ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

Rozen Maiden begins

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水銀燈「先生…どうして…?どうして、私じゃいけないの…?」
教師「うーん…はっきり言うと、君より真紅君のほうが面接に受かる可能性が高いんだ…。推薦入試の特待生枠は1名だけだからね…。少しでも可能性のあるほうを推薦したいんだよ…。」
それは、水銀燈が中学生の時の出来事…。家の事情を考えると、水銀燈が高校に進むためには学費免除の特待生を狙うしか方法がなかった。
しかし、教師が下した決断は『真紅』…。
こんなことは、過去に何度もあった。力だけなら私のほうが上のはずなのに、みんな真紅、真紅、真紅…。
そう…あの子は、私の全てを奪い…そして、私に無いもの全てを持っていた。
例えば、それは玩具だったり、洋服だったり…そして父親の存在であったり…。
愛するお父様に捨てられ、いわば『いらない子』として生まれた自分とは違い、蝶よ花よと可愛がられ育つ真紅の姿は、その頃の水銀燈にとって憎しみの対象でしかなかった。


その後、必死に勉強し、一般入試の部で見事特待生の座を射止めた水銀燈。
しかし、そんな彼女を待っていたのは、一部の女子による陰湿ないじめだった。
顔と頭が良い事もさることながら、他人と決して深く接しようとしない水銀燈の姿は、彼女たちにとって『生意気な存在』だった。
最初は陰口から始まった行動も次第にエスカレートし、ついには物を捨てられる、机や黒板にひどい落書きをされる、高層階から物を投げられるといった事が1日に何度も行われるようになっていった。
面と向かってなら決して他人に負けない自信を持つ水銀燈も、姿の見えないものからの暴力には何度も心が折れそうになった。
しかし、そんな時に真紅が声をかけてくれたおかげで、水銀燈は何とか持ち直した。
その時の哀れみの表情…そして弱者をいたわるような同情の言葉…。
そんな言動をしてくれた、真紅への憎しみによって…。
…そして、運命の日は訪れた。


少女A「…しっかし、アイツもよくこの状況で学校に来るよねー。あ…そういえば、言った通りちゃんとやってきた?」
少女B「うん。あいつのノートとか、全部トイレの中に捨ててきちゃった♪」
水銀燈「A…?」
それは、ある昼休みの出来事…水銀燈が行くあても無く、廊下をさまよっていた時の事…その時、不意に何名かの女子が階段の上で、何かについて話しているのが聞こえてきた。
A…それは水銀燈が高校に入って、初めて出来た友達の名前だった。
会話の内容に、胸を締め付けられるような感覚に陥る水銀燈。
『アイツもよくこの状況で学校に来るよね』…?『言った通りちゃんとやってきた?』…?まさかそんな…!?
祈るような気持ちで、水銀燈は彼女たちの会話に耳を傾ける。
…しかし、その思いは天に届くことは無かった…。
少女C「…でもさー、アンタもよくやるよねー。本当の事知ったら、アイツ自殺しちゃうんじゃない?」
少女A「いいのいいの。だって、面白いんだもん。アイツが…あの生意気な水銀燈が苦しんでるトコ、間近で見られるの…♪」
水銀燈「…そっか…。そういう事ね…。なるほど…」
陰に隠れながら、ポツリとそう呟く水銀燈。
この時、彼女の中の何かが…大切な何かが音を立てて崩れ去っていった。


水銀燈「A…ホント、私に近寄らないほうがいいわよ…。あなたまで酷い目にあわされるわよ…」
次の日の放課後、全ての真実を知りながらも、水銀燈はAという少女と一緒に廊下を歩いていた。
少女A「でも…私、水銀燈の事…ほっとけないからさ…。ほら、私たちいつまでも友達だって約束したじゃん?」
白々しくも演技を続ける彼女。
そんな彼女に、水銀燈は優しく微笑みこう言った。
水銀燈「ありがとぉ…」
少女A「水臭いなー、そんなんでいちいち感謝しないでよー。あ、そろそろ次の授業始まるよ!?急がなきゃ!」
そう言って、急いで階段を駆け下りようとする少女。
その背中を、後ろから力いっぱい押すと、水銀燈は小さくこう呟いた。
「…そして、さようなら…」
と。


その瞬間、派手な音を立てて階段から転げ落ちる少女。その少女に向かって、水銀燈はクスクスと笑いながら、こう言った。
水銀燈「あらぁ?意外と丈夫なのねぇ…。ま、そうじゃなきゃ、つまんないけどぉ♪」
少女A「な…何するの…水…」
水銀燈「気安く呼ばないでくれるぅ?あなた…この私に、随分舐めた真似してくれるじゃなぁい?次は、屋上から飛んでみる?」
少女A「…え…!?い、いや…殺さないで…。も…もう、しないから…」
水銀燈「何言ってるのぉ?私がこの半年、どんな思いをしてきたか…あなたが一番良く知ってるじゃなぁい?本当に、今すぐ殺してやりたい気分だわ…でも…」
そう言うと、水銀燈は少女の前髪をつかみ、その顔を引き寄せてこう言った。
水銀燈「…でも、刑務所とか行くの嫌だしぃ…今は殺さないであげる…。でも、死にたくなるように手助けしてあげるわぁ…。さぁ、何日持つかしら…?せいぜい楽しませてねぇ♪」
もはや、痛みと恐怖で失神寸前の少女。そこへ、彼女にとっての救世主がその場に現れた。
真紅「水銀燈…!?あなた、一体何をしているの!?」
水銀燈「…真紅?」
誰かの救いの手…ただの哀れみや同情ではなく、行動を伴ったもの…それは自分が十数年もの間、心の中で求めていたもの…そして誰も差し伸べてくれなかったもの…それが、この裏切り者にはわずか数分で現れた…
それは、水銀燈にとって決定的な出来事だった。


水銀燈「…どうしてあなたは、いつも私の邪魔ばかり…。私が苦しんでいる時は何もしてくれなかったくせに、この子の時は随分素直に現れるのね…?」
真紅「な…何を言って…!?私はいつもあなたを救おうとした…!でも…」
水銀燈「そう…なら私を助けようとすることで、優越感を得ていたんでしょう?さぞかし楽しかったでしょうね…。私より、真理的な面で上に立てるんだから…」
真紅「違う!決してそんなつもりじゃ…」
水銀燈「あ…そうそう…。ちょうどいい機会だから、これ返すわね…。」
そういって水銀燈が取り出したのは、バラバラにされたクマのブーさんのぬいぐるみ…
それは真紅が以前、水銀燈にプレゼントしたものに他ならなかった。
あまりの事に、真紅も半ば呆然としてしまう。
水銀燈「…もう、私は人の力なんか当てにしない…。全部自分ひとりでやってみせるわ…。そして、全てを叩き潰してあげる…。その間…あなたは、せいぜいお友達と仲良く遊んでなさぁい…。」
そう言うと、水銀燈は真紅に背を向け、その場を後にした。
…この日以来、彼女は他人に対し、ずっと心を閉ざし続けた。
数年後…彼女の運命を変える人が現れる、その日まで…。




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