勉強会@wiki
wiki上で勉強会の内容をかいつまんで掲載します。できる範囲で。
基礎も少しくらいは、やりますが、はんだ付けとかは他のサイトに任せます。
基礎も少しくらいは、やりますが、はんだ付けとかは他のサイトに任せます。
電源部とは
電気には直流と交流の二種類の伝わり方があります。
時間がたっても全く電圧が変わらないのが直流、電圧が変化するのが交流です。
たまに、交流=正弦波と考えてる人がいるみたいだけど、これは違います。
直流で流れてる回路も、スイッチを落としたら、電圧が変わるので、「交流」ということになります(ちょっとひねくれた説明だけど。)
時間がたっても全く電圧が変わらないのが直流、電圧が変化するのが交流です。
たまに、交流=正弦波と考えてる人がいるみたいだけど、これは違います。
直流で流れてる回路も、スイッチを落としたら、電圧が変わるので、「交流」ということになります(ちょっとひねくれた説明だけど。)
ほとんどの機械は電源として、交流を扱いません(というか、扱えないと思います)。普通は直流で使います。
ところが、コンセントからはバリバリ交流の電気が流れてきています。
1秒間に何十回かのスピードで変化しています(関東は50回/秒、関西は60回/秒)
これを直流に直すのが電源の一つ目の仕事。
1秒間に何十回かのスピードで変化しています(関東は50回/秒、関西は60回/秒)
これを直流に直すのが電源の一つ目の仕事。
次に、コンセントからは100Vの電圧が取れます(厳密には+141V~-141V)までを行き来します。
しかし、これは結構高い電圧で、今後扱うICは100Vも流すと壊れますし、危ないですし、そんなに使いません。
そこで、欲しい電圧値に変化させるのが、電源部の二つ目の仕事。
しかし、これは結構高い電圧で、今後扱うICは100Vも流すと壊れますし、危ないですし、そんなに使いません。
そこで、欲しい電圧値に変化させるのが、電源部の二つ目の仕事。
ちなみに、注意して欲しいことに、高電圧を扱うので、漏電とか感電とかには絶対に注意してください (電気が初めての人は設計ではいいけど、製作の段階に入ったら電気系の何か(アンプとかでもいいんで)を製作したことのある人が近くにいたほうがいいです。)
死傷事故になったら洒落になりませんからね。
死傷事故になったら洒落になりませんからね。
GNDの話。
さて、ここで、なぜか基礎に戻って電圧について。
電圧は絶対数だと言う方もいますが、それは間違いで、実際には回路のどこかを「基準の電圧 0V」と定義して、そこから何V違うか、ということを示した「電位差」のことです。
電圧は絶対数だと言う方もいますが、それは間違いで、実際には回路のどこかを「基準の電圧 0V」と定義して、そこから何V違うか、ということを示した「電位差」のことです。
で、この「基準の電圧 0V」をGNDと書き、グラウンドといいます。アースも言います。
「どこか」は実はどこでもいいです。でも、大体、
「どこか」は実はどこでもいいです。でも、大体、
- 電力を消費したあと、電流が帰るべき点
- (単電源なら)一番電圧の低いところ
- (両電源なら)真ん中のところ
- 最も接続されるところ
あたりが選ばれます。でないと、計算が面倒になったりします。
GNDにはPDF資料(電源.pdf)の7ページの記号のどちらかを使います(私は左の方が好きです)
複数のGNDは全て銅線でつないでしまいます。
複数のGNDは全て銅線でつないでしまいます。
ついでに。交流電圧は単独では実効値という表現をします。これは、
とある交流に負荷をかけたとき消費する電力と同じだけの直流の電圧の事を言います。
(消費電力は電圧値に電流値を掛け算したものです)
そして、波形の端から端までの事をPeak-to-peak電圧といい、と書きます。
とある交流に負荷をかけたとき消費する電力と同じだけの直流の電圧の事を言います。
(消費電力は電圧値に電流値を掛け算したものです)
そして、波形の端から端までの事をPeak-to-peak電圧といい、と書きます。
素子と記号
電気回路には素子を使います。
素子とは抵抗、とか、コンデンサとかのことです。
これらにはそれぞれ機能があり、これらを組み合わせて回路を組み立てます。
基本的な素子はPDF資料(電源.pdf)の9ページと10ページを参照してください。
素子とは抵抗、とか、コンデンサとかのことです。
これらにはそれぞれ機能があり、これらを組み合わせて回路を組み立てます。
基本的な素子はPDF資料(電源.pdf)の9ページと10ページを参照してください。
なお、これらは通信販売で買えます。
出向いて買うのは、今となってはかなり限られたところでしか仕入れができません。(でも私はできれば出向くことをお勧めします。)
東京の秋葉原、大阪の日本橋、名古屋の大須、京都の寺町といったところでしょうか
(時代の流れで、あなたがこの記事を読む時にはもう手に入らないかもしれません)
大阪シリコンハウス共立
東京秋月
出向いて買うのは、今となってはかなり限られたところでしか仕入れができません。(でも私はできれば出向くことをお勧めします。)
東京の秋葉原、大阪の日本橋、名古屋の大須、京都の寺町といったところでしょうか
(時代の流れで、あなたがこの記事を読む時にはもう手に入らないかもしれません)
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電源の種類
作りやすい電源はシリーズレギュレータとスイッチングレギュレータの二種類があります。
シリーズレギュレータ設計の手順
さて、シリーズレギュレータ設計の手順です。
次のようにやっていきます。コンセントは交流の100Vですね、ここから、直流の5Vを作るとします。
1)まず、交流の5V+αを作ります。
2)次に、これを直流の5V+αにしますが、この時点では少しノイズがあります。
3)ノイズを取ります。
4)これを直流の5Vきっちりにします。
次のようにやっていきます。コンセントは交流の100Vですね、ここから、直流の5Vを作るとします。
1)まず、交流の5V+αを作ります。
2)次に、これを直流の5V+αにしますが、この時点では少しノイズがあります。
3)ノイズを取ります。
4)これを直流の5Vきっちりにします。
このような流れにするのは、「5V+αの直流を5Vきっちりにする」というICがあり、これを使いたいからです。
「交流→直流」と「100V→5V+α」はどちらが先でも構わないのですが、「100V→5V+α」を先にすると電解コンデンサのコストがバカにならないので、この順にします。
降圧回路
PDF資料(電源.pdf)の12ページを見てください。左にあるのがコンセントだとします。
このトランスは12To1(10To1は誤りです)なので、100Vの交流はの交流になります。資料にもあるように、定格に留意してください。
このトランスは12To1(10To1は誤りです)なので、100Vの交流はの交流になります。資料にもあるように、定格に留意してください。
(シミュレータですが)波形は13ページのようになります。上はトランスに通す前、を行き来していますが、下の通したあとはとなっています。
整流回路
PDF資料(電源.pdf)の14ページを見てください。
右側はすでにとしたものとします。
ダイオード は電流を一方向にしか通しません。
これを4つ組み合わせたブリッジダイオードを使います。の上側の方が電圧が高い時と、下の方が電圧が高い時でそれぞれ辿ると、OUTは必ず同じ方向になります。なるように作ってあります。
波形は15ページです。0Vより下に行ってないことが分かると思います。
右側はすでにとしたものとします。
ダイオード は電流を一方向にしか通しません。
これを4つ組み合わせたブリッジダイオードを使います。の上側の方が電圧が高い時と、下の方が電圧が高い時でそれぞれ辿ると、OUTは必ず同じ方向になります。なるように作ってあります。
波形は15ページです。0Vより下に行ってないことが分かると思います。
平滑回路
電解コンデンサをPDF資料(電源.pdf)の16ページのようにはさむと、コンデンサの充放電効果により、18ページのように直流になります。実際には、完全に直流にできず、17ページのようにリップルと呼ばれるノイズがあります。これはコンデンサの容量を大きいものにすることで解決できます。
なお、電解コンデンサには耐圧という制限があります。これを超えると危険なので、余裕を見て購入しましょう。(私はここでは最大12V流れると予測できるので、最低でも25V以上のものを使います。)
なお、電解コンデンサには耐圧という制限があります。これを超えると危険なので、余裕を見て購入しましょう。(私はここでは最大12V流れると予測できるので、最低でも25V以上のものを使います。)
実装には極性(プラスマイナス)も気を付けてください。
変圧回路
18ページの処理後の波形では10Vちょっと出てます。
これを5Vに変えます。ここは専用のICを使います。
78シリーズというICがあります。品番に78**とあるからです。
7805なら5V、7809は9V、7812は12Vと、下二桁の電圧を出力します。
これを5Vに変えます。ここは専用のICを使います。
78シリーズというICがあります。品番に78**とあるからです。
7805なら5V、7809は9V、7812は12Vと、下二桁の電圧を出力します。
ここでは5V欲しいので7805を選択します。
ここで注意したいのは78シリーズは出力したい電圧とは別にICが使う分を用意してやる必要があります。そのために、入力電圧は出力電圧+3Vを必要とします。ここでは8V以上ですが、18ページの波形ではクリアしてるので問題ないでしょう。
ここで注意したいのは78シリーズは出力したい電圧とは別にICが使う分を用意してやる必要があります。そのために、入力電圧は出力電圧+3Vを必要とします。ここでは8V以上ですが、18ページの波形ではクリアしてるので問題ないでしょう。
変圧回路の後ろにもう一回コンデンサを挟むとリップルはかなり取れます。(21ページ)
78シリーズの困ったこと。
7805なら5Vをきれいに得られますし、少ない部品で安くできます。
しかし、恐るべき熱問題があります。熱を大量に出すのです。ICが出した熱でICが壊れることもあります。
これは、23ページのとおり、入出力の電圧差を全て熱にするからです。
この時、放熱器をつけます。どんな放熱器をつければいいでしょうか?次の条件を考えます。
しかし、恐るべき熱問題があります。熱を大量に出すのです。ICが出した熱でICが壊れることもあります。
これは、23ページのとおり、入出力の電圧差を全て熱にするからです。
この時、放熱器をつけます。どんな放熱器をつければいいでしょうか?次の条件を考えます。
出力電流=0.2A
入力電圧=12V
出力電圧=5V
使用IC=TA78M05(東芝)
入力電圧=12V
出力電圧=5V
使用IC=TA78M05(東芝)
TA78M05を使った時は
TA78M05のデータシート(PDF)
の2ページのMAXIMAM RATINGのTHERMAL RESISTANCEは=12.5℃/W、=125℃/Wです。
ここで必要な放熱器の性能を求めます。必要な放熱器の性能は、
を計算すれば出せます。
を計算すれば出せます。
は消費電力です。
消費電力[W]=出力電流[A]×(入力電圧[V]-出力電圧[V])より、
消費電力[W]=出力電流[A]×(入力電圧[V]-出力電圧[V])より、
は、接合―ケース間熱抵抗です。
TA78M05のデータシート(PDF)
の2ページのMAXIMAM RATINGのTHERMAL RESISTANCEに=12.5℃/Wとあります。
は、ケース―ヒートシンク間の熱抵抗値です。十分に小さいと考えて構いません。
もMAXIMAM RATINGのJUNCTION TEMPERATUREに150℃と載っていますが、信頼性を考えて100℃くらいにしておきます。
は予想される外気の温度です。ドームの中は熱がこもりますし、余裕を持って60℃くらいとしておきます。
すると、[℃/W]
となります。
となります。
参考文献(2)(PDF)
の7ページにアルミ平板の面積と熱抵抗のグラフが載っています。厚さ1.5mmならあればよさそうです。この板を7805のパッケージにネジで取り付けます。
なお、電圧を可変にできるLM317というICもあります。気が向いた人は
データシート(PDF)
を見てみてください。
スイッチングレギュレータ
参考文献
- [1]CQ出版社"トランジスタ技術"2008年5月号別冊付録「定番電源回路集60」
- 神戸大学自然科学図書館3階雑誌コーナー「トランジスタ技術」にあり
- [2] 3端子レギュレータの基本動作と正しい使いかた(PDF)