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雪華綺晶への贈り物」(2007/02/10 (土) 21:43:17) の最新版変更点

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 クリスマスも間近に迫った頃。 真「一体誰なの!? この私がサンタクロースの親戚だなんて、初等部の子に触れ回ったのはっ」 銀「あら、すごい手紙の量ねぇ。それみんな下駄箱に入ってたの?」 真「っ! さては水銀燈、あなたの仕業ね? 自分の下駄箱がいつも手紙で一杯だからって……」 銀「当て推量でものを言うものじゃないわ。それに……そんなに自慢できるものでもないのよぉ。  例えばこれ、読んでみる?」 真「ええと、『僕を思いっきり口汚く罵ってください』……。こちらのは、『ぜひハイヒールで踏みつけて欲しい』……」 銀「もっとすごいのもあるわよぉ。投函される半数がこんな調子。毎日がこれだと、いい加減うんざりしてくる……」  と、そこへ手紙の束を抱えて蒼星石登場。 真「今日も大量みたいね」 銀「いいわねぇ。あなたのお手紙は、マゾヒスティックな煩悩を炸裂させるものじゃなくて」 蒼「……半分以上が、女の子からの手紙じゃなければね」  そろってため息を吐く三人。  その日の帰り。 雪「…………」 真「あら、珍しいわね。あなたの下駄箱にお手紙なんて」  雪華綺晶が手紙を開封すると、中から出てきたのは。 銀「へぇ……iPod丸ごとなんて、豪勢ねぇ」 蒼「自分の肉声で告白だなんて、なかなかお洒落だね」  イヤホンを装着し、メッセージを再生する雪華綺晶。 雪「…………」 銀「ねえねえ、何て言ってきてるのぉ?」  雪華綺晶はメッセージを聞き終わると、iPodをひょいとゴミ箱へと放り入れる。 銀「ちょっと! もったいない……捨てるのなら、私に頂戴よぉ」  水銀燈がゴミ箱に手を伸ばそうとすると。  中から立ちのぼる白い煙。 蒼「火事!?」  蒼星石も慌ててゴミ箱の中を覗き込む。  入っていたのは、iPodと封筒のみ。他に火の気はなかった。 真「そのプレーヤーが燃えたのかしら? 酷いいたずらね」  蒼星石は、しばし考え込むと。 蒼「……これってまさか、『なお、このiPodは自動的に消滅する。成功を祈る』……なーんてことはないよね?」  そう冗談めかして言い、雪華綺晶を振り返ると。 雪「…………」  彼女は目を丸くして、まじまじと三人を見つめ返していた。 蒼「…………」 真「…………」 銀「…………」 雪「…………」 蒼「…………」 真「…………」 銀「…………」 雪「…………」  重苦しい沈黙が、教職員用の玄関口を支配する。 蒼「あ、あの……冗談だから」  蒼星石がやっとのことで、それだけ口に出すと。 雪「……そう……。ご機嫌よう……」  雪華綺晶はくるりと踵をめぐらせ、すたすたと校舎を後にした。  残された三人は、へなへなとその場にへたり込んだ。 雪「……ばらしー……。二十八日は、晩ご飯いらないから……」 薔「……了解……」 雪「……お夜食もいらないから……」 薔「……わかった……」 雪「……ふふふふふふふふ……」 薔「……お姉ちゃん、とても嬉しそう……」  おまけ。 真「およしなさい、水銀燈。レディーがゴミ箱をあさろうだなんて、はしたない……」 銀「あら、こんなところにくんくんの携帯ストラップ、2007年新春紋付き羽織袴バージョンが」 真「どこっ、どこっ、どこにあるのっ!? ない……ない……。水銀燈っ、さては騙したのね!?」 銀「あらあら、真紅ったら、すっかり汚物まみれになって……。淑女が聞いて呆れるわね」
  クリスマスも間近に迫った頃。 真「一体誰なの!? この私がサンタクロースの親戚だなんて、初等部の子に触れ回ったのはっ」 銀「あら、すごい手紙の量ねぇ。それみんな下駄箱に入ってたの?」 真「っ! さては水銀燈、あなたの仕業ね? 自分の下駄箱がいつも手紙で一杯だからって……」 銀「当て推量でものを言うものじゃないわ。それに……そんなに自慢できるものでもないのよぉ。例えばこれ、読んでみる?」 真「ええと、『僕を思いっきり口汚く罵ってください』……。こちらのは、『ぜひハイヒールで踏みつけて欲しい』……」 銀「もっとすごいのもあるわよぉ。投函される半数がこんな調子。毎日がこれだと、いい加減うんざりしてくる……」   と、そこへ手紙の束を抱えて蒼星石登場。 真「今日も大量みたいね」 銀「いいわねぇ。あなたのお手紙は、マゾヒスティックな煩悩を炸裂させるものじゃなくて」 蒼「……半分以上が、女の子からの手紙じゃなければね」   そろってため息を吐く三人。   その日の帰り。 雪「…………」 真「あら、珍しいわね。あなたの下駄箱にお手紙なんて」   雪華綺晶が手紙を開封すると、中から出てきたのは。 銀「へぇ……iPod丸ごとなんて、豪勢ねぇ」 蒼「自分の肉声で告白だなんて、なかなかお洒落だね」   イヤホンを装着し、メッセージを再生する雪華綺晶。 雪「…………」 銀「ねえねえ、何て言ってきてるのぉ?」   雪華綺晶はメッセージを聞き終わると、iPodをひょいとゴミ箱へと放り入れる。 銀「ちょっと! もったいない……捨てるのなら、私に頂戴よぉ」   水銀燈がゴミ箱に手を伸ばそうとすると。   中から立ちのぼる白い煙。 蒼「火事!?」   蒼星石も慌ててゴミ箱の中を覗き込む。   入っていたのは、iPodと封筒のみ。他に火の気はなかった。 真「そのプレーヤーが燃えたのかしら? 酷いいたずらね」   蒼星石は、しばし考え込むと。 蒼「……これってまさか、『なお、このiPodは自動的に消滅する。成功を祈る』……なーんてことはないよね?」   そう冗談めかして言い、雪華綺晶を振り返ると。 雪「…………」   彼女は目を丸くして、まじまじと三人を見つめ返していた。 蒼「…………」 真「…………」 銀「…………」 雪「…………」 蒼「…………」 真「…………」 銀「…………」 雪「…………」   重苦しい沈黙が、教職員用の玄関口を支配する。 蒼「あ、あの……冗談だから」   蒼星石がやっとのことで、それだけ口に出すと。 雪「……そう……。ご機嫌よう……」   雪華綺晶はくるりと踵をめぐらせ、すたすたと校舎を後にした。   残された三人は、へなへなとその場にへたり込んだ。 雪「……ばらしー……。二十八日は、晩ご飯いらないから……」 薔「……了解……」 雪「……お夜食もいらないから……」 薔「……わかった……」 雪「……ふふふふふふふふ……」 薔「……お姉ちゃん、とても嬉しそう……」   おまけ。 真「およしなさい、水銀燈。レディーがゴミ箱をあさろうだなんて、はしたない……」 銀「あら、こんなところにくんくんの携帯ストラップ、2007年新春紋付き羽織袴バージョンが」 真「どこっ、どこっ、どこにあるのっ!? ない……ない……。水銀燈っ、さては騙したのね!?」 銀「あらあら、真紅ったら、すっかり汚物まみれになって……。淑女が聞いて呆れるわね」

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