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散った 散った

雪のように 羽根のように
美しい白き乙女は 楽園で滅びを歌う
麗しい紅き少女は 冥府で運命を呪う

嗚呼 なんという喜劇
咲き誇る朱の薔薇に 白き‘あぎと’が突き刺さる
その艶やかな花びらを 無慈悲に毟り取る
その奥に秘められた 生命の宝玉を露わにする

貴女が いけないのです
私を苦しめるから
だから 生かしておけないのです
彼を奪い取ったから

これは 私のもの
乙女は告げる 生命の宝玉を鷲掴みにして
未だ人の形を成さぬ 紅い雌蕊
乙女は食した 生命の宝玉を身に宿す為に



薔「という御話だったとさ」
雪「何故こんな役回りばかりなのでしょうか私は」
薔「モモタネさんのせい…諦めるしかない」
雪「ですね。こうなれば開き直って…いただきます」
薔「…えっ?」





なぁ雪華綺晶、と桜田ジュンから話し掛けられたのはある日の、そうその日はまるで真夏のような暑さを誇った日である。

何、と目の前の『何か』を凝視しながら私はコトバを返す。

桜田ジュンはやや、何かに怯えてるような声色で私に小さく耳打ちする。

「さっきから何を凝視してるんだよ、水銀燈の背中に何か付いてるのか?」

間違ってはいない、と私はちょいちょいと水銀燈のある部分、私が凝視していた部分を彼女に気が付かれないように指差した。

「ここのライン、そそると思わない? 」

その『何か』に気が付いた桜田ジュンは私に明らかに軽蔑の視線を浴びせてからわざとらしく目を逸らした。
高校男子ならもっと普通の反応をしてもいい。例えば顔を真っ赤にしながら目を逸らすくらいはしてほしい。我慢できず食い付いてもいいくらい。

私はもう彼女に食い付きたいくらいだが。

そう、授業中私が凝視していたのは衣替えが終わってから現れるヘヴン。

透けブラだったのだ。 

「しかしそれは健全な女子高生としては間違っていると思うのですよ」

放課後、私と桜田ジュン、そして私の双子の薔薇水晶は黒板に『これからの姉について』をでかでかと書かれた誰も居ない教室で意味のない暇潰しを行っていた。

「ジュンならともかく、なんでウチの姉が同級生の透けブラを鼻息荒く凝視しないといけないんですか! 」

まぁ、確かにごもっともな意見で。

「しかもその相手は水銀燈さんだけには留まらず、様々なジャンル、例えを出すなら美乳な蒼星石さんや翠星石さん、あどけない乳の雛苺さんや、最近成長を成している真紅さんや」

「いや、真紅のはパットがまた一枚増えただけだ。朝、苦心している所を見ている」

と、横にいる桜田ジュンが口を挟む。さすがはジュン、見てるとこは見てる男だ。

「……ごほん、ですから私としてはそんな不埒な事をれるのは妹として些か心外な訳ですよ」

「いや、私の話も聞いてくれ、ばらしーちゃん」

と、まだ小声でぶつぶつと呟く薔薇水晶に私は挙手しながら意義を申し立てる。

「私だって好きでやっているわけではないのです」

嘘を付け、と顔に書いてある桜田ジュンを華麗にスルーし、私は話を続けた。

「私だって冬服、ブレザーであったらこんな狂気染みた、いや、変態染みたことはしませんよ。そもそもな話、これは彼女達にも責任があるのですっ! ほら、今日の水銀燈の下着をよく思い出してごらんなさい、ジュン」

……確かに、と桜田ジュンは小さく頷く。

「ど、どういう事ですかジュン」

別のクラスである薔薇水晶には確かに水銀燈の下着の色までは分からないだろう。

「それがさ、薔薇水晶。今日の水銀燈の下着の色……黒だったんだ」

はぁ、と薔薇水晶はやや納得のいかない表情をする。

ほら例えばさ、と桜田ジュンは立ち上がり、私達に背中を見せる。

「今日、僕はワイシャツの下に何色のTシャツを着てると思う?」

一瞬、桜田ジュンが黒いブラジャーをしているのかと思いやや焦ったがそうではないらしい。

「黒……ですよね」

薔薇水晶が答える。確かに今日、桜田ジュンは中に黒のTシャツを着ていた。

「そう、今日は偶然にも黒のTシャツ。何で薔薇水晶はその色がわかった? もちろん始めから知ってたなんて解答はダメ」

「それはワイシャツがやや黒っぽく……あっ、そういう」

そう、と私は頷いた。

「水銀燈の下着は白いワイシャツから透けやすい黒、そして今日は真夏のように暑かったのにも関わらずクーラーなんていうものはこのクラスには無い。となれば当然背中は汗ばみ、薄いワイシャツは張り付く、すると……」

「水銀燈の黒いブラジャーは否が応にも透けるという訳だ」

「白いワイシャツに黒いブラジャーのライン。ついつい目が行くのは人間の性」 

確かに……と、薔薇水晶は何かを模索し始めた。

少し話を付け加えておけば翠星石は緑、蒼星石は青、雛苺は……結局はキャミソール。
噂の真紅は赤、かと思いきや純白であった。

空気を読まない、と言ってしまえばそれまでである。

「私も無意識に前の、巴さんの透けた下着を見つめていたような気が」

「ほら、姉妹は嫌でも性癖すら似か寄る」

性癖とはまた違んじゃないか、と桜田ジュンが呟く。

「単に興味本位じゃないのか? 僕には分からないけど女性にとって下着もお洒落の一種なんだろ」

「そういわれれば少しは気を遣ってはいますけど」

「毎日が勝負下着な訳ではないでしょ、ジュンだって」

「いや、僕はいつだって勝負下着だ」

見せてやろうか、とズボンのベルトを外し始めた桜田ジュンに

「興味無い」

と冷たい言葉で諫めつつ、私は薔薇水晶を見る。 

「最近、ばらしーちゃんは下着が派手な気がする」

「お姉ちゃんだってなんだかセクシーな下着じゃない」

「お前達、僕だってセクシーなパンツなんだぞ」

と、性懲りもなくズボンを下げる変態に、冷たい目線を浴びせ続けていたが、彼にはもう慣れたものらしく、気が付けばブーメランビキニを纏った彼が私達の目の前に立っていた。

「まぁ、僕のパンツはともかくだ、最近、薔薇水晶や雪華綺晶の下着については僕も同感だ」

「なんでしょう、このどうしようもない気持ちは」

「恥ずかしいような、怒りが込み上げてくるような」

そんなどうしようもない気持ちを押さえ込み、私は変態、もとい桜田ジュンを見る。

「少し話題は逸れるんだが、夏頃になるとワイシャツのボタンを第二、下手すりゃ第三ボタンまで開けている子がいるだろ?
あれはお前達としてはどうなんだよ。というかお前達もそこまで開けてるけど、あれはわざと見せてるのか? 」

また、唐突な、と思いながら私は試しに第三ボタンまで外してみる。

「ほらな、横の隙間から見えるんだよ」

「これは……また透けブラとはまた違うジャンルだから」

まぁ、いいけどな、と桜田ジュンは少しやる気なくため息を吐きながら窓の外を見つめた。 

時計は頃合いの良い時刻を指しており、私達は誰からとなく立ち上がる。

「ばらしーちゃん」

と、教室を離れようとするとき、私は妹に声をかけた。

「……妬いてる? 」

まさか、と妹は呟き教室を出ていく。

思った通りの返答だ、と私は苦笑しながらその後を追った。

ふと、前を見ると、薔薇水晶の背中に、見慣れたラインがあって……。

水銀燈とは違う興奮を覚えたのは心の奥底にそっとしまっておくとした。








そして教室には、桜田ジュンのズボンだけが残され、おいおい問題になるのはまた別の話である。


「だ、だから……あれは不可抗力だったんだよ!」
「ジュン様、嘘をつくのは見苦しいですわ。それてもわたくしが見てないとでもお思いですか?」
あらぬ疑いをかけられて慌てふためく僕を全く介することなく、いつもより凍えた視線をぶつけてくるのは、二つ年下の彼女、雪華綺晶である。
「黒薔薇のお姉様と楽しくお話したあとに抱き合っていたのは、わたくしの、ただの見間違いと仰るのね」
鋭く尖った言葉たちに僕の心はぐさぐさと穴が空いていく。
「やけに刺々しいね……」
「刺々しくなんかありません。事実を言ったまでですわ」
薄い金色の瞳が僕をがっちりと捕らえる。正直、取って喰われそうな気がして足が震える。
「わたくし言ったでしょう、他の薔薇に目移りするのは嫌と」
「……はい」
「それなのに貴方という人は」
くどくどと年下の彼女からのお説教が続く。一応年上の僕の威厳なんぞ、とうに塵になって消えてしまった。それにしても現役女子高生に負けてよいものだろうか。まぁ、付き合うことに勝ちも負けもないけれど。
「ほら、また遠い目をして」
口をへの字に曲げてそっぽを向いてしまった彼女。
「ごめん。でもさ、こんな僕と一緒に居てくれるのはきらきーだけだから」
思わず手を伸ばして、彼女の頭をそっと撫でる。ふわりとした髪の毛の感触が心地よく感じる。
「……もう。口だけは上手いんですから」
気持ち良さそうな声音とは裏腹に、照れ隠しをする彼女を見て愛しさが溢れるのがわかる。
「僕は君だけのもの。だから、ね。機嫌直してよ」
「ずっとずっとずっとずーっと、わたくしだけのことを見てくださいますか?」
彼女の潤んだ瞳に、勝てる訳もなく。
「最初から君しか僕は見てない」
約束の指切りげんまん。白く細い硝子細工のような彼女の手を優しく包む。
この小さな手を離して、僕はどこにも行けそうにはない。
「……誓いのキスを」
「もちろん喜んで」
誓いと称して重ねた唇は季節外れの桜の味。

きらきーかわいいよきらきー(*/ω\*)


シャクシャクシャク
薔「あ、きらきーちゃん…何食べてるの…?」
雪「あらばらしーちゃん、貴女もどう?美味しいですわよ」
薔「うん…でもこの西瓜小ぶりで黄色…種も大きい…珍しい品種…」
雪「これは西瓜じゃなくて南瓜ですわよばらしーちゃん、中々イケますわよ?うふふ」
薔「…」
【甘く響く】【西瓜の音】


ジ「真っ暗だな…あれ?そこにいるのは薔薇水晶か?」
 「…」
ジ「なあ、薔薇水晶。今夜、君に言いたい事がある」
 「…?」
ジ「君の事が好きだ、薔薇水晶」
 「!!…」
ジ「答えてくれ薔薇水晶、君は僕の事をどう思っている?」
 「…」
ジ「頼む薔薇水晶言ってくれ、雲に隠れている月が再び僕達を照らす前に」
 「…」
ジ「ごめん薔薇水晶、僕はもう自分を抑えられない」
 ガバッ チュッ
「む…ん…プハァ」
ジ「強引な真似をして悪かった…薔薇水晶…ぅ…ぁ…薔薇水晶…?」
雪「あら、月が出てきましたわね。」
ジ「…」
雪「ごめんなさいませ。私、雪華綺晶ですわ」
ジ「あああ」
雪「ふふふ…嬉しい。いずれにしろ、貴男はもう私のものですわ。あんな無口なだけで一部からの絶大な
 人気を貪っている妹とは違いますのよ。さぁいらっしゃい…?ジュン様」
ジ「さっきまでその無口を装ってたくせにアッーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
【月光の】【下で】


薔「お姉ちゃんケーキ食べよう…」
雪「あら嬉しいですわ、ちょうどお腹が空いたところでしたの」
薔「…お姉ちゃんが空腹じゃないのって寝てる時だけでしょ…」
雪「ちょっ…何もそんな呆れた顔しなくたって…」グス
薔「(やべっ)冗談だよお姉ちゃん…あっ私のケーキもすこしあげるから機嫌直してよぉ…」
雪「まぁ!私は何て幸せ者なのでしょうか」パアア
薔「その代わり…イチゴは私がもらうからね…」パク
雪「………ばらしーちゃん?貴女今何をなさったの?」ゴオオオオオオオ
薔「ひっ…ちょちょっとお姉ちゃんそんな怖い顔しないでアッー」
【そんな】【顔しないで】

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