War Of School

メタルギア・カナリア『War Of School』


薔薇学園が占拠された!!

平和な学園を突如襲撃した謎の集団《暁の旅団》。彼等のリーダー、《ゴトウ》の指示で学園全てが
彼等の支配下におち、生徒は人質にとられた。
そして、かつて最高の戦士と言われたソリッド・スネークもやむを得ず捕まってしまう。

しかし、この状況において一人の少女が立ち上がった。

彼女の名は金糸雀、ソリッド・スネークの技を伝授された、学園を隠密に守るフォックスハウンドの一員。
彼女は戦いに赴く。

薔薇学園を、大切な友達を守るため

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~8:45事件発生~

その日もいつもと変わらぬ日常が始まるはずだった・・・教室に行き授業を受け友達と話し、昼飯を食べそして帰宅する、そんな日常がまた始まるはずだった・・・。
J「だりーな」
真「そんなこと言うもんじゃないわ、ジュン」
翠「ジュンはいつも親父くさいです!若者らしくシャキッとするです!」
J「だって、いつも同じ事の繰り返しで・・・ホント事件でも起きてくれないかな~!」
真「そんな縁起でもない!」
水「ジュン~おなよう~♪」
蒼「うわああぁぁぁ~ん!!」
翠「どうしたですか!?蒼星石!?」
蒼「ベジータがまた僕の体操服で~!!」
翠「まったく凝りねーヤローです!!よし滅殺してくるです!」
J「ホント平和だな・・・。」
しかし僕はこの少し前の発言を激しく後悔する事になるとはこのときはマダ思いもよらなかった・・・。
放送「・・・ザー・・・。」
真「?、なにかしらね?」
放送「ザー・・・あー・・・お前たちよく聞け!!この学校は俺たち中東新政治結社『マルカイタ』が乗っ取った!!これは神の御意思による制裁である!!お前たちは大人しく我らの捕虜となり目的遂行のための礎となるのだ!!」
一同「!!??」
J「冗談だろ!?」
真「まったく悪質ないたずらね・・・。」
放送「これは冗談などではない!我々はこの学園を占拠した!!抵抗や脱出などは考えるな!こっちにはドラム缶につめた放射性物質とダイナマイトを大量に持ち込んである!!この意味がわかるな?」
生徒「な、なんだってーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
これが僕の体験したはじめての非日常というやつの幕開けだった・・・・。

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8時45分、薔薇学園の前に五台の黒いバンが止まる。中から異様な雰囲気の男達が出てくる。
既に生徒達は教室に入り、HRを開始している。男達はそれを知った上で校内に侵入する。
男「A班、職員室を。B班、進入口を全て封鎖してアレを設置しろ!!!」
リーダー格の男が静かながら険しい声で配下の男達に次々と命令を下していく。
男達はそれに従い校内に散らばっていく。一人男が残る。
数分後、生徒のものと思われる悲鳴が聞こえ、部下から男の元に、
各々の仕事を完了した事を告げる報告が入ってきた。
男はそれに的確に答えていく。
と、放送室への道が確保された事が無線機から知らされ男は足をそちらへ向けた。

男が放送室に入る。部下の男は機器の準備を完了しており、今すぐにでも
放送ができる状態だと、男に合図していた。男は静かに頷くと放送マイクの前に立つ。

「ひっ・・・!!」

耳に届く女の悲鳴、男は悲鳴がした方を向く。そこに一人の少女が男を見て震えていた。
男はその少女にゆっくり近付き膝をついて少女の肩に手を置く。

男「静かにしていろ、お前達は大切な人質だ、危害は加えない。」

少女はコクコクと頷く。男は部下に少女を彼女の教室に連れて行くように指示する。
男はマイクに手をかけるとスイッチを入れた。

男の放送の少し前


梅岡「な、何だお前達はっ!!??」
いきなり開いたドア、そこから入ってきた不気味な男達。一人が騒ぐ梅岡の鳩尾に
拳を叩き込み沈黙させる。
ジュン「な、何だ一体!?」
男達が梅岡を教卓から落とし教室の前に立つ。
部下「全員この教室の窓際に立て。さもないとこの男と同じ目に合う事になる。」
感情を込めない淡々とした口調で用件のみを伝える男達。
紅「冗談・・・・ではないみたいね。」
雛「真紅・・・・・怖いの。」
男達の様子を冷静に観察する真紅の袖を震える雛苺が掴んでいた。

クラスの全員が窓際に立たされる。男達は生徒達に銃を付きつけながら何かを設置していく。
翠「い・・・・一体何をしてるですか、アイツら。」
真っ青な顔をして翠星石が隣にいる蒼星石を見る。
しかし彼女も分からないと言った顔で双子の姉を見返すだけ。
ジュン「何だよこれ・・・これじゃまるで映画の世界だ。」
紅「ええ・・・・でも今私達が体験しているこれは事実だわ。」
険しい顔でお互いに目線を合わせる二人。と、水銀燈がアッ、と言うような顔をした。
紅「どうしたの、水銀燈?」
男達に聞こえない程度の小さな声で話しかける真紅。水銀燈も同様にして答える。
銀「いないの・・・・薔薇水晶と金糸雀が・・・いない。」



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~職員室~
スネーク「(クソッ油断していた・・・まさかこんなところにも奴らがやってきてるとは・・・。なんとか脱出して手を打たねば・・・。)」
蜜香「ああ~ん、なんで縛られてるの~!?まさかこういうプレイ・・・蜜香我慢できな~い!!」
孔明「心頭滅却すればなんとやら、耐えるのです・・・。」
ホーエンハイム「・・・(クッ!この手さえ解ければ・・・。)」
草加「貴様ら!!これは立派な侵略行為だぞ!!戦争に・・・(グハッ!!」
スネーク「(とりあえず連絡を・・・無線が埋め込み式で助かった・・・あの娘しかいない・・・ザーザー・・・金糸雀、聞こえるか?緊急事態だ!フォックスハウンド部出動だ!!)」

学園の換気ダクトの中、金糸雀はそこに一人隠れていた。
突然現れた黒のバン、異様な空気を感じ一人教室を抜けて確認しに行ったのが正解だった。
バンの中から現れた男達は武装しており、次々と校内を制圧していった。
金「もしあのまま気付かなかったら一網打尽にされてたかしら。」
換気ダクトの下を良く訓練された三人一組の男達が歩いていく。
金「一人が無線・・・残りがアタッカー・・・。」
三人の武装を確認し、金糸雀は溜息をついた。


金「スネーク先生・・・・・あいつら・・・・とんでもないプロかしら。」


その時、校内のスピーカーが一斉に作動した。

スピーカーから低く威厳のある声が響く。


放送『校内にいる生徒、及び教師諸君。たった今この学園は我々の支配下に入った。
我々は《暁の旅団》、私の名は《ゴトウ》この国への要求のために君達に
人質になって頂く。抵抗は止めて欲しい。君達の前に設置されたのは爆弾だ。
下手に抵抗すれば爆弾が作動して君達の身体を引き裂き悲しい事態を招く事になる。
無駄な抵抗は望まない、安心して欲しい、大人しくしてくれれば傷つけはしない。
以上で放送を終了する・・・・君達の良心に私は期待する。』


職員室

スネーク「ゴトウだと・・・・?」
ホーエンハイム「昔の知り合いか・・?」
スネーク「・・・・・・多分な。しかし困った事になった。俺達だけならどうにかなるが
普通の教師がいたんじゃ手が出せん。」
ホーエンハイム「それは私も同じだし、息子達もそうだろう。大人しくするしかないさ。
アーカードがいないだけまだましだ。アイツがいたら誰彼構わず殺している。」
スネーク「ああ・・・・。・・・オタコンに任せるしかないか・・・。」

ジュン「おいおい嘘だろ・・・・。」
紅「本当に大変な事になったわね・・・。」
雛「真紅ぅ・・・・。」
真紅の側に行こうとする雛苺、しかし動けば危険と水銀燈が雛苺を止める。
銀「雛苺・・・こっちにいらっしゃい・・・大丈夫だから・・・大丈夫だから・・・」
翠「・・・・わ、私達・・・こ・・・殺されちゃうんですか?!い・・・嫌・・嫌・・。」
蒼「落ちついて翠星石・・・大丈夫・・・僕の手を握ってたら大丈夫だから・・・。」
ガタガタと震える翠星石を抱きしめ、手を握る蒼星石。
しかし彼女の肩も微かに震えていた。
紅「でも・・・・あの娘達・・・一体何処に・・・。」
強がり、金糸雀と薔薇水晶の事を心配する真紅だが怯えの震えは止まらない。
それに気付き、ジュンが彼女を抱き寄せる。
ジュン「心配すんな・・・大丈夫さ・・・。きっと・・・きっとだ。」
震えながらもしっかりと真紅を包むジュンの腕。その暖かさに真紅も身体を任す。
紅「ジュン・・・・・ありがとう。」

オタコン「・・・まさか・・・・こんな事になるとはね。学園の警備・・・もっと増やす必要があるね。」
オタコンは、薔薇学園にある地下の隠し部屋に逃げ込んでいた。
パニックルームでもあるこの部屋には、学園に設置してある全ての監視カメラの画像が
届くように出来ていて、今もオタコンはカメラを覗いて思案していた。
先程スネークに通信を試みたが、受信は出来ても送信ができない状況にあるようだった。
オタコン「どうする・・・・・どうすれば良い?教室も職員室も確認できない、
フォックスハウンドの装備保管庫には僕ではいけない、スネークには連絡できない・・・
・・・・・まったくの八方塞がりだ。」
オタコンはボサボサの頭を掻きなが地団駄を踏む。
このままでは余り良い予測がでない。少なくとも相手はプロだ。警察ごときでは歯も立たない。
誰か・・・・誰かいないか、とオタコンは考えを巡らす。


ピピッ、ピピッ

突然、無線機が作動した。オタコンは急いで通信機を手に取りスイッチをオンにした。

??『・・・・・もしもし、もしもし?そこに誰かいるかしら?』
通信機から届く幼さの残る可愛い声、オタコンは声の主に気付き即座に応答する。
オタコン「金糸雀かい!?金糸雀・・・・・君なのかい!?僕だ、オタコンだ!!」
向こうも自分が無事だった事に驚きの声を上げる。
金『オタコン先生!!無事だったかしら、良かったかしら!!でもどうして無事だったかしら!?」
オタコン「僕は事務だから、パソコン室にいてて外のバンに気付けたから助かったんだ。」
金『カナもそうかしら、あの黒のバンを見た瞬間嫌な予感がして確認しに行ったら案の定だったかしら。』
オタコンは胸を撫で下ろした。仲間はいた、しかも考え得る限りかなり優秀な仲間が。
オタコン「金糸雀・・・・これから僕の言う事を聞いて欲しい。」
オタコンは自分の立てた作戦を金糸雀に伝える事にした。彼は思う、警察では恐らくこの事態は
収拾できない、逆に大きな被害を出しかねないだろう。ならば、この事態を収められる唯一人だけ。
かつて最高の兵士と言われ、多くの危機を救い、今はその名と過去を捨て、
ある学園の教師となった男が育てた一人の少女だけ。


金糸雀しかいない、と・・・・

薔薇学園校舎一階、倫理教材準備室前


校舎の角に男達が消える。そのタイミングを見計らって金糸雀は
素早く音を立てずに室内に入る。

そしてそのまま本棚の一つに手をかけ、キーボードを引き出す。
オタコン『良くやった金糸雀、ここまで来たら大丈夫だ。』
鼓膜振動通信機を通してオタコンが言う。
オタコン『今日の室内へのパスワードは《ROZENMAIDEN》だ。』
金糸雀は声を上げる事なくそのワードを打ち込む。と、目の前の本棚がゆっくりと内側に動き、
地下への階段が現れた。金糸雀は素早く中に入り入口を閉じる。
階段を降りた先、そこには様々なハイテク機器や装備があった。
金「オタコン先生、本部に着いたかしら。道具と装備を整えてスグに作戦にかかるかしら。」
金糸雀は交信を済ますとテキパキと装備を身につける。
動きにくい制服は脱いで、防弾・防刃スーツを着込み、上からジャージを着る。
オタコンが特別に作った麻酔銃、薬莢、その他装備をバックパックに入れると
金糸雀は少し広めの自分のおでこにバンダナを巻いた。


金「オタコン先生・・・・待たせたかしら、これからみんなを助けに行くかしら!!」

薔薇学園占拠から三時間、学園の外には多くの警察と報道陣保護者が押しかけていた。学園から突如流れた
謎の集団による占拠の放送、それは学園の外にまで届き大騒動となったのだ。
生徒は無事か?暁の旅団とは?ゴトウと名乗る男の正体は?果たして彼等の要求は?
多くの情報が錯綜し、現場は大混乱に陥る。
そんな外の様子をリーダー格の男は冷ややかな目で眺める。
男「悲しいものだな・・・・・。よもや、ここまでこの国の危機管理意識が低かったとは・・・。」
男は深い溜息をつくと側近の男に問う。
男「奴らからは・・・・政府の無能な馬鹿共からは連絡があったか?」
側近「いいえ・・・予測通り奴らはテロリストには屈しないつもりですね。」
男はその報告を聞き満足げな笑みを浮かべる。
男「そうか、それで良い。当たり前の行動だ。それができなければ国家として終わっているからな。」
側近「ですね。」
男「だが悲しいかな、奴らが私達の真意に気付く事はない、我々の真の目的にはな。」
男はそう言うと放送室を出ていこうとした。
側近「・・・・何処に?」
側近の男が後ろ姿に声をかける。
男「校内の見回りだ。・・・・学校の先生ならする事だろ?」
ニヤリと笑い男は消えた。

男1「早くしろ。」
そんなに急かされれば出る物もでない、ジュンは心の中で思うが口にはしない。トイレに行くのは
許して貰えたが生憎、どの窓も溶接され外には逃げらそうにない。
ガッカリしながら教室にもどるとまた真紅の隣に座る。時計を見た。
時間は既に12時を過ぎている。外の様子がやたらと騒がしい。警察でも来たか、
だとしたらもうすぐ助かるかもしれないな。ジュンは淡い期待を抱く。
室内を見回す。極度の緊張でみんなの顔に疲労の色が浮かんでいる。隣に座っている真紅は
まだ良い方だが、翠星石の方は蒼星石がついていなければ、今にも倒れそうな勢いだ。
ジュンは下手に男達に頼んでみた。
ジュン「あ・・・あの・・・。」
ジュンの声に全員がジュンの方に注目する。
男2「何だ。」
ジュン「あの娘に・・・・何か枕になる物・・・」
男は翠星石を見、少し逡巡し、近くにあった誰かの膝かけ毛布を投げて寄越す。
男2「・・・・・ほらよ。」
ジュン「・・・・どうも。」
ジュンは受けとると蒼星石に渡す。
蒼「ありがとう・・・・」
受けとると蒼星石は枕にして翠星石を寝かせた。
男3「おい。」
寝かせて数秒もしない内に今まで喋らなかった男が口を開いた。
男3「そこの銀髪、こっちに来い。」
嫌らしい目で男が見る先、水銀燈が怯えきった顔をしていた。

男2「おい・・・・何を考えているんだ、あんたは!!」
毛布を渡した男の怒声が教室に響く。
男3「何だ?ここの統括は俺だぜ?全ての権限は俺にある、文句は言わせん!」
統括、その言葉に毛布の男が躊躇する。
男2「くっ・・・!隊長が黙ってはいないぞ!!あの人の意思に背く気か貴様!!
・・・・おい、さっきから黙ってるがお前はどう思うんだ!?」
先程ジュンをトイレに連れて行った男は問われ、さあ、と両手を上げる。
男1「ここの責任者はそいつだ。兵隊は責任者の指示に従う、当たり前だろう。」
それを聞き、嫌らしい目の男は水銀燈に近付き、その手を掴む。
銀「いやぁっ!!」
紅「水銀燈っ!!」
雛「だめぇっ!!」
次の瞬間ジュンとベジータ、笹塚といった面々が立ち上がろうとしたが男に銃口を突き付けられ
歯を食いしばりその場に座った。
男3「そういう事だ。後は頼むぞ、二人でも爆弾は操作できるだろ?」
そう言い残し、男は水銀燈を連れ部屋を出た。

音楽室

塞がれていた口と腕が放され、水銀燈はその場に投げ出される。投げ出された拍子にスカートがめくり上がり
ふとももがまる見えになる。男がそれを見て舌なめずりするのを見て水銀燈の背筋が凍る。
逃げようと出口に向かって走りだすが、すぐに男は水銀燈を捕まえ地面に叩きつけ、
両手を紐のようなもので縛りつける。
銀「ぐうっ・・・!!外して・・・放してぇっ!!!」
じたばたともがく水銀燈を押さえ付け、男は膝からふとももをゆっくりと撫で上げていく。
銀「うっ・・・くぅぅっ・・・・。」
男3「くくくっ・・・。久々だ・・・・・女抱くのはよぉっ!!」
男はそう言うと水銀燈の制服の襟にに手をかけ下まで破り去った。
銀「いっ・・・・・いやああああぁぁ!!!!!!!」
ビリリと言う音と共に水銀燈の白雪のような白い素肌があらわになる。まだ一度も異性に見せた事のない肌が
全く面識のない男に見られた事で水銀燈の顔には涙が浮かび、真っ赤になる。
銀「やだぁ・・・・・いやだぁぁっ!!!」
男3「ほぉ・・・・やっぱり上玉じゃねえか。なるほど・・・」
男は叫ぶ水銀燈の身体をまさぐっていく。水銀燈の顔が嫌悪感で満ちていくのを
男は楽しそうに観察する。
男3「良いよなぁ・・・やっぱ女はこうやって無理矢理犯すのが1番なんだよ・・・。
戦争では好き勝手できたんだよ・・・あいつらは敵だからな・・・・。」
男の恐ろしい言葉に水銀燈はいよいよ激しく暴れだす。
銀「いやぁあ!!嫌っ!!こんなの・・・・・こんなのいやぁあああっ!!」
泣き叫ぶ水銀燈の頬を男が張り手する。
男3「黙りな・・・お前は人質なんだよ・・・。お前みたいのはまだ他にもいるんだ・・・
だから今すぐここで殺して良いんだぜ?」
男は腰から拳銃を取出すと銃口を水銀燈の胸にブラジャーの上から押し付ける。
銀「ひゃぁぁ・・・。ぅぅっ・・・・・・ううぅ・・・嫌・・嫌ぁ・・・」
男の行動に恐怖し、水銀燈の動きが止まる。それが合図で男の行為がエスカレートする。
拳銃をしまった代わりにナイフを取出すとブラジャーを切り裂き、布切れになったそれを剥ぎ取り、
直に水銀燈の胸を揉み始めた。水銀燈は抵抗をしようと思うが先程の言葉が耳に残って
金縛りのように動けない。そして男の行為はいよいよ最悪のものにシフトした。
男3「おい、お前・・・・処女か?」

残忍な質問、男は水銀燈に問う。しかし水銀燈は恐怖による震えでまともに答えられない。
男は感情に任せて再び水銀燈に張り手を食らわせる。
男3「答えろ!!どうなんだっ!?」
銀「・・ぅぅ・・・そ・・・そうです・・・・・」
余りにも侮辱的な言葉に水銀燈はまた涙を流す。
男3「なら・・・・・俺が始めてだ。」
悪魔のような笑みがあるとすればまさしくそれ。男は水銀燈のスカートの中に手を伸ばすと、
一気に下着を引き抜いた。もはや水銀燈には抵抗する力は残っていなかった。
水銀燈は目をつむる。カチャカチャとベルトを外す音がする。もう駄目だ、絶望の二つ文字が頭をよぎる。


だが


「・・・・・何をやってるんだ?」


さっきの男とは違う、品のない声ではない。厳かな相手を圧倒するような声。
水銀燈はゆっくりと目を開けた。目の前にさっきの男が上半身を裸にして
自分に背を向け、入口の方を見てい立っている。
男3「ゴ・・・・・ゴトウ隊長・・・!!」
明らかに男は怯えていた。
ゴトウ「やはり・・・・・校内を見回って正解だな。お前のような下卑な者は必ず何処にでもいる。」
ゴトウと呼ばれた30過ぎの男の瞳は品のない男の目を射抜いていた。


男3「ど・・・・どうしてここに?」
男はゴトウに質問をしながら腰にさした拳銃に手を伸ばす。
ゴトウ「今言っただろう?貴様のような輩がいないか見回っていた、と。
分かっていると思うが貴様は俺に逆らった。・・・・万死に値する、死んで償え。」
その瞬間、男は腰から拳銃を抜きゴトウに向かって突き付けた。
男3「ふ・・・・ふざけるな!!お前のトコに行ってから災難続きだ!!畜生!!
もう懲り懲りだ!!!死んじまえ!!!ゴトオォォォッ!!!」
男の持つ銃が火を噴いた。爆裂音が防音加工をした室内に響きわたる。
水銀燈はその音の余りの大きさに耳を塞ぐ


一発・・・・二発・・・・三発・・・・・・・・・・・六発


弾がきれた。
爆裂音が消え、水銀燈は塞いだ耳を開け瞳を開いた。最初に映ったのは
驚愕の表情で自分を見る男。何故自分を見て驚いているのか、水銀燈は不審に思う。
だがその答えは自分の肩に突如かけられたコートが語っていた。
男3「何でだ・・・・・・何でそんな所にいるんだよ。」
入口にいたはずのゴトウが水銀燈の横に立っていたのだった。

男3「ば・・・・・化け物か、てめえ・・・。」
男が投げ掛ける言葉を無視し、ゴトウは水銀燈の横に膝を付き彼女に頭を垂れる。
ゴトウ「済まなかった・・・。部下の非道を謝らせて欲しい。服をすぐ用意する。
君は外で待っていろ。・・・・私もすぐ行く。」
ゴトウは立ち上がるとコートをかぶせた水銀燈の手を取り音楽室の外まで導いた。
銀「あのっ・・・!」
ゴトウ「すぐ終わる・・・待っていろ。」
ゴトウはそう言うと音楽室の扉を閉じた。
男3「てめえ・・・・無視しやがって!!!」
既に銃弾は補充したようだ。ゴトウはニヤリと微笑んだ。


ゴトウ「悪かったな・・・・・・・・処刑してやるよ」


目の前で男が死んでいた。頭の半分が陥没し、装填したはずの拳銃が
使われる事なく男の手の中にあった。

ゴトウ「化け物か・・・・・・まあ、違わないか。」
ゴトウは手に付いた血を男の服で拭い去ると音楽室を後にした。


教室の中を悲壮な空気が流れる。水銀燈が男に連れられてもう30分、あの男の目的は間違いなく
水銀燈の身体だった。だとすれば今頃・・・・。想像した光景の悲惨さにジュンは己の無力を呪う。
ベ「無力である事がこんなにも歯痒いなんてな・・・。」
隣に座っていたベジータも悔しそうに呟く。ジュン「ああ、そうだな。僕もそう思う。」
ジュンは無意識に教室の中を見回す。
水銀燈が連れて行かれ一人になった雛苺の側に真紅、泣き続ける彼女に
胸を貸している。
紅「大丈夫よ雛苺・・・・安心なさい、水銀燈は弱い娘ではないわ。」
雛「・・・・・ヒッグ・・真紅ぅ・・・」
真紅も怖いのだろうが気丈にふるまい、彼女を慰めていた。
蒼星石は極度の緊張と疲労で倒れた翠星石の側についてずっと手を握っている。
翠星石の顔色は、寝ているせいかさっきよりはマシになっているみたいだった。
蒼「一体いつまでこうなんだろうね・・・・・。今日の朝もいつもと変わらない、
楽しい一日が始まってたったはずなのに・・。僕、怖いよ・・・。」
ジュンに蒼星石が話し掛ける。ジュンはそうだなと答えると時計を見ようとした。
その時、教室のドアが開いた。

開いたドアの前に水銀燈が立っていた。さっきまで着ていた制服の代わりにオリーブ色の
軍服のような上着を羽織っている。
紅「水銀燈!!」
いつも水銀燈とケンカばかりしている真紅が真っ先に叫ぶ。
ゴトウ「行くと良い。・・・安心しろ、私達はこんな事で爆弾を起動させない。」
さっきの男とは明らかに違うオーラを背負った男が水銀燈の背中を軽く押す。
水銀燈は男の言葉を合図にして真紅の胸に飛び込んだ。
銀「真紅っ!!・・・・真紅ぅ・・・・怖かった・・・・怖かったぁっ!」
真紅の胸の中で水銀燈が泣きじゃくる。真紅は彼女の銀髪を撫でるようにして
彼女を慰め、ゴトウを睨みつけた。
紅「貴方・・・・・貴方達は最低だわっ!!女性をこんな目に合わせるなんて!!!」
真紅は自分の身の危険をかえりみずゴトウを罵倒する。何て命知らずな、と
幾人かの生徒は思う。しかしジュンを始めとした数人は彼女の気高さに敬意を表する。
銀「ち・・・違うの真紅・・・・あの人・・・私を助けてくれたのよぉ・・・」
自分の胸から顔を放して涙を目に浮かべながら言う水銀燈の言葉に真紅は驚き、
ゴトウを見返す。そういえば水銀燈を連れて行った男の姿がない。
ゴトウが真紅の心を見透かしたように無表情で答える。
ゴトウ「あの男か?・・・安心しろ、既に奴は私が処罰した。君達は大事な人質だからな、信用しろと
言っても無理だろうが価値がある間は私は君達を傷付けるような真似は絶対しない。
もちろん君達が抵抗しなければ、だ。・・・・補充要員をすぐ用意する、お前が指揮をとれ。」
ゴトウは毛布の男にそれだけ言うと教室を出た。

学園内は異常な程に静まりかえっている。いや、実際に今、学園は異常事態である。
廊下を歩く武装した男達、教室に押し込まれ啜り泣く生徒達、教室の真ん中に設置されたクレイモア地雷。
金糸雀は換気ダクトからそれらの様子を確認すると、何処かの特別教室に
降りて、遮蔽物に身を隠しオタコンに通信をする。
金「・・・・オタコン先生、作戦通り教室の中を確認したかしら。」
オタコン『どうだったかい?見た物を放してくれ。』
金「スネーク先生が前に言ってた地雷が教室にあって、
皆は半分が窓際に立たせられてて半分が座らせられていたかしら。」
オタコン『なるほど・・・・・・。』
通信機の向こうでオタコンが思案する唸り声が聞こえる。
オタコン『・・・・そうか。かなり状況は悪いね・・。』
金「どういう事なのかしら、オタコン先生?」
オタコン『・・・ああ、君には技術は教えてたけどこういう話はした事がなかったね。』金「そうかしら。先生から習ったのは格闘技とか気の持ちようとかだけだったかしら。」
オタコン『そうだね。普通に学園を守るだけなら知るのはそれだけで良い話だから。
・・・・・だけど今からは違う。・・・・金糸雀、説明するよ。』

オタコン『教室で立たされていた生徒達は盾、爆弾は狙撃を防ぐためなんだ。』
金「・・・・どういう事かしら?」
オタコン『狙撃をしようと思っても生徒が邪魔になる、撃っても跳弾したらドカンなんだ。
おまけに下手に突入すれば彼等はクレイモア地雷を作動させて生徒と警察だけを殺す事ができる。』
金「じ・・・・じゃあ外からは手が出せないかしら!!」
オタコン『そうなんだ、おまけに昇降口にも爆弾らしき物があった。外には簡単ににげられない。
・・・・・だけど金糸雀、事態はもっと悪い方向に進んでいる。』
金「・・・・??」

オタコン『・・・・・・警察が後8時間後に突入を開始する。』

金「なっ・・・・!!??そんな事したら真紅達が死んでしまうかしら!!」
オタコン『そうだ・・・・。だからそれまでに事態を逆転させないといけない。』
金「・・・・・・分かったかしらオタコン先生。カナ・・・やってみるかしら!!」
オタコン『最初の作戦に爆弾の除去も加わる、いけるかい?』
金「もちろんかしら!!皆を死なせないかしら!!」
オタコン「・・・・良く言ってくれた金糸雀!・・・・金糸雀、最初の作戦通り、
敵の撹乱をしてスネークを助けてくれ!・・・・・その次が爆弾だ!』
金「了解かしら!!」

タイムリミットまで後8時間


ホーエンハイム「今の爆発・・・・。」
ホーエンハイムが呟く横でスネークは微笑む。
スネーク「やってくれたな・・・・オタコン!」
スネークが言うと同時にスネークの耳に仕込んだ鼓膜振動通信機が作動した。
オタコン『スネーク・・・聞こえるかいスネーク!?僕だ、オタコンだ!!受信は出来るだろうから
聞いててくれ!!今、家庭科室を爆破して敵を撹乱した!!今から君を
金糸雀が助けにいく!!用意をしていてくれ!!』
通信が切れる。スネークは驚きの表情を見せる。だが、すぐに顔に笑みを浮かべ喜ぶ。
スネーク「くくく・・・・なるほどな、オタコンじゃなくてアイツか。
・・・・・また成長したな、金糸雀。」
スネークの様子を見てホーエンハイムも顔に笑みを浮かべる。
ホーエンハイム「脱出の機会ができたみたいだな、スネーク。」
スネークはそれにしっかりと答える。
スネーク「ああ・・・・俺の自慢の教え子がやってくれた。」
顔を見合わす二人、と、突如職員室のドアが開き、黒い物体が投げ込まれた。
スネーク「目をつぶれホーエンハイム!!」

閃光が職員室を飲み込んだ

閃光の中を一陣の風が駆け抜ける。突然の襲撃に男達は視力を失いパニックに陥った。
男A「眼がっ!!!畜生ぉぉ!!!見えねぇぇ!!!」
男B「ぐぁぁぁあああ!!!」
男C「増援を・・・・増援を 呼べぇぇぇっ!!!」
その一言で男が腰から無線を取出そうとする。
金「(アイツが無線係かしら!!)」
金糸雀は無線を持った男と一気に距離を縮め、後ろ回し蹴りを叩きこむ。
男は蛙のような呻き声を上げてその場に突っ伏した。
男A「だ・・・誰だ!!」
ようやく金糸雀の存在に気付きアタッカーの男が視力を失いながらも武器を構える。
しかしもう勝敗はついている。金糸雀は少し離れた所にいた一人に麻酔弾を撃ち込むと
近くにいた男の武器に取り付いた。

金「おやすみなさい、かしら!!」

金糸雀の声と共に男の身体が武器を中心に縦回転した。武器は男の手を離れ、
男は床に背中をしこたまぶつけて気絶した。

閃光が消滅したその跡、一人の少女が女神像のように立ち尽くしていた

目の前にガスマスクを付けた少女が立っている、ホーエンハイムは突然現れ
男3人を瞬く間にのしたその少女に感嘆の表情を向ける。
スネーク「・・・ナイスだ金糸雀、CQCの訓練は怠っていないみたいだな。」
スネークは金糸雀に声をかける。ホーエンハイムはスネークが呼んだ少女の名に驚愕する。
ホーエンハイム「金糸雀?ま・・まさか金糸雀が君の教え子だったのか!?」
ホーエンハイムの見ている前で少女がガスマスクを外す。
その中から金糸雀が顔を現した。
金「スネーク先生!!助けにきたかしら!!」
金糸雀はすぐにスネークの縄を解き、スタングレネードで気絶した教師達を
スネーク達と爆弾の当たらない場所に移した。
スネーク「すまなかったな、俺とホーエンハイムだけだったら良かったんだが
普通の教員がいたんで動けなかった。金糸雀、お前には感謝している。」
スネークからの礼に金糸雀は照れるが、すぐに目的を思いだし、
今の状況の詳細、作戦をスネークに伝えた。
スネーク「爆弾か・・・・。オタコン聞いているか?」
オタコン『聞いてるよスネーク。君達には爆弾を解除してほしいんだ。生徒はその後でないと
避難させられないからね。出来れば一人には陽動で動いて欲しいんだけど頼めるかい?』

タイムリミットまで後6時間30分:薔薇学園校長室

ゴトウ「やはり・・・・・やはりやってくれると思ったよソリッド・スネーク・・・・。」
職員室にいたはずのスネークが逃走した。ゴトウは入って来た報告に気を良くする。
側近の男は首をかしげゴトウに質問する。
側近「・・・・隊長、ソリッドスネーク、彼とは一体どういう知り合いで?」
ゴトウ「・・・・昔、同じ部隊で戦った事があったんだ。強い男だったよ・・・とてもな。」
懐かしむような目で校長室の天井を見上げるゴトウ。それ以上聞ける事はない、
側近の男は話題を変え、別の話を始める。
側近「放送機器が先程の爆発で破損、外部に向けて行うはずだった、
アレを行う手段がなくなってしまいましたがどうしましょうか?」
ゴトウ「復旧を急いでくれ。放送機器がないと困る、何名か機器に詳しい者がいたはずだ。」
側近「抵抗する彼は?」
ゴトウ「もちろん全力を上げて迎撃しろ、スネークは手強い、半端な攻撃では
こちらが手傷を負う。最悪、人質を使ってでも良い。」
淡々と指示を行うゴトウ、側近の男は彼の指導力に舌を巻く。
やはりこの男に付いて来てきて正解だったかと感嘆する。
ゴトウ「・・・・以上だ、下がってくれて良いぞ。」
ゴトウはそう言うと側近に背を向けた。側近は礼をすると部屋を出た。


未完

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最終更新:2006年03月18日 18:54