?なんでそうなるですか!?これは全部、翠星石のものですぅ!!」 雪華綺晶「喜びはみんなで分かち合うもの…ホールインワンと一緒だよ?さあ、牛か魚か選んで…。」 結局、みんなの意見を覆すことは出来ず、その日は翠星石が夕飯をおごる羽目になってしまったそうだ。 翠星石「…うぅ…何で合計が36万もかかるですか…。結局大赤字ですぅ…。」 雪華綺晶「…まだ、たこ焼きぐらいは入るよ?」 翠星石「けっこうですぅ!!」 それから数日後、学校に翠星石を訪れるものがいた。 役員A「…というわけで、今度わが社で料理教室のようなものを開こうと思っていたんですよ。そこで、翠星石様の記事を拝見して、これはと思いまして…」 翠星石「ちょ、ちょっと待ちやがれですぅ!…ほ、ホントにあのB社ですか!?」 そう、なんと翠星石はBという会社にヘッドハンティングされようとしていた。 ちなみにB社とは、高級レストランを全国の一等地に展開する、世間では有名な会社であった。 役員A「ええ。もちろん給与のほうも、それ相応のものを用意してお待ちしております。また、よろしければ料理の企画・開発なども手がけていただければ、弊社としても…」 あまりのことに、内容がほとんど頭に入ってこない翠星石。とりあえず、後日返答するということで、今日のところは帰ってもらうことにした。 役員A「わかりました。是非よろしくお願致します。」 そう深々と頭を下げて、立ち去るA氏。自分の腕が買われた事に、いつもだったら飛び跳ねて他のみんなに自慢しに行くところだが、翠星石の胸中は複雑だった。 ついぽつりと、言葉をもらしてしまう。 翠星石「…もしB社に行くとしたら、翠星石は学校辞めなきゃいけねぇんですよね…。」 その後、職員室で受け取ったB社の資料を手に、ため息をつく翠星石。 待遇も、給与も申し分ない。しかし… 雛苺「…翠星石…。学校、辞めちゃうの?もう…お別れなの?」 顔を上げると、そこには心配そうな目をした雛苺がいた。 その頭をそっとなでる蒼星石。 蒼星石「何言ってるのさ。翠星石は別に、この世からいなくなる訳じゃないんだよ?」 「でも…」と続ける雛苺。 蒼星石「…それに、これは翠星石のこれからの人生にかかわる大きな問題なんだ。僕らが、あれこれ口出ししちゃダメだよ。」 そういうと、蒼星石は雛苺をあやしながら、どこかへ連れて行った。 それを見送りつつ、自分の中でもう一度気持ちを整理する翠星石。 正直、給与も待遇もB社のほうがはるかにいい。しかも料理は作れるし、それを人に教えることもできる…さっき蒼星石が言ったように、会おうと思えばいつだってみんなに会いにこれる…。 翠星石「…ええい、だったらB社の方がいいじゃねぇですか…!」 吹っ切るように、そうつぶやく翠星石。しかし、どうしてもこの学校のことが頭に浮かんでしまう。 そんな悶々とした状態は、次の授業にも支障をきたした。 誤字脱字はいつも以上に多く、教科書も何度も読み間違えた。 そんな翠星石を見てか、生徒たちのノートをとる手も鈍りがちになっているようだ。 すぐさま、それを注意する翠星石。 翠星石「な…なんですか!?先生が少しぐらい間違えたからって、ノートをとらないようじゃ…」 女子C「先生…この学校辞めちゃうってホントですか?」 その言葉を待っていたかのように、他の生徒もこれに続く。 男子D「先生!辞めないでください!!」 女子E「私たちを見捨てないで!!」 男子F「お願いです!どこにも行かないでください!!」 いつしか、その声は教室全体を包み込んでいた。 翠星石「…お前ら…。こんなの…卑怯ですよ…。」 そういうと、翠星石はその場で顔を伏せ、泣き出してしまった。 翠星石「というわけで、悪ぃんですが…」 B社の役員を前に、そう話を切り出す翠星石。 役員A「…そうですか。残念です。」 そういって立ち去ろうとするA氏。それを翠星石が引き止める。 翠星石「は、話は最後まで聞きやがれですぅ!それで、考えたんですけど、その…料理教室とかって、blogとかでやるんじゃダメですか?」 その言葉に、目を丸くするA氏。 翠星石「これだったら、この学校も辞めずにすむですし、おめーらの話を聞くこともできるです。でも…翠星石はあんまりパソコンとか得意じゃねぇから、お金とかそんな…。 …一応、これが翠星石なりに考えた結果ですぅ…。」 しばしの沈黙の後、口を開くA氏。 役員A「すばらしい!それなら、あなたにとっても…そして弊社にもメリットがありますね!早速、その方向で検討していきましょう!」 そう言ったA氏の笑顔を見て、思わず胸をなでおろす翠星石。 その後、翠星石の自宅では蒼星石や雛苺に助けられながら、ちまちまとblogを更新する翠星石の姿があったそうな。 完
翠星石「おい!お前ら!!目ん玉かっぽじって、これをよーく見やがれですぅ♪」 ある日の朝、翠星石が1冊の雑誌を広げながら、元気よく職員室へ入ってきた。 よく見ると、そのページには大きく『創作料理大賞2006 最優秀賞 翠星石』と書いてあった。 蒼星石「す、凄いじゃないか!おめでとう、翠星石!!」 水銀燈「へぇ…どんなお馬鹿さんにも、何かしらのとりえはあるって訳ねぇ…」 雛苺「凄いのー!おめでとうなのー!!」 みんなの反応に、ますます有頂天になる翠星石。 翠星石「おっほっほっ♪みんな、これからは私のことを翠星石様と呼び、崇め奉りやがれですぅ♪」 その記事を読み、何か気になる点を発見した真紅。 真紅「…あら、これって賞金も出たのね。しかも30万円も…」 水銀燈「まぁあ…じゃあ今日の夕飯は、その偉大なる翠星石様のおごりってわけねぇ…♪」 翠星石「はあぁぁあっ!?なんでそうなるですか!?これは全部、翠星石のものですぅ!!」 雪華綺晶「喜びはみんなで分かち合うもの…ホールインワンと一緒だよ?さあ、牛か魚か選んで…。」 結局、みんなの意見を覆すことは出来ず、その日は翠星石が夕飯をおごる羽目になってしまったそうだ。 翠星石「…うぅ…何で合計が36万もかかるですか…。結局大赤字ですぅ…。」 雪華綺晶「…まだ、たこ焼きぐらいは入るよ?」 翠星石「けっこうですぅ!!」 それから数日後、学校に翠星石を訪れるものがいた。 役員A「…というわけで、今度弊社で料理教室のようなものを開こうと思っていたんですよ。そこで、翠星石様の記事を拝見して、これはと思いまして…」 翠星石「ちょ、ちょっと待ちやがれですぅ!…ほ、ホントにあのB社ですか!?」 そう、なんと翠星石はBという会社にヘッドハンティングされようとしていた。 ちなみにB社とは、高級レストランを全国の一等地に展開する、世間では有名な会社であった。 役員A「ええ。もちろん給与のほうも、それ相応のものを用意してお待ちしております。また、よろしければ料理の企画・開発なども手がけていただければ、弊社としても…」 あまりのことに、内容がほとんど頭に入ってこない翠星石。とりあえず、後日返答するということで、今日のところは帰ってもらうことにした。 役員A「わかりました。是非よろしくお願致します。」 そう深々と頭を下げて、立ち去るA氏。自分の腕が買われた事に、いつもだったら飛び跳ねて他のみんなに自慢しに行くところだが、翠星石の胸中は複雑だった。 ついぽつりと、言葉をもらしてしまう。 翠星石「…もしB社に行くとしたら、翠星石は学校辞めなきゃいけねぇんですよね…。」 その後、職員室で受け取ったB社の資料を手に、ため息をつく翠星石。 待遇も、給与も申し分ない。しかし… 雛苺「…翠星石…。学校、辞めちゃうの?もう…お別れなの?」 顔を上げると、そこには心配そうな目をした雛苺がいた。 その頭をそっとなでる蒼星石。 蒼星石「何言ってるのさ。翠星石は別に、この世からいなくなる訳じゃないんだよ?」 「でも…」と続ける雛苺。 蒼星石「…それに、これは翠星石のこれからの人生にかかわる大きな問題なんだ。僕らが、あれこれ口出ししちゃダメだよ。」 そういうと、蒼星石は雛苺をあやしながら、どこかへ連れて行った。 それを見送りつつ、自分の中でもう一度気持ちを整理する翠星石。 正直、給与も待遇もB社のほうがはるかにいい。しかも料理は作れるし、それを人に教えることもできる…さっき蒼星石が言ったように、会おうと思えばいつだってみんなに会いにこれる…。 翠星石「…ええい、だったらB社の方がいいじゃねぇですか…!」 吹っ切るように、そうつぶやく翠星石。しかし、どうしてもこの学校のことが頭に浮かんでしまう。 そんな悶々とした状態は、次の授業にも支障をきたした。 誤字脱字はいつも以上に多く、教科書も何度も読み間違えた。 そんな翠星石を見てか、生徒たちのノートをとる手も鈍りがちになっているようだ。 すぐさま、それを注意する翠星石。 翠星石「な…なんですか!?先生が少しぐらい間違えたからって、ノートをとらないようじゃ…」 女子C「先生…この学校辞めちゃうってホントですか?」 その言葉を待っていたかのように、他の生徒もこれに続く。 男子D「先生!辞めないでください!!」 女子E「私たちを見捨てないで!!」 男子F「お願いです!どこにも行かないでください!!」 いつしか、その声は教室全体を包み込んでいた。 翠星石「…お前ら…。こんなの…卑怯ですよ…。」 そういうと、翠星石はその場で顔を伏せ、泣き出してしまった。 翠星石「というわけで、悪ぃんですが…」 B社の役員を前に、そう話を切り出す翠星石。 役員A「…そうですか。残念です。」 そういって立ち去ろうとするA氏。それを翠星石が引き止める。 翠星石「は、話は最後まで聞きやがれですぅ!それで、考えたんですけど、その…料理教室とかって、blogとかでやるんじゃダメですか?」 その言葉に、目を丸くするA氏。 翠星石「これだったら、この学校も辞めずにすむですし、おめーらの話を聞くこともできるです。でも…翠星石はあんまりパソコンとか得意じゃねぇから、お金とかそんな…。 …一応、これが翠星石なりに考えた結果ですぅ…。」 しばしの沈黙の後、口を開くA氏。 役員A「すばらしい!それなら、あなたにとっても…そして弊社にもメリットがありますね!早速、その方向で検討していきましょう!」 そう言ったA氏の笑顔を見て、思わず胸をなでおろす翠星石。 その後、翠星石の自宅では蒼星石や雛苺に助けられながら、ちまちまとblogを更新する翠星石の姿があったそうな。 完

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