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Q97

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匿名ユーザー

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Q.往人は子供が嫌い?


A.というか、金ヅル。法術も、子供も、彼にとっては金ヅルでしかなかった。長く孤独な旅の中で、人を笑わせたいという気持ちを忘れていたからだ。

DREAM編(SEEN311.TXT):

「人を笑わせたいと思ってる?」
「そうじゃないと動かないよ?」
「動かしたい思いだけじゃなくて、その先の願いに触れて、人形は動きだすんだから」

笑わせたい、喜ばせたいという願いが人形を動かす。往人がはじめて人形を動かした夜もそうだった。

俺はただ一生懸命に、人形を動かし続けた。
母が笑う顔をもっと見たい、その一心で。

そして母との別れ。はじめは母の笑顔を探す旅。母との別れを受け入れた後は、空の少女の笑顔を探す旅に変わった。失った笑顔をもう一度見つける旅に。

でもただ求めるだけの旅は長すぎて、日銭を稼ぐためのその日暮らしの中、彼はそんな気持ちをすっかり忘れてしまう。誰かを心から笑わせようという気持ちを。誰を笑わせたかったのか、それすらも。そして何度目かの夏にたどり着いた海辺の町で、一人の少女と出会う。

DREAM編(SEEN220.TXT):

【観鈴】「往人さん、笑わせられるよ。子供たち」
【往人】「それはどうかな」
【観鈴】「純粋に心から笑わせること、できるよ」
【観鈴】「だって…」
【観鈴】「今、あのぬいぐるみに触れたのだって、あの子を喜ばせるためだもんね」

観鈴の指摘は的外れだ。往人は「観鈴を喜ばせるために」ぬいぐるみに触れたのだから。

【往人】「それは違う」
去ってゆく親子。
女の子の背から、ナマケモノが手を振っていた。こっちに向けて。
【観鈴】「にはは…」
観鈴はもう一度、ぱたぱたと手を振り直す。

観鈴を笑わせたい。観鈴の笑顔をもう一度、取り戻したい。いったん失った笑顔を取り戻せないまま、往人の願いはそらへと受け継がれ、悲しみに囚われていた観鈴を、そして神奈を解放することになる。

そらがどうやって神奈を解放したのか、ただのカラスが観鈴を連れ戻せたのはなぜか、物語中ではいっさい描かれていない。だが、それまでの流れで十分に理解できるだろう。

そらは往人としての自我を取り戻した際に、観鈴を笑わせたいという願いを明確に意識した。悲しみに暮れる観鈴をカラスの姿のままで必死になって笑わせようと頑張っていた、往人としての願い。往人の想いを引き継いだそらは、観鈴の笑顔を求めて空に飛び立ち、悲しみに満ちた神奈の魂──観鈴の魂でもある──の記憶に触れる。永遠の繰り返しに嘆き苦しむ神奈に会うことになる。

泣いている神奈に対して、そらは何を告げたか。何ができたか。

──笑わせようと、頑張ったに決まっている。
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