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「ゼハー!ゼハー!し…死ぬぅ…」
「もー!無理するなって言ったのはみっちゃんかしら~!」
「だっで…あんなにガナが頑張ってるの見たら…ね…ぐはっ」
「キャー!みっちゃーん!!」

これで全チームがここを通過した…でもあのピストルの音が響いたという事は、庭師ノは間に合わなかったようね。これで残りは四校…
「お疲れ様、のり」
「ハア、ハア…ごめんなさい真紅ちゃん…順位落としちゃって…」
「いいえ、貴方が一番見てて安心できるいい走りだったのだわ。これでジュンも落ち着いて走れるでしょう」
襷を貰う時の表情も悪くなかったし…まったく、何時もあんな顔が出来れば苦労は無いのだけれど。
「それで…どう?ジュン君」
「ええ、出だしはまずまずと言ったところね。まぁ、後で後悔しない程度に期待しておきましょう」
「ふふっ。楽しんでね、ジュン君…」


『さあついにこのローゼン駅伝も魔の二区を通過し、残るは最終第三区のみとなりました!いやぁ~今年も二区は波乱含みでしたねー』
『そうですね。選手達もかなり苦しんだハズです。しかし全体を見れば例年に比べいい結果だったように感じます』
『たしかに途中棄権や繰り上げが続出するこの二区ですが、今年は庭師ノの繰り上げだけでした。ではここで二区の通過順位をご覧いただきましょう』


チャラララン
1、宇入大学
2、有栖川大学
3、桜田門大学
4、神奈川大学
~~~~~~~~~~
五、脇役選抜
六、庭師ノ学園大学


『そして区間賞は堂々の一位通過の宇入、柏葉選手!いやはや、見事でしたね!』
『あの悪条件の中でここまでの結果を残せる選手はそういないでしょう。流石山登りの名手、と言ったところでしょうか』
『そして現在選達が立ち向かうは最終3区となるわけですが、ラプラスさんこの3区について何かあれば』
『そうですね…この区間は走る側にとってはかなり好条件と言えるので、それぞれの選手達が持つ力、そしてそれをどこまで出し切れるかが勝敗を分けるのではないでしょうか』
『なるほど。こういう表現が合うかわかりませんが、一番エキデンらしいレースと言えそうですね?』
『そうですね』
『ではここでCMを挟み、最終区の実況へと移りたいと思います!』 


「お前さ、この選手達の中だと誰が好み?」
「そうだな~、一位で来てた短髪のコかな~。お前は?」
「断然二番目の長い黒髪の彼女だ。てかヤマトナデシコは流れる黒い長髪がデフォだろーがー!」
「あぁ!?今はアクティブな短髪が時代をうねらすんだよー!!」
ガッシャーン
『ローゼン・エキデンは全日本散髪選手権のメインスポンサーです』


『さあ最終第三区の選手達を見て見ましょう。一号車の二葉さーん』
『はい一号車の二葉です!現在一位宇入を二位有栖川が追っている形ですが、かなり差が縮まってきています!水銀燈の選手が猛烈な追い上げを見せています!このペースでいきますともう次の直線道路で視界に入りそうです!』
『はいありがとうございました。えー、まぁ有栖川の水銀燈選手の追走力には定評がありましたからいいんですが…宇入の雛苺選手は…ちょっとペースが遅いですねぇ?』
『そ~ですね…雛苺選手は余り競り合いは得意ではないとの話しなので、何とか逃げ切りたいと考えているハズなんですが…』
『これは宇入にも何かアクシデントがあったのか、はたまた別の要因なのか!先頭争いはどうなっていくのでしょうか!?』

「オディール」
「あら巴。まだ休んでなくていいの?」
「うん…雛苺が心配で。なんせ相手はあの有栖川の怪物…」
「そうね…」
「それで、雛苺はどう?」
「…これが今までのラップよ」
「え…何、どうして…?追い付かれたらダメなのに、なんでいつもよりペースを抑えてるの…?まさか、雛苺に何か!?」
「巴、雛苺の顔を見て」
「・・・!まさかあの子…!」
「ええ…」 

「ふふふっ、見えちゃったぁ見えちゃったぁ♪」
逃げ足の早いおチビさんって聞いてたけど、たいしたことないのねぇ。ま、私がペース速めたらこんなトコなのかしら。
聞いたとこじゃ、人抜くのが嫌いな甘いおばかさんだそうねぇ。まったく、とんだジャンクランナーだこと。
「ねぇ?おチビさん!?」
「…水銀燈ね」

『おお~と早くも有栖川が宇入を捕らえましたー!』

「人と争うのが嫌い?笑わせるわねぇ…相手を潰してこそのエキデンよぉ?そんなお子様は早く帰ってママのおチチでも飲んでなさぁい!」
「・・・」
なあにこの子…黙りこんじゃって、情けなぁい。宇入もとんだ最終ランナーを送りこんだもんねぇ。それじゃあさっさと…
「…よ」
「え?」
今…何て?

「待ってたのよ。水銀燈」

『あっと!宇入食らいつきます!有栖川の怪物水銀燈に追い付かれながらも、宇入の雛苺、しっかりと真横に並走しています!!これは意外なレースになってまいりましたー!!』

「くっ…!貴方、私と競り合おうって言うの!?」
「随分動揺してるのね。もう疲れちゃったの?」
「このガキ…!」
巴、オディール、ありがとうなのよ。雛が弱いばっかりに二人に無理をさせちゃったのね。うん、いつも雛は逃げていればよかったの。本当は雛は戦ってなかったのよ。でも、それもさっきで終わりなの。これからは、雛も戦うの!
「追い付けば終わりと思ってたからかなりペースを上げたみたいだけど、雛はゆっくり走って体力を残しているわ…」
「ふん、吠えてなさぁい…」
そして何より…二人のために勝つために。雛の足じゃどんなに頑張ってもいつか追い付かれちゃう。スピードも体力もあちらが上…なら、心の勝負に持ち込むまでなの!
「勝負よ、水銀燈!」
「上等よぉ…ジャンクにしてやるわぁ!!」


『いやいや、序盤からまさかの直接対決となりました先頭争い、果たしてこの勝負の勝者がローゼン・エキデンを制するのか!?』
『白崎さん白崎さん!こちら二号車です!』
『はいどうぞー』
『二区で繰り上げスタートとなった庭師ノ学園ですが、ここで猛烈な勢いを見せています!すでに4位だった神奈川を抜いて3位の桜田門を視界に捕らえようかというところです!』
『二区翠星石のアクシデントにより辛い繰り上げスタートとなった庭師ノ学園蒼星石。今この選手は何を思って走るのか!記録にはなりません!公式の記録として残すことはできない状況で、なにゆえ上を目指すのでしょうか!?』

「はぁ、はぁ、はぁ…」
確かに僕の肩には庭師ノの襷は無い。だからこの走りが記録に残ることはない。それでも僕が走るのは…いや、走りたいのは、前の人からちゃんと襷を受け継いだからだ。
「姉さん…」
不思議だ。あの時の姿を思い出すだけで力が沸いてくる。今も泣いているであろう、泣き虫で、最高のランナーの姿を。
だから走るんだ。もっともっと走るんだ。今の僕はいつになく絶好調だよ、姉さん。

『おっと、庭師ノ学園の蒼星石!繰り上げスタートだったにもかかわらず、選抜と神奈川を抜き、なんと三位桜田門にまで食らいつきましたー!!』

「まったく…」
やるやれだ。こっちは二位に随分離されて焦ってるってのに。とにかく、これ以上位置を悪くしたくないな。…べつに姉ちゃんとか真紅の事を思ってとかじゃなくだぞ。で、一体誰が…
「やあ」
「あ、ドモ…」
いやいや、何会話してるんだ僕は。てか向こうも何話し掛けて…あれ、
「その襷、まさか繰り上げ…?」
「まあね」
おいおい…まさか繰り上げからここまで追い上げて来たのか!?
「随分頑張ってるようだけど…もう急ぐ必要ないんだろ?」
「いや、あるさ」
なんだこの人…こんな時に凄く楽しそうっていうか、嬉しそうっていうか…
「たぶん、君と同じ理由だよ」
…なんだそれ。
「てことは、あんたは僕が今頑張る理由がわかるのか?」
「まぁ、すぐ近くで見てたしね」
「…あっそ」
なんかやりずらいなぁ。だけど…
「それで、僕はもっと上を目指すから先を急ぐけど」
「ふーん。けど、僕も簡単に抜き去られるワケにはいかないぞ」
「どうして?今の僕に抜かれも関係ないよ?」
「あんたと同じ理由だよ」
…僕はスポ根とかはあんまり好きじゃない。真紅にはよく煮え切らない人だと叱られる。それでも、
「そう。じゃ、僕を見失わないように着いてきてごらん」
「…僕は付き添いじゃないんだぞ」
今必死に頑張る事は、そう悪くない事だと思った。


『さあこれで3位桜田門と三番庭師ノ学園も並走となりました!いや、ラプラスさん。かなり混戦模様となりましたね~』
『はい。有栖川と宇入も意外でしたがこちらも予想外でした』
『それでは現在の順位を確認しておきましょう』 


チャラララン
1、宇入大学
1、有栖川大学
3、桜田門大学
三、庭師ノ学園大学
5、神奈川大学
六、脇役選抜


『なお、順位が漢字表記されている大学は繰り上げスタートなどで順位記録の資格が無い大学となっています。さてラプラスさん、これからどんなレースが予想されるでしょうか』
『いや、ここまでの展開が予想を超えてましたので…ただ、コースの関係上アクシデントが無い限りはそれぞれが持つ潜在能力と精神力が試されるでしょう』
『なるほど。さあローゼン・エキデンの最終区も半分を過ぎ、後半戦へと突入します!この混戦を勝ち抜き、見事栄冠を掲げるのはどの大学なのか!それではここでCMです!』


『乳酸菌好きの黒い天使は赤ちゃんの時から食べていました。お腹に優しいから毎日続けられる。

それは、ヨーグルト。いいえ、ケフィアです。

乳酸菌と酵母の共生醗酵。MEGUミルクの千年ケフィア』


『このローゼン・エキデンも残すところあとわずか。選手達はそれぞれの思いを背負いながらこのローゼン台地に挑みます!
そしてここで情報がありましす。三区で再び行方不明となった脇役選抜の梅岡選手ですが、「公衆トイレの中でベジータ選手と一つになっていた所を発見した」とのことで、途中棄権扱いとなるようです』
『あー、残念でしたね』
『それでは先頭集団の様子を見てみましょう。二葉さんお願いします』
『はい、こちら二葉です!えー現在も有栖川と宇入はお互い一歩も引かずに競り合っている状態です!ただやはり二人の表情は少し険しくなっているようにもみえます!』 


「はぁ…!はぁ…!」
どういう事…事前の情報では宇入の雛苺は競り合いを苦手としているハズなのに…どうしてここまで食らいついてくるのよぉ!?
「はぁ…!はぁ…!」
さすが水銀燈なの…上手く動揺を誘っても直ぐに立ち直ってしまうのね…それでも序盤のアドバンテージはヒナが有利なんだから…このまま行くのよ!
「くっ…抜くのが怖いなんて言ってるあんたなんかに、あの子の…メグの想いがわかって!?」
「わからないわ!ヒナはあなたじゃないもの!だけど、巴やオディールの気持ちもあなたになんか教えない!ヒナだけの宝物だもの!!」
「ふんっ、口は達者だけどぉ…流石に疲れてきたでしょ?あごが上がり始めてるわよおチビさぁん!」
「そっちこそ…上手く笑えてないのよ?」
「ッ…!」
まだそんな口が叩けるのね…認めるのはシャクだけど、今私の横に居るのは敵で、しかもなかなか厄介な相手…
「でも覚えて起きなさぁい!最後に勝つのはこの私!有栖川の怪物と謳われた水銀燈よぉ!!」
「相手が怪物なら、ヒナはそれを倒す勇者になってやるんだからぁ!!」


『あーなるほど、以前先頭争いは続いているようです!これは勝負の行方は最後の最後までわからく…』
『白崎さん!白崎さん!』
『はいどうぞー』
『こちら二号車の一葉ですが大変です!先程まで3位だった桜田門のジュン選手ですが溝に足を取られ転倒してしまいました!今ようやく立ち上がりましたが右足首を痛めてしまったようです!』

「ジュン!」
「ジュン君!?」
「ああ…なんてこと…足首をくじいてしまうなんて…」
「ど、どうしましょう真紅ちゃん…!」
「のり、私達も車でジュンの所へ行きましょう!」
「え、ええ!」 

「くそっ、くそっ…!」
油断した!蒼星石と走ってた時は凄く集中出来てたのに…!抜かされた時から気持ちが緩んでしまったのか…
「ッツ…!」
くそっ!痛い!我慢して走れるレベルじゃない…僕は走らなきゃいけないのに!くそぉお!!
「ジュン!」
「真紅!?姉ちゃん!?」
あれはうちのチームの車か…という事は、監督もいるな…
「ジュン君大丈夫なのぅ!?足はどうなの!?」
今ここで痛がるワケには…
「ちょっと躓いただけだよ…大丈夫、今走るから…ッ!?」
がくん。
「ジュン君!!」
くそ…
「ジュン…走れないのね?それほど痛いのでしょう?なら…仕方ないのだわ。監督、ジュンの棄権を…」
「いやだ!!!」
ここまで…ここまで来て、真紅と姉ちゃんが繋いだ襷をこんな事で途切れさせる?ふざけんな!そんな事できるもんか!!
「僕は…まだ終わらない!ッ…!くっ…まだだ、まだ前にいけるんだ!確かにもう早くは走れないけどさ…ほら、歩く事ならできるんだぜ?歩けなくなったらはって行く。それも無理なら転がって進む!だから…だから棄権はしないでくれ!頼む!!」
「ジュン…」
「ジュン君…」

『ああっと、今神奈川の佐原選手が桜田門を抜き、単独3位になりましたー!』

へっ…これでもう抜かれる事はないワケだ…もう、エキデンとは呼べないけどさ…
「頼むよ…二人の走り、無駄にしたくないんだ…」
「ふっ…まったく、本当にしょうがない子ね。いいわ、ジュン。走りなさい!気が済むまで進み続けなさい!そして私達のいるゴールまで死んでも辿り着きなさい!!」
「ジュン。お姉ちゃんも待ってるから!」
「…ありがとな。真紅、姉ちゃん」 


『おや、車が桜田選手から離れていきますが…棄権はしないという事でしょうか…ああ!進み始めました!ゆっくりとではありますが、桜田門のジュン選手は進んでいます!
ここで襷を止めるワケにはいかない、恐らくそんな気持ちでいっぱいでしょう!必死にゴールを目指しています!』
『素晴らしい心意気ですね。あと数キロ、なんとか完走してもらいたいです』
『さあいよいよローゼン・エキデンも終局の時を迎えます!果たして一番始めにゴールテープを切るのは誰なのか!?CMの後、ついに決着です!!』


「お前さ、あの選手の中で誰が好み?」
「そうだな~、あの銀髪の子かな~」
「お前もか!いいよな~あんな子にヒールで踏まれてーな~」
「はぁ!?お前バカか!?公園を二人手を繋いで散歩するのがいいんだろーが!!」
「どうやらお前とは趣味が合わないようだ」
「よろしい、ならば戦争だ」
ガッシャーン
『ローゼン・エキデンは、純愛からアブノーマルな恋までサポートする桃種出会いの広場を応援しています』


『さあ、今カメラが写すのはこのローゼン・エキデンのゴールテープです。ここへと続く道には沢山の応援する人々で埋め尽くされております!』
ワアアアアァ…
『さあ観客の歓声が近づいて参りました!この画面の中に、このウイニングロードに姿を表すのは…』
「はぁ…はぁ…はぁ…!………めぐ!!」
『来たーーー!一番に入って来たのは!有栖川の水銀燈選手でしたー!!そして今!拍手に包まれながら今1位でゴールテープを切りましたーーー!!!』 


「ッハァ…!ハァ…!」
「水銀燈」
「ッ!?メグ!あなた…病院に行ったんじゃなかったの!?」
「先生達に頼んで連れて来てもらったの。それよりも…おめでとう、水銀燈。今の貴女、とても綺麗よ…」
「ふん…あなたがあそこまで頑張らなくても勝てたわよ…まったく無理ばっかりして…私に心配かけすぎるのよあなたは」
「ふふっ、ごめんなさあい」
「もう…でも、一応言っておくわ。その…ありがとう…」
「…うん♪私も…貴女に会えて…本当に良かったわ…ありがとう水銀燈…」
「ああもう!いちいち泣かないの!!涙と鼻で酷い顔じゃないの!ホラ、さっさと拭いて病院に戻りなさい!」
「うん…じゃあね、水銀燈…」
「はぁ…もう、本当におばかさぁん…」
「でも、そこが可愛いのでしょう?」
「雪華綺晶…」
「わたくしの妹と同じですわ。手がかかる分、愛情も増すのですね。あ、遅れましたが、優勝おめでとうございます」
「はぁ…ええ、貴女もね」


『さあそして!僅かに遅れて入って来たのは宇入の雛苺ー!そしてふらつきながらも堂々の2位でゴールしましたー!!』


「雛!」
「雛苺!!」
「ケホッ…ケホッ…!うゆ…ごめんなさいなのよ…ヒナ、負けちゃった…」
「もう…貴女はあんなに強くなったじゃない!貴女は自分自身に勝ったのよ。おめでとう、雛苺…」
「トモエ…」
「その通りね。あの水銀燈に勝負を挑んでここまで粘るなんて…もう貴女は一人前のランナーよ」
「オディール…二人とも、本当にありがとうなの…」
「ぐすっ…ええ、今は休んでいいのよ雛苺。だから後でたくさんお祝いしましょう」
「貴女の大好きな苺尽くしのパーティーでね♪」
「うい…ありがとう…なのよ…すー…」
「お疲れ様、雛苺」
「そしておめでとうね、雛苺」


『続きまして三番目に入って来たのは、繰り上げスタートという無念の結果となりはしましたが、そこから脅威の追い上げを見せた庭師ノ学園大学です!!記録にはなりませんが堂々区間新記録のタイムで三番目にゴールしましたー!』


「お疲れ様…蒼星石。自己ベストに区間新記録だって」
「ふぅ…ありがとう薔薇水晶。それで、翠星石は?」
「ふふ、蒼星石らしいね…あっち。着いて来て」
ガラガラガラ
「ケホッ、ケホッ!あ~…蒼星石…お疲れ様ですぅ~…ケホッ」
「気分はどうだい?風邪ひきさん?まったく、走ってる途中で熱出すなんてねぇ」
「うぅ…面目ねーですよぉ…」
「体作りはランナーの基本だって常々言ってたのは翠星石にね~。やっぱりお腹出して寝てるのがダメだったかな~」
「う~ん…ばらしぃ~蒼星石がイジメルですぅ…ケホッ」
「自業自得」
「ううっ…ケホッ」
「あはは。ま、今日はこれくらいにしてあげるよ。ただし、風邪が治ったらたっぷりしごいてあげるからね?」
「了解…ですぅ…ケホッ」 


『再び歓声が強くなってきました!姿を表したのは初出場にして堂々の完走を果たした神奈川大学です!なにやらフラフラしていますが、倒れ込むようにゴーグテープを切りました!四番目ではありますが、3位、神奈川大学です』


「げはー!ぐはー!」
「もー!みっちゃんに続いて佐原さんも無茶し過ぎかしら!もっと自分の体も考えるかしら!」
「ま、なんと言っても始めてのローゼン・エキデンだしね!そして3位よ!?キャー凄ーい!!」
「ホントね…でもやっぱりキツイわ…ぐふっ」
「よっしゃー!次は優勝を目指すわよ!!私達の名前が未来永劫語り継がれるように!!」
「はっ…!もしそうなれば…男も見つけ放題なんじゃない!?」
「佐原さん天才ね!そうよ、きっと引く手数多になるわよぉ!!」
「ねぇ、二人共…水を差すようで悪いんだけど…」
「「何?」」
「二人は男や優勝旗を貰う前に単位を貰うかしら!!いつまで大学に居るつもりかしらー!!!」


『そして最後に、大きく時間は離れましたが確実にその歩みを進め、見事ここに辿り着いた桜田門、ジュン選手が姿を見せました!割れんばかりの歓声と拍手の中で、今!最後のテープを切りましたー!!』


「っつ~~~!!!」
「ジュン君大丈夫!?」
「あはは…ちょっと無理しちゃったな…でもほら、襷は繋いだよ姉ちゃん」
「うん…うん!よくやったわ…ジュン…」
「やれやれ、手のかかるチームメイトを持つと苦労するのだわ」
「ははっ…悪かったな、真紅。せっかくいい走りをしてくれたのに…」 
「いいえ。女の待ってる場所にこうして辿り着いたのだもの。私は満足よ?それに…」
「いてて!足触んなって…」
「ジュンの想いは確かにここにあるのだわ。まあ、今はそれで許してあげるけれど、次は順位という型で届けて頂戴」
「ああ…必ずな」


『いやはや、今年も波乱含みのレースとなりましたね~』
『はい。しかし、かなりの高レベルの争いだったように思いますね』
『それでは、最終結果をお伝えします。優勝は三区区間賞をとりました水銀燈選手の有栖川大学。
2位は善戦しながらもおしくも優勝を逃した宇入大学。
そして記録には残りませんが三番目は庭師ノ学園大学。
そして3位が神奈川大学。
4位に素晴らしい根性を見せてくれた桜田門大学。
最後に途中棄権の脇役選抜となりました』
『満足のいく結果となったチームもそうでないチームも、来年に向けて頑張ってもらいたいですね』
『本当にその通りですよね。では今回の実況は私、白崎が。解説はラプラスさんでお送りしました。ラプラスさん、今日はありがとうございました』
『どうも、ありがとうございました』
ではこれで、第195267回ローゼン・エキデンの実況を終了いたします。皆様、今年も良いお年を!』 

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