絡みついた 美しい悪夢に犯されて 微熱にうなされ


私は今、夢をみている。
何度目だろう?数えてすらない。
これが夢であること、それだけがはっきりと分かっている。
…ただ、最愛の人が微笑んでいるだけの…


LUNA SEA 第2話「IN MY DREAM(WITH SHIVER)」


私達は幼馴染みで、昔からよく、一緒に遊んでいた。
よくケンカした。
端から見れば、仲が悪いように見えたかもしれない。
でもそれは、お互いに心通じ合っての事だ。 

よく慰め合った。
ジュンが上級生にいじめられた時、私は妹と立ち向かった。
私のペットの犬が死んだとき、彼を忘れないようにと、犬の人形を作ってくれた。
それは、お世辞にも上手いと言えるような代物ではなかったが、
彼の指を見れば、どれだけ苦労したかがうかがえた、
まぁ、生来の素直になれない性格が災いして、「ありがとう」とは、言えなかったが…きっと分かってくれたはずだ。
うん、きっと分かってくれたはずだ。
そして、当たり前のように恋に落ちた、
が二人ともまだ幼すぎて、素直になれず、そのことを確かめられたのは、大学進学直前、離れ離れになる寸前の事だった。 


友人達には呆れられたが、二人にそんな確認は、いらなかったのだ。
…うん、そう思いたい。
今でも少し情けなくなってしまう。


でも、本当に、泡沫の甘い夢のような日々でした。



そして、ここからが本当の話題。
二人とも無事に大学を卒業し、久しぶりに故郷で会おうという約束をしてからが本題。


その日、私は少し早くに目が覚めた。
何ということも無しに時計を見て、6:30ということを知る。
なんだ…まだまだ眠れるじゃないか。休みの日だし。
だが、光の点滅に気付く。携帯にメールが来ているようだ。
この非常識な時間に…
だが、差出人を見た途端、眠気など全てどこかへ吹き飛んでいった。
ジュンだ…


『久しぶりに、そっちに帰ることになった。会わないか?』


…心臓がバクバクいってる。何年ぶりだろう。
待ち合わせの時間が、ただ待ち遠しい。


第2話 「IN MY DREAM(WITH SHIVER)」 了

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最終更新:2007年08月15日 20:20