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もう、誰も信じられなくなった。

 

コトの発端は、虐められている友人を庇ったコトだった。庇ってから数日間は、なんとも無かったのだが、ある日少人数のシカトが始まり、それが水面を波打つかのごとく広がり、やがて津波のようにイジメが僕に押し寄せた。

信じていた友人は当然のごとくイジメに参加し、庇った友人でさえ僕を笑う日が来るのはそう遅くはなかった。教師は最初からあてにしたくなかったのだが、おせっかいな姉が余計な事をしたため、教師はイジメを無視できず、形式的にイジメをやめさせようとした。

当然イジメがやむ事は無く、僕はイジメのリーダー格とのケンカによって、あっさり退学処分をくらった。教師も厄介払いが出来てさぞかし喜んでいただろう。

 

そして、僕は引き篭もった。

 

引き篭もってからは、特にする事は無く、寝るかインターネットをだらだら閲覧するだけの日々が始まった。海外にいる親の反応は知れず、おせっかいな姉は、ことあるごとに僕を気遣い、その気遣いが僕を惨めにした。

そんな日々を過ごしていると、17歳になった。

17歳になったからという事ではないが、旅に出る事にした。あてはなく、理由もない、別に死に場所を求めるという理由でもいい、とりあえず何でもよかった。誰も僕を知らない場所に行きたかった。

 

「ジュン君。大事な、お話があるの・・・。」

玄関で靴紐を結んでいる時、姉が微笑と困惑といったような顔で話しかけてきた。

「ごめん、今から出かけるから。」

「そんなかばん持ってどこ行くの?ジュン君。」

「どこだっていいだろ!いつも、僕の事心配するフリして・・・。内心ウザイとか思ってるんだろ!!」

「そ、そんなこと・・・」姉が動揺したように見えたのが、少し悲しかった。

「とりあえず、出かけるんだ・・・。週一ぐらいで連絡するから。」

そして、僕は玄関を飛び出し駅に向かう道へ走り出した。

「週一って、いつ帰ってくるの!?」

姉の驚いた声の後、泣き声が聞こえた気がした。

 

そして、僕は誰も自分を知らない場所を求める旅を始めた。

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