431

巴「縞々の下着って人気あるんだね……」
雛「突然何を言い出すの?」
巴「だって……私が持ってるのって、無地が多いから……」
雛「それはそれで人気あるのよー」
巴「でも……桜田くんが縞々派だったらどうしよう……」
雛「そんなこと心配されるのも嫌なのよ……」
ジ「ああ、だいじょうぶ、僕はどっちもOKだから」
巴「そうなの?よかった……」
ジ「心配性だな」
巴「ごめんね……」
ジ「や……別に謝ることじゃないっていうか……」
巴「そ、そっか……謝らなくてよかったよね、ごめんなさい」
ジ「おい!」
巴「あ。……ふふ、だめだね私」
ジ「あはは…柏葉らしいといえば、らしいよ」
巴「そう?でも、桜田くんもそんなところあるよ」
ジ「ええ!?そ、そうかなぁ……」
巴「うん……クスクス」
ジ「あはは……」

ジ「雛苺、どうしてつっこんでくれないんだ?」
巴「私も気になってた」
雛「なにがしたいの?」

 



432

巴「桜田くんが縞々下着派かもしれないという事態に備えて、早速買ってきたの」
雛「その行動力をもっと別の方向に活かしてほしいのよ」
巴「それで、はいてみたのはいいんだけど……どうしよう……
  見られなきゃ意味がないけど、見られたらすごく恥ずかしい……」
ジ「柏葉、安心してくれ!」
巴「きゃっ…ささ、桜田くん!?も、もしかして聞かれて……」
ジ「柏葉のパンツなら毎日なにかしら見てるから大丈夫だって!」
巴「え?そうだったの?なんだ、それなら安心ね」
ジ「そうそう」
巴「ふふふ……」


ジ「柏葉の目が笑ってなかった」
雛「っていうかどうやって見てるの」

 



433

巴「桜田くんのえっち……変態……」
雛「パンツ見られてたからって、いまさらなのよ。
  それに、トモエの服はスカートが短いから、一日一緒にいればなにかと見えちゃうのよ」
巴「……そうかなぁ」
雛「……ジュンが若干意識的に見えるように動いてるところもあるけど」
巴「……ブー……ハッ、そうだ……それなら、いっそのこと……」
雛「まーたよくないこと考えてるのね」


ジ「……なぁ、柏葉、怒ってない?」
雛「怒ってないの。ジュンはいつも通りしていたらいいのよ」
ジ「ならいいんだけど……」
巴「……桜田くん?」
ジ「あっ…柏葉」
巴「……どうしたの?慌てて」
ジ「いや、なんでも……」
巴「そう?じゃ、先部屋言ってるね」タッタッ
ジ「……よかった。怒ってないみたいだな。
  ほら、今みたいに柏葉が二階に行くとき、こうして上を見上げると、その気が無くても見えちゃうんだよ」
雛「全然懲りてないのね。そもそも上を見上げるのが間違えてるの」
ジ「や、でも、僕も上に行くし、階段見ながら歩かないとな……どれどれ……って!!?」
雛「どれどれじゃないのよ……」
ジ「ば……ばかな……」バタン
雛「え…じゅ……ジュンーーー!!?」


雛「……というわけで、トモエのパンツ見たら急に倒れちゃって……」
ジ「おかしいよ……柏葉があんなアダルティーな下着を……ウーンウーン」
巴「なんだかこれはこれでショック」
雛「いったいどんなのはいてたの」

 



434

ジ「柏葉!」
巴「きゃっ!?あ……桜田くん、寝込んでたんじゃ……」
ジ「たしかに……僕は柏葉の想定外の下着にショックを受けた」
巴「え……あの、そういうことはっきり言わないでほしいんだけど……」
ジ「中学生の僕にはショックだった。でも……柏葉のこと、嫌いになりたく、なかったし……」
巴「えぇー、私嫌いになられかけてたの?」
ジ「それで……僕は修行した。あれから一日500分のイメージトレーニングを欠かしたことはない」
巴「他にすることあると思うんだけど」
ジ「柏葉は……内に秘めたエロスと……綺麗なヒップラインを持っていた」
巴「褒められてるのかなそれ……」
ジ「やっとわかった…柏葉に、アダルティーな下着もいいと思うんだ!」
巴「喜ばなきゃだめ?」
ジ「その証にベリークールな大人のショーツ、Tomoe Adultを作ってきた!これをお前に!」
巴「Wow」

 



435

ジ「柏葉…その、新しいショーツのことだけど」
巴「しつこい」
ジ「あれ?怒ってる?」
巴「そんな話ばっかり」
ジ「だ、だって……」
巴「私だって、あんまりそんなことばかり言われたら、怒るよ?」
ジ「ご、ごめん…」
雛「おぉ~、ここで偶然窓を開けたらとてつもない強風が部屋の中に吹き込んできたのー!」
巴「きゃあーっ!?」
雛「強風はトモエのスカートをおもいっきりめくりあげたのよー」
ジ「はっ、柏葉、お前…そのパンツは、Tomoe Adult!」
巴「Yeah」

 



436

巴「やつがくる…!」
ジ「あー、解禁日だからなぁ」
巴「誰が?って聞かないのね」
ジ「やー、明らかだし。っていうか、もう出るのか」
巴「ええ。だって、私がスルーしたらなんだか白々しくて気まずいでしょう」
ジ「そんなことはないと思うけど……」
巴「ううん、わかってるの。みんな、私がどう出るのかニヤニヤしながら見てる……」
ジ「被害妄想だろ?」

薔薇乙女s「ニヤニヤ」

ジ「お前らな」
巴「とにかく!彼女には、どちらが真のヒロインなのかをわからせてあげないと…」
ジ「どっちも違うんじゃあ……」
巴「さぁ、もうすぐ来るわ。私は逃げも隠れもしない……私は絶対負けないから、桜田くん、安心して……」
ジ「安心も何も……」

ピンポーン

巴「きた……!」
ジ「……へ!?おいあれは」
ガチャッ
瞳「どうもー、坂本瞳です。呼ばれてきたんですけどー、お、ジュンくん久しぶりぃ。
  で、あなたが柏葉巴さん?話は聞いてるよー、ジュンくんのガールフレンドだって、よろしくねっ」」
巴「はい、わざわざすみません。よろしくお願いしますペコッ」
ジ「おい」

 



437

巴「今日はわざわざこんなところまでご苦労様です」
瞳「あはは、いいよいいよ。それにしても、まさかいきなり呼ばれるとはねー」
巴「いえいえ」ペコリ
ジ「いや、実際どうなんだ。座長って」
瞳「いやー、それにしてもジュンくんにこんな可愛いガールフレンドがいたとはねー、隅におけないなー」
ジ「あっ……な、そ、そんなんじゃ……」
瞳「照れるな照れるな!」
ジ「照れてるわけじゃ…」
瞳「おっと、これから練習があるから、それじゃね」
巴「あ、もうですか?」
瞳「うん、また今度ゆっくりってことで……あ、ジュンくん、この子のこと、斉藤っちには黙っといてあげるからボソッ」
ジ「はぁ!?なんだよそれ!」
巴「あの……?」
瞳「あはっ、それじゃーねー」バタバタ
ジ「だぁーっ!ったくぅ、疲れる人だなぁ……」
巴「……うん……そうだね……」
ジ「へ?」
巴「私、ああいうタイプの人ってちょっと苦手で……」
ジ「お前が呼んだんだろ」

 



438

ジ「……」
巴「……」
ジ「……」
巴「……メリークリスマス」
ジ「……!め、メリークリヅマf…スマス!」
巴「クスッ」
ジ「わ、笑うなよ……」
巴「だって……ふふ、照れなくていいのに」
ジ「べ、別に照れてるわけじゃ……!」
巴「クスクス」
ジ「うぅ~……何も、サンタコスなんてしなくても……」
巴「雛苺に借りたの。このほうが盛り上がるでしょう。雛苺も喜ぶし」
ジ「……それはいいけどさ、なんでズボン履いてないんだよ……超ミニスカ状態……
  ってクソ、こんな反応したら柏葉の思う壺なんだよなぁ……!」
巴「え?このコスチューム、ズボンなんてないよ?」
ジ「いや、あるだろ」
巴「なかったわ」
ジ「あるって。ってゆーか、それずっと前に僕が作ったやつだし」
巴「え……で、でも、雛苺はこれだけしか……」
ジ「……なるほど。……嵌められたな」
巴「あ……じゃあ……私……」
ジ「うん、まぁ……」
巴「……」
ジ「……」
巴「……ダダダダダッ」
ジ「どこへ行く!?」

巴「@くぉ@pくぉfこpあおkfqmvqkjkpq;んvjk!!?」ブンブン
雛「気付いちゃったのね、怒っちゃいやなのよ。……でも、気付いてないときは平気だったのに……」

 



439

巴「桜田くんは、何歳までサンタクロースを信じてた?」
ジ「急になんだよ……どうだっていいだろ、そんなこと」
巴「少なくとも小学二年生のときは、信じてたよね。クラスで論争してたの覚えてる?桜田くんは『絶対いる!』って言い張って…」
ジ「う、うるさいな!あの時は子供だったから…それに、柏葉だって信じてただろ」
巴「んー……実はね、私、幼稚園のときにサンタさんを見ようと思って、頑張って起きてたことがあったんだ」
ジ「ああ、それは僕もやった。いつも、結局寝ちゃうんだけど」
巴「でね……私、起きていられちゃったんだ。びっくりしたわよ、『サンタさんって、お父さんに似てる……』って最初は思っちゃった」
ジ「なるほど……それで、気付いたと」
巴「そ。でもね、それで悲しいとか思ったりはしなかったの。だって、あの父がしのび足で私の枕元にきて、
  起こさないようにそっとプレゼントを置くのよ?で、慎重に抜き足差し足で戻っていくの。あの父が。それがおかしくって……」
ジ「柏葉のお父さん、厳しそうな人だもんな」
巴「実際、そうだしね」
ジ「それがどうして、こんな風に育っちゃったのやら」
巴「クス、なんでかな?桜田くんのせいかも」
ジ「ぼ、僕のせいかよ!?」
巴「…ふふ、冗談よ。……でも、桜田くんがいるおかげで、私は自分のままでいられるんだなって思うの」
ジ「意味わかんないし。……ん?あれ、柏葉、二年のときに確か僕と一緒にサンタはいるって言ってたような……」
巴「だって、桜田くんがあんまり一生懸命だったから、だんだん『本当はいるのかな?』って気がしてきて…
  私と同じく『パパがプレゼント置くのみた!』って言った子に向かって、桜田くんは、
  『お前は悪い子でプレゼントもらえないから、お父さんが気を利かせてくれたんだろ!』って反論したり……」
ジ「そ、そんなこと言ったっけか……」
巴「そうするとね、私もそうなのかなぁ……なんて思ったりしたのよ」
ジ「柏葉が悪い子なら、一体誰がいい子なんだよ」
巴「そうだね、私はいい子だった。でもやっぱり、サンタさんは私にプレゼントをくれなかったと思う。
  きっとサンタクロースは、あの頃の私よりも、今の私のほうにくれるんじゃないかな……もう、もらってるかも。桜田くんも…」
ジ「か……柏葉……」巴「……」
ジ「お前の言うプレゼントって、この”おさななじみとふたりきり~子供の誕生日は文化の日編~”か?」

巴「いい雰囲気になると知ってたらもっとちゃんとしたのプレゼントしたのに」
雛「しかもその本全7巻なのね」

 



440

巴「バタバタ……大掃除大掃除」
ジ「忙しそうだな、柏葉」
巴「忙しいよ」
ジ「……それはいいけれど、ここ、どこかわかってる?」
巴「桜田くんの部屋」
ジ「……わかってるじゃん」
巴「うん。じゃあ、今忙しいから、後でね」
ジ「後でね……っじゃない!なんで柏葉が僕の部屋を大掃除してんの!?」
巴「……そんないまさら……」
ジ「そうやって一つ一つ既成事実にしていくのやめろって!僕の部屋は僕が掃除する!」
巴「……」
ジ「なんか不満げ!?僕変なこと言ってるか!?」
巴「わかった……桜田くんは私の部屋を掃除したいから、そういうこと言うんだ…」
ジ「なぜそーなる!?」
巴「……いいよ。でも、あんまりあちこち見ないでね……その、恥ずかしいから」
ジ「だから誰が柏葉の部屋を掃除させてくれって言ったよ!」
巴「しないの?」
ジ「するけど」

 



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最終更新:2009年01月01日 22:01