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僕だけの特権 第4話

今日は楽しい楽しいクリスマス。
本来なら金糸雀と二人でのんびり過ごす予定だったんだけど……
「ジュン!酒が足りんですよっ!」
「…………(ブツブツ)」
「うぅっ…私なんて所詮貧乳よ…私なんてぇ…」
「いいかい?そもそもメンデルの法則とは独立・優性・分離の法則が……ちょっとジュン君!聞いてるの!?」
あはは…なんでこうなっちゃったんだろう…?


きっかけは確か朝の水銀燈の一言だったよな…
「ジュンにカナ~、今日よかったらみんなでジュンの家でクリスマスパーティしなぁい?」
「え…今日…?てか僕の家か!?」
「……かしら…?」
「そぉよぉ。みんなで騒いだほうが楽しいでしょぉ?それともぉ…今日は二人きりでうっふんあっはんするつもりだったのぉ~?」
ニヤニヤしながらとんでもないことをおっしゃる水銀燈さん。
僕と金糸雀の顔は一瞬にして林檎よりも赤くなった。
「ちょっ…何を…//」
「ぎ、ぎ、銀ちゃんっ!//」
「うふふっ…冗談よぉ♪とにかくぅ、今日はジュンの家でみんなでパーティってことでいいわよねぇ?」


「あ、あぁ…僕は別に構わないけど…金糸雀は?」
「んー…ジュンがいいならカナもいいかしらー」
「じゃぁ決定ねぇ♪」
「わかったけど…誰を呼ぶつもりなんだ?」
「真紅と双子を呼ぼうかなぁと思ってるんだけどぉ…それでいい?」
真紅とは水銀燈のクラスの女の子。水銀燈とは対照的な金髪が綺麗な子だ。少々気が強いのは難点だが、実は優しい子なので僕や金糸雀とも仲がよい。
双子ってのは僕のクラスの翠星石、蒼星石のこと。
翠星石は腰まである栗色の髪と、破壊力抜群の毒舌が特徴の女の子。
蒼星石は翠星石とは対照的に、髪も肩につくかつかないかくらいだし、性格もいたって真面目な子だ。
「あの3人か…騒がしくなりそうだな…」
「でもでも、とっても楽しそうかしらー♪」
「それじゃぁ今日の7時くらいにみんなを連れてジュンの家に行くわねぇ♪」
「あぁ、わかった」
「待ってるかしらー!」


楽しみだわぁ♪と、自分の家に帰っていく水銀燈。
てか…このために家に来たのか?別に電話でもいいだろうに…

そんなわけで急いで家の掃除を始めることにした。
人が来る以上は綺麗にしないとな、うん。
「……よし、玄関の掃除は完了…と。金糸雀ー!リビングは終わったー?」
「だ、大丈夫かしらぁ~…」
掃除は終わったかと聞いてその返事が「大丈夫」…?
掃除をしているのが金糸雀だけに非常に心配だな……と思ったまさにその瞬間、
「きゃ、きゃ~!掃除機が言うこと聞かないかしら~…!」
ガッシャーン!
……ハァ、やっぱり…

なんとか掃除も終わり、金糸雀とまったりしていると玄関のチャイムが鳴った。
ピンポーン…
「あ、水銀燈たちかな…?」
「カナが出てくるのかしらー♪銀ちゃ~ん♪」


嬉しそうに玄関へトテトテと向かう金糸雀。
「元気だなぁ…まぁそんなとこが好きなんだけど…って僕は何を…!//」
自分のセリフに自分で照れていると、急に視界が暗くなる。
「だぁれだぁ~?」
「…こんなこと水銀燈以外しないだろ?」
「あはっ♪せいかぁい♪」
そう言って僕に抱きついてくる水銀燈。
うわっ…背中にやわらかいものが…じゃなくて!
「ちょっ…水銀燈…抱きつくなってばっ!」
「うふふ…照れてるのぉ?」
そうじゃなくて…僕には金糸雀が…
ほら、案の定…
「ぎ、銀ちゃんでもジュンにそんなことしちゃダメなのかしらー!ジュンはカナのかしらー!ジュンも何デレデレしてるかしら!」
プンプン怒りながら水銀燈を僕から引き離そうとする金糸雀。
いや、デレデレなんてしてないよ?多分…。
「賑やかねぇ…」
「お、おじゃましまーす…」
「くぉらチビ人間!出迎えくらいしやがれです!」
どうやら僕らがドタバタしてる間に残りの3人も入ってきたようだ。
「さて、それじゃぁみんな揃ったし始めましょうかぁ♪」
騒ぎの現況がぬけぬけとほざいてらっしゃいますが…かくしてクリスマスパーティは始まった。


「それにしても……噂には聞いてたけど、金糸雀がここまでキャラが違うとは思わなかったのだわ…」
「確かにね…僕らも初めて見たときは衝撃だったよ…」
「クラスの金糸雀信者なんか泡吹いて倒れてたですぅ…」
何もないフローリングの床で3回も転ぶという金糸雀のドジっぷりを実際に目の前にして嘆く真紅に双子も賛同する。

みっちゃんさんが帰ってから、学校で『いい子』を演じることをやめ、学校でもドジっ子&甘えん坊前回の金糸雀。
それを見たクラスのヤツらの反応はすさまじいものだった…翠星石の言うとおり、卒倒した者もいる。まぁ当然か…今までが今までだったし…
それでも数日もしたらみんなも慣れたらしく、金糸雀の持ち前の明るさと親しみやすさで今まで以上に金糸雀人気はアップした。
これでよかった…ハズだ。


そんな感じでしばらくお菓子やジュースを飲みながらまったりしていると、足りなくなったジュースの買い出しに行った水銀燈と金糸雀が帰ってきた。
「はぁい、買ってきたわよぉ♪」
「ご苦労さま水銀燈…ってこれお酒じゃないの!私たちはまだ未成年よ!?」
「…こんなに買ってきたの?」
「ビールにチューハイ…梅酒もあるですぅ…」
「ごめんなさいかしら…カナはとめたんだけど…」
「いいじゃなぁい♪今夜は無礼講よぉ♪」
無礼講の使い方が間違ってるような気がするんだが…
「まぁ仕方ないか…飲み物これしかないし…」


それで今にいたるわけだが…本当に酒は人を変えるんだな…
翠星石はやたらと怒るし、真紅は泣くわ泣くわ…水銀燈はさっきからブツブツ言ってるし、蒼星石に至ってはやたらと小難しい公式やら定理やら法則やらを延々と語ってくる……
ちなみに金糸雀は一口飲んだだけでぶっ倒れてしまい、今は僕に抱きかかえられてスヤスヤ眠っている。
僕はリビングのすさまじい光景に耐えきれず、金糸雀を抱きかかえたままベランダに出た。
酒が入って少し熱くなった肌に冷たい夜風があたって心地よい。
「ふぅ…まさかみんながあんなに変わるとはなぁ…」
「…くちゅん!ん…ジュン…?」
「あ、悪い…起こしちゃったか?」
「ふにゃ…なんで外にいるのかしら…?しかもカナジュンに抱っこされてるのかしらー!//」
「いや…あの状況に耐えきれなくてな…」
「かしらー?」
「まぁ気にするな…」


「変なジュンなのかしらー…でも…」
「ん?」
「みんなで騒ぐクリスマスも楽しいけど…やっぱりジュンと二人きりでこうしてるほうがカナは幸せかしらー//」
「金糸雀…ふふっ…」
「な、何がおかしいのかしらー!?//」
「ちょっ…暴れるなってば…!」
「ぶぅ…」
「僕もさ…同じこと考えてたんだよ…」
「え…?」
「僕も…二人でいるときが一番幸せだから…//」
「ジュン…//」

そのまま僕らは…聖なる夜に優しい口づけをかわした。
「金糸雀…大好きだよ…//」
「えへへ…//あ、雪かしらー!」
「ホントだ…ホワイトクリスマスだな…」
「綺麗かしらー…♪」
「……//」
「ジュン?」
「い、いや…なんでもない…//」
『雪よりもそれを嬉しそうに眺めてる金糸雀のほうが綺麗だよ』なんていうありきたりなセリフ……そんなの恥ずかしくて言えるかっての……

「あ、言い忘れてた…」
「?」
「金糸雀……メリークリスマス♪」
「えへへ…メリークリスマスかしらー♪」

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