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「1ページめ」
とうとう待ちに待った終業式の日がやってきました。
今日は、小中学校とも午前中におしまい。ほとんどが5という数字で埋まった通知表の入った通学カバンを
楽しげに前後に振りながら、真紅は友達と別れて家路を急いでいました。
もっとも、通知表はオール5というわけではなく、体育と家庭科だけは2…という残念な結果でしたが。
そうそう、今日は通知表と一緒に、少し前に受けた高校受験の模試の結果も渡されました。真紅にはいつも
気になる事がありました。彼女は、全国順位で大抵十位以内の好成績を収めていますが、自分の順位よりも
上にある名前の中に、特徴的な名前がいくつか、毎度毎度入っているのに気がついたのです。
水銀燈…翠星石…蒼星石…雪華綺晶…薔薇水晶。この五人にはさしもの真紅も、いつも後れをとってしまうのでした。
とは言っても、学校では真紅は無論トップの座に君臨し続けているのですが…。真紅は、悔しいと言うよりも、
この五人に興味をひかれていました。自分よりも良い成績…そして、彼女らの所属中学校欄がいつも*****と
なっていることに。でもその理由は会いもしない限り分かる事ではないので、真紅は模試の結果について考えるのをやめ、
今日のこれからの行動予定を頭の中に描きながら、陽炎が立つ家路を急ぎました。
ほどなく、真紅は「結菱」と書かれた大きな門と大きな庭を通り抜け、大きな家の玄関ホールに入りました。
既に小学校から帰ってきていた雛苺が、どたどたと目の前を走っていました。「うゆ~、お人形が見つからないの~」と
慌てている様子ですが、その表情からはため込んでいたエネルギーがあふれ出ているのが分かります。
別荘行きがよほど楽しみなのであろう事は言うまでもありません。
真「ただいま、雛苺。ベッドの下は見てみた?」
雛「!!想定の範囲外なの~」
真「あと20分位したら家を出るわよ」
雛「うぃ~」
真紅は自室に向かい、制服を着替え、ベッドのそばに置いていたトランクを持って広い居間に向かい、
お父様に書置きをして、それから和室の仏壇の前に通知表と模試の結果がプリントされた紙を置き、
二つの遺影に手を合わせました。真紅と雛苺のお母様は、彼女達が小さいころにそれぞれ亡くなっています。
玄関ホールへ戻ると、雛苺がリュックを背負い、満面の笑みで真紅を待っていました。
雛「真紅、早く早くなの~」
真「はいはい。では行くのだわ」
二人は、仲良く並んで家を後にしたのでした。
つづく

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