どうも、桜田JUMです。
さて…このお話は私が友人と海に行った時に体験したものなんですがね…
大学生のころ…仲の良かった2人の友人の笹塚とベジータとでもって夜中にドライブに出掛けたんですよ。
笹「なぁ、どこ行くんだよ?」
ベ「ナンパだろナンパ!漢ならナンパだ!」
J「却下だ!
…そうだ、僕ここから近くに面白い場所知ってるぜ?」
ベ「面白い場所?」
J「あぁ、小さな漁港なんだけどな…昔よく死体が打ち上げられたりして色々いわくつきの場所なんだ…」
笹「それって…心霊スポットじゃない?」
J「そうとも言う(笑)」
ベ「それこそ却下だ!何で野郎ばっかでそんなとこ行かなくちゃならんのだ!?」
J「何?ベジータ…まさか、怖いのか?」
ベ「なっ!?」
J「あ~あ、わかったわかった…ベジータ君が怖がるから止めときましょうかねぇ~♪」
ベ「貴様ぁ…この俺が怖がりだとぉ!?
よし、いいだろう!そこに案内してみやがれ!」
笹・J(単細胞乙。)
そうやって友人を言いくるめた僕はそのいわくつきの漁港へと車を走らせたんです。
今思えば…何であんなとこに行ったのか…
恐らく若気の至りってやつでしょうかねぇ。
国道から逸れ、しばらく細い脇道を車を走らせると小さな漁港が見えてきた。
真っ暗な漁港に小さくポツポツとした灯りが灯りよけい不気味だったことを覚えていますね。
J「おぉ~、なんか雰囲気あるなぁ…」
ベ「そ…そうか?俺様は…何ともないぜ…はは…はははは!」
笹「声震えてるよ?」
J「よし、せっかくだし少し歩いてみるか。」
ベ「の…望むとこだぜ…!」
そんなこんなで僕らは車から離れて暗い漁港を歩き出した。
するとね、潰れた漁師小屋やら小さな鳥居なんかがあって…
本当に何か出そうな嫌な感じがしたんだ…でも友人の手前怖がるわけにもいかずそのまま奥へ奥へと進んで行ったんです。
そしたらね、笹塚が言うんです。
笹「なぁ…あそこ…誰かいないか?」
J「…え?」
笹塚の言う方に目を凝らすと…いるんですよ。
赤い服を着た人が海に向かってしゃがんでるんです…
こんな夜中に1人で…どう見ても釣りに来ている様子には見えないんですよね。
J「ベジータ…お前ちょっと見てこいよ…」
ベ「はぁっ!?何で俺が…」
J「…怖いのか?」
ベ「ぐぬっ…そ、そんなわけないだろ!?わかった、幽霊など俺様がぶっ飛ばしてきてやる!」
笹(脳みそ筋肉乙。)
僕の言葉にベジータはその人影に向かってずんずんと進んで行きました。
笹「なぁ、本当に大丈夫かなぁ?」
J「さぁ?まあ…ベジータだし少しぐらいは…」
ベ「うぎゃあああああああああああッ!!」
僕と笹塚が話していると、そこにベジータの悲鳴が響いた。
何事かと僕らが目を向けると向こうから顔面蒼白のベジータが凄まじい勢いで走ってきたんです。
J「ベ…ベジータ!?どうし…」
ベ「逃げろぉおおおおお!」
笹「へ?」
ベ「いいから早く逃げるぞぉおおお!殺されるぅううううう!!」
J・笹「はぁ?」
僕らはベジータの背後に目を向けた。
すると、そこには先程の人影…
よく見ると赤いアロハシャツに黒いサングラスをかけた筋骨隆々の中年男が銀色に光る短いものを持って走ってくるではありませんか。
どう見てもアノ筋の方です、本当に…
J・笹「ぎ…ぎいゃあああああああああああッ!!」
3人とも背後からの怒号を聞きながら必死になって車まで走りましたよ…
ようやく車までたどり着き、車内に駆け込んだ僕らはすぐにアクセルをかけて全力でその漁港を後にして、命からがら逃げ帰りましたよ…。
後から知ったことですが…その漁港はいい岩場が点在し、多くのアワビが獲れるためよくヤクザが密漁に訪れるそうです…。
いやぁ…あれは本当に焦りましたねぇ。
…だって、下手な幽霊なんかよりそっちの方がよっぽど怖いでしょ?えぇ。
了