ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 招かれざるもの、心を閉ざすもの

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お題 『ジュンの登校拒否を気にして薔薇水晶先生が家庭訪問 』

「ピンポーン」
いつもと同じ時間に、家に響くチャイム。
最近、この家の住人の下に、ある人がよく出入りするようになった。
原因は、この家の住人が学校に行かないこと。つまり、引きこもりだ。
そして、来るのは決まって薔薇水晶…とかいう教師…。
しかし今日は自分以外誰もいないので、自分さえ許可しなければ家には入られない。
もうこれ以上、人にかかわるのはうんざりだった。
ジュン「無視、無視…っと」
そう言うと、彼はパソコンに向かう。
そして、何度目のチャイムの後だろうか…突然、彼の部屋に窓ガラスを割って、大きな石が飛び込んできた。
ジュン「な、何だぁ!?」
?「ほら、いたじゃなぁい…。」
慌てて外を見ると、そこには薔薇水晶と、見たことも無い銀髪の女の人が立っていた。


?「と、いうわけでぇ…私はあなたのクラスの副担任の水銀燈よぉ。別に来たくなかったんだけど、この子がうるさいから来てやったのよ。感謝しなさぁい…。」
さっきの事など、全く悪びれる様子もなく、水銀燈は実に気だるそうに自己紹介をした。
ジュンが、これに反発する。
ジュン「そ…そんな、勝手に来られて、感謝なんか出来ませんよ!それに、何度来られたって、僕は学校に行く気は無いです!!もう、ほっといてください!!」
水銀燈「…ああ言ってるし…別にほっといていいんじゃなぁい?」
薔薇水晶「だめ!ねえジュン君…確かに学校は…銀ちゃん!人の家の冷蔵庫を、勝手に開けない!!」
水銀燈「いいじゃなぁい…。あ、ヨーグルトもらうわよぉ…♪」
そう言って、勝手にヨーグルトを食べ始める水銀燈。そんな光景に、ジュンはただ呆然とするばかりだった。


薔薇水晶「ごめんね…。あとで、ちゃんと弁償するから…。」
水銀燈の非礼を侘びる薔薇水晶。ジュンにとって、水銀燈のまるで教師とは思えない行動も驚きだったが、それ以上に、いつも寡黙な薔薇水晶があんなに声を張り上げたことに驚いた。
しかし、だからといって彼の『鉄の意思』はそんなことで崩れるはずもなく、こう言って自室に戻っていった。
ジュン「…とにかく、今更学校なんて行く気ありませんから…。僕は上にいるんで、気が済んだらさっさと帰ってください…!!」
薔薇水晶「待って…!もう少しだけ話を…。ほら、銀ちゃんも来て!!」
そう言うと、薔薇水晶は水銀燈を無理やり立たせ、彼の部屋へとおしかけた。


水銀燈「はぁー…凄いわね…。コレ…。」
彼の部屋にある通販グッツの数々を見て、水銀燈は感嘆の声をあげつつ、物色を開始する。
そんな水銀燈をよそに、薔薇水晶は根気強くジュンを説得する。
薔薇水晶「ねぇ…何で学校に来てくれないか…理由だけでも教えてくれないかな?そうすれば、もう今日は帰るから…。」
ジュン「行きたく無いから、行かないだけですよ。さ、これで満足しましたね?」
薔薇水晶「ううん…。ジュン君はまだ一度も学校には来てくれないけど、それでも私にとって大切な生徒なの…。だから、お願い…。」
ジュン「…本当は、開成とか学芸大付属とか、そういうトコに行きたかったんですよ。…でも受験で失敗して…。それに、友達だっていないし…」
薔薇水晶「でも…うちの学校だって、良い所だよ?それに、未知のことには挑戦しないと、何も知らずに終わってしまうの…。気持ちは分かるけど、一歩前に踏み出する勇気を…」
ジュン「…理由を言ったら、帰ってくれるんじゃなかったんですか!?もう帰って…」
険悪な雰囲気に包まれる室内。その時、水銀燈がこんなことを言い出した。
水銀燈「ねえ、この部屋って妙に女っ気が無いんだけどぉ…どこにHな本とか隠してるのぉ?」
ジュン「…は!?」
それは、彼にとって全く予想外の質問だった。


ジュン「な、何言ってるんですか!?そんなもの、あるわけ無いじゃないですか!?」
水銀燈「隠したってダメよぉ…♪思春期の男の子が、持ってないわけ無いじゃなぁい…♪」
薔薇水晶「ジュン君…ホントなの?」
ジュン「はぁっ!?無いですって!!何を根拠に…」
薔薇水晶「…さっきも言ったけど、ジュン君は私にとって大切な生徒なの…だから、間違った事はきちんと正さなきゃって思ってる…。だから、あるのなら早く…!」
ジュン「だ、だから無いですってば!!」
そんな様子を見て、クスクスと笑い出す水銀燈。一方の薔薇水晶は、ジュンの言葉を無視して、家宅捜索を開始した。
気がつけば、外はすっかり漆黒の闇に包まれていた。


薔薇水晶「ほ、本当にごめんなさい…!話も脱線しちゃったし、家も散らかしちゃったし…」
帰り際、玄関で何度もそう謝る薔薇水晶。そして、「いつまでも、ジュン君が学校に来てくれる日を待っているからね…」と言い残し、その場を立ち去った。
2人が過ぎ去った後、「まるで、台風だ…」とジュンはぽつりと漏らす。
そして、同時にこんな事も考えていた。
「あんな感じで、学校もドタバタしてるのかな…。だったら、楽しそうだな…」
と。

そして翌日、昨日のヨーグルトと窓ガラスを弁償しに戻った薔薇水晶に対し、ジュンは自ら玄関のドアを開けた。
それは同時に、彼自身の心の扉も、薔薇水晶に対し開いてくれた事を意味していたのかもしれない…。