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蒼星石は一階に下りたあとリビングに向かい、真紅を探した。
蒼「あ、居た居た。」
 真紅は気づいたらしく、振り向かずに返事をした。
真「何か用?蒼星石。」
 真紅は、蒼星石が入れた紅茶を一口飲んだ。
蒼「いつもならサスペンス見てる時間じゃないか。」
 蒼星石は、真紅にゆっくりと近づいた。
真「今はそんな気分じゃないの。それに、用があるなら単刀直入に言ってほしいわ。」
 真紅の声にはいつもの厳しさがない。今は落ち込んでいるようだ。
蒼「じゃあ、単刀直入に言うよ。ジュン君の事を、君はどう思っているんだい?」
『パリーン!・・・』
 真紅は、手に持っていたカップを床に落とした。
真「申し訳ない・・・そんな風に思っているわ。」
 真紅はソーサーだけをテーブルに置いた。
蒼「そうじゃない。ジュン君自体の事をどう思っているか聞いているんだ。」
真「ジュン自体の事・・・。」
 真紅は蒼星石を見た。蒼星石は、真紅の反対側に座る。
蒼「そう。君がジュン君に対して、どんな感情を抱いているか聞きに着たんだ。」
真「どんな・・・感情・・・。」
 真紅は不思議そうな目で、蒼星石を見た。
蒼「僕が思うには、君がジュン君に抱いている感情は、恋。」
真「!!!!! そ、そんな分けないのだわ!だ、誰があんな下僕なんかに・・・。」
 真紅は慌てふためいていた。
蒼「君は、ジュン君が居ないと落ち着かないみたいなんだ。」
真「・・・・・・・・」




恋、薔薇姉妹が他人に対して持ったことのない感情―――
 
蒼「僕には君の心の中は分からない。君自身がよく分かっているはずだ。」
 蒼星石はリビングを出ていった。
真「私が、ジュンに・・・恋?これが、恋・・・?」
 真紅は俯いて、一人、思いをめぐらせた。

  隣に居ないと落ち着かない―――

真「私が、ジュンを・・・好き?これが、好きという事?」

―――決して失いたくない。

真「私は・・・何?私にとって、ジュンは何?」

  ずっと傍にいたい―――

真「お父様、お母様、私は・・・私はどうすれば・・・。」
 真紅は、瞼を閉じると眠りに落ちていった。


ジュンの部屋
雪「ジュン様・・・・・・・。」
蒼「フフ、気持ちよさそうに寝てる。もう少しで皆も帰ってくるかな。」
 蒼星石は雪華結晶をベッドから持ち上げて離して、
翠星石の隣に下ろし、毛布を掛けた。
蒼「ふう、部屋の片付けをしますか。」
 蒼星石は散らばっているシップや、タオル、食器などを片付け始めた。
一通り終わるとジュンの寝ているベッドに近づく。
蒼「ジュン君。君は今、薔薇姉妹全員の目標だ。無論僕も、君をものにしようとしている。」
 蒼星石は厳しい顔つきで、ジュンに向かう。
蒼「薔薇姉妹たちは、元々争ってきた仲だ。だから、皆君を狙うだろう。無論僕も。」
翠(んん、良く寝たですぅ・・・。蒼星石?何してるですか?)
 蒼星石は、翠星石が起きた事に気づいていない。
蒼「真紅も君に、恋心を抱いている。僕も・・・。」
翠(そ、蒼星石!?)
蒼「だから僕は、今ここで、今の君には届かないだろうけど、言うよ。」
 蒼星石はめいいっぱい空気を吸った。そして、言い放つ。



翠(蒼星石!だめです!言っちゃ・・・言っちゃだめです!)
蒼「僕は、ジュン君のことが―――」
翠「だめですぅ!!」
 翠星石はこらえ切れずに声を出してしまった。
翠「あ・・・・・。」
蒼「!!!!! 翠星石・・・邪魔をしないでくれるか。」
 蒼星石の表情が厳しくなる。
翠「寝ているジュンに、勝手に告白するなんて、卑怯者のする事です!
 双子の姉として、絶対にさせないです!」
蒼「それは・・・」
 蒼星石は痛いところを突かれた。
翠「本当にジュンのことが好きなら、ジュンが起きているときに、はっきり宣言するです!」
蒼「・・・ごめん。」
 蒼星石はしょぼくれてしまった。

本当に好きなら、目の前で堂々と告白する―――

翠「それでいいのです。正々堂々と勝負するです!」
ジ「うう~ん、うるさいなぁ・・・。」
 ジュンが翠星石の声で起きたようだ。
ジ「さっきからなんだ?好きだとか、正々堂々だとか・・・。」
蒼「あ、おはようジュン君。」
ジ「ああ、おはよう、蒼せ―――」
翠「べべべべべ別に翠星石は、ジュンの事なんかどうとも思っていないです!」
 翠星石が、ジュンの挨拶を遮る。



ジ「何だって・・・・!!」
 ジュンの表情に怒りが混じる。
翠「あんなたみたいなチビのへっぽこに、翠星石が恋なんてするわけねぇです!
 身の程をわきまえ―――」
ジ「うるさい・・・・」
翠「え・・・・?」
ジ「うるさい!大体お前らのせいでこんな目にあってるんだぞ!何が身の程をわきまえろだ!勝手に押しかけてきて、すき放題やって、自分達がわきまえたらどうなんだ!」
 ジュンの怒りにたじろぐ翠星石。
翠「あう・・・、す、翠星石は・・・」
蒼「ジュン君落ち着いて!」
 蒼星石が、止めようとする。
ジ「うるさい!お前らなんか大嫌いだ!皆この家から出てけ!」
翠「!!!!!!」
 そう言うと、ジュンはもう一度ベッドに転がった。
翠「翠星石は・・・ただ・・・ジュンが・・・グスっ」

  翠星石は泣いていた―――

蒼「翠星石・・・。」
 
―――愛する人の、痛烈な言葉で。

『バンッ、タタタタタ・・・』 
翠星石は、部屋から走り去った。

心に深い傷を負って―――
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