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薔薇乙女家族 ~保守編之二一(フタイチ)~

ジュン「…水銀燈」
水「なぁに?」
ジュン「気付けば金糸雀も…その妹たちも、ほんとに大きくなったよな」
水「…そぉねぇ…」
ジュン「金糸雀ももう高校生だ。そろそろあの子も恋愛を知る頃なのかな」
水「……」
ジュン「…どうか、いい奴と出会ってほしいもんだな」
水「その前にやる事があるんじゃなぁい?」
ジュン「え?」
バターン!
金「お父さぁん!物理学が分からないかしら~~!!」
翠「翠星石のとっときのおやつを喰らうがいいですぅ!有り難く思えです!」
蒼「翠星石…もうちょっと素直に…」
真「お父様…紅茶、一緒に如何かしら?」
雛「パパ~、うにゅ~一緒に食べるの~」
薔「絵本…読んで…」
雪「だっこして…」
水「…父親離れさせるのが先ねぇ」
娘に集られるジュンを見てため息を一つ。
水「私を差し置いてジュンに抱きつくのは許さないわよぉ?」
そして、微笑みを浮かべながらその集りに参加する水銀燈だった。



薔薇乙女家族 ~保守編之二二(フタニ)~

薔「きらき~ちゃん」
雪「…なぁに?ばらし~ねぇちゃん」
薔「これ、みて」
雪「…絵本?」
薔「あのね、この絵本にかいてあったの。虹の根本には「おたから」があるんだって」
雪「…ほんと?どんな「おたから」があるの…?」
薔「…わかんない。だけど、見つければきっとわかる」
…そんな会話から三十分後。
薔雪「…おかあさぁん」
水「…?どうしたのぉ」
薔雪「虹の根本にはどうすればいけるの…?」
水「………????」



薔薇乙女家族 ~保守編二三(フタサン)~

翠「血液型による性格判断…こういうの当てになるんですかねぇ?」
蒼「どうかなぁ…一概には言えないね」
金「どう思うかしら?お父さん」
ジュン「正直、あんまり当てにする事はないんじゃないか、て思うぞ」
金「どうしてかしら?」
ジュン「血液型ってのは親からの遺伝子型で決まる物でしかない、と考えてるからかな。もっとも、僕はABO式のやつしか覚えてないけどね」
真紅「どういう事?」
ジュン「血液型ってのは親が何型かである程度は決まるものなんだ。例えばO型同士の親からはO型しか産まれない」
蒼「へぇ…」
ジュン「それに、日本の血液型分布はA型が四割、B型が二割、AB型が一割、O型が三割とA型が一番多い。A型は几帳面とかよく言うが、几帳面な奴に会えた試しがないよ」
真紅「なるほど…確かにね」
ジュン「まあ、高校生の生物の授業でやる様になるから、そん時に分かるかもな」
翠「何だかおやじがうらやましいですぅ。大人ですぅ」
ジュン「年を重ねればそれだけ視野も広がるからな。だが逆に狭まる人もいる。お前達は経験をたくさん積んで、広い視野を持つんだぞ」
蒼「分かったよ、父さん」
金「まかせるかしら!」
真「分かったわ、お父様」
翠「がってんですぅ!」
ジュン「よし、良い子だ。さ、もう十一時過ぎたぞ。寝よう」
子供達「お休み~」


 

薔薇乙女家族 ~保守編之二四(フタヨン)~

「二〇〇七年も、もう終わり…か」
日記の上にペンを置く。視線をすぐ下にやると、二〇〇七年の記憶が上から下まで連ねられているのがはっきりと分かる。
瞼を閉じればそれらの文字が頭に流れ込み、動画を紡ぎ出す。
楽しい事、辛い事、大変な事、星の数程の思い出が渦巻く。
この机、この椅子、僕自身…周りを取り巻いているのが五感で感じられる。何だか三次元の空間を超越した様な、不思議な世界を漂う様な感覚だ。
ジュン…お父さん…おやじ…お父様…パパ…。
愛する人達みんなが僕を見つめて呼んでくれている。
「ジュ~ン、何しているのぉ~」
「…ん?」
「寝てたのぉ?二〇〇七年がもう少しで終わるって所にぃ」
愛する妻が僕の顔を覗きこんでいた。
「…ああ、ごめん」
「さ、行くわよぉ。みんなが下で待っているわぁ」
妻に手を引かれて部屋を出る間際に、机の上の日記に視線をやった。
…二〇〇八年の日記、そろそろ出さないとな。

 


 

薔薇乙女家族 ~保守編之双子(フタゴ)~

翠「蒼星石…」
蒼「何だい?」
翠「翠星石が死んだら…蒼星石はどうしますか?」
蒼「…え…?」
翠「翠星石が死んだら…蒼星石は泣いてくれますか…?」
蒼「……突然何を…?」
翠「答えてほしいですぅ」
蒼「…」
翠「答えられないですか?」
蒼「翠星石…君はどう思う?」
翠「質問を質問で答えてほしくはないですぅ」
蒼「…翠星石、君に愛する人はいるかい?」
翠「?…もちろんですぅ。たくさんたくさんいるですぅ」
蒼「それなら、その人の為に頑張るという考え方をしなきゃ。自分の死んだ後の事なんて今から考えても仕方ないよ」
翠「…質問に…」
蒼「答えているつもりだよ?」
言葉が遮られた。
蒼「翠星石…僕の為に、君の愛する人の為に…死なないで、絶対に。君に死なれたら僕も、みんなも泣いても泣ききれないよ」
翠「…ありがとうですぅ」
蒼(双子だからかな…僕と同じ事を…)
翠「そうだ、おやじにも訊いてくるです」
蒼「…お父さんも同じ事言うと思うよ」
翠「…ですかね」
蒼(今僕が言ったの、お父さんからの受け売りだもん…)

 




薔薇乙女家族 ~保守編之二六(フタロク)~

 …ん?どうしたんだ雪華綺晶。
 何々、転んだのか…膝を擦りむいちゃったみたいだな。
 ほら、痛いの痛いの飛んでけ~。
 …よしよし、笑ってくれたな。子供は笑顔が一番だ。

 お、僕もやるのか?
 よし分かった、見てろよ雪華綺晶。パパはすごいぞ~、パパの蹴る空き缶は六万キロの空を飛ぶぞ~。

 …すかっ!
 どてん!

 あいたたたた…尻餅ついた…。

 そんなに笑ってくれるなよ雪華綺晶…あいたたたた…。


【泣いたら】【笑おう】保守

 




薔薇乙女家族 ~保守編之二七(フタナナ)~

 ふう…。今日も疲れたな。さて寝るか…ん?真紅か、どうした。

 …そうか、明日朝早いのか。なら良い事教えてやるよ。
 いわゆるおまじないってやつだ。枕をこうやって抱き上げて、こう言うんだ。

 「枕さん枕さん、明日朝六時に起こしておくれ」

 こうやって枕にお願いをすれば、朝に枕が起こしてくれるんだ。
 え?「流石にそういう話で感激する歳ではない」…か。ははっ、参ったな…。


 …場所は変わって真紅の自室……。
 …………。
 「…枕さん枕さん。明日、朝六時に起こしてほしいのだわ」





本編その六之五をまとめてくださいました職人さま、ありがとうございました。

 



薔薇乙女家族 ~保守編之二八(フタハチ)~

 今日はいわゆるバレンタイン等と呼ばれる日である。テレビでも、それが中心に特集を組まれているのが大半だ。
 僕も妻である水銀燈から一つもらった所だ。手作りだそうで、食べてみるとなかなか美味だった。
 さすが我が妻と感心した所に、ドアがけたたましく開いた。

 「おおお…おやじぃ!」

 ヤクザの殴り込みみたいな勢いでドアを蹴り飛ばし、仁王立ちで現れたのは我が娘(次女)の翠星石だ。
 なんだなんだ、一体何事だ?

 「あの…あ、あ…こ」

 ……?

 「こ…これでも喰らえです!」

 ぼすっ!

 翠星石は僕の胸に何かを押し付けるや、飛び出して行ってしまった。

 手にとって見てみたら、思わず微笑んでしまった。それは可愛いリボンでラッピングされた翠星石のチョコレートだったのだ。
 …そしたら他の娘達もなだれ込んできてたちまち僕はチョコいっぱいになった。

 …これはお返しが大変そうだな。

 そうつぶやく僕はまた微笑んでいた。

 



薔薇乙女家族 ~保守編之二九(フタキュウ)~

 甘えん坊さんが多い我が娘たちだが、真紅(四女)は基本的にしれっとしていて、それなりの距離がある。
 だが…そんな彼女もたまに僕に紅茶をいれてほしいとせがむ事がある。「お父様のいれてくれた紅茶はとても優しい味がする」という理由で。

 今夜もまたずいぶん冷え込む。風邪をひいてもらっては大変だから、僕は妻と娘たちに体の芯からあったまってもらおうと紅茶をいれてみた(真紅がいれてくれた方がおいしいのは皆が分かっている所だが)。

 皆が和気あいあいとする中、真紅と目が合った。
 彼女はにっこり笑っていた。

【暖かい】【紅茶を】保守。




薔薇乙女家族 ~保守編之三○(サンマル)~

 「愛って何だろう」

 人々の中の永遠の謎であろう物の一つ、愛。
 それは人々にとって一番身近であるはずの物だが…あまりに身近すぎて、愛という物の具体的かつ客観的な解釈ができないのだ。。
 そんな知的好奇心からなのか、娘の一人である蒼星石も尋ねてきた。

 「愛って何だろう?」

 愛…それを言葉で言ってもピンとこないはずだ。
 だから僕は…。

 ぎゅっ。

 蒼星石を優しく抱きしめた。

 「お父さん…?」
 「…分かるか、蒼星石。これが愛なんだ」
 「……ん…暖かい…」

 …もしかしたら、もう少し別の教え方があっただろうか…?
 そんな事を思いながらも、まぁいいかと片付けて、胸に娘の暖かいぬくもりを感じていた。
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