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「うー 寒いな。 早く帰ろうっと」
雪が降る中を僕は家へと急ぐ。右手にビニール袋を持って。
みんな喜ぶといいなぁ。

「ただいまー」

居間に入ると、姉妹全員と幼馴染が炬燵に入ってくつろいでいた。
「おかえりなさぁいJUM。寒かったでしょぉ?隣空いてるわよぉ?」
とりあえず遠慮しておきます。
「JUMお帰りなさいかしら。こんな寒い中どこ行ってきたのかしら?」
「どうせエロ本でも立ち読みしてきたに決まってるです」
断じて違います。自分のPCだけで事足り、って何を言ってるんだ僕は。
「お帰りJUM君。今お茶入れるね」
「お帰りJUM。ちょうどよかったわ。紅茶を入れて頂戴」
なぜそこで僕に頼む。ついでに蒼姉ちゃんに頼めばいいじゃん。
「お帰りなさいJUM。頬が赤いですわよ。私のぬくもりで暖めましょうか?」
「おかえりJUM・・・ ゴハンにする?お風呂にする?それとも・・・」
全力をもってお断りいたします。
「お帰りなさい桜田君。お邪魔してます」
「JUMおかえりなのー!うよ?その袋なぁに?」


「ああ、これはね」
そう言って、僕は袋の中からモノを取り出し、みんなの前に1個ずつ置く。

「なんだろう?」
「初めて見るのだわ」
「なにかしら?おまんじゅう?」
「おもちじゃないのぉ?」
「雪見大福に見えるですぅ」

「あっ これって」
「うよ?トゥモエ、これ知ってるの??」
「食べたことあるわ。雪苺娘でしょう?」

「「ユキイチゴ??」」

「簡単に言えば、苺大福のアンコの代わりに
スポンジケーキと生クリームが入ってるのよ。」
「そうなんだ。コンビニで買って食べてみたらすごいおいしかったから
みんなにも食べさせてあげたいなって思って買ってきたんだ」


それを聞いて真っ先に反応した人が開口一番
「あらJUM。それは食べ物の神様がとっても喜びますわよ」
と、満面の笑みで言うキラ姉ちゃん。それって自分のことじゃ?
「へぇ、コンビニにそんなのがあったなんて知らなかったわぁ」
「あなたはどうせヤクルトしか目がいかないんでしょ?」
まぁ確かに、コンビニに入ると真っ先にヤクルト探すよね。銀姉ちゃん・・。
「なんですってぇ?ヤクルトのおかげで
あなたには無い乙女のたしなみを手に入れた私をバカにするなんてぇ、
ヤクルトに呪われても仕方ないわよぉ?」
すでに手遅、ゲホンゲホン、ではなく、どんな理屈ですか、それは? 
「ケンカはやめようよ。
せっかくJUM君が,僕たちの為に買ってきてくれたんだから」
我が家の良心、蒼姉ちゃんが仲裁に入る。
「そうです。せっかくJUMが買ってきたんですから。
ケンカせずにありがたく食べるです」
それに続く、翠姉ちゃん。
普段、雛姉ちゃんの苺大福を横取りする人が言うセリフとは思えないよ。
「みんなで仲良く食べるかしらー」
「・・・モグモグ、うん。おいしい」
「うにゅーもおいしいけど、これもおいしいのー」
フライングする人が約2名。もうどうでもいいや


あら?手が真っ白ですわ?」
「ほんとかしら。口の周りも真っ白かしら」
実は、このお菓子、白い粉がまぶしてあり、それが手や口についたりする。
それゆえ素手だと、どうしても手や口を汚してしまうのだ。
雛姉ちゃんに至っては、頬に生クリームまでついている。

「雛姉ちゃん、頬に生クリームついてるよ」
そういって僕はヒナ姉ちゃんの頬から生クリームをとる。
ほっぺ柔らかいなぁ。取った生クリームは折角だから自分の口に運ぶ。甘い。
「ハッ!?もぐもぐ・・・翠星石の頬にも生クリームついちゃったですぅ~。」
何ですか、その、ものすごいわざとらしさ。
そして次々と他の姉妹に、あくびを見たかのように、うつってゆくんだよね。その行動が。

「JUM、お姉ちゃんの頬もとってぇ~。手じゃなくて、舌でぺロって~。」
「JUM君、ぼ、僕も・・・その・・・できればでいいんだけどね・・・?」
「JUM・・・私のも。取ってくれたら・・・」
「カナったら、ほっぺに生クリームがついちゃったかしら~。」
「くっ・・・取ってもらいたい・・・でもはしたないのだわ・・・でも・・・っく・・・!」
「あら、私ッたら。残りを呑みこんでしまいましたわ。」


あれ?なんですかこの既視感。前にも同じことがあったような・・・
いや、おそらく気のせいだ。
そう思ってると、
「桜田君。私のも取ってくれる?その・・・胸元についちゃって」

「「「!?!?!?!?!?!?!?!?」」」」 凍りつく一同。
((「「トゥモエ・・・恐ろしい子」」))
ここまで、うつっていたとは・・・


「ごめんなさい桜田君///。本当は桜田君の分だったんでしょう?」
家まで送る道すがら、頬を少し赤らめながら言う柏葉。やっぱ恥ずかしかったんだな・・・。
「いや、いいんだよ。いつでも食べる機会はあるんだし、
それに女の子に食べさせず、男だけが食べるのはバツが悪いし」
「ありがとう。やさしいのね」

そうじゃないよ。
僕はおなかいっぱいだったんだ。
みんなの笑顔でね。

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