もしも蒼星石がツンデレ好きだったら

第二回「カラオケと僕」

雛「あるー晴れーた日ーの事ー♪」
金(雛苺は、カラオケではアニソンばっかりかしら。カナとだからいいけれど、普通の人だったら
引くのかしら。)

雪「天城~~越~~~え~~~♪」
金(雪華綺晶は演歌ばっかりかしら。これも他のクラスメイトなら引くかしら。)

金(カナは、ポップスはもちろん、アニソン、演歌、クラシック、メタル、洋楽、果ては軍歌まで
ありとあらゆるジャンルが許容範囲なのかしら。どんな歌も私の前では安心して歌えるのかしら)

蒼「金糸雀、これから僕と一緒にカラオケに行かないかい?」
金「うん、いいよ。でも、珍しいのかしら。蒼星石がカナを誘うなんて…。」
蒼「僕、カラオケ大好きなんだけど、一緒に行く相手がいなくてさ…。」
金「水銀燈や薔薇水晶とは行ったりしないのかしら?」
蒼「1度だけ行った事があるんだけど、2人ともカラオケは好きじゃなかったみたいなんだ。」
金「ふーん。」
蒼「それに、僕が歌う時になると、何故か2人共、トイレに行くんだ。なんでだろう?」
金(それはきっと、蒼星石の歌う歌に原因があるのかしら…。) 

蒼「いずれにせよ、金糸雀を誘うつもりでいたんだけどね。楽しみだなぁ。」
金「カナも、蒼星石の歌を聴くのが楽しみかしら、いろんな意味で。」


―カラオケボックスにて―
蒼「金糸雀は何を歌うの?」
金「まずは蒼星石が選曲するかしら。いつもカナは、人が入れた曲と同じジャンルを歌う事にしてるの。」
蒼「そう?結構、音楽の幅が広いんだね。じゃあ、まずはコレにしようかな。」ピッ
金「なになに?聖少……。」
蒼「《ツン少女デレ域》だよ。」
金「……アニソン……だよね?」
蒼「ううん。ツンデレソング。」
金「…………。」

《ツン少女デレ域》
まだ言わないで 呪文めいたデレ言葉 「愛」なんてツンのように重い
萌えさせて ハ〇ヒより優しいツンデレで デレる覚悟があるならば

金(か、替え歌……しかもセンスゼロ……。そして本人はこれが正式だと自負してる……。)

《ツンをデレ戻せ!》
僕へのツンを守る為 お前は旅立ち デレを見失った
ツンデレ忘れた君など 見たくはないさ ツンをデレ戻せ!

金(うぅ…、挙句の果てに、なんて音痴なのかしら……。声が大きい分、耳が…耳がぁ…!)

蒼「さっきから僕ばっかり歌ってるけど、金糸雀は歌わないのかい?」
金「う、うんなかなかきまらなくて……(何を歌えばいいのか困るのかしら……)」
蒼「そう?じゃあ、君が決まるまで僕は、気の向くまま歌ってる事にするよ……。」
金「そ、そう言えば、最近、翠星石が学校に来てないみたいだけど、風邪?(こうなったら会話で
時間を稼ぐかしら。)」

蒼「あ、次の曲が始まった。」
金(あ、死んだ……。)

《ツンデレ時代》
ツンが過ぎ デレあざみ 萌えの憧れにさまよう
ツンデレにツンされた 私の心はデレ模様

金(あと30分もある……トイレに逃げたいとこだけど、蒼星石の機嫌を損ねたくないし……。
もう……嫌……みっちゃん、助けて……。)

―カラオケ終了後―
金(終わったかしら……。カナは…まだ生きてる…?)
蒼「…………。」

金「き、今日はとても楽しかったかしら…珍しい歌も聴けたし…えぇと、さ、誘ってくれてありが
とうかしら!」
蒼「君はツンすら知らないのか……?」
金「え?」
蒼「君はツンすら知らず、その短い青春を駆け抜けようと言うのか!?なんたる俗物……。」
金「えっ?えっ?えっ?」

蒼「あれだけ酷い僕の歌に対して『ちょっと、下手過ぎるかしら。』とか『ツンデレソングって何
?ありえなーいかしら。』とか、普通はツンするべきだろう!?」
金(カナは…なんで怒られてるのかしら……?)
蒼「その後にどうデレるかは本人のセンスによるが、まさか君は基本以前の常識すらなっていなか
ったとは……。ほんの少しでも君に期待していた僕がバカだったよ。」

金「な、なにがなんだかよくわからないけれど……私があなたの機嫌を損ねたと言うのなら謝るか
しら……ほんとにゴメ(ry
蒼「ツンすら理解できぬ輩と交わす言葉はない……君とはもう終わりだ。」
金「…………。」

続く

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最終更新:2009年10月12日 20:02