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『笑ってはいけないアリスゲーム(5)(最終章)』


あらすじ
 薔薇水晶にゲームで完敗した僕、蒼星石と翠星石、水銀燈、真紅の4人はその1週間後に彼女の身内がやっている温泉旅館に招待される。
 でも、それは薔薇水晶が丹精こめて仕掛けた僕らへの罰ゲームだった。
 ルールは駅に着いてから彼女の待つ旅館の部屋まで何があっても絶対に笑ってはいけないというもの。
 笑ってしまったら、きついハリセンの一撃が待っている。
 笑ってたまるかと思うのだけど……本家『ガキの使い』並に強烈な仕掛けや笑いの刺客が容赦なく僕らに襲い掛かる。
 果たして、これ以上笑わずに、旅館へたどり着けるのか――

 なお、実在の地名、人名、番組名がもろに出てくるが、当然このネタとは現実には何の関連が無いことをご承知を。


 午後7時30分。
 大広間へ向かう途中にあのロビーの前を通る。
 さすがにフロントに普通の仲居さんが一人いるだけで、他に人の姿は無い。
 ただ、時折その奥にある事務所からは……


「もう許してください!」
 中から由奈の甲高い嘆きの声が聞こえる。
 事務所のドアが少し開いているせいか、中の声がまる聞こえだった。
 いまだに女将による説教が続いているようだ。
 てか、普通ドアは閉めてやるだろ?
 そんな疑問を抱きつつも、かわいそうにと思いながら通り過ぎようとすると。


 バチコーン!
 何かがぶち当たる衝撃音。
「あひー!」
「ぶべらっ!」
 度々ロビーまで響く由奈の絶叫と衝撃音。
 中で何が起こっているのかよく分からないけど、折檻されているかもと思ってしまう。
 ちょっとやりすぎじゃないの?
 そして、あげくの果てには……
「うまうま」
 女将の満足そうな声がした。
 は?
 意味不明。本当に何がどうなっているのか、想像がつかない。
 とにかく、気にしないことにして早々に大広間に向かった。


 時間が少々遅かったのか、大広間には他の宿泊客の姿は無い。
 とにかく、僕らの席はどこかと探してみると、奥の方にある演芸用の舞台の正面に、座卓が用意されて、4人分の食器が並べらている。番頭曰く、そこが僕らの席だという。
 どうやら夕食はコース料理らしく、順番に一品づつ出されるようだ。
「やれやれ……」
 僕らは何気なく、卓の前にある座布団に腰掛けることにした。


 ぶぅ~!


 いきなり聞こえてきた……おならの音。
 聞こえたのは……真紅のところから。
 思わず笑ってしまう僕。
「ふふふ。お馬鹿さぁん。はしたなすぎるわよぉ……」
 そして、水銀燈も真紅をたしなめながらも笑ってしまっていた。


 一方、当の本人はというと。
「わ、私じゃないのだわ!違うのだわ!レディーがそんなはしたないことするわけないじゃないの!」
 顔を真っ赤にしながら懸命にあの音と自分との関連を否定していた。


『水銀燈、蒼星石、アウト……』
 ハリセンで殴られている間に、翠星石が真紅の座っていた座布団をどかして、何かをつかみ出す。
「ブーブークッションです。お馬鹿水晶も姑息な仕掛けをしやがるです」
「まったくなのだわ!」
 正体を知り、一層腹を立てる真紅。頭から湯気が出そうな勢いである。
 そんな真紅とは対照的に落ち着き払った様子でなだめる翠星石。
「頭に来てもしかたがねえです。とにかく飯にするです。腹がすいてたまんねえで……」
 座布団に腰をおろそうとした時、そんな彼女の動きが止まる。一瞬表情が硬直して、そして。
「痛えですぅ!」
 突然、絶叫し出す。のけぞって、右足を振り上げるとそのつま先にあったのは……。


 ワニのぬいぐるみ。
 見事なぐらいに翠星石の右足の親指に噛み付いていた。


「真実のワニなのだわ……ぷっ」
 それを目にすると同時に、怒りはなぜか収まったのか、真紅はただそのワニのぬいぐるみをじっと見つめている。そして吹き出してしまっていた。
「ぼけっとしてねえで早く外すの手伝いやがれです!」
 翠星石は痛さのあまり右足を思い切り振り回していた。
 なんというか、その状態じゃワニを外すなんてできないのですけど……。
 僕も呆然と見つめているしかない。


『真紅、アウト……』
 一人がお仕置を受けている間に水銀燈は翠星石の右足を何とか押さえつけた。
「とにかく、それ外してよね」
「う、うん」
 彼女に言われて我に返り、僕はワニの口に手を掛ける。
 結構強い力で噛み付いていたので、こじ開けるのに苦労はしたが、数分後に何とか外すことはできた。
 もっとも僕も噛み付かれかけたものの、水銀燈がとっさに座布団をワニの口にあてがったので事なきを得たが。
「危ない罠を仕掛けるものねぇ」
「本当だね。しかもこの歯……」
 ワニの歯が異様に光っているので僕は目を凝らして眺めた。
「純金じゃないの、これ。変な所に金を掛けすぎよ」
「本当だね」
 水銀燈の言うとおり、ワニの口だけが黄金色の光を放っていた。それを見て呆れてしまう。
「ふざけるのもたいがいにしやがれですぅ!」
 翠星石はすっかり頭に来てしまい、ワニのぬいぐるみを掴むと乱暴に舞台の方に投げ飛ばす。
「もったいないわぁ。質屋に売れば結構な額になったかも」
 ネコババする気だったのかい?水銀燈。
 そう思いつつ、僕はぬいぐるみが投げ捨てられた方向に目をやった。


『今月の目標  ヅラを堂々とかぶれ、ラプラス』
 舞台にあった掛け軸にそんなことが書かれていた。
 今月の目標って旅館のやつ?ラプラスって何さ?
 僕はなぜか先程の仲居さんたちの出迎えを思い出し……不覚にも笑ってしまった。

『蒼星石、アウト……』
 叩かれている僕の横で、水銀燈と真紅はというと……。
「ウソ目標ね。あからさまだわ」
「ひねりが足りないわぁ」
 彼女らは特に笑いもせず、冷めた様子で掛け軸を見ては内容にツッコミを入れていた。
 あともう一人はというと……ぎゃあぎゃあと訳の分からない罵声を周囲に撒き散らしていた。
「うるさい」
 真紅がその張本人の首元にチョップを叩き込み、ようやく沈黙はしたが。


「とにかく喉が渇いたのだわ。翠星石、お茶をいれて頂戴」
「分かったですぅ」
 落ち着きを取り戻した翠星石は脇にあるポットに手を掛けると、4人分の湯飲みに茶を注ぐ。
 ポットにも仕掛けは無いようだ。何事も無く、茶が全員に行き渡る。
 その時に水銀燈は脇に置かれていたスポーツ新聞を手にして、茶を飲みながら中身に目を通す。


「ぷっ!」
 いきなり口にしていた茶を吹き出してしまう水銀燈。
「はしたないのだわ」
「まったくですぅ」
 非難の声をあげる真紅と翠星石。


『水銀燈、アウト……』
「これはヤバいわ。見てみたら分かるわよぉ」
 水銀燈は笑いのあまり顔を歪ませながらも新聞を翠星石に手渡す。直後にハリセンに一撃を食らう。
「一体何が……ぷぷぷ。これは無理もねえですぅ。ぷぷ」
 翠星石まで笑ってしまったのだ。


『翠星石、アウト……』
「一体何なの?」
「強烈ですぅ。見たら後悔するけどいいですか?」
「構わないわ」
 罰を受けながらも翠星石はかかってこいといわんばかりでいる真紅に新聞を手渡す。
「ぷっ!ちょっと!変態クラブは反則だわ!」
 それを目にすると同時に真紅までも笑い出してしまう始末だった。


『真紅、アウト……』
 3人とも笑い出してしまうなんて、何なのか気になる。
「僕にも見せてくれない?」
「いいけど。笑っても知らないわ」
 お仕置をお見舞いされた直後に真紅から新聞を手渡される。
『トネスポ』とかいうスポーツ紙で、中には競馬や野球の結果が書かれていた。
 ぱっと見た感じごく普通の内容だったが、隅まで読んで見ると変な記事が一つある。
 おそらく3人が笑ってしまった原因はこれだろう。

 先程のウソラジオで流されていた『最優秀スーパー集団選抜大会』の試合結果。


(これより、以下お下品系ネタあり!注意!)

『【最優秀スーパー集団選抜大会決勝】今年も吉六会の圧勝!王者防衛は3度目!

 最優秀スーパー集団選抜大会の決勝戦で群馬県みなかみ町の○○キャンプ場で開催された。
 王者吉六会がタイトル奪還を狙う初代王者練馬変態クラブを瞬殺し、3度目のタイトル防衛に成功した。

 吉六会は元締の奈良が不在の状態だったが、期待の新人山本を引き入れて試合に臨んだ。
 一方、練馬変態クラブ側は先日就任したばかりの5代目会長梅岡と副会長ベジータを入れての5対5での試合になった。

 開始直後、元締代行の矢禿が太陽拳(矢禿フラッシュ)を練馬変態クラブに浴びせた。
 しかし、ベジータがM字禿でこれを反射し、矢禿の目をくらませた。しかも、梅岡を始め他のメンバーが肉体フラッシュを浴びせて吉六会を行動不能に陥れたが、それもつかの間だった。


 ガチョビンスーツを纏った板垣がベジータに必殺技である芸能界の存在意義が分からん(たなかよしたけ)を放ち、ベジータはダウン寸前になったが、すかさず梅岡が愛の抱擁でベジータを再起させようとした。
 その隙を狙って山本がわずか1秒でボルテージを急上昇させ、ベジータに奈良づくしをお見舞いした。それが決勝打となり、ベジータは泡を吹いてマットに沈んだ。
 全日本変態王者としての勝利にふさわしい57秒のTKO勝ちだった。


 吉六会元締代行 矢禿康介 試合後談
「さすが板垣が見込んだ期待の超人。入会してわずか20分で奥義奈良づくしを極めた。時期元締でもおかしくない。ただ、女への未練を捨てきれていなく、彼女に奈良づくしをプレゼントしたいと抜かしている。奴の煩悩を断ち切ることが今後の課題だ」


最優秀スーパー集団選抜大会決勝戦(60分1本勝負)
 
 矢禿                    梅岡
 板垣       57秒          ベジータ●
 兵庫  芸能界の存在意義がわからん  ゾウ 
 鬼瓶     →奈良づくし        ゴリラ
○山本                    ライオン
   
      観客 1800人(満員御礼)』


 何なの、この記事は。
 一瞬我が目を疑う。というか、ウソ記事なのは火を見るより明らかだった。
 変態同士の争いなんて、思い出しただけでも寒気がする。
 これで笑ってしまうのが正直分からない。
 だが、確かにこれまでの真紅の変態クラブに対する反応を見たら彼女が笑ってしまうのは分かる。
 でも、水銀燈と翠星石まで笑うわけ?
 変態集団決勝戦だから?
 57秒TKOだから?
 さっき見た芸能界の存在意義がわからん(たなかよしたけ)?
 奥義奈良づくし?


 考えようとしても頭がこんがらがるだけである。分からない単語が多すぎる。
 だが、やけに奥義ってやつが気になったのでさりげなく口にした。
「奈良づくしってどんな技なのかな?」
 途端に再び吹き出しそうになり、必死の形相で口を手で抑える水銀燈と翠星石。
「ち、ちょ!その言葉は出さないで!というか内容を聞いたら絶対に後悔するわよ、貴女」
「そうですぅ。おかげで食事がまずくなってしまうですぅ!」

『水銀燈、翠星石、アウト……』
 罰を受ける二人を見ながらも、その奥義の内容が何なのか気になって仕方がなかった。
 しかし、新聞の文脈を見る限り変態的な内容と思われたので、それ以上は考えないことにした。
 水銀燈の言うとおり、知ったら後悔するんだろうね。


(お下品系ネタここまで)

「まったく馬鹿馬鹿しいのだわ。二人ともくだらない知識を仕入れているからよ」
 ため息をつきながら説教する真紅に反論できない水銀燈と翠星石。


 そうしている間にも食事が運ばれてきた。
 山菜と山魚をメインにした郷土料理だった。
 素材の持ち味を大切にした料理で、結構楽しむ事が出来た。
 真紅に至ってはこうした素晴らしい料理の後にはティータイムがいるのだわと、仲居に紅
茶を注文していた。
 日本料理に紅茶は似合わないのではと思うのだが。
 まあ、野暮なツッコミはなしにしておこう。


 食事も終わり、いよいよ今回の仕掛け人、薔薇水晶のいる部屋に案内される。
 部屋は2階にあり、その前には……

「……やっほー、いらっしゃい……」
 左眼に薔薇の眼帯をしたその張本人が待ち構えていたのだった。


「……今回の仕掛け、楽しめた?結構力入れたから……」
 普段と変わらない口調でありながらも、どことなく得意げに話す薔薇水晶。
「手が込みすぎてるわ。散々笑わされたわよぉ」
「まったく、強烈な面々を取り揃えてくれたものですぅ」
「出発からここに着くまで、変人のオンパレードだったわ。あんな面子よく集められたものね」
 今まで内に込めていた怒り等を一気に薔薇水晶にぶちまける水銀燈に翠星石に真紅。
 それに続いて僕も一言言おうとした。

「……ちなみに女将さんは私の伯母さん……」
 ちょっと!ありえないって!
 突然、薔薇水晶の口から出た衝撃的な告白にこみ上げる笑いが抑えきれない。
 それは翠星石も同じだった。


「……翠星石、蒼星石、アウト……」
 急にニヤリとして、直接薔薇水晶が宣告を下すと、監視役が罰ゲームを執行した。
「本当なのぉ、それ?」
「貴女とアレに血のつながりがあるなんて……まったく想像できないのだわ」
 水銀燈と真紅も目を丸くして薔薇水晶を見つめていた。
「……というのは嘘……」
 何なんだよ、それ。
 全身から力が抜けていくと同時に、なぜか安堵感を感じた。


「……とにかく、ここが私の部屋……ここに足を踏み入れたらゴールだから……」
 薔薇水晶が指差す先には部屋の襖がある。
 ちなみに部屋の名前は『薔薇の間』だったりする。
「ようやくね。やっとこの地獄から開放されるわ」
 疲れが一気に噴き出したらしく、ふらふらとした足取りで襖の取っ手に手を掛ける真紅。
「……ちなみに、最高のひと時をあげようと思って……用意したの……」
「何をなの?」
 薔薇水晶の言葉に真紅は彼女を睨みつける。


「……薔薇園……」


 
 薔薇園?部屋の中に薔薇を大量に植え付けたとでも言うの?
 深く考える暇も無く、瞬時に真紅が襖を開けた先に見えたのは……


(この先、またお下品系ネタあり!注意!)


「ものすごい変態ですっ!」
 
 そこには


 動物の絵がプリントされたブリーフを穿いた


 梅岡と練馬変態クラブの面々が


 ラインダンスを踊っていた……


 ちなみにその横ではベジータが真っ青な顔をしてうずくまっていた。


 金色の虎の刺繍が入ったブリーフを穿いて……


 ……直後、僕ら全員が爆笑して脱力したのは言うまでもない。


「……水銀燈、翠星石、蒼星石、真紅、アウト……」
 お約束のごとく罰ゲームが執行されたが、もはやどうでもよい気がした。


「おおっ、ベジータよ。元気を出してくれ、ほら!」
「しっかり」
「してください」
「副会長!」
 変態クラブの3人がベジータの体を押さえつけ、ベジータの体を抱き上げる。
 ベジータの顔を丁度梅岡の顔の真正面に持ってくる形になって。
「さあ、今から元気を注入するぞ!」
 意気揚揚とベジータの唇に自らの顔を近づける梅岡。


「……これからも……ずっと……本当の……地獄だ……」


 かすかにベジータの口からそんな言葉が漏れたのを聞こえた気がした。
 が、そんなのはどうでもいい。
 僕らは一斉に奴らから顔をそむける。


 同時にブチューという鈍い音……
 それは、そう……便所のラバーカップを押し付けて無理矢理はがそうとする音に似ていた……。


 そしてガボガボガボという音。
 それは、そう……便所のラバーカップを外した時に詰まりが一気に取り除かれて溜まって
いた水が流れていく音に似ていた……
 
 その光景は目にしていなかったのだが、想像してしまう。
 それはおぞましいものと思えるのだが……なぜか笑ってしまう。
 それは水銀燈も真紅も……そして翠星石も同じだった。


「……水銀燈、翠星石、蒼星石、真紅、アウト……」
 そのおぞましい音を取り除くかのように僕らに下されるハリセンの打撃の音が響いた。
「……どうだった……薔薇園……」
 表情一つ崩さず、何事も無かったかのように僕らに問い掛ける薔薇水晶。
「薔薇園じゃなくて、薔薇族よぉ、これ……」
「薔薇族にも失礼すぎるですぅ……」
「おぞましいわ。もういいのだわ……」
「本当に勘弁してよね……」
 完全に脱力して僕らは一斉にその場に崩れ落ちた。


(お下品系ネタここまで)


「では行くぞ、君達!」
「「「御意!」」」
 奴らが窓から飛び降りる音がした。
 恐る恐る僕らは部屋の方に目をやったが、奴らの姿はなかった。
 変わりにあるのは開けっ放しになった窓と……
 今まで奴らのいた場所に残っている液体の染み……


「ベジータ……泡吹いてたから……」
 他人事のように言う薔薇水晶。先程の光景を目にしても全く動じないとは。
 君はある意味大物だよ。


 そんなベジータを哀れに思いながらも僕らは部屋に足を踏み入れた。
 これにて罰ゲームは終了になる。
 時計は8時25分。駅を出てからおよそ5時間半。
 本当に長く辛い道のりだった。


「……これにて……終了。お疲れさん……それで、今から『アリスゲーム』やらない?
 ……パソコンとソフトは用意しているから……」
「「「「……もういいよ(わぁ)(のだわ)(ですぅ)……」」」」
 もはや動く気力を失い、僕らは部屋の中でへたりこんでしまった。

                        ―fin―


(蛇足)その日の真夜中、××旅館ロビーの喫煙コーナーにて。
 煙草を吸いながら雑談を楽しんでいる水銀燈と薔薇水晶。
 ちなみに、真紅と翠星石と蒼星石は部屋で熟睡している。
「しかし、今回は豪華メンバーだったわね。よく1週間で集められたわぁ」
「……みんな……声をかけたら協力してくれた……謝礼つきだけど…」
「貴女の人脈のすごさには本当に感心するわぁ」
「……えっへん……」
「それで、今回の仕掛けに結構金かかったんじゃないのぉ?看板といい、ラジオといい、面子といい……テレビ撮影並じゃないなってもおかしくないと思うけど」
「……総額で7万円……」
「それだけで済んだの?」
「……うん……ラジオはアマチュア無線で流した……車にあったラジオは実は無線……」
「そうだったの。見分けが付かなかったわ」
「……あれは私の自信作……看板は3万円で作ってもらった……掲示スペースはこの旅館のやつだから……あとは町会へのチラシの掲載の手数料で3千円にズラの購入で1万円……」
「てことは後は人件費?」
「……そういうこと……一人日当3千円……もちろん交通費込みで……」
「よくやるわぁ。練馬変態クラブ@ガキデカに、板垣総理@幕張に、萬々様@まんゆうきに、本編出演回数の非常に少ない一部のチョイ役@ローゼンメイデン……それで、あんなに動いてくれた訳?」
「……もちろん……」
「大した方々よぉ」

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