「真紅何を話してるです?」
また何か来た……
俺の平穏な学園生活が……
「ジュンに私たちの事を言ったのよ」
「何故です!? この事は他言無用なのですよ」
「いや、別にそんなことは無いよ」
「蒼星石は黙ってろです」
「翠星石ったら」
翠星石に蒼星石
さっき真紅が言ってた
「双子の……」
「なんですか?」
「あっいや双子なんだって?」
「そうですよ、私はローゼンメイデン第三子翠星石」
「僕はローゼンメイデン第四子蒼星石」
双子なのに性格は正反対だな
第三子って事は翠星石が姉の様だが蒼星石の方が落ち着いてるし
「……その第何子ってのは産まれ順だよな?」
「そうだよ」
「あっそれは翠星石が今言おうとしたです」
「はいはい」
見た目は一緒なのに性格は本当に違うな
「腹違いなのに何で分かるんだ?」
「それはお父様が言ったから」
またお父様か
「それも翠星石が言おうとしたです」
「えっとそのー」
-
「あっ自己紹介してなかったな、俺は桜田ジュン」
「じゃあジュン君って呼ぶね」
「別にジュンでいいのに」
「それよりも蒼星石昼休みになったら一年のクラスに行くですよ」
「何で一年なんだ?」
「二年生の特権を使わねー手は無いです」
特権ってそんなどうでもいい事を使うのか?
「翠星石大丈夫?」
「何がです?」
「人見知り……」
「あ~蒼星石言うなです!!」
初対面なのにこんな口が悪い奴が人見知り!?
「こんな口うるさいのでも人見知りするんだ」
「なっなんですか、翠星石はか弱い女の子なんですよ」
「か弱い……くくっ」
「あ~もうムカついたです、こんな器が小さい奴なんてチビ人間で十分です」
器とかそうゆう事を言われると腹が立つ
「なら、口の悪いお前は性悪だな」
「ムキー」
「翠星石やめなよ」
「蒼星石は黙ってろです」
「妹にそんなこと言えるなんて本当に性悪だな」
-
「また言いやがるですか、このチビ人間」
「もう、真紅も何か言ってあげてよ」
「授業中くらい静かにしたら?」
「……分かったよ」
クラスではおとなしくしてたのに、この性悪のせいだ
「……分かってるです、でも悪いのはチビ人間」
「翠星石」
「……はいです」
やっと落ち着いた様だ
それにしても人見知りをする翠星石がこんなに喋るなんて珍しい
いや、こんな姿は初めてかも
「何か盛り上がってるわねぇ」
「今度は誰だ?」
「私ぃ? 私はローゼンメイデン第一子水銀燈」
またこの挨拶か……
「……桜田ジュン、よろしく」
「よろしくぅ」
なんなんだよさっき一体
よく見ると腹違いにしてもこいつらカラフルだし
水銀燈の髪は銀? 白銀だし
真紅は金髪
まあ双子の髪は……
「……何? ジュン君」
「チビ人間!! 蒼星石に色目を使うなです」
-
「違うよ、お前らの目」
「左右で色が違う?」
「そうそう、右目と左目、お前ら逆だよな」
「翠星石と蒼星石は二人で一人です」
オッドアイって言ったかな?
見るのは初めてだ
「んっ!? 何だ?」
眉を細めながら翠星石の方に向かって言った
「いきなりなんですチビ人間」
「違うよ、お前の後ろの……」
さっきから翠星石の後ろから何かが見え隠れしていた
「後ろって……うわぁ、金糸雀脅かすなです!!」
「みっ見付かったかしら」
「金糸雀も入りたかったんだよね?」
こいつらが揃う事は無いって言ってたが仲は良いようだな
姉妹だからか?
「バレたら仕方ないかしら、私はローゼンメイデン第二子……」
またこれか、もう面倒臭くなってきた
まだ一人いるし
「俺の名前は桜田ジュン!!」
-
「おい、桜田 お前の名前は分かったから、静かにしろ」
ついに先生に怒られた
「まったく、使えない下僕だわ」
真紅の言葉にも頭が上がらない
「私はローゼンメイデン……
「うるせーです、テメーも黙れです」
先生に怒られた事もあってやっと静かになり普段の授業に戻った
俺の静かで平穏な学園生活はもう戻らないというのに
「私の自己紹介はまだかしら」
~二部・完
最終更新:2006年03月05日 19:18