ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

学食のカレーライス

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だれでも歓迎! 編集
お昼休み。チャイムと同時に授業から抜け出た生徒達は、我先にと購買部のパンを買いに走る者
学食へと向かう者、机を並べ弁当を突付き合う者、1人屋上等で黄昏ながら食べる者
と、いろいろと分岐する。そんな学生達がワイワイと楽しそうにしているのを横目に蒼星石も
本日の昼食を取ろうと学食へ向かおうとしている。

蒼「何食べようかなー?」
と、普段はお弁当派なのに今日に限って寝坊したために、学食での食事を余儀なくされた蒼星石。
しかし普段は弁当ばっかりだったし、たまには学食も悪くない・・・とまんざらでもない。
翠「あれ?蒼星石?珍しいですねぇー。蒼星石が学食で食事なんて。」
蒼「ああ、翠星石か。いや、今日は寝坊しちゃってさ、アハハ。たまには生徒と一緒に学食でってのも悪くないよね。」
翠「まあ、それはそうですが。・・・とにかく、食券を買うなら早くしてほしいですぅ。」
蒼「え?ああ、ゴメンゴメン。・・・じゃ、カレーにしようっと。」
翠「まったく・・・、それじゃ私もカレーにするですぅ・・・よっと。」
二人同じ物を注文する。これが後にあの騒動を生む切欠となるのも知らず。

そして食券売り場から学食へと向かう二人。
翠「蒼星石はここのカレーは食ったことあるですかぁ?」
蒼「いや、・・・無いかな?普段はずっとお弁当だったからね。」
翠「実はここのカレーを作るのに翠星石も加わってるですぅ。その味に特と驚くがいいですぅ。」
蒼「え?そうなのかい?・・・ああ、確か君は調理師免許も持ってたんだっけ?」
翠「そうですぅ、だからこの学食で一番人気のメニューはカレーなんですよぉ。」
蒼「へぇー、君がそこまで言うんだったら、さぞ美味しいんだろうね。」
と、微笑みながら返事を返す蒼星石。そこまで自慢されるのだ、さぞや美味しいのだろう。
期待に胸が膨らむ蒼星石。普段ずっとお弁当だったけど、これからは学食も利用することにしよう、と蒼星石は心の中でそう誓っていた。

そして、学食。
翠「すいませーん、カレー2つお願いするですぅ。」
学食のおばちゃん「はいよー。先生方、ちょっと待っててくださいねー。」
と、威勢のいい声が聞こえる。この人はこの学食の名物おばさんでもあるのだが、それはまた別の話。
そして、カレー2つお待ちどう様ーという声が聞こえ
翠「はい・・・っと、これが蒼星石の分ですねぇ。福神漬けは乗せるですかぁ?」
蒼「ああ、お願いするよ。」
翠「私はどうもカレーにラッキョウという組み合わせがわからんですぅ。よく皆あんなもんが食えるですよ。」
蒼「そうだねー、僕もラッキョウは苦手だ。」
と、二人顔あわせてニッコリと微笑みあう。そして、その背後から
男子生徒A「あ、蒼星石先生じゃないですか?先生が学食って珍しいですね。」
蒼「ああ、○○君か。へへ、ちょっと今日は寝坊しちゃってね。」
どうやら蒼星石のお弁当の話は生徒にまで伝わっているようだ。
男子生徒B「翠星石先生も一緒なんですか?あ、そうだ。先生、お昼ご飯一緒に食べませんか?」
翠「な!?わ、私は別に構わんですよぉ、そ、蒼星石はどうするですか?」
あまり生徒から昼食に誘われたことが無いのか動揺する翠星石は、蒼星石に同意を求める。
蒼「そうだねー、うん、いいよ。たまには生徒と一緒にご飯ってのも悪くないからね。」
男子生徒A・B「(よっしゃああああああ!!!!!)」
こんな美人教師二人と飯を食える。男子生徒にとってはとてつもないほどの幸福だろう。
翠星石は1人の時にたまに学食に来るが、誘っても暴言でしか返事が来ないために躊躇していたが
こと押さえ役の蒼星石がいれば安泰である。
男子生徒A「いやいや、こんな美人教師達と飯を食えるなんて何たる幸福。なー?」
男子生徒B「うんうん、いや俺ら明日死んでもいいくらいだよ。」

蒼「そんなに喜んでもらえると、嬉しいな。でも、そんなに褒めても何もでないからね。」
フフッと微笑む蒼星石。男子生徒はもはやKO寸前である。
翠「あ、ちょっと待つですよ。ちと忘れ物をしたです。おめえらは先に食っていやがれですぅ。」
男子生徒A「え?何か他にも頼んでたんですか?」
翠「いや、違うですが。え~と・・・」
と、言いつつ席を離れる翠星石。?顔の男子生徒達。
蒼「それじゃ、すぐ戻ってくるだろうし僕らは先に食べていよう。」
男子生徒「うい~っす。それじゃ、いただきまーすっと。」
それに続いて、蒼星石も手を合わせていただきますと続く。そしてカレーをその口に運ぶ。
蒼星石「うん、美味しい。翠星石が自慢することはあるや。」
そして、他愛のない雑談が始まる。授業中の態度、いまクラスで流行っていることや他の先生の話題など。
蒼星石は普段、職員室で他の教員とお弁当を食べてるだけだったので、これほどまでに充実した昼食は初めてだった。
ああ、物凄い損をしてた・・・と後悔の念が襲うが、今はこの状況を大いに楽しむべきだと頭を切り替える。
しかし、何か物足りない。美味しい食事に楽しい会話、一体何が足りないのか。
蒼「あ、そういえば・・・。そうか、忘れてたー。」
男子生徒A「え?何すか?」
と、急に会話を切られたので、突っ込む男子生徒。
蒼「え?あ、いや・・・僕もちょっと忘れ物をね。すぐ戻るから君達は食べてていいよ。」
え~!?と不満げな男子生徒。それもそうだ、二人もいなくなっては誘った意味が無い。
しかし、その不満が伝わることも無く蒼星石は忘れ物を取りに席を立つ。そして、しばらくして翠星石が戻ってきた。
翠「はぁ~、まったく他の生徒にたらい回しにされてて、見つけるのに苦労したですぅ。」
男子生徒B「あ、おかえりなさい。何を取ってきたんすか?」
翠「ふふふふ、コレです、コレ。カレーにはこれがねえと始まらねえですよぉ。」
と言いつつ、差し出してきたもの。それはソース。自分のカレーにソースをかけながら
翠「やーっぱり、カレーにはソースですぅ。あんた達もそう思うですよねぇ?」
ここで下手に逆らって癇癪を起こされたらたまった物ではない
男子生徒A・B「「そ、そうですよねー・・・、ハハハ」」
翠「そうです、そうですぅ。お前らは味の分かる奴ですぅ。」
と、満足げな翠星石。きっと自分の味覚に賛同者がいて余程嬉しいのだろう。物凄い笑顔である。

と、そこへ蒼星石が帰ってくる。この時点で、男子生徒は嫌な予感を感じていたが、蒼星石がいれば
まあ、問題は起きないだろう・・・と安心していた。
翠「あれ?蒼星石、どこ行ってたですかぁ?」
蒼「え?ああ、これをね・・・ってす、翠星石、そ、それは何だい?」
翠「へ?これですか?ソースですよぉ。やっぱカレーにはソースですぅ。蒼星石もそう思いますよねぇ?」
男子生徒たちはよくある光景だと思った。カレーにはソース?醤油?きっと蒼星石先生もソースだろうなぁ・・・
と似た者同士だもんなぁ・・・とも思っていた。しかし、この楽観とした状況も蒼星石の一言で打破されることになる。
蒼「え?な、何を言ってるんだい?翠星石。カレーには醤油じゃないか?」
と、その手に持つ醤油指しがキラリと光る。
男子生徒A・B「「(おー、似た者同士でもやっぱ違うところはあるもんだなぁー)」」
翠「な、何を抜かしやがるですか?!いくら蒼星石といえどこいつばかりは譲れんですぅ!!」
蒼「君こそ、何を言っているんだい?日本人ならカレーには醤油なのが常識だろ?」
翠「い、一体いつそんな常識が出来たですかぁ?!何時、何分、何秒、地球が何回回ったときですかぁ?」
男子生徒A・B「「(しょ、小学生や、小学生がここにおるー!!)」」
蒼「そんなのは太古の昔、古の時代から定まってるものなんだ。僕も翠星石が相手といえどこればっかりは譲れないよ。」
翠「もー、完璧に怒ったですぅ!!蒼星石、あなた味覚がおかしいんじゃないですかぁ?」
蒼「君こそ、調理師免許をもってるのに、病院で味覚チェックを受けたほうがいいんじゃないか?」
翠「な?!言うに事欠いて、そんな暴言を・・・。そ、そうですぅ、この二人にどっちが正しいか聞いてみるですぅ!!」
蒼「うん?そうだね、議論が平行線をたどってるんだから第三者の意見は貴重だからね。」
翠「そうです、そうですぅ。この2人がどっちを正しいか意見を出せばそれで決着が付くですよぉ!!」
翠星石は内心、勝ったと思っていた。何故なら、この二人にはさっき尋ね、ソースが一番だと言ったからだ。
と、それは翠星石が怖くてただ合わせてただけなのだが。しかし、この2人には大変な状況である。
蒼「さ、君達はどっちが一番カレーに合うと思うんだい?正直に言ってごらん。」
と男子生徒に笑顔で尋ねる蒼星石。こんな笑顔を見せられればはい、醤油ですと言いたくなるが
ここで蒼星石を押しのけて翠星石が尋ねてきた。
翠「やっぱりソースですよねぇ。」
こちらも物凄い笑顔だ。思わずはい、ソースですと言ってしまいたくなるほど。

男子生徒A「え?え~と、ソースもいいけど醤油も捨てがたいし・・・なぁ?」
男子生徒B「へ?ああ、いやぁどっちかなんて決まられないっすよぉ、ハハハ。」
と、男子生徒は安全パイを切り出した。これなら二人とも傷付かずに丸く収まる・・・そうなる筈だったが
蒼・翠「「何を言ってるん(だ?!)(ですかぁ?!)」」
ステレオサウンドで叫ばれると喧しいことこの上ない。窮地に追い詰められた男子生徒達。
しかし、ふとテーブルの隅に目をやると、そこには・・・。
男子生徒A「・・・い、いやー、実は俺、醤油でもソースでもなくてこいつ派なんすよぉ、へへへ。」
と、咄嗟の機転でテーブルの隅から拾い上げてきたもの、それは
蒼・翠「「ま、マヨネーズ!?」」
男子生徒A「いやー、実は我が家のカレーにはこいつを入れる風習で・・・ってあれ?」
うまいことやったつもりだったが、二人には通用しなかったようで
蒼「な、何を言ってるんだい!?そんなの邪道だよ!!いくら君が僕の生徒でもそればっかりは許せないよ!!」
翠「そうですぅ!!このスカポンタン!!お前こそ味覚チェック受けやがれですぅ!!」
ひどい言われようである。担任でもある蒼星石からああまで言われたのは初めてだ。
蒼「まったく・・・、って、あ?!もうお昼休みが終わっちゃうよ。行こう?翠星石。」
翠「へ?あ、本当ですぅ。お前らも早く教室に戻るですよぉ?」
と、言いつつご馳走さまーと仲良く学食を出て行く二人。
男子生徒A「お、俺って一体・・・」
男子生徒B「まあ、二人を仲直りさせたってことでいいんじゃない?」

貴方はカレーに何を入れますか?入れませんか?

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