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 桜田潤は、目の前で繰り広げられている光景にウンザリしていた。
 目の前で繰り広げられている光景……ソレは……
 八乙女の一人と俗に化物とか妖怪と呼ばれる異形の者達の戦い。
 鬼として生まれ長き年月を旅し、潤が求めたモノ……それは平穏。
 そんな平穏とは遠くかけ離れた光景が目の前で繰り広げられている。
 ちょっぴり泣きたくなってきた潤だった。

「ジャンクにしてあげるわぁ!!」

 八乙女の一人であり……銀乙女当主水銀燈が、右手にもつ西洋剣で異形の者達を屠る。
 しかしながら、異形たちの数が多い為に形勢は不利であり……
 潤の正体をしらないが故に、水銀燈は『一般人』である潤を護りながら戦っているのである。
 いつの間にか、水銀燈と潤の二人は異形達に囲まれてしまう。
 平穏な生活は何処に……と、頭を抱える潤にこのままじゃぁ不味いわねぇ……と、異形たちを睨む水銀燈。

「センセ。私が道を作るから……」
「あぁ、それはいけない、いけない事だよ。水銀燈君」

 水銀燈が提案を言い終わる前に、右手で己の顔を隠しながら拒否する潤。 

「僕は、教師で君は生徒。いいね? 僕は教師で君は生徒なんだ」

 何をわかりきった悠長な事を言っているの? と、水銀燈は少々苛立つ。
 そんな水銀燈の雰囲気を感じ取ったのか潤は、口元に小さく苦笑を浮かべつつため息を一つついた。

「それに君は、退魔師として……いや、人として経験が浅すぎる」

 助けてもらっているのに何を言い出すのだこの男は! と、水銀燈はギロリと潤を睨む。
 どうやら、相当頭にきているらしく、水銀燈は潤の言った言葉の重要性をわかっていない様だ。
 そんな水銀燈の睨みに潤は脅える訳も無く……ため息をもう一度つく。

「相手が数で来たのなら……此方は範囲で攻めれば良い。そう広範囲だ」

 潤を睨んでいた水銀燈だったが、潤の様子がおかしい事に気づく。
 陽炎の向こう側に居る様に潤の姿は、揺らめいており潤から発せられる雰囲気は、水銀燈にとって初めて味わうモノだった。
 かなりの数の異形の者達を屠ってきた八乙女の一人水銀燈。
 しかし、その屠ってきた異形の者達のどれにも属さない雰囲気。
 だからと言って潤が発している雰囲気が人間のものかと言われれば否。 

「はぁ……スーツが台無しになるな」

 と、呟いて潤は呟いた。
 そして、まるでその呟きが引き金になったかの様に潤と水銀燈を囲んでいた異形の者達が一斉に襲ってくる。
 もう駄目! と、ギュッと瞼を閉じる水銀燈。
 しかし、幾ら時間が経過しても……と、言ってもほんの数秒だが……異形の者達の攻撃が来ない事に
 水銀燈は、恐る恐る瞼を開ける。
 水銀燈の瞳に映ったのは、吹き飛ばされ消滅していく異形の者達と自分の隣にいつの間にか存在していた。

『あぁ……私の平穏な生活よさようなら。そして……』

 と、少々涙声が混じる声でそう呟きながら目頭を押さえる身長が四メートルは、在ろうかと言う巨大な化物。
 その化物の名は、鬼と呼ばれる東洋の異形の中では、上位に当る存在。

『コンニチワ。クソ野朗ドモ!!』

 鬼が、その巨大な腕を薙ぎ払う。その腕が直撃した異形の者達は音すら立てずに霧散する。
 更に、振るった腕の先から巨大な炎の爪……と、でも言えばいいのか……それが、さらに異形の者達を襲い焔す。
 それは、一方的な殺戮の舞台と言えた。
 無数に……それこそ無限に居るとも思えた異形の者達が、鬼の吐く灼熱の息により焼かれ死に逝く。
 巨大な腕を振るうだけで、異形の者達は潰れ霧散する。
 そんな光景を唖然として水銀燈は見ていた。
 圧倒的過ぎる力を目の当たりにして、水銀燈は小さな恐怖を覚えると同時にこの鬼に勝てないとハッキリと自覚してしまう。 

『不動・雷神』

 鬼が、右手を天に掲げ振り下ろすと同時に、天から巨大な蒼い稲妻が無数降り注ぎ異形の者達を蒸発させてしまった。
 気がつけば、あの無限にも思える数の異形の者達の姿は無く……
 あの巨大な鬼と水銀燈だけになっていた。
 呆然として水銀燈は、鬼を見上げる。そんな水銀燈を見て、鬼は口元に小さな苦笑を浮かべた。
 そして、水銀燈の聞きなれない人の言葉でない言葉が鬼の口より紡がれると、同時に鬼の身体は陽炎の様に揺らめく。
 陽炎の様な揺らめきが収まれば鬼が立っていた場所には、潤が立っていた。
 全裸で。

「きゃーーー!!!!」

 先ほどの事など関係なく水銀燈は、顔を真っ赤にして声を上げその腕を潤に向けて振るう。
 その腕は、男にとって非常に急所な場所へと当り……

「ピウrpパsおちあgぺらぺ!?」

 潤は、声にならない声を上げてその場に崩れ落ちたのだった。 



『NGシーン』 
「おおきい……」
 水銀燈は、目を見開いて鬼を見る。
 正確には……鬼の腰あたりで、ブランブランと揺れる『放送禁止』を
『嫁入り前の娘が、みるんじゃなぁーい!!』

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