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ピーンポーン
「はい。」
インターホンのカメラ越しに外を見ると翠星石がいた
「ほら、翠星石が来てやったですよ。早く開けるです。」
「はいはい、ちょっと待てよ。」
時計を見ると三時四十五分
約束の時間には若干早いが、もう来たらしい
「おじゃまするです。」
「ほい、いらっしゃい。早かったな。」
「色々と準備があるんです。」
そんな物なのか
「とりあえず冷蔵庫借りるです。生ものも有るから傷むと困るです。」
「じゃあ、キッチンはこっちだから。」
テキパキと食材を冷蔵庫に詰める翠星石に聞いてみる
「まだ、料理始めるには早くないか?」
まだ四時にもなっていない
そんなに時間の掛かる手の込んだ物を作るつもりなのか?
「実は、JUNの事だから掃除なんかろくにしてないだろう。
だから少し早めに来て先に掃除してやろうと思ったんです。
でもチャンと綺麗に片付いてるです。ちょっと見直したです。」
「ははは。」
本当は柏葉がやってくれてるんだけど、笑いで誤魔化しておいた
「とりえずお茶でも淹れるよ。ソファーにでも座ってて。」
「わかったです。」
「紅茶で良いか?」
「お願いするです。」

「そう言えば昨日蒼星石が…。」
「へー意外だな。」
「チビ苺の奴が…。」
「あいつらしいな。」
翠星石が紅茶を飲みながら学校の話や家での話を喋っている
主に彼女が喋り僕が相槌を打つ
普段とは逆だな
柏葉と二人だと大体自分から話題を振ることが多い気がする
まあ、二人とも特別口数が多い方では無いので無言でいる事も多いが
「JUN、翠星石の話聞いてるですか?」
「え?聞いてるよ。」
「そうですか。なら良いです。」
ちょっとボーっとしてたらしい。気をつけないと

「さて、ちょっと早いけど始めるです。」
時計は五時前
確かに夕飯には少し早い
まあ、お腹すいてるから良いけどね
「うし、僕も手伝うよ。」
「良いです。翠星石に任せてJUNは座ってるです。」
「そうはいかないよ。僕も手伝うよ。」
「大丈夫なんですか?」
それが本音かよ
「大した事は出来ないけど手伝いぐらいなら大丈夫だよ。」
普段は柏葉の手伝いもしてるし
「そうですか。なら手伝ってもらうです。」
「おし、任せとけ。」
キッチンの壁にかけてある僕お手製のエプロンをかける
ちなみに隣には柏葉用の色違いの物がかかっている
「さあ、何したら良い?魚捌こうか?(出来ないけど)
それとも男らしく肉を丸々焼こうか?(やった事無いけど)。」
「JUNにはこれをお願いするです。」
そう言って翠星石はじゃが芋を取り出した
「これをどうすれば?」
「皮剥き機使って皮をむくです。」
「それだけ?」
「それだけです。」
「もっと他の事無い?」
「今日は翠星石が料理しに来たんだから別に良いです。」
「そうか……。」
もっと色々手伝いたいんだけどな
柏葉も皮剥きとかしかやらせてくれないし

ショリショリとじゃが芋の皮を剥く
翠星石はホワイトソースを作ってるみたいだ
「グラタン?」
「そうですよ。」
「へー久し振りだな。」
「JUNは普段どんな料理食べてるですか?」
「うちは和食が多いな。」
柏葉の得意料理が和食だから和食が多い
「そうですか。丁度良かったです。今日は洋食です。」
「それは楽しみだな。っと、ホイ、皮剥けたよ。」
「ありがとうです。」
「じゃあ、次は何すれば良い?」
「もう良いですよ。JUNはテレビでも見てるです。」
「いやいや、手伝うよ。」
「良いから大人しく向こう行ってるです。」
強制的にキッチンから追い出されてしまった
仕方なく言われた通りテレビを見始めるが翠星石が気になって仕方ない
「調味料とか置いてる場所わかるか?」
「大丈夫ですから気にするなです。」
「足りない物とかないか?」
「無いです。良いからテレビ見やがれです。」
仕方ない大人しくしておこう
でも、柏葉以外が家のキッチンに居るって変な感じ

「出来たですよ。」
テーブルには翠星石お手製の料理が並べられていた
「今日の献立はミートスパゲティとポテトグラタン。
それにサラダとコーンスープです。」
「へー、ミートソースも自分で作ったの?」
「当たり前です。コーンスープも翠星石が作ったですよ。」
それはまた手の込んだ…
「すごいな。」
「ふっふっふ。さあ、さっさと食いやがれです。」
「うい、いただきます。」
とりあえずスパゲティから……
「どうです?」
「美味いよ。これ。」
茹で加減も絶妙で、良い感じのアルデンテだ
「それは良かったです。さあ、グラタンも食べるです。」



「ご馳走様。どれも美味しかったよ。」
「お粗末さまです。」
弁当を作ってくれた時から分かっていたが
翠星石は料理が上手い
今日の料理もかなり美味しかった
……でもやっぱりちょっと味付けが薄いんだよな
「さあ、洗い物やっちまうです。」
「良いよ。洗い物ぐらい僕がやるよ。」
「別に良いですよ。翠星石がやるです。」
料理も殆ど手伝って無いし、洗い物位は自分でやらないと流石に気が引ける
「良いから翠星石は向こうでテレビでも見てて。」
今度は僕が無理矢理、翠星石をキッチンから追い出した

洗い物も終わり翠星石とリビングで紅茶を飲む
「今日はありがとな。」
「これ位お安い御用です。」
「弁当作ってくれた時も思ったけど翠星石、料理上手だな。」
「そ、そうですか?」
「うん。かなり上手いと思うよ。」
「へっへっへ、照れるですぅ。」
顔を赤くして笑っている
ちょっと可愛いとか思ってしまった



「さて、こんな時間だし。そろそろ送って行くよ。」
時計を見ると七時半
カップの中も空になった所だし丁度良い時間だ
「あ、ちょっと待つですJUN。翠星石はJUNに聞きたい事があるです。」
「なんだよ?」
立ち上がろうとした僕を翠星石が引き止めた
「えーと、そのーですね…」
なにやら歯切れが悪い
普段誰にでもハッキリと言う翠星石にしては珍しい
「どうかしたのか?」
「その…。今日の料理はどうだったです?」
感想はさっきも言ったけどな
「美味かったよ。」
「それは良かったです。前のお弁当はどうだったです?」
それも前に言ったよな
「あれも美味しかったよ。」
「そうですか。また、食いたいですか?」
「…そうだな。」
もし作ってくれるならたまには良いかもな
「よし、分かったです。明日から毎日翠星石がご飯作ってやるです。」
「へ?毎日?」
「翠星石に毎日料理してもらえるなんて、JUNは幸せ者です。」
何か暴走してる……
「ちょっと待った!翠星石!」
「何ですか?」
「その提案は嬉しいけど……。」
「何か問題でもあるですか?」
ありまくりだろ……
「嬉しいけど悪いよ。毎日なんて。」
「遠慮するなです。」
「遠慮じゃなくて……。」
「気にしなくて良いです。翠星石がしたいからするだけです。」
「気にするよ。」
「……。」
翠星石は黙ってしまった
確かにありがたい提案だけど、翠星石にそこまで世話になる訳にはいかない
「……JUNは、ニブチンの大馬鹿野郎です。」
「どう言う意味?」
「翠星石がここまで言っても分かってないです。」
「なにが?」
「ここまで言ったら普通は分かるです。やっぱりJUNは馬鹿野郎です。」
翠星石の言いたい事は分かってる
「頼り無い友達の世話をしてやろう。って事だろ?」
「……ちがうです。」
違うのか?
「あー!もう、じれったいです!翠星石はJUNのことが!」


おさななじみなふたり 第五話 了

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