「薔薇水晶のホームルーム」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

薔薇水晶のホームルーム」(2006/03/02 (木) 15:57:27) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

朝を告げるチャイムが響いた。それとほぼ同時に、クラス担任である薔薇水晶が入室する。 教室の中は、チャイムが鳴り、担任が入ってきたのにも関わらず私語でごった返していた。 薔薇「おはようございます…」 「おはようございまーす」 ほんの数人が返事をした以外、私語はまだ続いている。 薔薇水晶は何か言いたげに生徒を見回したが、すぐに俯いてクラス名簿を開いた。 薔薇「それでは…出席を…とります。A君…」 教室の私語が大きすぎるのか、薔薇水晶の声が小さすぎるのか、返事は一向に返ってこなかった。 薔薇「A君…?A君はいませんか…?いたら、返事をしてください…」 一番前の列の女子が、静かにしろという意味の目線を送ったが、それでも私語がおさまる事は無かった。 銀「こらぁ、静かになさぁい」 いつの間にか教室のドアにもたれかかるように立っていた副担任の水銀燈に、クラスの男子の視線が集中する。 一瞬にして教室は静まり返った。 銀「薔薇水晶先生が困ってるでしょう?駄目な子ぉ」 水銀灯はそう言うと、近くにいた男子生徒のおでこを指で小突いた。 銀「薔薇水晶先生に迷惑を掛けちゃだめよぉ。分かったぁ?」 「は~い!」 クラスの男子全員が、声をそろえてまるで小学生のように返事をした。女子は静かに舌打ちをした。 銀「ふふ、いい子ねぇ。ばいばぁい…」 水銀燈は、クラスが静かになったのを確認すると、まるで子供をあやすように手を振りながら去っていった。 薔薇水晶は、そんな水銀燈を無表情のまま見送った。 薔薇「・・・出席をとります…。A君…」 A「はーい」 さっきとは打って変わって順調な出席確認の中、いくつかの男子生徒が水銀燈先生について語り合っていた。 「やっぱ水銀燈先生が一番だよなぁ」 「あの声、体…たまんねぇよなぁ」 「付き合いてぇ」 「バーカ。お前にゃあ無理だよ」 そんな会話が教室の各所から聞こえてくる。それはもちろん、薔薇水晶の耳にも届いている。 「あぁ、水銀燈先生に点呼とられたらたまんねぇなぁ」 その瞬間、薔薇水晶の点呼が止まった。 薔薇「・・・・・・・・・・私だって・・・」 「え?」 教卓に一番近い生徒が、思わず聞き返した。それは、霞んで消えてしまいそうな声だった。 薔薇水晶はクラス名簿を閉じると、静かにそれを教卓に置いた。 ここに来てようやく異変に気付いた生徒が、薔薇水晶に注目した。 薔薇「皆さん…このまま少し、待っていてください…」 薔薇水晶はそれだけ言うと、教室を出て行った。 「先生…?どうしたんだ・・?」 まったく状況を把握できない生徒たちは、ただ戸惑うしかなかった。 それから数分後、教室のドアが開き、薔薇水晶が入ってきた。薔薇水晶を見た生徒は、愕然とした。 「せ、先生…?」 薔薇水晶は先程までの露出の少ない大人しめの服装から、どこから持ってきたのか、 膝上のミニスカートと体のラインがくっきりと表れるワイシャツに着替えていた。 普段の薔薇水晶からはまったく想像のつかない格好だった。 その違和感だらけの服装に身を包んだ薔薇水晶は、やけに腰をくねらせながら教卓へ向かった。 自分なりの色香の表現だろうか。しかしそこには水銀燈のような妖艶さは微塵もなく、どちらかと言うとロボットのようだった。 薔薇「今から、出席をとるわぁ。皆さん、返事をしてねぇん」 水銀燈のような猫なで声を真似しているようだったが、まるっきり棒読みだった。 薔薇水晶は教卓から椅子を取り出し、そこに深く座った。そして意味もなく足を大袈裟に何度も組み替えた。 その度に下着が丸見えになったが、生徒はそれどころではなかった。 (薔薇水晶先生が、おかしくなった…!!) 薔薇「それじゃあ、A君」 A「は、はい!!」 薔薇水晶の迫力に押された生徒たちは、ただただ返事をするしかできなかった。 結局、点呼の最後まで薔薇水晶の考えは分からずじまいだった。 生徒たちは、先生が壊れてしまったと心配になったが、当の本人の表情は満足気だった。 それは、まるで少女のような笑みだった。 薔薇「それでは皆さん…今日も一日元気に過ごしましょうね…」
朝を告げるチャイムが響いた。それとほぼ同時に、クラス担任である薔薇水晶が入室する。 教室の中は、チャイムが鳴り、担任が入ってきたのにも関わらず私語でごった返していた。 薔薇「おはようございます…」 「おはようございまーす」 ほんの数人が返事をした以外、私語はまだ続いている。 薔薇水晶は何か言いたげに生徒を見回したが、すぐに俯いてクラス名簿を開いた。 薔薇「それでは…出席を…とります。A君…」 教室の私語が大きすぎるのか、薔薇水晶の声が小さすぎるのか、返事は一向に返ってこなかった。 薔薇「A君…?A君はいませんか…?いたら、返事をしてください…」 一番前の列の女子が、静かにしろという意味の目線を送ったが、それでも私語がおさまる事は無かった。 銀「こらぁ、静かになさぁい」 いつの間にか教室のドアにもたれかかるように立っていた副担任の水銀燈に、クラスの男子の視線が集中する。 一瞬にして教室は静まり返った。 銀「薔薇水晶先生が困ってるでしょう?駄目な子ぉ」 水銀灯はそう言うと、近くにいた男子生徒のおでこを指で小突いた。 銀「薔薇水晶先生に迷惑を掛けちゃだめよぉ。分かったぁ?」 「は~い!」 クラスの男子全員が、声をそろえてまるで小学生のように返事をした。女子は静かに舌打ちをした。 銀「ふふ、いい子ねぇ。ばいばぁい…」 水銀燈は、クラスが静かになったのを確認すると、まるで子供をあやすように手を振りながら去っていった。 薔薇水晶は、そんな水銀燈を無表情のまま見送った。 薔薇「・・・出席をとります…。A君…」 A「はーい」 さっきとは打って変わって順調な出席確認の中、いくつかの男子生徒が水銀燈先生について語り合っていた。 「やっぱ水銀燈先生が一番だよなぁ」 「あの声、体…たまんねぇよなぁ」 「付き合いてぇ」 「バーカ。お前にゃあ無理だよ」 そんな会話が教室の各所から聞こえてくる。それはもちろん、薔薇水晶の耳にも届いている。 「あぁ、水銀燈先生に点呼とられたらたまんねぇなぁ」 その瞬間、薔薇水晶の点呼が止まった。 薔薇「・・・・・・・・・・私だって・・・」 「え?」 教卓に一番近い生徒が、思わず聞き返した。それは、霞んで消えてしまいそうな声だった。 薔薇水晶はクラス名簿を閉じると、静かにそれを教卓に置いた。 ここに来てようやく異変に気付いた生徒が、薔薇水晶に注目した。 薔薇「皆さん…このまま少し、待っていてください…」 薔薇水晶はそれだけ言うと、教室を出て行った。 「先生…?どうしたんだ・・?」 まったく状況を把握できない生徒たちは、ただ戸惑うしかなかった。 それから数分後、教室のドアが開き、薔薇水晶が入ってきた。薔薇水晶を見た生徒は、愕然とした。 「せ、先生…?」 薔薇水晶は先程までの露出の少ない大人しめの服装から、どこから持ってきたのか、 膝上のミニスカートと体のラインがくっきりと表れるワイシャツに着替えていた。 普段の薔薇水晶からはまったく想像のつかない格好だった。 その違和感だらけの服装に身を包んだ薔薇水晶は、やけに腰をくねらせながら教卓へ向かった。 自分なりの色香の表現だろうか。しかしそこには水銀燈のような妖艶さは微塵もなく、どちらかと言うとロボットのようだった。 薔薇「今から、出席をとるわぁ。皆さん、返事をしてねぇん」 水銀燈のような猫なで声を真似しているようだったが、まるっきり棒読みだった。 薔薇水晶は教卓から椅子を取り出し、そこに深く座った。そして意味もなく足を大袈裟に何度も組み替えた。 その度に下着が丸見えになったが、生徒はそれどころではなかった。 (薔薇水晶先生が、おかしくなった…!!) 薔薇「それじゃあ、A君」 A「は、はい!!」 薔薇水晶の迫力に押された生徒たちは、ただただ返事をするしかできなかった。 結局、点呼の最後まで薔薇水晶の考えは分からずじまいだった。 生徒たちは、先生が壊れてしまったと心配になったが、当の本人の表情は満足気だった。 それは、まるで少女のような笑みだった。 薔薇「それでは皆さん…今日も一日元気に過ごしましょうね…」 ---- 薔薇水晶「えっと今日は……」 水銀燈「春休みについてよぅ!」 薔薇水晶「です……」  LHRで、来週からの春休みついて。まぁ、夏休みとかに言うことと同じなのだが。 薔薇水晶「春休みは……」 水銀燈「来週の月曜日から、二週間と長いわよぅ!」 薔薇水晶「………です。なので」 水銀燈「今週の金曜日は、学校清掃になるから授業丸つぶれねぇ~。あ、ちょうど私の保健体育もつぶれたわ」 薔薇水晶「…………です。ですから……」 水銀燈「皆、かったるぃからって、サボっちゃだめよぅ」  水銀燈の言葉に、男子から元気の良い声が返る。女子からはまったくの皆無だが。 薔薇水晶「……皆、休まず……きてね?」  薔薇水晶の言葉に、男子女子の両方から返事が返る。 水銀燈「んじゃ、LHRは終わり。後残った時間は自由にしてもいいわよぅ。ただーし! うるさくしない事ね」  水銀燈は、ウィンクしてそういうとテンションがあがる男子。逆にテンションが下がる女子。 薔薇水晶「皆……静かにね?」  薔薇水晶の出席簿で、口元を隠す仕草をしながらそういうと、なぜか男子女子のテンションが普通に戻った。(薔薇水晶効果

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
目安箱バナー