81

巴「勉強してるんだ」
J「保守ばかりしてるわけにもいかないし…」
巴「英語…ちょっと苦戦してるみたいだね」
J「やっぱり英語の独学は難しいよ」
巴「最初の間は仕方ないよね…私でよければ、少しは教えられるけど…」
J「ほんとに?…そうしてくれたら、すごく助かる。こことかよくわかんなくて…」
巴「あ、ここは難しいから、別にわからなくてもいいらしいよ」
J「そうなのか…でも気になるなぁ…」
巴「それじゃあ…あんまり自信ないけど…
  えっと、Seeing that each doll has its characteristic merits and demerits, we our...
  だけど、これは分詞構文といって……さ、桜田くん、な、なに?じっとこっち見て…」
J「あ…ごめん。ちょっと気になったんだけど…」
巴「え…私、なにか変なこといったかな?」
J「いや…柏葉って、全然英語似合わないな…と思って…」
巴「しみじみいうな」

 



82

巴「ツーン」
J「柏葉…もしかして、前回英語が似合わないって言ったこと怒ってるのか…?」
巴「知らない」
J「じゃあ教えてくれよ…」
巴「英語が似合う人に教えてもらえば?」
J「や、やっぱり怒ってるじゃないか…わ、悪かったよ…」
巴「……チラ…どうしようかなー…って、あ…真紅?」
紅「あら、奇遇ね。英語の勉強をしているの?」
J「真紅…ああ、そうだよ」
紅「そういえば、ジュンは英語があまり得意ではなかったわね。なんなら、私が教えてあげましょうか?」
J「え…でも…」
巴「……真紅に教えてもらったらいいんじゃない?真紅は英語似合いそうだし」
J「お、おい…たしかに真紅は英語話してそうだけど…」
巴「……だそうよ。じゃあ真紅、お願いね」
J「か、柏葉…」
紅「…あなたたち、喧嘩でもしているの?…いいけれど、それで、ジュン、どこがわからないのかしら」
J「え…あ…こ、ここなんだけど…」
紅「これはなかなか難しいわね」
J「真紅もわからないのか?」
紅「失礼ね…わかるわよ。保守がてら教えてあげるわ。
  シーイングザット、イーチドールハズ、イッツキャラクタリスティック、メリッツアンドデメリッツ、ウィーアワー……
  これは分詞構b…ちょっと、二人ともさっきからなんなの?人の顔をじっと見て、気が散るじゃない」
J・巴「まさかのブロークンイングリッシュとな」

 



83

巴「六月といえば?保守…違うわ。そう、六月といえばジューン・ブライド」
J「そういえばあったな、そんなの」
巴「ちょっと、憧れるよね…」
J「男の僕にはわかんないけど、柏葉にもそういうのあるんだな」
巴「…どういう意味?」
J「え…あ、ごめん…」
巴「ふふ、いいよ。うん、ちょっと柄じゃないけどね。ジューン・ブライド」
J「そんなこと…」
巴「ジューン・ブライド…ジューン・ブライド…ジューン・ブライド」
J「ちょ…柏葉…?」
巴「ジューン・ブライド…ジューン・ブライド…ジュン・ブライド…」
J「…は?」
巴「……いつかきっと」

 



84

巴「今日は夏至」
J「夏至か。そういえば、陽が落ちるのが随分遅くなったな」
巴「うん、これから暑くなるね」
J「暑くても保守」
巴「この体だと、あまり暑さとか感じないから、ちょっと便利かも」
J「…だからって、あんまり暑苦しい格好はするなよ」
巴「……いっそのこと、脱ごうか」
J「な、何言ってるんだよ!?絶対するなよ、絶対だぞ!」
巴「それはつまり絶対しろということに…」
J「これは本気だ!」
巴「はいはい…」
J「本当にそうなんだよ、服は着てる方がいいんだはっきりいって!」
巴「……そういえばそういう人だったね」

 



85

巴「そろそろかき氷の季節だと思うの」
J「まだちょっと早いと思うけど」
巴「桜田くんは何味がいい?保守の合間にひとつ」
J「無視かよ…でも、そうだな、やっぱり王道だけど、いちごかなぁ…」
巴「雛苺も、いちご味が一番好きだって」
J「あいつはそうだろうな」
巴「だから、この前いちごシロップじゃなくて、いちごを入れてあげたんだ」
J「え…」
巴「そしたら、すごく喜んでた」
J「…それはかき氷じゃなくて、ただの冷えたいちごじゃないのか?」
巴「でも喜んでた」
J「あ、そう…」

 



86

巴「プール開きだよ?」
J「……なんだよいきなり」
巴「そういったら登校する気になるんじゃないかと思って」
J「ぼ、僕をなんだと…」
巴「さすがにだめ?でも、ちょっと安心したかも」
J「水着か…なぁ、柏葉…」
巴「…着てほしい?」
J「………そ、そうは言わないけど…プールなんていかないし…あ、でもうちで行水くらいなら…」
巴「したいのね」
J「う…でも、水着…」
巴「こんなこともあろうかともってきたの」
J「もってきたの!?」
巴「ちょっと照れるけど…こういうの…」
J「あ…す、すごく…か、可愛いんじゃないかな……」
巴「……ほんと?」
J「お、お世辞いったって仕方ないだろ…」
巴「そうだね…ありがと。桜田くん」
J「それと…柏葉」
巴「なに?」
J「あとででいいから、このスクール水着も着てくれ」
巴「もう嫌こういうの」
J「といいつつなんだかんだで着てくれる柏葉は素敵だと思う」

 



87

巴「保守の合間に行水。それにしても、行水なんて何年振りかな…」
J「ガキの頃以来、だよなぁ…」
巴「ふふ…懐かしいね」
J「え…あ、うん…そ、そうだな」
巴「クス。…ところで、桜田くんは入らないの?」
J「ぼ、僕はいいよ…もう子供じゃないし…柏葉だって人形になってなかったら、やらなかったろ?」
巴「そうだけど…なんだか寂しいな。……桜田くんの水着姿もちょっと見たかったし(ボソッ」
J「え?なに?」
巴「なんでもな『私にまかせたまえ』…誰?」
一「私だ。久しぶりだね」
J「で、でたぁっ!久しぶりって、ちょっと前に出たばかりじゃないか!」
一「…人を幽霊か何かのように…。まあいい。私の中の何かが今ここに来るべきだと囁いてね。
  こういうこととは…私の勘もまだまだ捨てたものではないな…」
J「悪いけど…見ての通り、おっさんの入り込む余地はないぞ」
一「いや、私も君たち二人の仲に割り込むような野暮なことはしない。
  ただね、その子だけが行水しても面白くはなかろう。やはり君も入らなくてはな」
J「そういうことだろうと思った…」
一「安心したまえ、水着は私が用意しよう。ちょうど蒼星石のものが…バシッ、ウボァー…バタ」
巴「……」
J「か、柏葉…?」
巴「せっかくの水着シーンを、変態じじいと女装ネタで潰されたらさすがに凹むから」

 



88

巴「…あ、復活した」
一「ふぅ…すまない、確かに君らの行水を邪魔するような行為は慎むべきだったな…。
  彼も着替える気はなさそうだし、これで失敬しよう。これからも変わらず保守したまえ」
J「その前に、一つだけ聞きたいことがあるんだけど…」
一「なにかね?」
J「…蒼星石の水着、もってきてるのか?」
一「うむ。…見たいのかね?」
J「できれば…あ、いや、っていうか、なんでそんなの持ってるんだよ!?」
巴「例によって、草笛さんからじゃないの?」
一「そんなところだ。…ところが、やはり蒼星石の気に入らなかったらしくてな…。
  といってもらいものを捨てるのも忍びない、ということだ」
J「だからってなんであんたが…っていうか、蒼星石のじゃ小さくて着られないだろ、どっちにしても」
一「そこを無理矢理着るからよいのだと思うが?」
J「うわ…気持ちがわかるだけに余計むかつく…」

 



89

巴「パチャパチャ…保守…パチャパチャ…一人で行水ってつまらない」
J「雛苺も呼んでこようか」
雛「来たのー!」
J「はやっ…!?」
巴「呼んでおいたの…。さぁ雛苺、水着になりましょうね」
雛「え…い、いいけど、トモエ、な、なんだか目が怖いのよ…」
J「よし雛苺、このピンクのフリフリのやつなんて…」
巴「あ、桜田くん、いい感じ…あとこれなんかも…」
J「うん、それでだ、やはり王道のスクール水着も…」
巴「それは私何度も見たし…ここは大穴でこのビキニなんて…」
雛「ふ、二人とも怖いの、あ…やめ…ひ、ヒナはこんなことしにきたんじゃないの~!!!」

蒼「ひ、雛苺がたいへんなことになってる!?」
翠「……チビ苺のやつ、『ジュンとトモエが二人で行水してるの、ヒナがいって二人をいい感じにしてあげるのよ!』とか言ってましたよね」
紅「『二人は夫婦みたいなの~』ともいってたわね…」
翠「それでチビ苺は子供ですか?あんな夫婦は嫌ですよ…っていうか人形状態の巴にまで好き勝手されてるじゃねぇですか…」
紅「まるで狼の群れに放り込まれた羊ね。わざわざ様子を見に来て損したのだわ……」
蒼「いやいや二人とものんびり見てないで助けようよ!?このままじゃ雛苺が…あ…あ…ひ、雛苺が食べられるよ!!?」

 



90

巴「桜田くん、相談があるの…」
J「僕に?いいけど、珍しいな…」
巴「それが…前回の行水以来、なんだか雛苺に避けられてる気がして…保守も手につかなくて…」
J「…確かにちょっと、やりすぎたかもな…」
巴「雛苺に嫌われたら…私、私…」
J「お、おい…泣くなよ。…あいつのことだ、苺大福でももっていったら飛びつくだろ…」
巴「そ、そうかな…」
J「それでまぁ…その、ちょっと謝ったら、すぐに仲直りできるって、多分」
巴「うん…やってみる」

巴「ほら、雛苺…苺大福…」
雛「う…そ、そんなんでヒナが許すなんて…うゅ…じゅる……」
巴「本当にごめんね、お詫びに、私たちも同じことするから」
雛「同じこと?」
巴「…ここに桜田くんがつくったアレな衣装があるの。恥ずかしいけれど、雛苺が言うままに着替えてあげる」
雛「そ、それなら…チラ、うにゅー…じゅる………許してあげるの!」
J「単純なやつ…まぁ、柏葉が変な服着る分にはいいけど………ん?待てよ、今柏葉、私たちって…」
巴「桜田くんもよ」
J「は、はぁっ!?ぼぼ僕も!?いったい何着ろっていうんだよ!?」
巴「結菱さんが持ってきた水着とかドレスとか」
J「な、なんでそんなの持ってるんだ…」
巴「ちょっと興味あったから…ニヤ。いつも私たちばかりじゃ不公平だし…ね?雛苺。…安心して、ちゃんとお化粧させてあげるから」
J「そういう問題じゃ…な、なぁ、雛苺、お前は僕にこんな格好してほしくないよな?な?」
雛「……ヒナ、前回、恥ずかしいかっこいっぱいしたの……」
J「え…あ…ご、ごめん、雛苺、今度また苺大福買ってやるから!」
巴・雛「覚悟しなさい(なのー)」
J「ちょ…や、やめ……も、もうしないから、二人に変なかっこさせたりとか…だから…アッー!!」
巴「これでこそのジュン・ブライド…」

 



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最終更新:2008年06月12日 01:31