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薔「zZZzzz…」

ジ「…っ!」

何故僕の横で薔薇水晶が寝ているかという疑問からお話は始まるわけで。

ジ「…ちゃっ 着衣に乱れなし」

とりあえず反射的に 自 分 の 身の安全を確認して胸を撫で下ろす。
声に出したのはお約束というものである。

薔「…ジュン」 

ジ「ひっ!?」

薔「ムニャムニャ… お酒 もっと…」

ジ「寝言か。 ん…? 酒?」

“酒”という単語に僕は何かを思い出してきた。


昨晩のこと。

ジ「なぁ」

水「なぁに?」

ジ「聞きたいことはたくさんあるが まず言わせてもらおう。
  何故僕の家で宴会をしているんだ?」

『はぁ?当たり前でしょお?』とでも言うような表情で
キョトンとしている水銀燈は、たった今 友人ら数名と企画した
宴会に数分遅れて入ってきたところを僕に呼び止められたのだ。

真「しょうがないじゃない。 満場一致で決まったのだから」

薔「当たり前… ジュンの家は私の家…」

いつのまにか背後に真紅と薔薇水晶が立っていた。
気になる一文が入っていたがまずそれはスルーしよう。

真「水銀燈、買出しご苦労様なのだわ」

水「今夜は飲むわよぅ?」

水銀燈が両手に下げている、やけに物が詰まった
コンビニのビニール袋には、あろうことかチューハイなどが
これでもか というぐらい入っていた。

ジ「うはっ お前らなぁ」

真「始めましょう… もう一つのアリスゲームを」

ジ「意味がわかりません」


そんなこんなで全員集合。
どうやらこの宴会は一週間前から企画されてきたもののようで、
酒を飲みながら、あるゲームをするらしい。

そう、『王様ゲーム』である。
くじで王様と番号を決め、王様が番号の付いた人に命令を下すアレである。

未成年が飲酒なんてどうかと思うがやはりそそるのが真実。

真「じゃあ みんな、くじを引くのだわ」

手を入れる穴が一つ開いた、くじの入った箱を真紅が取り出した。

…なんでだろう? 
僕と雛苺と金糸雀を除いたメンバーの目が血走ってるのは?あはは…

全員が引き終わると、各々自分の引いた結果に一喜一憂している。
…ねぇ 水銀燈?なんでそんなにニコニコしてるの?

水「私が王様ぁ。じゃあ、3番、私の足を舐めなさぁい?」

(あっ 危ねぇぇえええええ!!!)

僕のくじは4番。3番の人は… 真紅だった。

真「くっ 屈辱なのだわ」

ペロッと一舐めして気分悪そうな真紅はチューハイをグビッといった。

翠「…あれ? このメモ帳はなんですか?」

翠星石が座布団の手前あたりに落ちているメモ帳を拾い上げた。

薔「あっ… それ、私の命令予定表…」

翠「どれどれ…」 ボッ

薔「返して…」

そのメモ帳を見てから貴女の顔が赤くなったのはなんででしょうか?翠星石。

水「次行くわよぉ?王様だった私から引くわぁ」

…チッ  と舌打ちがかすかに聞こえて、ほっとしたの半分、残念半分(?)

各自2回目のくじを引き終わる。

僕は6番。 … 薔薇水晶がニコニコだ!
        →逃げたい逃げたい
          逃げたい逃げたい

蒼「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…」

顔面蒼白な蒼星石嬢、僕の手首をつかまないでください。

薔「じゃあ… 6番」

お父さんお母さんお姉さんごめんなさい。

薔「お酒…一気飲み… して?」

ジ「え!?」

薔「不満…?じゃあ別のこれにす」

ジ「滅相もございません王様あはははははははは」 ゴキュッゴキュッ…

コワカッタコワカッタコワカッタコワカッタアアアアア
僕はそりゃあ笑顔で飲みきりましたよ。
なんで飲み干した缶の口の部分をを薔薇水晶が舐めてるかなんて知らないけど。

薔「じゃあ…次」

例に倣い、薔薇水晶が最初に引いた。
ニヤリ と口元が歪んだように見えたのは見間違いだよね。

今度の僕の番号は1番。よほどバカ正直な人じゃないかぎり
この番号は選ばないよ…な?ってアレ僕は誰に聞いてんのかな?末期だなー。
僕は最悪の結果を脳内から拭い去るため酒をゴッキュゴッキュ飲む。

薔「また私が王様…じゃあ1番の人」

ブバァアアッ

心臓が飛び出るって比喩表現がジャストフィットする

状況を体験したのは今が初めてです。

あと、漫画のように口から飲み物を噴出したのも初めてです。

薔「あ…ジュンエキス…」

薔薇水晶が吹き出た酒をペロペロ舐めてる間にタイムアップ。
ただ一言言おう。 助かった。b

満足げな顔をした薔薇水晶は、次のくじを引いた。
とたん表情が曇り、真紅に箱を差し出す。

真「うはっ やった」

思わず声に出してしまった真紅。貴女なら安心です。

最後に僕が引くと、次は5番。『王様が真紅なら大丈夫』と
たかをくくっていた僕が間違いだった。と数秒後に思った。

真「7番、抱っこしてちょうだい」

雛「雛なのーっ ぎゅーっ!」

ストレートですね、王様。
いや、午後の紅茶じゃなくて。

なんか…全員狼?四面楚歌?

まぁいいや。
真紅が不機嫌そうにくじを引いて、僕が引く番。

… 僕が王様だ。
なんていうか ちょっとでも選択を誤ったら
大変なことになりそうだな。

ここは番号同士でなにかさせよう。

ジ「じゃあ、3番が8番のモノマネをして!」

蒼「僕、3番」

雛「雛が8番なのー」

蒼星石さん、真っ赤な顔でこっちを見ないでください。
王様ゲームですから。ね?ホラ。

蒼「…なのーっ」

水「聞こえないわぁ?ふふ」

蒼「ジュン君大好きぃ!なのーっ☆  …これでいいかい?」

萌えってこういう時に使う言葉だよね?ね?
まぁ、王様ゲームらしくていいんじゃない?アハハ♪

翠「ジュンったら鼻血出してやがるですぅ 変態ですぅ」

薔「…ジュンエキス…」

翠星石さん。それはこの鼻血を舐めてる人に言ってください。

ジ「じゃあ引くぞ?」

2番。まぁ王のあとだし、運も使ったさ。こんなもんだよ。

雛「あっ雛が王様なのー」

無難。きっと微笑ましい命令に ってイカンイカン
このゲームは油断しちゃいけない。

雛「9番、3番にパンチなのーっ!」

真紅「9番なのだわ」

水「3番… って嫌な予感」

真「絆ックル!」

まるでさっきのお返しとでも言ったような、怒りを込めた拳。
真紅が爽やかな顔で雛苺にグッドサインを出してる。
これが絆ですか。ははーん。

雛「じゃあ次引くのー」

また2番か。 あれ?蒼星石の顔がほころんでる。

王か?王なんだな?

蒼「2番が3番のモノマネだよ。」

ジ「うぁっ僕だ」

雛「雛なのーっ」

蒼星石が怪しくニヤリと笑った。

ジ「僕も男だ… じゃあ行くぞ!?
  トゥモエ━━━━☆」

ガラッ

巴「なに?桜田くん」

ジ「なんでもありませんなんでもありませんなんでも っていうか
  なんでキミはそこにいるんだい?」

ガラッ

窓が閉じられた。

横で蒼星石がものすごい笑顔でこっちを見てるんですが。
すっげー恥ずかしいんですが。

蒼「引くね」

それはくじをなんですかそれとも僕に対してですか

蒼「おっと残念」

くじの方でした。

翠「はいっ 翠星石が王様ですっ」

8番を引いた。吉と出るか凶と出るか。

翠「ジュ…じゃなかった 番号でした…
  じゃあ、5番。なんかおつまみ作ってくるです!」

はずれです。王様。

金「5番かしらーっ じゃあ卵焼き作ってくるかしらーっ」

翠星石がふくれてる。あぁ、そんな悲しそうな目をしないで。

翠「あんな甘い卵焼き食いたくねーです…」

そっちかい。

金糸雀がいなくなったので一枚抜き、次。

翠「じゃあ引くですぅ」

結果を見て少ししょぼくれた翠星石が、
黙々とポテチを食べている雪華綺晶に箱を渡した。

雪「あら?王様ですの」

僕はまた8番。それより雪華綺晶が食べてるポテチ、15袋目なんですけど。

雪「では、6番が8番を貪り食うということで」

その言葉を聞いたとき、僕は状況がつかめなかった。
8番… 僕? 貪る?え?それって…

ジ「8番だけど。…あのさぁ、そういうのって有り?」

薔「有り… 食う」

こ や つ が 6 番 か

雪華綺晶がカメラを構えて息を荒げてるなんてどうでもいい。

僕の脳よ、この状況を乗り切るための手段を、出来れば
3秒以内に割り出してくれ… うぉおおおお!!

ジ「わっ わかった」

ALL「!!」

ジ「じゃあ僕、おつまみ作ってくるよ!アハハ」

薔「ジュンの味…」

水「そういうことでここは進みましょう?ね?」

真「そっそうなのだわ」


…最高の(おそらく)言い訳を導き出した僕の脳に表彰を!とでも
考えながら僕が台所に向かう頃、すれ違いざまに金糸雀が
台所から出てきた。 …砂糖がドップリ減ってたけど気にしない。

まぁ、無難に僕も卵焼きを作ろうか。

数分後。 なんか翠星石の悲鳴が聞こえたけど気にしない。
皿の上に卵焼きを乗せて居間に向かうと、
卵焼きを見た翠星石が発狂した。

翠「うぁああああああぁあぁぁあああ!!!」

バタンッと倒れる翠星石。僕の居ない時に何があったかは
あえて聞かないようにしよう。

薔「おいしい… きらきーも食べる…?」

雪「ふふふ じゃあ頂きますわ  …あらおいしい」

金糸雀、なんで恨めしそうな顔で睨むの?

そうこうしている間に箱が回ってきた。

4番。 不吉なり。

金「カナが王様かしらぁー! じゃあ、4番、」

ジ「あ、僕?」

金「ふふーん 4番はジュンなのかしらーっ」

ジ「ズルくない?」

金「賢いを付けて欲しいかしら。じゃあ 町内1週してくるかしらーっ!」

ジ「な、なんだって━━っ!?」


律儀にもちゃんと僕は町内を1週してきました。


ジ「はぁーっ はぁーっ 疲れた…」

僕が帰ってくると、何に使ったのか、
そこかしこにムチや鼻メガネ等が落ちていた。

ジ「みんな寝てるや。 ってあれ? 薔薇水晶。起きてるのか?」

薔「今夜は…寝かさない」

普段なら嫌悪感を抱く言葉も、
チューハイを片手に言ってるなら意味は違うわけで。
なんだか僕は無性に嬉しくなった。

ジ「…飲ま飲まイェイ!」b



…あぁダメだ。これ以上思い出せない。

薔「ふふ… ムニャ 飲ま飲まイェイ……」

傍らから聞こえた寝言に思わず僕は苦笑して、珍しく
薔薇水晶を抱きしめた。


fin 

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